著者
岡本 拓司
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.32-35, 2019-01-20 (Released:2020-01-01)
参考文献数
5

ノーベル賞は,大きな賞金の額と,推薦を国際的に集める選考過程に特徴がある。同賞の最初の授賞は1901年に行われたが,この年すでに,日本の医学者,北里柴三郎の名前が候補者の中にあった。ノーベル賞を初めて受賞した日本人は湯川秀樹であったが(物理学賞,1949年),それ以前から同賞と日本の関わりは始まっており,人工癌の発生に成功した山極勝三郎のように,1920年代に受賞に近づいた者もあった。湯川,朝永振一郎(1965年)と続いた理論物理学者の受賞は,20世紀初頭の物理学の変革の産物であるとも解釈できるが,その影響は日本人初の化学賞を受賞した福井謙一の研究にも及んでいると考えられる。
著者
折本 伸之 渥美 雅保
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.319-320, 2019-02-28

近年急速に普及し,注目を集めている代表的なSNS(Social Networking Service) としてTwitter がある.ツイートには様々な情報が含まれており,これらの情報を抽出,活用することを目的とした研究は数多く行われている. 本研究では,潜在的ディリクレ配分法(LDA)を用いたトピックモデルにより,ユーザが興味を持ったニュース文書集合から興味を表すトピックを学習してユーザの興味モデルを生成し,それを用いて一連のニュースから興味のあるニュースをランク付けしてフィルタリングする手法を構築する.そしてTwitterタイムラインに流れるニュースを対象として,ユーザの興味モデルに基づいてニュースをランキングしてユーザに提示する実験に関して述べる.

2 0 0 0 法医学の話

著者
古畑種基著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1958
著者
遠藤 一彦 松田 浩一 安彦 善裕 大野 弘機 賀来 亨
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.682-690, 1997-11-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
80
被引用文献数
5 5

Metallic surgical implants have been widely used in orthopedics and dentistry. This paper reviews the biodegradation of metallic implants and its local and systemic effects on patients. The review discusses typical damage of 316L stainless steel, Co-Cr alloy, commercially pure Ti, and Ti-based alloy implants due to corrosion and wear and factors affecting the biodegradation of these implants. Macrophage mediation of cellular and humoral regulatory pathways in inflammatory and immune responses to metallic ions and wear debris released from the implant is summarized. Implant-related factors influencing the susceptibility to local infection are also discussed.
著者
永野 航太郎 長尾 勇平 尾知 博
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.10, pp.772-782, 2021-10-01

無線センサネットワーク等におけるノード間の高精度な時刻オフセット推定及び同期は,正確なデータ解析のための重要な課題である.一方,従来の高精度時刻同期手法は,無線センサネットワーク等の膨大なノードが参加するネットワークにおいて時刻同期のために大量の情報通信を要したり,同期を主導する時刻同期サーバが必要とされたりする問題がある.本論文では,時刻同期のための同期通信パケットを削減し,無線LANにおける高精度な時刻オフセット推定及び同期をソフトウェアにより実行する手法を提案する.具体的には,APから定期的に送出されるビーコンパケットに含まれるTSF (Timing Synchronization Function)タイムスタンプ値の増分に対して,各ノードが自身のローカルクロック増分値との近似回帰直線を算出し,マスタノードから回帰直線係数を送信する.また,提案手法について,計算機シミュレーションによりその精度と有効性を評価する.加えて市販無線LANアクセスポイント等を用いた実機実験により,従来手法よりも少ない情報量・通信でサブマイクロ秒オーダの時刻同期精度を実現できることを示す.
著者
宮本 崇 本田 利器
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.3_41-3_52, 2016 (Released:2016-03-10)
参考文献数
10

著者らは耐震設計用地震動として地震動の集合を代表する波形を用いる手法について検討をしているが、性質の大きく異なる波形を代表する波形を設定することは合理的ではない。この問題を回避するには、類似した地震動波形に分類することが考えられる。本研究では、地震動の性質の非類似度を構造物の非線形応答値に基づいて定量化し、地震動波形の集合をクラスター化する著者らの既開発の手法について、基礎的な有効性の検証を目的とした数値解析を実施する。構造モデルを線形系として提案手法を適用した場合、応答スペクトル形状の異なる地震動波形の集合を提案手法によって適切に分類できることを示した。また、構造モデルを非線形系とした場合は、スペクトル形状とは異なるクラスターが形成されるということも明らかになった。
著者
堀澤 士朗 平 孝臣
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.838-845, 2021-07-10

Point・高周波熱凝固手術は,振戦・ジストニアなどの不随意運動に対して長期的に改善をもたらすことができる.・高周波熱凝固手術における後遺症を呈する脳出血は極めて稀であり,安全性は高い手術である.・振戦に対する両側脳凝固手術以外の安全性は確立されておらず,構音障害や声量低下などの症状が重篤に生じる可能性がある.・両側脳凝固手術による手術リスクが懸念される場合は脳深部刺激療法(DBS)の適応を検討する必要がある.
著者
吉岡 敦子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-10, 2002-06-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
9

本研究は,大学生を対象にYahooを使ったインターネット情報検索について検討した.実験1では,基本的検索技術の教示を与える群と与えない群の検索過程を比較した結果,両群に差は見られなかった.実験2では,メタ認知過程を意識化させる質問を与える群と与えない群を比較した結果,与えた群では不適切な行動が減少した.実験3では,メタ認知過程を意識化させる質問を全被験者に与え,正解・不正解によってグループ分けし検討した結果,訓練する機会を与えれば,自発的に意識化させて検索を行えることが示された.また,メタ認知過程を意識化させる効果は,1)検索時間と行動量を減少させる,2)モニタリングとプランニングをさせる,3)インターネット情報検索スキルを獲得させる,の3つであった.しかし,意識化を十分に行うことの難しさも明らかにされ,練習の機会を与えたり,他者の援助を介入する必要性が示された.
著者
柴田 弘紀 千々岩 崇仁 服部 正策 熊澤 慶伯
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

国内産ハブ3種(ハブ、トカラハブ、サキシマハブ)の遺伝的集団構造を詳細に検討するため、12の島から計44検体を収集し、ミトゲノム配列の決定を行った。最尤系統樹を構築したところ、ハブは沖縄クレードと現在のトカラハブを含む奄美クレードの間で大きく遺伝的に分化していた。また、トカラハブを独立種とする従来の考え方は、ミトゲノムデータからは支持されなかった。また奄美クレードと沖縄クレードの分岐年代は、600万年以上前と推定され、奄美群島と沖縄諸島の地理的な分断(150万年前)よりも古かった。さらに、沖縄クレードに比べて、奄美クレード内では遺伝的多様性が高く、島嶼集団ごとの遺伝的分化が顕著であった。