著者
井谷 鋼造
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.p116-149, 1988-06
著者
平井 和子
出版者
ジェンダー史学会
雑誌
ジェンダー史学 (ISSN:18804357)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.5-16, 2014

2001 年の「9.11 事件」に端を発する、対イラク戦争開始に当たって、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、過去の数ある占領の中から、民主化の成功例として「日本モデル」を取り出して、占領を正当化しようとした。攻撃に際しては、「女性解放のため」という理由が付け加えられた。これを、わたしは日本の女性史研究が大きく問われていると受け止めた。<br>アメリカによる日本占領をひとたび、敗者‐勝者の男性間で取引された女性たち(占領軍兵士へ「慰安」の提供をさせられた売春女性たち)の体験から見直せば、軍事占領と女性解放を安直につなげることの矛盾は明らかである。具体的にいえば、敗戦直後、日本政府によってつくられたRAA(Recreation and Amusement Association)などの占領軍「慰安所」や、冷戦期に激化した基地売春下で、女性たちが強いられた性管理の実態は、日米合作による軍隊維持のための組織的性暴力であった。<br>さらに、売春禁止運動を担った廃娼運動家や女性国会議員・地域婦人会の女性たちと、売春女性たちの間には大きな分断があり、これが米兵の買春行為と矛盾しない売春防止法を生み出す要因の一つとなった。つまり、二分化された女性たちの対立と反目が、結果として軍事化(日米安保体制・軍事基地)を支えることにつながった。ここに、女性を、「護られる女性=『良家の子女』」と、売春女性(「転落女性」「特殊婦人」)に二分化する男性中心的な「策略」の罠がある。米兵の買春行為の激しさは、朝鮮戦争勃発とリンクする。そのため、軍事組織は売春女性を「活用」して、兵士の性をこそコントロールする必要があったのである。
著者
鄭 継華 森 朝美 樹山 敦子 加藤 秀夫
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-38, 2007

本研究では果糖について、摂取量と活動とのエネルギー収支による体重調節と生体への影響を検討した。果糖摂取は食事誘発性産熱の増大と血糖上昇の抑制およびインスリン分泌の低下などによって、体重増加や肥満の防止が認められた。一方、果糖の摂取は肝臓グリコーゲンおよび筋肉グリコーゲンの合成を高めることを明らかにした。従って、果糖は肝臓機能を高め、筋肉グリコーゲンを増大する栄養機能があると考えられる。今回の研究結果から、健康維持と生活習慣病予防には、果糖の摂取量を見直すことの大切さを浮き彫りにした。
著者
魏 回 北村 正 岩田 彰 鈴村 宣夫
出版者
電子情報通信学会情報・システムソサイエティ
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.689-696, 1992-04-25
被引用文献数
4

多数のカテゴリーを分類する一つの手法として,我々は大規模ニューラルネット(CombNET-II)を提案した.これは,前段に入力ベクトルを大分類するためのベクトル量子化型ニューラルネットを配置し,後段にグループ内のデータを細分類するための階層ニューラルネットを配置した.くし型の構成をしている.本論文では,CombNET-IIを用いる大語いの音声認識手法を提案し,この方法を中国語の単語音声認識に適用し,その有用性について検討する.音声信号から2次元メルケプストラム法によって求められる特徴量をCombNET-IIの入力に用いる.2次元メルケプストラムは音声の静的特徴と動的特徴を同時に分析でき,音声認識には有効なパラメータである.今回の音声認識実験では,特定話者が中国語で発声した世界の国名と都市名1000単語を用いた,各単語を5回ずつ発声し,この中の4回分のデータで学習を行い,残りの1回分のデータを認識させたところ,99.0%の認識率が得られ,本方法の有効性が示された.
著者
岩田至康編
出版者
槇書店
巻号頁・発行日
1971
出版者
ミネルヴァ書房

はじめに / 山田 奨治目次序 章 マンガ・アニメで研究するということ / 山田 奨治第Ⅰ部 文化・社会からマンガ・アニメへ第1章 語り : マンガ・アニメの伝統的コンテンツからの継承性 / 谷川 建司 1 何を明らかにするのか 2 『魔法少女まどか☆マギカ』 3 『JIN─仁─』 4 日本人の好むナラティヴの完成形としての「忠臣蔵」 5 結 論コラム1 戦う文豪、闘う偉人 : 「異能バトル」作品からみる現在 / 飯倉 義之第2章 形態 : デジタル化時代のマンガと読者の生きられる時間 / 石田 佐恵子 1 時間の社会学から探求する「マンガと時間」 2 「連載」という作品発表形態の成立 : マンガ雑誌と市場構造 3 「物語の中の時間」と「読者の生きられる時間」との関係 4 デジタル化時代のマンガと読者の生きられる時間コラム2 マンガが社会と繋がるとき : 〈3・11マンガ〉から考える / イトウ ユウ第3章 教育 : 子どもだけの世界における子どもの自律性・生命性・道徳 / 宮崎 康子 1 子どもだけの世界 2 自律性の獲得と人間形成の物語としての『漂流教室』 3 『7SEEDS』における未来に蒔かれた種としての子どもたち 4 子どもの自律性・生命性・道徳コラム3 生命性の次元に触れる : 五十嵐大介『海獣の子供』 / 宮崎 康子第4章 政治 : 「伝記学習マンガ」を形作るもの / イトウ ユウ・山中 千恵 1 何を明らかにするのか 2 伝記学習マンガのタイトル選択傾向を分析する 3 伝記学習マンガの「表現」を分析する 4 「学習マンガ」と「伝記本」の親和性 5 結論 : 伝記学習マンガの〈政治性〉第5章 近代性 : 産科医・助産師の活躍する"医療マンガ" / 安井 眞奈美 1 少数派の立場から考える 2 産科医、助産師の活躍するマンガ 3 出産環境の近現代 4 医療マンガは何を物語っているのか 5 医療マンガの社会的意義コラム4 メディアに描かれる子どもイメージ / 宮崎 康子第Ⅱ部 マンガ・アニメから文化・社会へ第6章 舞台 : 日本のアニメ・マンガと観光・文化・社会 / 岡本 健 1 アニメ・マンガと観光の関係性 2 アニメ聖地巡礼とコンテンツツーリズム 3 アニメ・マンガ聖地における文化の伝達 4 コンテンツツーリズムに関わるコミュニケーション 5 観光コミュニケーションと文化創造第7章 メディアミックス : そういうのもあるのか / 横濱 雄二 1 メディアミックス 2 『孤独のグルメ』について 3 マンガ受容の広がり 4 井之頭五郎というキャラ 5 キャラと作品のメディアミックスコラム5 フランスにおけるmangaの受容 : 影響、占有、周縁? / 高馬 京子第8章 海外展開 : 『るろうに剣心』の映画化とフィリピンでの人気 / 北浦 寛之 1 映画のヒットと海外展開 2 『るろうに剣心』の映画化 3 フィリピンでの人気 4 他のアニメは「剣心」に続けるかコラム6 卒論テーマは「韓国でマンガが大人気」です! : それって、いつのどんなマンガの話? / 山中 千恵第9章 少女 : フランス女性読者のアイデンティティー形成とキャラクターの役割 / 高馬 京子 1 何を明らかにするのか 2 フランスにおけるshôjo受容の歴史的背景 3 フランスのメディア言説による追従すべき少女像の形成 4 フランス読者の言説により理想として形成されるshôjoの少女像 5 結論にかえてコラム7 英国新聞からみる日本の児童ポルノ問題 : マンガ・アニメの記述を中心に / 小泉 友則第10章 食 : ひとり飯にみる違和感と共感のゆくえ / 西村 大志 1 食べることの滑稽さ : 『かっこいいスキヤキ』 2 共感される自由なひとり飯 : 『孤独のグルメ』 3 共感から実用へ : 『花のズボラ飯』 4 滑稽さへの回帰とネット時代の食マンガのゆくえ : 『食の軍師』第11章 言語 : 日本語から見たマンガ・アニメ / 金水 敏 1 何を明らかにしようとするか 2 役割語とは何か 3 物語の構造とアーキタイプ 4 アーキタイプと役割語 5 ケーススタディ : 『風の谷のナウシカ』 6 研究法のまとめコラム8 「せんせい、ちょっと待っておれ!」 : マンガ・アニメに牽引された日本語学習 / 山本 冴里おわりにマンガ・アニメ作品名索引人名索引執筆者紹介奥付
著者
瀬戸口 龍一
出版者
専修大学大学史資料課
雑誌
専修大学史紀要 (ISSN:18839223)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.90-110, 2010-03-31
著者
李 鵬昆 井林 宏文 峰野 博史
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.233-234, 2015-03-17

無線センサネットワークの配線しやすさと作業者の負担が少ないため,施設園芸環境で使用されている.しかしながら,施設園芸のような複雑な環境では,環境条件が無線電波に大きく影響を与える.結果として,施設園芸環境での無線通信が不安定になり,RSSI低下やパケットロスの現象を発生する.そこで本研究では,施設園芸環境での無線通信品質を低下させる要因を解明するため,電波への影響要素を分類し,影響が大きな要素を分析した.電波暗室で検証実験を行った.また,施設園芸環境で主な影響要素が2.4GHz帯と429MHz帯へ与える影響の割合を検証した.その結果,2.4GHz帯と429MHz帯では無線通信に影響を与える要素の占める割合が異なることを示し,施設園芸環境に最適な無線周波数帯を確認した.
著者
道免 逸子 Itsuko Domen
出版者
甲南大学
巻号頁・発行日
2018-03-31

本論文の目的は、ナラティブ・エクスポージャー・セラピー(Narrative Exposure Therapy、以下NET)の、日本の心理臨床現場における適用可能性を検証することである。 精神病院に長年通院・入退院を繰り返し、情緒不安定で自傷・自殺企図の傾向が高く、安定した治療に乗りにくい患者には、原病にPTSD(心的外傷後ストレス障害)が併存することが多い。子ども虐待やDV、いじめ等長期的反復的な被害から生じる複雑性PTSDは、PTSDの中核症状に情動調整の困難を伴い、原病の症状を増幅し治療を困難にしている。 NETは、曝露療法に証言療法を組み合わせたPTSD治療のための認知行動療法である。馴化による恐怖反応の消去と全人生史の構築による自伝的記憶整理は、特に複雑性PTSDに有効とされる。NETは、国際的ガイドラインで複雑性PTSDに対する有効な治療法として推奨されている。日本では2010年に試行的に導入され、次第に実施例が増加しているが、さらに系統的な導入を図るべき段階に至っている。本研究は、今後の普及の準備として、日本の臨床現場におけるNETの有効性を検証しようとするものである。 この目的を達成するために、道免氏は、まず第1章で、PTSDおよび複雑性PTSD、解離、自伝的記憶、複雑性悲嘆という、NETの治療メカニズムに関係する諸概念について、近年の診断基準の改訂状況も含めて概説する。そのうえで、開発者が提示するNETの技法とそこに含まれる治療的要素を記述する。第2章では、まず、NETがPTSDに対して推奨される治療技法として、ISTSSをはじめとする関係機関の近年のガイドラインで紹介されていることが示される。そして、現在までの先行臨床研究を網羅的に調査し、戦争や武力紛争という「組織的暴力」に由来するPTSDへの治療実践とその効果検証研究が行われてきた経過と、近年、通常の医療機関における市民生活由来のPTSD治療に対象を拡大していることを明らかにする。効果検証結果には、PTSDへの効果だけでなく、併存するうつ症状、BPD(境界性人格障害)症状、解離症状などの軽減が報告されていた。 第3章では、実施されたNETによる効果検証の結果が報告される。治療実践を行った臨床機関は、精神病院外来と大学心理相談室であり、対象者は複雑性PTSDと診断された14名(精神病院12、大学相談室2;女性13、男性1;平均38.1歳)である。複雑性PTSDの併存症状として、うつ病、双極性感情障害、BPD、アルコール依存症、摂食障害、複雑性悲嘆、解離性障害、適応障害、線維筋痛症があり、通院歴は0〜23年、入院歴は0〜33回であった。実施者はNET研修を受けた臨床心理士で、面接頻度は週1回〜2回、NET回数は8〜46回、平均27.4回であった。 効果評価のために用いた症状評価尺度は、PTSD症状にIES-RとCAPS、うつ症状にSDS、解離症状にDESを使用し、NET実施前、実施2週間後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に評価した。 症状評価尺度によって実施1年後に評価された治療効果は、以下の通りであった。IES-R のCohen’s d は2.972、CAPSのCohen’s d は2.587であり、PTSD症状が著しく軽減したことを示す結果であった。IES-R得点は、14例中6例において、過去の出来事から影響を受けていないと判定される水準までに低下した。他の例においても1年間を通じて漸減傾向にあった。CAPSは実施の負担から6例のみに実施された結果である。PTSDの3大症状以外の、罪悪感、注意減退、非現実感、離人感においても症状が軽減していた。うつ症状については、NET実施1年後の SDSのCohen’s d は0.953であり、明らかな軽減を示す結果であった。ただし、PTSD症状と異なり、6ヶ月後では軽減が少なく、効果が得られるまでに時間を要した。解離症状では、低得点に偏った偏りの大きな分布であるため、いくつかの指標によって結果が示された。BPD症状の著しい軽減は先行研究と一致するものであった。他の併存症状にも軽減が見られたが、アルコール依存への効果は明らかではなかった。 第4章において道免氏は、第3章で確認された症状評価尺度上の全般的効果を踏まえて、本研究から得られたNET実施上の知見を提示し、考察を加える。解離症状の軽減が大きかったことは先行研究と一致する。治療前に解離傾向が高かった例では、すべて治療過程で新たな記憶の想起があった。解離傾向が少なく侵入症状の強い例では、NETの進行に従って侵入症状が速やかに軽減し、症状が及ぼす苦痛が軽減することを実感するのに対し、解離傾向の高い例では、解離されていた記憶や感覚が繋がってくる第1段階から、喪失体験への直面から生きづらさを改めて感じる第2段階へ進んだ時点で、安全の確保と共感的・支持的環境とともに感情の重要性に関する心理教育が必要である。特に環境調整が重要と考えられた。それら留意点を有するものの、NETには、記憶整理の効果、人生を理解されることによる愛着外傷への治療効果、言語化能力の向上による対人関係改善などの効果が期待でき、解離症状を併存するPTSDの治療に有望な技法であると考えられた。 BPD患者の60%にはPTSDが併存すると言われるように、BPDの診断名を持つ患者のPTSDに対するNETの有効性を指摘する文献が増加している。本研究は、BPD治療を直接対象としたものではないが、14例中7例に、BPD周辺の症状があった。孤独感や不安定な対人関係を特徴とするそれらの例について、治療中の語りを整理すると、治療中および治療後のフォローアップの中で、交友関係を楽しめる、一人の時間を楽しめる、怒りがコントロールできるなどの症状軽減を示す内容が多く見られた。これらの知見および先行研究の知見を総合し、道免氏は、PTSDを構成する恐怖ネットワークと、過去の体験に由来する怒りのネットワークの相乗効果から症状を理解し、人生史の整理という目標を共有することで、対等な関係の中で治療に取り組む道を開くことができると考察する。 NETが対象とするPTSD症状を有する患者には、死別体験を有するものが含まれる。NET後に悲嘆を扱うグリーフワークを組み合わせる方法を有効とする先行研究も存在する。今回対象とした例の中にも、近親者との死別による重い悲嘆を伴う例があった。この例に対してグリーフワークに取り組むことによって、うつ症状が軽減されたことから、死別を伴う例に対しては、NETだけでなく、グリーフワークを治療計画に組み入れることが有効であると示唆された。 以上のような検討の後、道免氏は、第5章の総合考察によって全体を総合した上、NETには多くの治療的要素が複合的に組み込まれていると指摘しながら、NETで扱えない要素を以後の治療で扱うことの必要性、安全を確保することの重要性、普及のためのスーパーバイザーの育成の必要性を指摘する。最後に、事例数による限界、比較対照群を持たないことの限界、評価尺度の不足という本研究の限界を整理し、さらなる効果検証の必要性を述べて論文を締めくくっている。
著者
岡本 萌 門廻 充侍 高橋 智幸 日向 博文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_356-I_360, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
10

Two oceanographic Radars targeting tsunamis had been installed in Wakayama Prefecture in Japan. To study observation capabilities of the radars on far field and near field tsunamis, numerical experiments were carried out. After starting the operation of the radars, nine earthquakes occurred in the observation area, however, they were too small to be observed by the radars. Parameter study on near field tsunamis showed the radars can observe earthquake of Mw 7 and very shallow Mw 6. As a far field tsunami, the 2012 Haida Gweii Earthquake Tsunami arrived at Japan, however, the radars could not detect it because of very small velocity. Parameter study on far field tsunamis showed the main energy of tsunamis off Canada propagates northward, and Oshika Peninsula is suitable to observe the tsunamis.
著者
Bing Han Chuan Li Hao Meng Fernando Gomes Romeiro Andrea Mancuso Zhirui Zhou Giovanni Battista Levi Sandri Ying Xu Tao Han Lei Han Lichun Shao Xingshun Qi
出版者
International Research and Cooperation Association for Bio & Socio-Sciences Advancement
雑誌
BioScience Trends (ISSN:18817815)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.10-22, 2019-02-28 (Released:2019-03-14)
参考文献数
79
被引用文献数
14

Hepatocellular carcinoma (HCC) is one of the most common malignant tumors. During the recent years, external-beam radiation therapy (EBRT) has been safely and effectively employed for the management of HCC. We overviewed the current evidence regarding the efficacy and safety of EBRT for HCC according to the different target population. PubMed database was searched for identifying English-language full-text articles regarding EBRT for the treatment of HCC. Search items were "hepatocellular carcinoma AND radiation therapy". Until now, preliminary evidence has suggested the following role of EBRT for HCC. 1) EBRT, especially stereotactic body radiation therapy, is an emerging choice of therapy for small HCC. 2) EBRT combined with non-surgical treatment can achieve an excellent intrahepatic tumor control and a potential survival benefit for huge HCC. 3)Adjunctive EBRT may improve the efficacy of transarterial chemoembolization for HCC with portal vein tumor thrombosis. 4) EBRT can relieve the pain and improve the quality of life for patients with extrahepatic metastases. 5) EBRT may be a bridge to liver transplantation by minimizing the tumor progression. 6) Adjunctive EBRT may reduce the tumor recurrence and improve the survival after resection. In summary, EBRT is a promising choice of treatment of HCC. However, more high-quality evidence is needed to further establish the status of EBRT for the management of HCC.
著者
金戸 進 山内 恭 Susumu Kaneto Takashi Yamanouchi
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.459-476, 1999-11

第38次南極地域観測隊ドームふじ観測拠点越冬隊9名は, 1997年1月25日から1998年1月24日までの1年間, ドームふじ観測拠点での3年目, 最終年の越冬観測を実施した。今次隊では, 気水圏系プロジェクト研究観測の「氷床変動システム研究観測」と「南極大気・物質循環観測」を主に実施した。前者では, 36次隊から続けられた氷床深層掘削が中心課題として計画されていたが, 前次隊末のドリルスタック以来, 液封液の補充を続けたがドリルを回収できず, 深層掘削の再開には至らなかった。しかし, 前年までに掘削された氷床コアの現場処理・解析を続け, 多くのコア試料を持ち帰った他, 雪氷観測, 浅層掘削, 内陸旅行観測を行った。後者では, 新たな観測として, ライダーによる極域成層圏雲の観測やGPSゾンデによる高層観測, 大気循環場の観測等を精力的に実施し, 初めて内陸での極成層圏雲の通年の盛衰を捉えたり大気循環場のブロッキング高気圧に伴う熱や水蒸気の流入を捉えるといった成果を上げることができた。これら観測を支える設営面では, 水作りのための雪取りや, 燃料ドラムの搬入, 低温下での車両の立ち上げに苦労した。燃料事情は厳しかったが, 昭和基地からの補給を行ったことで内陸調査旅行が可能となった。越冬最後に, 基地の閉鎖作業を行い, 基地を後にした。
著者
三石 邦廣
出版者
飯田市美術博物館
雑誌
伊那谷自然史論集 (ISSN:13453483)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.39-42, 2012-03

2001年12月に中島により飯田市上村日影岩において,関西型のニホンヤマネ(以下, ヤマネ)と思われる個体が生息することが指摘された.その為,飯田市上村1番地及び同程野山国有林に関西型のヤマネが生息しているのではないかと仮説を立てて調査を行った.調査方法は,ヤマネの目の縁取りを写真撮影すること及びDNA解析によった.その結果,上村調査地のヤマネは、ハプロタイプが「Akaishi」グループおよび「Kanto」グループの個体がみられ,「Akaishi」グループでは目の縁取りは均一に黒い関西型となることが判った.同時に調査した飯田市上郷野底山財産区有林の個体は,「Kanto」グループに属するヤマネであり,「Kanto」グループでは目の縁取り,ギザギザしていて均一に黒くないことが判った.
著者
鈴木 義雄
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.1173-1182, 1982-08-20

はじめに 人工肛門というアイデアがこの世に生れたのは1710年のことである.フランスのルイ14世時代で,日本では,宝永7年,7代将軍家継の時代にあたる.フランスのAlexis Littr'eは,生後6日目,鎖肛で死亡した新生児を解剖し,閉鎖部位を切除して,今日でいう,端々吻合を行うか,少なくとも,閉鎖部位より口側の腸管を体外に誘導すれば,救命できたであろうと示唆した.Académie Royale de Sciencesの歴史学者Fontanelle氏が,上記のような,Alexis Littr'eの文献に着目し紹介したのが初まりである(Tilson Dinnick1)より).現在の高度に発達した医療を十分に理解するために,過去の流れに注目することは意義がある.人工肛門造設術も当然変遷の歴史があり,今回は現在の人工肛門造設術にいたつた過程を年代順にひもといてみたい.