著者
中屋 晴恵 武内 章記 石橋 純一郎
出版者
大阪市立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本研究はフィリピン海プレート収束域を対象として,有害元素である水銀の循環過程とプレートテクトニクスとの関連を明らかにすることを目的として行った。結果は以下の通りであった。1)水銀はマグマ性流体を含む深部流体を起源とする。火山のない地域では水銀は深部流体から気液分離した後に気体として上昇する。2)地下水の水銀汚染はプルーム状に出現する。出現地点は大阪平野とその周辺部では複数の活断層が交差するか,密集する地点である。地殻を切る活断層はマントルから上昇する気体の経路となっている。3)水銀は沈み込むスラブからの脱水に由来するかもしれないが,ウェッジマントルから流体に付加されている可能性は高い。

2 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[528],
著者
神原 敏光 周 艶陽 川嶋 善仁 岸田 直子 水谷 健二 池田 孝夫 亀山 孝一郎
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.179-186, 2003-09-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
12
被引用文献数
1

甘草の化粧品添加物としてのさらなる利用を目的に, Glycyrrhiza inflata Batalinの根から調製したリコカルコンAを主要成分とする抽出物である油溶性甘草エキスP-Uについて, 新たな皮膚科学的有用性を検討した。その結果, 本抽出物はテストステロン5α-リダクターゼ, リパーゼおよびホスホリパーゼA2の阻害作用やアンドロゲン受容体結合阻害, 抗菌およびSOD様作用など, スキンケア, 特にニキビの形成や悪化の抑制に係わる種々の作用を示した。これらの試験結果を基に, ニキビ患者に対する油溶性甘草エキスP-Uの効果を検証し, その有効性が推定された。
著者
國谷 洋
出版者
横浜市立大学
巻号頁・発行日
2014-03-25

2013年度
著者
藤村 靖
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.5-10, 1966-05-01 (Released:2010-06-22)
参考文献数
9
著者
久松 昌範
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学 (ISSN:02872501)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.24-39, 1967-12-28

政治意識研究の一環として,日本に於ける各政党の支持層が,いかなる人生観(広い意味での「社会的性格」)をもつかを探索することが本研究の目的である。 日本人の政治的性格(広義の「社会的性格」)をいくつかの類型にわけて考える研究の代表的なものには,日高(1960),塩原(1962),田中(1964),飽戸(1965)などの研究がある。 日高(1960)は,歴史的,社会的な形成過程から,「庶民的」「臣民的」「市民的」「大衆的」「人民的」の5つの性格型を基本的なものと考えた。 塩原(1962)は「庶民的指向」「市民的指向」「大衆的指向」「前衛的指向」の4つの類型をあげている。 田中(1964)は,日高,塩原に類似の5つの基本型を用いて,自民党員,革新党員,創価学会信者,労働学校生徒,進歩派学生,カソリック信者,高校生の各集団に態度調査を行ない,「革新系集団ほどその態度構造には論理的整序が行なわれ,いわゆるイデオロギー的因子とよべるものがみられるのに対して、保守系集団の態度構造には論理的連関性が少なく,イデオロギーとよべるものはみられないであろう」という仮説を因子分析によって検討している。 飽戸(1965)は,「保守−革新」「関心−無関心」「革新批判−保守批判」の3つの次元を組合わせた類型を,多次元解析から導き出している。 一方,政党支持態度を中心に政治意識を分析しようとする研究には,牧田,林,斉藤(1959)池内(1960),山本,久松(1965),加留部(1966),三宅,木下,間場(1967)などの研究がある。 これら2つの流れを統合的に考えようとする筆者は,現実の政党支持と「社会的性格」の基本的要素である「人生観」との関係を,日高(1960),塩原(1962)の類型を参考にしながら探索しようとするものである。
著者
羽鹿 諒 山西 良典 ジェレミー ワイト
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.246-255, 2018-01-15

外国語の発音は,単語の読み方を母語の発音の範囲で変換することが多いが,本来の外国語の発音とは異なる場合がある.本研究では,無関係な音を母語による発音として誤って認識してしまう現象である「空耳」に着目した.外国語で歌われた楽曲を聴取するとき,歌詞の一部を母語によって歌われたものとして認識することがある.空耳を応用し,外国語の単語や文節を母語の異なる単語や文節の読みに置換することができれば,より本来に近しい発音の把握につながると考える.本稿では,洋楽歌詞からの空耳フレーズの自動生成による英語発音の把握支援を主たる目標とし,その要素研究として発音が類似した単語を多言語間で横断的に検索可能であるかについて,基礎的な検証を行う.空耳聴取が成立する単語かフレーズを160ペア収集し,それぞれを国際音声字母に基づいて発音記号化することで,空耳聴取とカタカナ英語の発音がどれだけ本来の英語発音に類似するかを,レーベンシュタイン距離の算出により比較した.結果として,空耳フレーズとその元になった英語の発音記号におけるレーベンシュタイン距離は,カタカナ英語との比較に比べて平均1割,最大3割程度減少した.また,student's t検定による有意差検定を行い,有意水準を下回る結果を得たことで,空耳により聴取されるフレーズの発音は英語本来の発音に近くなることが示唆された.一方で,発音記号数で標準化した場合のレーベンシュタイン距離は,空耳フレーズよりもカタカナ英語が有利であることが確認された.これらの要因と結果について考察を行い,本研究の展望についてまとめて議論した.
著者
佐藤 武夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.81, no.971, 1966-07-20

2 0 0 0 OA イルカのなぞ

著者
種子田 定俊
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.552-561, 1973-07-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
38

イルカは普通の動物の筋肉の能力から予想されるよりもはるかに速く泳ぐことで知られている. そのことから, イルカが泳ぐときの流体摩擦抵抗は, 同じ形の剛体が同じ速度で進行するときよりも, はるかに小さいのではないかと推測されている. 流体力学的に見てその可能性が存在するだろうか?
著者
塩月 亮子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部紀要 = Atomi Tourism and Community Studies (ISSN:21899673)
巻号頁・発行日
no.3, pp.99-111, 2018-03

本稿では、地域を活性化するうえで地元企業はどのような地域貢献をおこなうことが望ましいかを考察するため、地元の名家が手掛けることの多い造り酒屋に焦点をあて、その歴史と現在の活動を追った。事例には、八ッ場ダム建設の影響で地域の分断や人口減少等が起き、町の再生が急務とされる群馬県長野原町にある浅間酒造株式会社を取りあげ、歴代の社長が長野原町長になるなど政治家として地元のために活躍してきたこと、多角経営をおこない地元に必要な産業を興し、地元の雇用を促進してきたこと、さらに、現在も土産物販売をおこなう浅間酒造観光センターで地元農家の製品を販売することや「酒造納涼祭(夏祭り)」を当センターで地元向けに開催すること、自社田として休耕地を借り、そこを酒田にして保全することなどを通して、地元に貢献している様子を明らかにした。このような浅間酒造の地域貢献を地域貢献活勤の6分野に照らし合わせてみると、浅間酒造は主に①経済の振興に関する活勤②文化・環境に関する活勤③敦育に関する活勤、④雇用に関する活勤の4分野に腐心してきたことがわかった。また、⑤治安・安全・防災に関する活勤や⑥保健・医療・福祉に関する活動も、長野原町長など政治家として、あるいは孤児を養育した櫻井傳三郎や、戦時中に米を地元の人々に分け与えた櫻井かねのように個人として、櫻井家が担ってきたものであったこともわかった。最後に、浅間酒造観光センターは観光客の集まる拠点でもあるので、観光客を活用し、当該地域の伝統文化の保全や再生、創造に寄与するよう、地元の人々が工夫していくことも大切だと指摘した。そして、浅間酒造が今後地元から最も望まれる地域貢献は、地域で貴重な老舗製造業であるという強みを生かし、地域の人々と協力しながら地元にふさわしい、地元の人が誇りとするような地域ブランドを創造・確立していくことであろうと結論づけた。\n

2 0 0 0 君が代踊り

著者
川口 稜水[作詞]
出版者
キングレコード
巻号頁・発行日
1931-06
著者
井原 加代子 岩田 純
出版者
日本福祉大学経済学会
雑誌
日本福祉大学経済論集 = JOURNAL OF ECONOMIC STUDIES, Nihon Fukushi University (ISSN:09156011)
巻号頁・発行日
no.62, pp.207-227, 2021-03-31

超高齢社会へ と 突入し た 日本は , 疾病の 有無に 関わ ら ず , 人々の 暮ら し は 療養の 場か ら 暮ら し の場へ と シ フ ト し , 看護職は こ れ ら の 人々の 健康・ 医療と 生活の 視点を 持ち , 多様な 場に お い て そ の役割を 発揮す る こ と が 求め ら れ て い る . 決め ら れ た 形の な い 地域包括ケ ア シ ス テ ム の 構築に 向け て病院組織の 立場か ら , 組織運営の 中で 最も 中心的役割を 果た す こ と が 期待さ れ る 病院看護管理者に焦点を 当て た . 地域包括ケ ア シ ス テ ム 構築に 向け 看護部の ト ッ プ マ ネ ジ ャ ー で あ る 看護部長が , どの よ う に 行動し , ど の よ う な 行動特性を 発揮し て い る か に つ い て イ ン タ ビ ュ ー 調査を 実施し , 看護管理者の 役割に つ い て 検討し た .
著者
Satoshi MAESAWA Daisuke NAKATSUBO Masazumi FUJII Kentaro IIJIMA Sachiko KATO Tomotaka ISHIZAKI Masashi SHIBATA Toshihiko WAKABAYASHI
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.442-452, 2018 (Released:2018-10-15)
参考文献数
38
被引用文献数
5 18

Epilepsy surgery aims to control epilepsy by resecting the epileptogenic region while preserving function. In some patients with epileptogenic foci in and around functionally eloquent areas, awake surgery is implemented. We analyzed the surgical outcomes of such patients and discuss the clinical application of awake surgery for epilepsy. We examined five consecutive patients, in whom we performed lesionectomy for epilepsy with awake craniotomy, with postoperative follow-up > 2 years. All patients showed clear lesions on magnetic resonance imaging (MRI) in the right frontal (n = 1), left temporal (n = 1), and left parietal lobe (n = 3). Intraoperatively, under awake conditions, sensorimotor mapping was performed; primary motor and/or sensory areas were successfully identified in four cases, but not in one case of temporal craniotomy. Language mapping was performed in four cases, and language areas were identified in three cases. In one case with a left parietal arteriovenous malformation (AVM) scar, language centers were not identified, probably because of a functional shift. Electrocorticograms (ECoGs) were recorded in all cases, before and after resection. ECoG information changed surgical strategy during surgery in two of five cases. Postoperatively, no patient demonstrated neurological deterioration. Seizure disappeared in four of five cases (Engel class 1), but recurred after 2 years in the remaining patient due to tumor recurrence. Thus, for patients with epileptogenic foci in and around functionally eloquent areas, awake surgery allows maximal resection of the foci; intraoperative ECoG evaluation and functional mapping allow functional preservation. This leads to improved seizure control and functional outcomes.
著者
吉田 道代
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-48, 2015

近年、多くの企業は同性愛者を優良な顧客・望ましい消費者として優遇し、行政や政治家もまた同性愛者を歓迎する姿勢を打ち出すようになっている。本稿は、異性愛者中心の主流社会における、こうした同性愛者の扱いをホスピタリティ(歓待)ととらえ、商業・政治分野に焦点を当てて、その特徴を分析する。企業や行政、政治家が同性愛者を歓待するようになったのは、彼ら彼女らが高い経済力を持ち、文化的エリートとしての地位を確立したこと、さらに同性愛の容認が人権への配慮の度合いをはかる指標という認識が広まったことによると考えられる。このような主流社会による同性愛者の経済的・文化的・政治的位置づけは、彼ら彼女らの市民的権利の獲得に有利に働くが、以下のような問題もある。一つは、こうした歓待の対象が主に先進国の富裕な白人男性に限定されるという点である。そのため、このグループ以外の性的少数者とされる人々のアイデンティティや文化的多様性がないがしろにされる危険性がある。もう一つは、国家による同性愛者への歓待が政治的問題の隠蔽に利用される可能性である。イスラエルの事例では、同性愛者への歓迎を通じて創出される自由で開かれたイメージを国家が利用して、パレスチナ人に対する暴力や抑圧などから国際社会の目をそらそうとしているという批判がある。
著者
一盛 和世 矢島 綾 森岡 翠 福田 智美 鴨川 由美子
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR INTERNATIONAL HEALTH
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.337-347, 2013

世界保健機関(World Health Organization)はこれまで、顧みられない熱帯病に含まれる17の特定熱帯病について、疾患別に対策戦略を講じるべく、専門家会議を度々開催し、1948年から2012年に開催された過去の世界保健総会では、実に66ものNTD疾患に関連する決議が採択されてきた。しかし、1970年代に提唱されたプライマリヘルスケア、2015年を達成期限として発表されたミレニアム開発目標(MDGs)など、世界における国際保健動向に伴い、従来の疾患別縦割りプログラムよりも、それまで「その他の伝染病」と呼ばれていた特定熱帯病をNTDとしてまとめて制圧することにより、より効果的に貧困削減、ひいてはMDGs の達成に貢献することを目指して、2005年にはNTD対策部を発足した。その後、2007年に初のNTD対策国際パートナー会議開催、2010年に初のNTDリポート発表、2012年にNTD各疾患を制圧するための指針として「NTDの世界的影響克服の推進-実施に向けたロードマップ」を発表、同年に製薬会社13社や資金・技術援助を行う米・英政府、ビル・メリンダゲイツ財団、世界銀行を含む22の保健分野の国際組織による「NTDに関するロンドン宣言」採択、2013年にNTDレポート第2版を発行、というダイナミックな流れを受けて、ついに2013年にジュネーブで開催された第66回世界保健総会で、疾患別ではなく「顧みられない熱帯病」として初めて、その制圧・対策に向けた活動の更なる強化を要請する決議が採択された。この決議により、NTDの2020年制圧・対策目標の達成に向けて、WHOと蔓延国、そのパートナーたちの取り組みがさらに加速していくことが確信される。

2 0 0 0 OA 史籍集覧

著者
近藤瓶城 編
出版者
近藤活版所
巻号頁・発行日
vol.〔12〕 慶元古文書−一名・諸家感状録, 1898