著者
サトウ タツヤ
出版者
立命館大学
雑誌
立命館人間科学研究 (ISSN:1346678X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.193-203, 2004-03
著者
中村 一基
出版者
岩手大学
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-9, 2006

日本において、《遺骨》はどのような思想史的な意味の中に置かれたのか。そのことを考える視点として、釈迦の遺骨(=仏舎利)に焦点を当てる。このことを考えることは、仏教をめぐる《聖遺物信仰》を考えることでもある。仏像が《偶像崇拝》を象徴するように、仏舎利は仏像以前からの《聖遺物信仰》の象徴であった。その意味で仏舎利信仰は仏教のもっとも根源的な信仰の姿を伝えている」(内藤榮「「仏舎利と宝珠」展概説」、奈良国立博物館編『特別展「仏舎利と宝珠-釈迦を慕う心」』、二〇〇一年一七二頁。本稿の基本的な構成・趣旨は、この概説に沿っている。)仏舎利を納める仏塔とともにアジアへ広がった。遺骨の聖性は釈迦に限定された特殊なものだったのか。《遺骨》は舎利信仰と接触することで、聖性への契機を掴んだのでないか。山折哲雄氏は仏教と結びついた舎利崇拝は、上層階級に受け入れられ、漸次一般に浸透していったが、「あくまでも「仏」という特定のカリスマの「舎利」にたいする崇拝」であり「例外的な遺骨崇拝」である(「死と民俗-遺骨崇拝の源流-」『死の民俗学』岩波書店、一九九〇年、四八頁)という前提に立ちながらも、五来重氏の元興寺極楽坊の納骨器研究に着日'、「わが国における仏舎利崇拝と納骨信仰とが共通の文化的土壌から生み出された同血の信仰形態であるということに、とくに注意喚起しておきたい」(同、六〇頁)と述べておられる。筆者も仏舎利崇拝と我が国における遺骨崇拝に基づく納骨の習俗とが、接点をもっているのではないかと考える。本稿は、そのことを明らかにするために、印度・中央アジア・中国・朝鮮・日本と釈迦の遺骨が《仏舎利》という崇拝の対象として辿った道筋を、日本の仏舎利信仰を中心に歴史的に俯瞰しながら、日本の《遺骨崇拝》形成にどのような思想的接触を持っていったかを探りたいと思う。ただ、「日本の舎利信仰は舎利は釈迦の遺骨である」という常識を一度払拭しないと理解できないほど、複雑に入り組んでいる」(内藤榮、前掲概説、同頁)のも事実である。
著者
岩佐 信道
出版者
日本道徳教育学会
雑誌
道徳と教育 (ISSN:02887797)
巻号頁・発行日
no.336, pp.41, 2018 (Released:2020-08-01)

「道徳性を養うこと」という学習指導要領における道徳教育の目標に真剣に向き合うには、そもそも道徳性とはどういうもので、どのように向上、発達していくかを的確に理解する必要がある。かつてこれに真正面から取り組み、中心的な位置を占めたのがコールバーグであり、その道徳性発達段階論であったが、その研究は判断の側面に偏っているとの批判や反省がある。筆者はかつて、こうした反省をふまえ、人間の実生活における道徳性の発達、向上を捉える試みとして、「三方よし」(自分も、相手も、第三者もともによくなるように)という枠組みと、「相互依存のネットワーク」(私たち人間は、すべての存在との密接なつながりの中で、相互に支え合って生きている)というアプローチについて論じた。ここでは、新たな材料を加えてこの2つの考え方をさらに展開し、道徳性発達研究と道徳教育の進展の基礎としたい。
著者
Hideto SOBUKAWA Mitsuhiro WATANABE Rui KANO Takaaki ITO Masanobu ONOZAKI Atsuhiko HASEGAWA Hiroshi KAMATA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.1527-1529, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
9
被引用文献数
4 9

Bovine mastitis due to Prototheca zopfii leads to reduced milk production and is difficult to cure. Therefore, prevention is the best approach and this is best achieved through the use of effective disinfectants. The aim of this study was to evaluate the in vitro algaecide efficacy of conventional disinfectants against strains of P. zopfii genotype 1 and 2. The minimal algaecide concentration (MAC) of alkyldiaminoethylglycine hydrochloride, chlorhexidine, dioxide chlorine, povidone iodine and sodium hypochlorous acid against 10 isolates and the type strain (SAG2063T) of P. zopfii genotype 1 as well as 10 isolates and the type strain (SAG2021T) of P. zopfii genotype 2 were examined using the micro dilution method. This in vitro study indicated that alkyldiaminoethylglycine hydrochloride, chlorhexidine, povidone iodine and sodium hypochlorous acid, but not dioxide chlorine, are effective against both genotypes of P. zopfii.
著者
澁谷 徹 丹羽 均 金 容善 高木 潤 旭 吉直 崎山 清直 市林 良浩 米田 卓平 松浦 英夫
出版者
一般社団法人 日本有病者歯科医療学会
雑誌
有病者歯科医療 (ISSN:09188150)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.21-26, 1997-12-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

大阪大学歯学部附属病院リスク患者総合診療室で管理を行った絞扼反射が強い患者37人について検討を行った。絞扼反射の程度を染矢の分類に従って, 軽症, 中等度, 重症の3つに分類し, 歯科治療時の管理方法と絞扼反射の有無を調べた。軽症2例, 中等度61例, 重症56例, 計119症例の管理を行った。管理内容は, (1) 笑気吸入鎮静法, (2) ジアゼバムまたはミダゾラムによる静脈内鎮静法, (3) 笑気吸入・ミダゾラム静脈内投与併用による鎮静法, (4) 笑気吸入・モルヒネ静脈内投与併用による鎮静法, (5) 笑気吸入・ジアゼパム・モルヒネ静脈内投与併用による鎮静法, (6) 全身麻酔の6種類であった。軽症2例はいずれも笑気吸入鎮静法で歯科治療が可能であった。中等度の症例では, 笑気吸入が最も多く61例中30例 (49%), ジアゼパムまたはミダゾラムの静脈内鎮静法が16例 (26%), 笑気・ミダゾラム併用が2例 (3%), 笑気・モルヒネ併用が10例 (16%) であった。また笑気・ジアゼバム・モルヒネ併用によっても歯科治療が不可能なために全身麻酔を行った症例が1例あり, 笑気・モルヒネ併用で治療は可能であったが, 患者が多数歯の集中的治療を希望したため全身麻酔を行った症例が1例あった。重症の症例はジアゼパムまたはミダゾラムによるものが最も多く56例中32例 (57%) で, 次に笑気が12例 (21%), 笑気・モルヒネ併用が11例 (20%) であった。笑気・モルヒネ併用のうち1例は治療不可能なために全身麻酔によっておこなった。
著者
赤松 秀亮
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-222, 2018

早大学位記番号:新8081
著者
髙橋 傑
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-283, 2018

早大学位記番号:新8079
著者
魚谷 雅広
出版者
筑波大学哲学・思想学会
雑誌
哲学・思想論叢 (ISSN:02873702)
巻号頁・発行日
no.20, pp.13-23, 2002-01

ハイデガーの〈死〉それ自体は、『存在と時間』(一九一七)の主題が「存在の意味に対する問い」の答えの探求にある以上、確かに最も重要な問題対象ではない。しかし〈死〉は、世界内存在(In der Weltsein)の一つの「終わり」として、「存在しうることに、言い換えれば、実存に属しているのであって、 ...
著者
西沢 良記
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.13-18, 2001-01-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1