著者
縵沢 奈穂美 高久 雅生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.161-174, 2017-05-27 (Released:2017-07-21)
参考文献数
25

本研究の目的は「書籍の種類・読む目的が変わると,着目する項目が変化する」かどうかを明らかにすることである.オンライン調査により,同じタイトルの書籍の電子書籍と紙の書籍を示し,どちらを選択するかを尋ねた.課題ごとに「書籍の種類」,「あとがきの有無」などの提示情報を変化させ,どの情報を重視しているのかを調べた.小説を取り扱った課題では紙の書籍を選択した人数が多く,実用書では電子書籍を選択する人数が多いという結果が得られた.また,読む目的を変更すると,項目の重要度の値が変化していた.特定の書籍の種類や読書の目的を設定した場合,「書籍の種類・読む目的が変わると,着目する項目が変化する」可能性があるのではないかと考えられる.
著者
崎尾 均 久保 満佐子 川西 基博 比嘉 基紀
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.226-231, 2013 (Released:2014-08-12)
参考文献数
29
被引用文献数
12

秩父山地においてはニホンジカの採食による森林への様々な影響が見られる。埼玉県秩父市中津川の渓畔林の林床植生の植被率は,1983 年には90% 程度であったが2004 年にはわずか3% にまで減少した。各種の個体数・被度も,ハシリドコロなど一部の有毒な植物を除いては全体的に減少した。調査地の周辺を含む秩父山地では2000 年以降にニホンジカの個体数の増加が報告されていることからも,本調査地の林床植生の減少は2000 年以降のニホンジカの急激な個体数密度の増加と関係していると考えられる。また,草丈が低い植物や生育期間の短い植物が比較的残存しており,植物種の生活史や形態によってもシカの採食の影響は異なる傾向が確認された。
著者
田中 佑典 戸田 浩之 湯口 昌宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1L13, 2018-07-30

<p>サッカーやバスケットボールなどのチームスポーツにおいて,試合中の選手のプレイ履歴(プレイログ,位置情報など)が大規模に取得可能となってきている.チームスポーツにおいて試合を有利に進めるためには,数的優位な状況をつくることが重要である.本研究では,実際のサッカーデータに基づいて,数的優位な状況をチームがどのようにして作り出すことができるのかについて分析し,それを作り出す過程について考察する.</p>
著者
深見 武史 堤内 亮博 井上 雄太 吉田 幸弘 村川 知弘 中島 淳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.444-447, 2012-05-15 (Released:2012-06-18)
参考文献数
18

症例は62歳,男性.1953年(8歳時)に甲状腺腫で甲状腺右葉切除後,1955年に全肺野の粟粒状陰影と頚部リンパ節腫脹を指摘された.リンパ節生検と右肺S3部分切除術が施行され,甲状腺乳頭癌肺転移,リンパ節転移と診断された.化学療法と放射線外照射施行後も変化は乏しく,経過観察となった.2008年5月検診にて前立腺癌を疑われ,精査中,胸部X線にて左肺腫瘤影を認めた.前立腺生検にて前立腺癌は否定されたが,胸部CTにて左肺上葉に21 mm大の不整な結節と両肺に数mm大の小結節を多数認めた.原発性肺癌もしくは甲状腺癌肺転移を疑い,確定診断目的に胸腔鏡下左上葉部分切除を施行.甲状腺癌肺転移とその多発陳旧性病変との診断を得た.甲状腺癌術後30年以上経過して再発する症例は稀であり,本症例が最長であった.
著者
藤縄謙三編
出版者
南窓社
巻号頁・発行日
1993
著者
新井 康允
出版者
人間総合科学大学
雑誌
人間総合科学 (ISSN:13462598)
巻号頁・発行日
pp.105-115, 2001-03-31

幼児の自由画には、モチーフ、色彩、構図、表現などに男女差が見られる。男の子は自動車や電車など動くものを好んで描き、色彩は寒色系で、構図は3次元的なものが見られる。一方、女の子の絵の構図は2次元的で、人物、草花、家などを並列的に、同一平面上に描くのが特徴的である。胎児期から副腎性のアンドロゲンが過剰に分泌される先天性副腎過形成という遺伝疾患があり、この病気の女の子の絵は男性化傾向が極めて強い。このことから、幼児の自由画の男女差の成因に胎児期のアンドロゲンが関与している可能性が考えられる。
著者
坂部 龍太郎 山口 拓朗 長谷 諭 田原 浩 布袋 裕士 前田 佳之
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.983-987, 2017 (Released:2017-11-30)
参考文献数
14

GISTを疑い切除した寄生虫による胃好酸球性肉芽腫の1例を報告する.症例は65歳の女性で,Helicobacter pylori菌に対する除菌治療を受けていた.上部消化管内視鏡検査で胃体中部大彎に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍を指摘された.造影CT検査では,胃壁外へ突出する15mm大の腫瘍を認めた.超音波内視鏡検査では,腫瘍は筋層と連続していた.超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診では十分な組織が採取できず,確定診断できなかった.GISTを疑い腹腔鏡下胃局所切除術を施行した.病理組織学的検査では,粘膜下層に変性した虫体を認め,その周囲に肉芽腫を形成する好酸球性肉芽腫であった.寄生虫による胃好酸球性肉芽腫は稀な疾患であるが,胃粘膜下腫瘍の鑑別診断として認識しておく必要がある.
著者
Masami Ikeda Minoru Sugihara Makiko Suwa
出版者
The Biophysical Society of Japan
雑誌
Biophysics and Physicobiology (ISSN:21894779)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.104-110, 2018 (Released:2018-04-27)
参考文献数
28
被引用文献数
5

We report the development of the SEVENS database, which contains information on G-protein coupled receptor (GPCR) genes that are identified with high confidence levels (A, B, C, and D) from various eukaryotic genomes, by using a pipeline comprising bioinformatics softwares, including a gene finder, a sequence alignment tool, a motif and domain assignment tool, and a transmembrane helix predictor.SEVENS compiles detailed information on GPCR genes, such as chromosomal mapping position, phylogenetic tree, sequence similarity to known genes, and protein function described by motif/domain and transmembrane helices. They are presented in a user-friendly interface. Because of the comprehensive gene findings from genomes, SEVENS contains a larger data set than that of previous databases and enables the performance of a genome-scale overview of all the GPCR genes. We surveyed the complete genomes of 68 eukaryotes, and found that there were between 6 and 3,470 GPCR genes for each genome (Level A data). Within these genes, the number of receptors for various molecules, including biological amines, peptides, and lipids, were conserved in mammals, birds, and fishes, whereas the numbers of odorant receptors and pheromone receptors were highly diverse in mammals. SEVENS is freely available at http://sevens.cbrc.jp or http://sevens.chem.aoyama.ac.jp.
著者
圓田 浩二 マルタ コウジ Maruta Koji 沖縄大学法経学部法経学科教授
出版者
沖縄大学法経学部
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
no.27, pp.19-32, 2017-09

ポケモンGOは、2016年7月にリリースされたスマートフォンとタブレット端末用のゲームアプリである。本稿では、ポケモンGOの製作、グローバル・キャラクターとしてのポケモンの誕生とその受容、ポケモンGOが世界的にヒットした理由、そして、ポケモンGOが引き起こした数々の社会問題の分析を行う。学術的には、遊び論、身体論、ゲーム論などを用いて記述と分析を進める。そして、本稿は、ポケモンGOが社会に与えた影響の原因であるその特性を社会学的観点から考察するとともに、ポケモンGOというゲームアプリがもつ潜在的な可能性を、社会性の次元から分析する。本稿の仮説は、ポケモンGOが今までのゲームと異なる何か「新しい社会の変化や人間の思考や感覚の変化」をもたらしたのは何かという問題を提起し、解明することである。方法は、「遊び」や「身体」、「テレビゲーム」について書かれた文献を収集・探索するとともに、ポケモンGOのプレイヤー(「ポケモントレーナー」)についてのフィールドワーク(参与観察)を行い、またインターネットでの数多の発言を収集した。結論としては、ポケモンGOは、新しい社会の変化や人間の思考や感覚の変化をもたらし、現実をゲーム化する。そのことで生じる数々の問題は、社会との「折り合い」をつけることで解決されなければならない。Pokémon GO is a game application for smartphones and tablet released in July 2016.In this paper, I analyze about the various social problems caused by Pokémon GO, the birth and acceptance of Pokémon as a global character, the reason why Pokémon GO hit globally, and the production of Pokémon GO. Academically, I push forward a escriptionand analysis using play theory, body theory, game theory and others. And this paper iders the characteristics which is the cause of the influence Pokémon GO has given to ociety from a sociological point of view and alyzes the potential possibilities of the gameapplication Pokémon GO from the dimension of sociality. The hypothesis of this paper isto pose and elucidate the question of hether Pokémon GO has caused something differentfrom the conventional games, "new social changes in a new society and changes in humanthought or sensation". The method collected and explored literature written about "play","body", and "video game", and I performed the fieldwork (observation of articipation)about the player of Pokémon GO ("Pokémon trainer"), I gathered a great number ofremarks on the Internet. In conclusion, Pokémon GO brings about changes in new society and changes in human thoughts and senses, and makes reality a game. A number ofproblems arising from that will have to be solved by attaching "compromise" with society.
著者
吉田 正高
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.398-401, 2016-08-01 (Released:2016-08-01)

我が国の戦後のコンテンツ文化(漫画,アニメーション,特撮,ゲームなど)における様々な物理的蓄積について,先行する歴史「資料」の保存管理も念頭に置きながら,コンテンツ文化における「資料」の位置づけと特性,保存管理,さらに展示について,これまでの経緯と今後の課題について概説した。
著者
澤村 淳 早川 峰司 下嶋 秀和 久保田 信彦 上垣 慎二 丸藤 哲 黒田 敏
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.358-364, 2010-07-15 (Released:2010-09-20)
参考文献数
13

クモ膜下出血は突然死の主要原因の一つである。我々は院外心肺機能停止で発症したクモ膜下出血症例で神経学的予後良好例を報告する。症例は52歳男性。交通事故が発生し,心肺停止が目撃された。すぐにbystandar心肺蘇生法が施行された。ドクターカーを含めた救急隊が要請され,救急医は当院到着まで気管挿管を含めたadvanced cardiopulmonary life supportを施行した。心肺停止発症から23分後に心拍再開し,直後に初療室へ搬入となった。意識レベルはE1VTM5であった。心電図はV1からV5誘導でST上昇を認め,心筋虚血が示唆された。頭部CTの結果,右半球に優位な瀰漫性のくも膜下出血を認めた。脳血管撮影では右中大脳動脈分岐部に嚢状動脈瘤を認めた。World Federation of Neurosurgical Societies分類ではGrade IV,Fisher CT分類ではIII群と診断した。しかし,眼球偏視が消失,対光反射が出現し,上肢の運動も活発に認められたことから,脳動脈瘤頸部クリッピング術を目的に開頭手術を施行した。患者は第18病日に神経脱落症状なく独歩で退院した。Bystandarによる発症直後からの心肺蘇生法や集中治療は院外心肺停止で発症したクモ膜下出血症例の生存率や機能的予後を改善する可能性がある。
著者
井上 智博 市川 有二郎 内藤 季和 高橋 良彦
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.481-488, 2014-10-15 (Released:2014-10-29)
参考文献数
9

本調査は,千葉県立柏の葉公園内の野球場の芝地において,線量率と芝・土壌中放射性セシウム濃度の経時変化について解析した。採取した芝と土壌を別々に分離して放射性セシウム濃度を定量した結果,全ての調査期間においてサッチ層(芝の根部周辺に位置する芝の刈りかすや枯れた芝の堆積物)に,その下に位置する土壌よりも放射性セシウムがより多く蓄積していることが確認された。芝の深刈りを地表面から20mm深さで均一に行い,サッチ層を取り除いたことで除染効果が得られた。

18 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1951年01月05日, 1951-01-05