2 0 0 0 飲酒と健康

著者
今泉 和彦 立屋敷 かおる
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 = JAPANESE JOURNAL OF PHYSICAL FITNESS AND SPORTS MEDICINE (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.279-286, 2005-06-01
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

The present article briefly overviews the principal pathway of ethanol metabolism in the liver cell and hormonal regulations of ethanol metabolism, and a relationship between alcohol drinking volume (=alcohol consumption) and the degree of alcohol intoxication. This article also focuses on a possible mechanism of sex difference in rat liver cytosolic alcohol dehydrogenase (ADH) activity, and the effects of bile, bile acids, vegetable oils and unsaturated fatty acids on plasma ethanol levels and gastric emptying in ethanol-administered rats. Finally, the recent findings concernig a relationship between alcohol drinking and human health are described.
著者
藪内 英子
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.505-548, 2003

古来, 炭疽は畜産に甚大な被害を与えたのみならず, 農工業食品などを介してヒトの散発症例, 大・小規模の集団発生を記録してきた。近年先進国では恣意的でない炭疽症例は, ヒト・家畜ともに激減したが, 炭疽の病原菌 <i>Bacillus anthracis</i> はその病原性, 芽胞の耐久性と製造・運搬・撒布の容易さなどから生物兵器として密やかな脚光を浴びて来た。2001年9月のニューヨークでのハイジャック機自爆テロに引き続いて実行された<i>B. anthracis</i> 芽胞を混じた白色粉末郵送による生物テロは, 改めて世界の耳目をこの菌に惹き付けた。<br>今後の不測の事態に備えるため, 我々はこの菌種についてあらゆる意味での性格を熟知し対応策を立てておかねばならない。炭疽が疑われる患者の臨床検査から患者の迅速診断と迅速治療, 毒素の作用機序と分子生物学, 毒素の解毒方法, ワクチンならびに同種受動免疫抗体の開発・実用化など多岐にわたる知識と技術を具えた研究者群を確保していただきたい。<br>この総説では1864年の Davaine の論文から始めて2003年の Colwell の論説まで引用した。<i>Bacillus cereus</i> group の菌種の分類学上の問題点が未解決である事, 公的統計として発表されていない明治以降の本邦炭疽症例, 旧ソ連軍事施設からの芽胞漏洩による大惨事とその隠蔽, 多様な臨床病型などを比較的詳述した。毒素に関する記述を簡単な引用に留めた部分も少なくないが, 炭疽毒素の抗腫瘍効果も含めて, この総説から何かを得て下されば幸甚である。
著者
松宮 奈賀子 森田 愛子
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.16, no.01, pp.196-210, 2016-03-20 (Released:2018-08-02)
参考文献数
16

本研究の目的は,教員養成課程で学ぶ大学生を対象に,英語母語話者とのティーム・ティーチング(以下T.T.)形式での模擬授業の効果を「指導への自信」「不安」「具体的な学び」の3 観点から検討することである。外国語活動の指導法を学ぶ演習科目を履修した大学生131 名を対象として,ALT との模擬授業の実施前後における「指導への自信」の変容,「指導への不安」の実態,「ALT との模擬授業からの学びの具体」を質問紙により調査した。その結果,模擬授業前の段階で特に学生が「自信がない」と評価したのがALT との指導に関する事項であり,事後には自信に関する質問項目すべてにおいて,得点の向上が見られた。また,ALT との模擬授業は全員が実施したのではなく,実施した学生と,それを観察したのみの学生がいたが,この2 群間に自信の向上に関する差異は見られず,観察によっても一定の学びを得ることができることが明らかになった。具体的には,打合せの重要性や打合せを効率的に実施する方法,授業内でのALT の役割等についての学びがあったことが自由記述より明らかになった。このようにALT とのT.T.に関し,一定の学びを得,指導への自信は高まったものの,英語力に関する不安が依然として残ることも明らかになった。そのため,ALT との模擬授業から授業づくりや協同して指導にあたる方法を学ぶことは有効であるが,合わせて英語力の向上を目指すことがALT とのT.T.指導への自信に繋がるであろうことが明らかになった。
著者
西村 智 ニシムラ サトシ Nishimura Satoshi
出版者
中部大学全学共通教育部
雑誌
中部大学全学共通教育部紀要 (ISSN:21892547)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-6, 2017-03

It is no exaggeration to say that the pleasure of reading a narrative lies in anticipating an ending. Not only early structuralist narrative theories such as Gérard Genette's but recent ones, with the possible exception of what is known as <unnatural narratology,< more or less take it for granted that a narrative ends. This assumption dates at least as far back as Aristotle. If a narrative has to end, what remains is the problem of how it ends. This essay concerns the problem of narrative endings as it is addressed in narrative theory.
著者
清水 潤
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.32-41, 2005-09-10 (Released:2017-08-01)

泉鏡花「龍胆と撫子」は「黒髪」と題して雑誌連載が始まったが、連載誌の変更や連載中断を経た後、前半部分のみが『りんだうとなでしこ』と題して単行本化された。この未完に終わった大作について、本論では複雑な成立過程も考慮に入れた上での作品読解の可能性を探る。成立過程での作品世界の変質や作中人物の役回りの問題(例えば、重要人物であるべき毛利が冒頭部分にしか登場しないこと)も検討しつつ、後期の鏡花文学の中での本作の存在意義を巡って再考察を試みた。
著者
小枝 壮太
出版者
近畿大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ボリビア原産のトウガラシNo.3341は果実に辛味成分カプサイシノイドをまったく蓄積せず,その原因は既知の情報では説明できない.本研究では辛味品種Habaneroと既知の遺伝子変異により辛味を呈さない非辛味品種としてNo.2,No.80,NMCA30036を供試した.これら品種の交雑後代を調査したところ,No.3341は単一の劣性遺伝子により辛味を呈さず,新規因子が関与していることを明らかにした.また,Comtの変異が原因である可能性についても棄却した.そこで,Rad-seq解析を行ったところ,No.3341の非辛味性に強く連鎖するマーカーを作成することに成功した.
著者
水野 博介
出版者
財団法人日本世論調査協会
雑誌
日本世論調査協会報
巻号頁・発行日
no.73, pp.85-87, 1994-03-31

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