著者
Haruyuki OGINO Takatoshi HATTORI
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.194-198, 2014 (Released:2015-12-18)
参考文献数
18
被引用文献数
4 7

This study was designed to calculate the background lifetime risk of cancer mortality in Japan. The mortality and population data obtained from national surveys for the vital statistics and population census in 2010 are stratified at 5-year age intervals of 0-4, 5-9, ..., 80-84 with a final open interval of 85+ for use in a life table. It was found that the gender-averaged background lifetime risk of cancer mortality ranges from 23.7% to 28.3% among 47 prefectures, and the arithmetic mean was calculated to be 25.4%. It is important to consider the incremental risk of cancer mortality posed by exposure to ionizing radiation (e.g., an additive lifetime risk of 0.5% at the effective dose of 100 mSv) in the context of the level of the background lifetime risk of cancer mortality of the exposed population.
著者
北村 瑞穂 Mizuho Kitamura
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 = Annual reports of Shijonawate Gakuen Junior College
巻号頁・発行日
vol.45, pp.30-38, 2012

本研究では、親切行動を心がけさせる介入と、親切にされたことへの感謝の表明を心がけさせる介入をそれぞれ実施し、1ヶ月後に親切行動への動機づけや親切行動の生起や主観的幸福感の高まりが見られるかを比較検討した。実験協力者は女子短期大学生82名(感謝群18名、親切群35名、統制群29名)であった。介入の結果、感謝群の親切行動への動機づけが高まった。さらに親切群の親切行動を実行する人数が増えた。また、介入直後の嬉しかった・感謝した経験が介入群は統制群より高いため、これらの介入が親切行動への動機づけやポジティブな感情の認知につながる可能性が示唆された。しかし主観的幸福感については感謝行動と親切行動の介入の効果は確認できなかった。
著者
波多野 澄雄
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.58, pp.86-104,L4, 1978-03-10 (Released:2010-09-01)
参考文献数
98

Leith-Ross mission's visit to Far East (1935-36) was made along the Chamberlain-Fisher Line, and one of purposes of the visit was to attain an Anglo-Japanese cooperation on China issues through co-operative aid to monetary reforms in China.The monetary crisis in China arose from America's 1934 silver policy. The policy makers in Japan, however, had a very optimistic view about the crisis and took Leith-Ross mission's proposals forming a line in the chain of past co-operative economic aid to China. Therefore Japan accepted the proposals within the frame-work of Japan's China policy as was represented by the Amau doctorine.The Japanese Army particularly interpreted the decisive monetary reforms of November in 1935 as defense and expansion of England's rights and interests in China. As a result, the Army took measures to destroy the new monetary system by swiftly propelling the autonomous movement in North China which included the separation of monetary system in North China from Nanking government. The Army also helped the smuggling trade through the demilitarized zone in North China leading to the destruction of the maritime customs.Leith-Ross mission holding the stabilization of the new monetary system as its first aim came to lack a strong confidence in the Army who conducted those political and economic maneuverings in North China. In addition to that, the policy makers in Japan still relying upon the logic of the Amau doctorine tried to treat the maneuverings in North China as domestic affairs of the Nanking government.As far as those circumstances existed there couldn't be found favourable conditions to realize an Anglo-Japanese co-operation on China issues.
著者
緑川 亨 小松 泰喜 三谷 健 東郷 史治
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.184-190, 2014 (Released:2014-05-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1 3

目的:介護施設に入所する認知機能低下者に対して発光ダイオード(LED)を用いて光を照射することによって,睡眠関連症状を含む行動・心理症状(BPSD)および介護者負担が軽減するかどうかを検討することを目的とした.方法:対象は介護老人保健施設に入所する認知機能低下者8名(男性4名,女性4名,平均年齢79.9±9.1歳)で,平均Mini-Mental State Examination(MMSE)スコアは9.8±4.6点であった.LEDによる光照射は9:00~9:30に眼前照度2,000 luxで実施した.その間,対象者は折り紙や塗り絵などの作業課題を遂行していた.照射する光の色温度は12,000 K(青空色)または2,400 K(夕暮れ色)とし,それぞれ連続6日間(月曜日から土曜日)行った.6日間の連続照射週とその前後1週間の計3週間を1セッションとして4名は12,000 K,2,400 Kの順序で,残りの4名は2,400 K,12,000 Kの順序で計2セッションの調査を実施した.なお,各セッションの間は4週間以上とした.全般的認知機能についてはMMSE,焦燥性興奮についてはコーエン・マンスフィールドagitation評価表(CMAI),精神機能と介護者負担については日本語版Neuropsychiatric Inventory施設版(NPI-NH),担当介護士の介護負担度については日本語版Zarit介護負担尺度短縮版(J-ZBI)を用いて各週の最終日に調査した.結果:12,000 Kでは,NPI-NHの重症度スコア,職業的負担度スコア,合計スコア,CMAIの非攻撃的行動スコアが照射前週と比較して照射週または照射後週に有意に(P<0.05)減少した.また,各下位項目については,NPI-NHの「睡眠」スコアおよび「無関心」スコアが照射後週に照射前週と比較して有意に(P<0.05)減少した.一方,2,400 Kではいずれの評価指標においても有意な変化は認められなかった.また,MMSEスコアとJ-ZBIスコアについては,どちらの色温度でも有意な変化は認められなかった.結論:施設入所中の認知機能低下者の睡眠関連症状を含むBPSD,またその介護者の負担は光環境と関連し,これらは認知機能低下者が作業活動をする間に短波長成分を多く含む照明光の照度を増大させることでも改善しうることが示唆された.
著者
Ayako Aizawa
出版者
Global Business Research Center
雑誌
Annals of Business Administrative Science (ISSN:13474464)
巻号頁・発行日
pp.0190725a, (Released:2019-08-09)
参考文献数
12
被引用文献数
2

An organization is said to be in an activated state if “(1) the members have a common purpose and (2) they are actively willing to contribute action to accomplish this common purpose” (Takahashi, 1992). Problem solvers that fulfill requirements (1) and (2) play an active role in an activated state. At Company A, which is discussed in this paper and was in a crisis with its performance, employees demonstrated initiative to activate the organization by pursuing Product Identity rather than corporate identity with regard to (1) above. Moreover, this activation started to expand to other companies because of its nature as Product Identity.
著者
林 隆之 富澤 宏之
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

第5期科学技術基本計画において日本の研究力向上は政策目標の中の一つとされてきた。しかし、それ以降も国際比較の中で日本の相対的地位は低下し続けている。10年後を見据えれば、現在のように研究力を向上させる方策を検討するのみならず、研究力が低成長あるいは縮小せざるを得ない中で、いかに先導的位置を日本が維持し続けるかを検討することが不可欠である。本研究では、研究力が縮小する国における研究戦略の可能性を実証的に明らかにする。海外諸国とのネットワーク・オブ・エクセレンスの構築による研究分野の多様性維持と、それを基にした学際的研究活動の推進により研究の優位性が維持できる可能性について分析する。
著者
阿曽沼 明裕
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

まず第一に、研究大学を検討するための枠組みを構築する。研究大学とは何か、研究大学と非研究大学との比較枠組みを検討し、組織的・財政的基盤でどこに着目すべきかを検討する。第二に、研究大学と非研究大学を比較し、研究大学独自の共通な構造を実証的に明らかにする。しかし、第三に、共通な構造を探すのと逆に、研究大学群の多様性に着目し、組織的・経済的基盤にどのような多様性があるのかを明らかにし、そのパターン化を行う。第四に、こうした研究大学の共通な構造や多様性の背景にあるメカニズムを探る。研究大学群および個別研究大学の形成の歴史も検討する。第五に、以上の検討を経て、日本の研究大学の在り方を考察する。
著者
八神 寿徳 小玉 一徳 中川 勝吾
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年,大学ブランドの確立と価値向上において重要な取組みの一つとして,多くの大学が大学ブランドを活用した商品開発・販売による情報発信を実践しており,大学ブランド商品が増加している。しかしながら,商標法等から大学ブランド商品に関する企業・大学間の契約形態には制限が生じており,その契約形態・内容は各大学が独自の手法を採っている。効果的な手法として標準的なモデルは確立・公表等されていない。そこで本研究では「大学が有する商標権」と「契約形態・内容」の実態調査と分析を通じて,「戦略的な商標出願と契約形態を軸にした社会的・経済的に価値ある大学ブランド商品の展開を支援する手法の開発」を行う。
著者
吉田 香奈
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、アメリカ合衆国において近年急速に拡大している公立大学の授業料無償化政策の特質と課題を検討することを目的としている。研究期間は5年間とし、以下の手順で研究を進めることとする。初年度の2019年度は(1)州政府の公立大学授業料の実質無償化政策に関するデータ収集・特色ある州の抽出および先行研究のレビュー、(2)訪問調査による情報収集(ワシントンD.C.等)を実施する。続いて2020~2023年度はインディアナ州、ミズーリ州、デラウェア州、テネシー州、ニューヨーク州(現段階での候補州)の中から訪問調査を行う。以上から、各州の無償化政策の理念、財源、受給要件、給付方法等の比較分析を行う。
著者
岡崎 玲子
出版者
福井大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年、グローバル化に伴い急増している外国人留学生の多くは、不安と精神的動揺が特徴とされる疾風怒濤の青年期にある。学業に加えて異文化環境からのストレスによる不適応や精神疾患の発症、さらには自殺が大きな問題となっている。受け入れ側である日本の大学においては、こうした留学生の精神的不調の予防および精神疾患の早期発見と早期介入を目指した支援体制の構築が急務である。本研究では、留学生の置かれた環境の調査および個人の性格特性をアンケート調査で評価し、留学後の適応状態を交えて縦断的に検討することで、不適応と関連する環境要因および個人的要素を浮き彫りにする。
著者
星野 晶成
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年、日本では「長期海外留学の減少」と「大学生の短・中期海外留学の増加」(約6割が1ヶ月未満の滞在)が顕著になっている。更に、英語先進国(伝統的留学先国)以外に、ASEAN、アフリカ、中南米、南アジアといった非伝統的留学先国への留学が拡大している。つまり、日本からの海外留学に変容(短期化/多様化/プログラム化/大衆化)が見られる。この変容において「政府」、「大学」、「大学生」の相互・因果関係を明確に指摘できていない。結果、教育政策の運用や効果等の議論に精度を欠く状態である。本研究では、大学を対象として、非伝統的海外留学プログラムの動態(設計/取組/課題等)を解明し、政策提言に用いる。
著者
石倉 佑季子
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、非英語圏国である日本および韓国において、大学の国際化戦略として用いられる英語コースがどのように各国の高等教育の文脈に受容、浸透、発展したのかを明らかにし、非英語圏国における英語コースの持続可能かつ有効な枠組みの構築を図り、今後の大学の国際化の政策や戦略への示唆を提示することを目的としている。
著者
メイソン シャネン
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

This study explores the use of international Academic Social Networks (ASNs), such as Researchgate, by researchers in Japan. Understanding the types of researchers who use ASNs, and the benefits and challenges they derive from them, can help to better understand how they may be effectively used to increase international relationships and collaboration opportunities for researchers in Japan, and thus assist in the internationalization process of Japanese universities.