著者
大内 浩子 馬場 護 馬場 護
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

比較的高い線量を照射したイメージングプレートでは、消去不全現象及び浮き出し現象が生じる。消去不全現象で観察される光は光輝尽発光であることを確認し、従来考えられてきた600nm近傍の光で励起される準位の電子の他に、より短波長側の光によって励起される深い準位(290nm付近)に電子が局在することを示した。この電子がこれら二つの現象の原因であると推論し、UV光と白色蛍光灯とを同時照射する新消去法を開発した。本法により、未照射レベルまで完全に消去することができた。
著者
米崎 里 多良 静也 佃 由紀子
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.16, no.01, pp.132-146, 2016-03-20 (Released:2018-08-02)
参考文献数
22

本研究は,数年後に迫る小学校外国語活動の教科化および低学年化に対して,小学校教員は現在どのような不安を抱いているのか,そして,その不安はこれまでの教員の意識調査で明らかになった不安とどのように異なるのかを明らかにし,小学校外国語活動・英語教育をサポートするための教員研修のあり方について提案することを目的とする。これまでの意識調査で用いられてきた質問形式は主に多肢選択式が多く,質問項目が調査側の視点や思いに偏る傾向になるため,本研究では,自由記述式を採用し,教員の心情をそのまま表現できるように工夫した。そして計量テキスト分析を通して,小学校教員の外国語活動の教科化および低学年化への不安の構造化を試みた。その結果,教科化および 低学年化には「教員の英語力・指導力」「国語や他教科とのバランス」「児童の負担・混乱」に関する共通の不安が抽出され,また教科化のみの不安として「評価への不安」が,また低学年化のみの不安として教員の「小学校英語教育の本質の理解」が抽出された。「教員の英語力・指導力」に関する不安は,20 年前の小学校英語導入期から課題として長年指摘されてきたものであるが,相も変わらず,その課題は教員の心の中から払拭されず未解決のままであり,そして,「低学年化する本質的な理由がわからない」といった新たな不安も加わり,外国語活動の新たな政策が実施されようとしている。
著者
清田 政秋
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.46, pp.37-54, 2018-03-01

本論文は本居宣長と悉曇学との関連を考察する。宣長は『古事記』の基は稗田阿礼の誦習の声であるとして音声を重視する。言語は音声であるとする言語観を江戸期音韻論の議論から獲得した宣長は、音声の持つ特質に注目した。音声の問題を考察して来たのは仏教、特に密教と不可分の悉曇学である。宣長は契沖と安然の悉曇学から音声の力、音楽性、真言を学んだ。真言という思想は、語り伝えは上代の実だとする『古事記伝』の考え方に繫がった。更に仏教は心と世界と言葉は相応するという。宣長はこれを契沖を介して学び「意と事と言とは皆相称へる物」という『古事記伝』の基礎にある重要な言語観を確立した。宣長契沖安然悉曇学心と世界と言葉の相応

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著者
近藤瓶城 編
出版者
近藤出版部
巻号頁・発行日
vol.21, 1926
著者
美崎 英生
出版者
医学書院
雑誌
検査と技術 (ISSN:03012611)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.973-980, 1999-07-01

新しい知見 臨床検査の医療における役割はますます大きくなっている.“患者にやさしい無侵襲あるいはそれに近い検体の微量化”,“結果がリアルタイムに出る迅速性”,“ベッドサイドで検査ができる簡便性”の要望が強い.その中で簡便な高感度測定法の役割は大きい.酵素サイクリングはその技術の1つとして,特に血液検体の多量採取が困難な乳幼児や小児,老人の検査(微量の血液を数百倍に希釈して測定),あるいは測定感度不足のため正確な測定ができていない物質の測定には期待が大きい.また,感染症の目視検査による迅速対応は重要である.酵素サイクリング法は数倍から数万倍程度の感度で測定が可能である.現在,酵素サイクリングを利用した検査薬としては総胆汁酸,ケトン体,カルニチン分画定量,リゾレシチン,羊水ホスファチジルグリセロールの測定系が開発された.さらにアンモニアや糖尿病関連物質などの微量物質の測定への応用が期待される.
著者
岡 恒忠
出版者
佛教大学福祉教育開発センター
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.99-109, 2018-03-31

2005年に独立型社会福祉士事務所を開業して、間もなく13年目を迎えようとしている。その間、成年後見制度に関わる業務、主として成年後見人等の受任を行い、成年後見制度に関する相談業務及び各種講師業等を行ってきた。成年後見人等の職務には大きく身上監護と財産管理とがある。それらの職務を行なうためには、本人を中心に家族・親族、家庭裁判所、行政機関、金融機関、福祉サービス提供事業者等との関係が生じてくる。本人及び各種機関等での業務を通した社会福祉士として学んだこと、更には伝えたいことを重度知的障害者の事例を通して報告する。社会福祉士民法第858条及び第859条成年後見制度利用促進本人の意思決定支援合理的配慮
著者
中村 眞人
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.23-27, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
3

心停止の場所で人の生死が決まってよいのかとの思いで,千葉市を日本のシアトルに!構想がスタートした。医師会・千葉市・千葉大学が参加する連携委員会で協議し,小,中,高校対象の救急蘇生講習を軸としたいのちを守る推進プラン,医師会主催ICLS・BLS講習会,救急対応力向上研修会,医師会認定救急医制度などを開始した。例えばいのちを守る推進プラン実践校は,2011年は,1中学校区4校。2015年は,20中学校区56校と増えた。医師会主催のICLS講習会は10回,BLS講習会は8回,ICLSワークショップ講習会は2回開催した。その結果,ICLSディレクター 1名,ICLSインストラクター 8名が誕生し,BLS・ICLS講習会の医師会単独開催が可能になった。救急対応力向上研修会は39回開催し,医師会認定救急医は,初級が約20名,中級が4名,上級が1名になった。これらの活動は,学校医・産業医・かかりつけ医として医師会に求められる公益活動につながると思われる。
著者
伊藤 まゆみ 金子 多喜子 大場 良子 藤塚 未奈子 Mayumi Ito Takiko Kaneko Ryoko Ohba Minako Fujizuka
雑誌
共立女子大学看護学雑誌 = Kyoritsu Journal of Nursing
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-10, 2016-03

近年、ストレスに起因してポジティブな変化が生じることが明らかにされている。このことは終末期ケアにおける看護師のバーンアウト予防に貢献すると考えられるが、これらの検討は不足している。本研究目的は、終末期ケアに携わる看護師のストレスに起因したポジティブな変化がバーンアウトに及ぼす影響を明らかにすることである。本研究では、終末期ケアにおいてストレスフルなケアを体験した看護師207名に、バーンアウト、意味づけ並びに外傷後成長の質問紙調査を実施した。バーンアウトの下位尺度である情緒的消耗感、脱人格化、個人的達成惑を目的変数に、その他の測定変数を説明変数とした重回帰分析を行った。その結果、個人的達成感には意味づけや外傷後成長が影響していた。これらの結果、看護師がストレスに起因してポジティブな変化が生じれば、個人的達成感の低下は改善する可能性が示唆された。
著者
玉置 元 吉村 卓也 品川 貴志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
Dynamics and Design Conference : 機械力学・計測制御講演論文集 : D & D (ISSN:13480235)
巻号頁・発行日
vol.2001, 2001-08-03

It is important to get the objective evaluation of human sensation for vibration. The one of the methods is to use the vibration contour for human sensation standardized by ISO. It explains the relation between the frequency and the vibration level at a certain frequency range where the subject feels those vibrations in the equal strength. This study investigates the vibration responses of the human body at the equivalent strength to understand why they feel those vibrations equal. As a result, an average contour of plural subjects for human sensation becomes similar to the contour standardized by ISO. The conditions of human vibration change at about 10Hz.
著者
竹田 仰 蒲原 新一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.489-497, 1996-02-25
参考文献数
15
被引用文献数
12

力覚提示機能をもつ人工現実感技術の応用として, 仮想人物と腕相撲の対戦が行えるシステムを構築した. 対戦のための力覚ディスプレイには, 空気圧式のゴム人工筋を使用し, ヒトの筋力の強さと動きによく桔抗して応答できる機構設計を行った. また, 仮想人物との対戦をいかに人間同士の対戦のように見せるかということのために, 単に勝ち負けの2値的な評価手法ではなく, 知識が対戦ごとに獲得されていく分類システムと遺伝的アルゴリズムの手法を使用した. 従来, これらの手法は計算機内での生物の成長や行動の様子のシミュレーションとして使うことが一般的であった. しかし本論文では, 実際のヒ卜の腕相撲対戦中の刻々と変化する上肢の角速度や位置情報を計算機内に取り込み, それをもとに出力コードを選択して力覚ディスプレイに出力し, 対戦者の上肢の行動反応を再び入力するという外界とのインタラクティブな機能をもつ方式に応用展開している. このことにより, 対戦中にリアルタイムに戦略を学習しながら成長する腕相撲対戦システムを実現できている. また, 対戦中に仮想人物の顔の表情を変化させるなど臨場感の演出も試みている.