著者
祖父江 寛 村上 謙吉
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.9, no.92, pp.454-461, 1952
被引用文献数
2

樹脂加工用尿素・ホルムアルデヒド初期縮合物は従来のものは甚だ不安定で, 使用中短期間に混濁, またはゲル化してしまう。しかしながらトリメチロール尿素, テトラメチロール尿素のような高メチロール化物を共存させるとき, 樹脂液は長期間安定性を失わぬ [デュポン社, 英特許 641, 703 (1950)]。<BR>かかる実用的な面からしても, 初期縮合物モノ, ジ, トリ, テトラの4種メチロール化物のおのおのの生成量の比及び状態が反応温度, 反応時間, 触媒量の変化によつて, いかに変化するかを知ることは重要なことである。これに関する報文は第2報以下にゆずり, 第1報にては適当な低温条件下で, モノ, ジの2種のメチロール尿素を生成せる場合の尿素, ホルマリン, モノメチロール尿素間の平衡恒数K1及びモノメチロール尿素, ホルマリン, ジメチロール尿素間の平衡恒数K2の測定に関し, 2種類の異つた測定法を述べこれらと井上・細野氏の測定法とを比較検討した結果について記述する。
著者
Shinobu Sugihara Ichiro Hisatome Masanari Kuwabara Koichiro Niwa Nani Maharani Masahiko Kato Kazuhide Ogino Toshihiro Hamada Haruaki Ninomiya Yukihito Higashi Kimiyoshi Ichida Kazuhiro Yamamoto
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.1125-1132, 2015-04-24 (Released:2015-04-24)
参考文献数
41
被引用文献数
24 82

Background:Uric acid (UA) serves as an antioxidant in vascular endothelial cells. UA transporter 1 (URAT1) encoded by SLC22A12 is expressed in the kidney and vessels and its loss of function causes hypouricemia. The purpose of this study was to examine whether there is any endothelial dysfunction in patients with hypouricemia.Methods and Results:Twenty-six patients with hypouricemia (<2.5 mg/dl) and 13 healthy control subjects were enrolled. Endothelial function was evaluated using flow-mediated dilation (FMD). mRNA of UA transporters expressed in cultured human umbilical endothelial cells (HUVEC) was detected on RT-PCR. There was a positive correlation between FMD and serum UA in the hypouricemia group. URAT1 loss-of-function mutations were found in the genome of 21 of 26 patients with hypouricemia, and not in the other 5. In the hypouricemia groups, serum UA in homozygous and compound heterozygous patients was significantly lower than in other groups, suggesting that severity of URAT1 dysfunction may influence the severity of hypouricemia. Thirteen of 16 hypouricemia subjects with homozygous and compound heterozygote mutations had SUA <0.8 mg/dl and their FMD was lower than in other groups. HUVEC do not express mRNA of URAT1, suggesting the null role of URAT1 in endothelial function.Conclusions:Depletion of UA due to SLC22A12/URAT1 loss-of-function mutations causes endothelial dysfunction in hypouricemia patients. (Circ J 2015; 79: 1125–1132)
著者
高橋 剛一郎
出版者
Ecology and Civil Engineering Society
雑誌
応用生態工学 = Ecology and civil engineering (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.199-208, 2000-12-21
参考文献数
26
被引用文献数
7 5

魚道の機能評価について,従来の評価を概観し,望ましい評価のあり方を考察した.魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業(1991)以降,魚道が多数造られた1994年以降に砂防学会で発表された魚道関係の講演や論文を調べたところ,限定的な条件下での遡上実験によって効果を推定するものが大半であった.大ダムである小牧ダムの魚道は,魚を遡上させることは可能であったが,最終的に失敗に終わり,単に魚を遡上させること以外のさまざまな要素が関係していることが示唆された.現在の魚道技術の粋を集めて造られた長良川河口堰の魚道については,設置者側が魚道を遡上した魚の個体数などをもとに効果があるとしているものの,独自に魚道の効果や堰の影響を調査している研究者らはアユ,サツキマスなどの生態への堰の影響は大きいとし,魚道の効果に対し厳しい評価をしている.このように,従来の魚道の評価の多くは限定的な条件下での遡上実験によるなど,魚道の機能の一部を取り上げたものであり,これでは不十分である.本来そこに生息していた魚が,特別の保護手段なしに世代交代できる環境を保証するという理念に照らせば,魚の生活にどのような影響を与えているかという総合的な評価が必要である.実際的な調査として,個体群動態に基づいた手法を提案する.水系といったまとまった地域における魚の全体的な分布,季節的な分布・移動や年齢構成・性比などを把握することにより,ダムや魚道の影響を総合的に評価することができる.個体群生態学に基づいた調査の指針を開発すべきである.
著者
亀垣 航 森山 甲一 武藤 敦子 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2P203, 2018 (Released:2018-07-30)

リアルタイム戦略ゲームでは、人間の能力に合わせてコンピュータの認識能力に制限をかけた条件下では、人間のプレイヤーに勝利することは困難である。 常に多くのパラメータがごくわずかな時間で変動し続けるため、限られた時間内で膨大な量の情報を処理して行動を選択することが求められるからである。 モンテカルロ木探索の計算時間を増加させることで行動選択能力の向上が見込まれるが、ゲーム環境の変化への対応が遅れてしまい、悪化する可能性が推測される。 本論文では、応答時間を延長させることによって、モンテカルロ木探索の探索時間増加による行動選択能力の向上と、ゲーム環境の変化への対応能力である即応性の兼ね合いを観察する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.264, pp.57-61, 2011-10

政府の社会保障・税の一体改革で打ち出された「消費税率10%」が、増税に積極的な野田政権の誕生でいよいよ現実味を帯びてきた。これに対し医療団体は、長年医療機関の経営を圧迫してきた「損税」の解消を求め、運動を強化させている。消費税問題を巡る最新の動きを追い、解決の可能性を探った。 収入に上乗せできない消費税が、医療機関のコストとなるいわゆる「損税」。
著者
岡部 信彦
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.171-179, 2007 (Released:2008-06-05)
被引用文献数
7 8 2

2007年前半我が国では麻疹の流行があり,大学や高校の休校や,海外への持ち出しなど,社会的にも大きな話題になった. 麻疹ワクチンの導入以来,「皆が罹る重い病気,はしか」は順調にその発生数が減少してきたが,近年では2001年20-30万人の患者発生を見た.この時の流行は圧倒的に幼児に多く,ワクチン接種率50-60%と低い1歳児を対象に「1歳のお誕生日には麻疹ワクチンのプレゼントを」というキャンペーンが全国的に展開された.ほどなく1歳児の麻疹ワクチン接種率は80-90%となり2006年までに麻疹の発生数は1万人を切るとこところにまでなったが,2007年,20歳前後の若者を中心に麻疹の流行が発生した.小児の麻疹は2001年をはるかに下回るものであったが,15歳以上で届けられる成人麻疹の報告数は2001年の流行を上回ったものである. 今回の麻疹流行をきっかけに,国内での麻疹対策はすすみ,2006年6月から導入された麻疹(および風疹)ワクチンの2回接種法(1歳児,小学校入学前1年間)に加えて,中学1年,高校3年年齢も対象とした補足的接種を5年間行なう方針となった.また麻疹はこれまでは小児科定点および基幹病院からの成人麻疹の報告であったが,トレンドの把握ではなく,きちんとした発生の把握とそれに基づいた対策実施のために,全数報告のサーベイランスに変更する方針となり,我が国において麻疹の排除(elimination)を大きい目標とすることが決定された. 本稿では,我が国における,最近の麻疹の疫学状況,WHOの示す麻疹排除(elimination),そして我が国が今後取るべき方向などについてまとめたものである.
著者
掛下 哲郎 原槙稔幸
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SIG01(TOD8), pp.131-139, 2001-01-15

電子的に流通する様々な情報(エンティティ)の共有および活用を促進するためには,エンティティの分類および整理を円滑に行う必要がある.本論文では,このために多次元分類方式を提案する.提案方式では互いに独立した概念ごとに平衡した木構造を構成し,それらを組み合わせることで複数の分類基準に対応した情報整理を行う.本方式により,格納されているエンティティの概観や検索コストの低減が可能になる.また,木構造の管理コストも低い.さらに,同一のエンティティ集合に到達する検索経路を多数提供できるため,利用者の様々な検索要求に柔軟に対応できる.本論文では多次元分類方式のコスト評価モデルを作成し,モデル評価実験を行う.

2 0 0 0 行政学

著者
原田久著
出版者
法律文化社
巻号頁・発行日
2016
著者
豊島 襄
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.79-100, 2002

経営やマーケティングの研究者の問でも、研究の「方法論」の問題は避けて通られがちであるという。しかし、経営やマーケティング研究に実務へのインプリケーションを求め続けてきた筆者30年の実務経験の中で絶えず感じてきた不満の根本原因を辿ると、それらが拠って立つ方法論の問題に行き着く。具体的にはその不満は、「実証主義」が無批判的にメインパラダイムになっているというところにあり、それが依拠する「存在論と認識論」にあるように思われる。<BR>この筆者の問題意識に応える研究が、幸い、近年アカデミズムの世界でもなされ始めた。日本では、石井淳蔵『マーケティングの神話』 (1993) や、沼上幹『行為の経営学』 (2000) であり、アメリカではK.J.ガーゲン『もう一つの社会心理学』 (1998) などである。それらは、それぞれマーケティング、経営学 (組織論) 、社会心理学と直接の研究領域は異なるが、大きく自然科学とは違う「社会科学」の方法論として捉えれば、同じ土俵で議論できる。<BR>それら先行研究のレビューを通じて、ひとまず、一般的な社会科学の「存在論と認識論」を問い、続けてマーケティング研究という社会科学の一分野において、「実証主義的アプローチ」の位置づけの見直しと「解釈主義 (学) 的アプローチ」の必要性についての議論を行なう。<BR>マーケティング研究のみならず実務においても、過去の理解や未来に向かう意思決定において「解釈」と「読み」が欠かせないことを主張する。
著者
柴田 博仁 大村 賢悟
出版者
画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.975-981, 2011-11-25
参考文献数
31
著者
山本 裕美子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.498, pp.34-36, 2015-07

熟成肉を目玉にした業態は、ここ数年で急速に店数を増やしている。その影響で、おいしい肉を提供するだけでは、独自性を打ち出すのが難しくなっている。 「ゴッチーズビーフ 池袋西口店」は、リーズナブルな価格の熟成肉に加えて、女性客が好むサイドメニ…
著者
金井 豊
出版者
The Sedimentological Society of Japan
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.19-26, 2014-06-30 (Released:2014-09-04)
参考文献数
69

環境中に存在しているベリリウムの放射性同位体である 10Beおよび 7Beを,堆積学・堆積地球化学の分野に適用した研究例を紹介した.また,測定法についても解説を加えた.これらの核種は,その生成が地球大気中にあり定常的に地表面に降下して堆積していること,粒子とともに挙動するためそのトレーサーとして有用であること,放射性核種であるため「半減期」という時計を有していること,などの特質を利用して,地表堆積物や海底堆積物の年代測定,大陸侵食や土壌侵食・流出,沿岸堆積物の新旧や挙動解明などの研究例があり,Beの同位体を用いる応用研究は様々な分野で広がりつつある.
著者
水本 篤 MIZUMOTO Atsushi 竹内 理 TAKEUCHI Osamu
出版者
関西英語教育学会紀要
巻号頁・発行日
2008-03-21

Reporting effect sizes is now mandatory when submitting research papers to professional journals in our field. In this paper, therefore, we introduce and discuss the fundamental concepts and some considerations of the effect sizes in EFL research in Japan.