著者
桂 法称
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース (ISSN:21873070)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.3, 2019-07-20

パズドラの数理と物理
著者
渡部 健二 和佐 勝史 濱崎 俊光 河盛 段 樂木 宏実 奥村 明之進
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.77-83, 2013-04-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
4
被引用文献数
1

背景 : 大阪大学は平成23年度より卒業試験を廃止し,臨床能力を総括的に評価する新しい試験を導入した.方法 : 新しい試験では,診療における問題解決の過程を再現するシーケンシャルシナリオを作成した.評価者はシナリオに沿って病棟回診と同じような口頭試問を受験生に対して行ない,態度,知識,思考に基づいて臨床能力を評価した.試験終了後にアンケートを行なった.結果 : 試験は円滑に実施された.試験後のアンケートにおいて評価者の約9割,受験生の約6割は本試験の意義を肯定的に回答した.考察 : 今回の試みは主に評価者に好意的に受け入れられた.今後の課題は,パフォーマンスに基づく試験の導入である.
著者
谷川 恵一
出版者
高知大学
雑誌
高知大学学術研究報告 人文科学 (ISSN:03890457)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.p167-189, 1989
著者
西守 隆 伊藤 章
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.318-323, 2006-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本研究の目的は,歩行・走行時の骨盤と体幹の回旋角度を測定し,移動速度との関係や位相性変化を検討することである。大学陸上競技部の男子短距離選手6名を対象とした。移動速度条件として,歩行は1.3,1.9m/sの2条件,走行は2.5,4.5,6.5m/s及び最高速度の4条件とした。全試技を3台のハイスピードカメラを用いて撮影した。得られた座標値から骨盤回旋角度と体幹回旋角度を求めた。得られた骨盤回旋角度と体幹回旋角度について,時系列データとして相互相関分析を行ったあと,位相性の違いを算出した。その結果,歩行では移動速度の増加と共に骨盤回旋運動の振幅は直線的に増大した。走行では2次曲線の傾向を示し,2.5m/sから6.5m/s付近まで増加したが,それ以上の速度では逆に減少した。骨盤回旋と体幹回旋との関係は,歩行では互いに逆方向に回旋していたのに対し,走行では移動速度の増加とともに同方向への回旋運動に変化した。これは移動速度が向上するに従い,歩行周期における骨盤回旋運動の位相が変化し,体幹回旋運動の動きの方向に近づいていくことを示している。
著者
鷲家 勇紀 西川 友章 藤野 槌美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.37-44, 2018-02-15 (Released:2018-02-27)
参考文献数
22

市販のコーヒー焙煎豆には,通常エージング処理が施されており,この処理によって,コーヒー抽出液中の多くの香気成分が減少するだけでなく,機能性にも影響することが明らかになってきている.そこで本研究ではマウスにエージング処理時間の異なる焙煎豆の抽出液を投与し,血中尿酸上昇抑制効果を検証した.その結果,エージング処理していないコーヒー焙煎豆抽出液に血中尿酸上昇抑制効果が認められ,処理時間が48時間以内であれば効果が認められることが分かった.また,この血中尿酸上昇抑制効果には,pyrazine類1成分,および硫黄化合物2成分がそれぞれ関与し,何れもエージング処理時間の経過と共に減少する成分であった.さらに作用のメカニズムとして,キサンチンオキシダーゼ活性への影響を検証した.その結果,エージング処理が48時間以内のコーヒー,および有効成分として特定した,エージング処理によって減少する香気成分3成分に,キサンチンオキシダーゼ活性の阻害作用が認められた.以上の結果から,エージング処理をしていないコーヒー焙煎豆抽出液は,血中尿酸値の上昇抑制効果を有し,エージング処理時間の経過と共にその効果は弱まることが分かった.
著者
内田 青蔵 安野 彰 須崎 文代 渕上 貴由樹 清 直樹
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、今後の住まいの在り方を考える一助として、持家志向の定着の様相を、戦前期に持家志向を中流層全般にまで拡大化させたことで知られる日本電話建物株式会社の事業や広報媒体である雑誌『朗』を通して明らかにすることを目的とした。その結果、日本電話建物株式会社の採用した住宅無尽の方法は、借家の家賃並みの金額で持家を得る方法として定着し、一気に中流層以下の人々の持家の可能性を高めたこと、また、持家を得た人々の多くは借家への不満はあったものの持家に対する明快な理念はほとんど持ち合わせておらず、持家を所有することそのものに意味を見出していたこと、が明らかとなった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.238, pp.143-145, 2004-07

1年前、若い専務が突然辞めて、他の従業員や取引先に、主人を誹謗中傷する手紙を送り付けたんです。「セクハラ」だの「会社の金を使い込んだ」だの、それは大騒ぎになりましたよ。 結局は皆さん、専務の勘違いと分かってくれましたが、主人を見ていると、専務の行動も無理ないかな、とも思うんです。職人肌と言えば聞こえはいいですが、言葉足らずな人で……。
著者
堀田 裕子
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.119-132, 2010 (Released:2020-03-09)

テレビゲーム体験は、M.メルロ=ポンティの理論からどのように考察できるだろうか。彼は「奇妙な」空間に関する考察で、異なる空間への「投錨」とそのための「投錨点」の必要性を論じている。投錨は「構成的精神」によるのではなく、身体が新たな空間内の諸対象を「投錨点」として、そこに住みつくということである。だがその投錨(点)は対象ではなく地であり、異なる空間を同時にとらえることはできない。 テレピゲームにおける「客観視点」は、「主観視点」とは異なり、画面上にキャラクターが登場しそれを操作するプレイヤーの視点である。この時、キャラクターの身体は投錨点となり、プレイヤーの動きに応じてキャラクターは同時に動く。この現象を「同期」と呼ぶ論者もいる。だが、この考え方は二重の空間把握と物理的身体を前提しており、身体はその特質からしてまず「潜勢的身体」としてとらえる必要がある。 また、奥行の考察からは、対象同士、そして対象と身体もけっして並列的な関係にあるのではなく、互いに他方を導き入れる「含み合い」の関係にあることが示される。そして、この「含み合い」を「投錨」の観点から理解することで、ゲーム体験においてはプレイヤーの身体とキャラクターの身体とがまさしく「含み合い」の関係にあることが分かる。そして、過去・現在・未来もまた「含み合い」の関係にあるとともに、地となり時間を湧出する、潜勢的身体のもつ非反省的な主体性は、ゲーム体験によって解体されることはない。
著者
肥爪 周二
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.5-13, 2004-08-31 (Released:2017-08-31)

Making morphemes within a word distinct while keeping the word's coherence might be considered opposites. In this paper, I deal with four types of compounds in ancient and modern Japanese, and argue that the two tasks function effectively and are entirely compatible. The compounds dealt with in this paper are (i) /Q/-inserting compounds in modern Japanese: ma-Q-siro, huto-Q-para, kore-Q-kiri, and (ii) Rendaku (or sequential voicing): yama-bato, tani-gawa, sato-bito, (iii) compounds attested to be pronounced as two independent accent phrases in ancient Japanese, and (iv) vowel elision in consecutive vowels in compounds in ancient Japanese.
著者
岩井 和郎
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.321-331, 2000-11-10 (Released:2011-12-05)
参考文献数
48
被引用文献数
7

ドイツ都市大気の測定では, PM2.5の約10重量%に0.1μm以下の超微細 (ナノ) 粒子が含まれている事が報告されている。実験的に酸化銅のナノ粒子をハムスターに吸入させてその体内動態を調べると'粒子は肺胞上皮を通過して肺間質に入り, リンパ管や血管内, 肺門リンパ節に運び込まれる事が見られた。また微小粒子とナノ粒子の動態を比較した定量的実験では, ナノ粒子で遙かに多い量が肺間質からリンパ節に入ることが示されている。健康人の肺に沈着しているナノ粒子には各種金属元素が含まれている事が分析電顕の研究から知られる。また各種排出源からの浮遊粒子状物質は肺障害性を引き起こすが, それは含まれる金属種により異なることが示唆されている。一方組織反応性に乏しい合成レジン, テフロンの蒸気に含まれるナノ粒子を吸入すると, 強い急性反応が起こることも報告されている。このナノ粒子が凝集して粗大塊となったものは直ちに毒性が消失しているという実験成績は, 化学組成よりも粒子が極めて小さいという事が重要であることを示している。もしPM2.5が疫学研究で報告されている心肺疾患死亡に関係するとすれば, ナノ粒子の血管内への容易な吸収は, その急性毒性を説明し得る。
著者
Tomokazu Motomura Atsushi Hirabayashi Hisashi Matsumoto Nobutaka Yamauchi Mitsunobu Nakamura Hiroshi Machida Kenji Fujizuka Naomi Otsuka Tomoko Satoh Hideaki Anan Hisayoshi Kondo Yuichi Koido
出版者
The Medical Association of Nippon Medical School
雑誌
Journal of Nippon Medical School (ISSN:13454676)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.124-130, 2018-04-15 (Released:2018-05-02)
参考文献数
14
被引用文献数
5 9

More than 6,000 people died in the Great Hanshin (Kobe) Earthquake in 1995, and it was later reported that there were around 500 preventable trauma deaths. In response, the Japanese government developed the helicopter emergency medical service in 2001, known in Japan as the "Doctor-Heli" (DH), which had 46 DHs and 2 private medical helicopters as of April 2016. DHs transport physicians and nurses to provide pre-hospital medical care at the scene of medical emergencies. Following lessons learned in the Great East Japan Earthquake in 2011, a research group in the Ministry of Health, Labour and Welfare developed a command and control system for the DH fleet as well as the Disaster Relief Aircraft Management System Network (D-NET), which uses a satellite communications network to monitor the location of the fleet and weather in real-time during disasters. During the Kumamoto Earthquake disaster in April 2016, 75 patients were transported by 13 DHs and 1 private medical helicopter in the first 5 days. When medical demand for the DHs exceeded supply, 5 patients, 8 patients, and 1 patient were transported by Self-Defense Force, Fire Department, and Coast Guard helicopters, respectively. Of the 89 patients who were transported, 30 (34%) had trauma, 3 (3%) had pulmonary embolisms caused by sleeping in vehicles, and 17 (19%) were pregnant women or newborns. This was the first time that the command and control system for aeromedical transport and D-NET, established after the Great East Japan Earthquake in 2011, were operated in an actual large-scale disaster. Aeromedical transport by DHs and helicopters belonging to several other organizations was accomplished smoothly because the commanders of the involved organizations could communicate directly with each other in person within the Aviation Coordination Section of the prefectural government office. However, ongoing challenges in the detailed operating methods for aeromedical transport were highlighted and include improving shared knowledge and training across the organizational framework. These are particularly important issues to address given the Nankai Trough and Tokyo inland earthquakes that are predicted for the near future in Japan.

2 0 0 0 OA 古本年鑑

著者
古典社編輯部 編
出版者
古典社
巻号頁・発行日
vol.第1年版, 1933
著者
井上 郷子
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 = Kunitachi College of Music journal (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
no.55, pp.253-259, 2021-03-31

松平頼則と松平頼暁は、現代日本を代表する作曲家であり、親子の関係にある。筆者は、2020年3月1日、東京オペラシティ・リサイタルホールにて「井上郷子ピアノリサイタル#29 松平頼則・松平頼暁ピアノ作品集」(欧文表記"Satoko Inoue Piano Recital #29 Piano Works by Yoritsune Matsudaira and Yori-aki Matsudaira"を行なった。このリサイタルでは、両氏の作曲様式を比較、研究し、演奏することによって浮かび上がらせ、更に現代日本の作曲界が歩んできた道を再確認することをも意図した。本稿はこのリサイタルの報告である。松平頼則、松平頼暁両氏の作品には、長年の作曲活動の中で一貫して変わらない「芯」となっているものがあり、それは、頼則氏の場合は「ヨーロッパ芸術音楽の技法と雅楽との融合」であり、頼暁氏の場合は「形式構造」であることを、本研究を通して確認することができた。
著者
佐久間 賢
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.47, pp.563-579, 2015

LMXの概念とその問題点を概観したあと,それが媒介変数(mediator)として作用する点に注目し,LMXによって経営成果が決められる関係を研究する。そして,LMX(説明変数)の内容が経営成果(目的変数)に影響をあたえる関係を具体的に検証するために,日本企業とグローバル企業の従業員に対するアンケート調査を実施した結果,両者ともに,リーダーが①メンバーに分かりやすく説明し,困っているときには援助するなどの支援機能,②メンバーが満足できるように仕事を解決し運営する問題解決機能,そして③メンバーを信頼して仕事を付託することによる人材育成機能の 点がLMXによるグローバルリーダーシップの基本的な条件として指摘される。