著者
瀧 弘之
出版者
中京大学
雑誌
中京大学体育学論叢 (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.19-25, 2002-03-31

J-League Soccer is now in its tenth year since the establishment of J-League. During the past ten years, the Japan National Team took part in the World Cup Competition in France in 1998. And U-23 Olympic, U-20, the U-17 National Teams took part in International Competition too. J-League soccer and Managers from overseas have played a great role in this success. The Kashima Antlers became the first champion to win the 1993 J-League 1st stage. The team had a poor record during its next two seasons. But the Kashima Antlers won the J-League Championship the first time in 1996 through the efforts of a Brazilian manager, Joao Carlos. The purpose of this study was to determine the guiding principles of soccer team management, and to describe the strength of the Kashima Antlers, thanks to the coaching of Joao Carlos.
著者
近藤 淳
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.166-174, 2013-01-01 (Released:2013-01-01)
参考文献数
39
被引用文献数
2

圧電結晶表面を伝搬する弾性表面波(SAW)は,伝搬面と接する媒質の物理的・化学的変化によりその波の速度と減衰が変わる.信号処理用SAW素子では,この変化をいかに小さくするかが重要になる.逆にセンサ応用では,この変化を積極的に利用する.SAWセンサは,気相系,液相系センサに応用可能である.また,センサ感度は用いる圧電結晶によっても異なる.そこで,本稿では弾性波センサ一般について述べた後,SAWセンサの原理について,その考え方と摂動法により導出された摂動解を示した.次に,代表的な計測方法について説明し,実際の測定例として,ガスセンサ,液体計測,免疫反応計測などについて紹介した.
著者
宮野 祥雄
出版者
上武大学
雑誌
上武大学経営情報学部紀要 (ISSN:09155929)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.39-61, 2009-03

(1)殺意発生の機序 母親によせる本青年の思慮と,姉の学歴についての嫉妬,自己中心的,陰険で本青年を格下に置きたがるなどの本青年に対する姉の態度や言動,本青年の精神的自立性や個人的価値体系の発達における過渡期の心理的特徴が複雑に絡んで,本青年に対する前述した姉の態度や言動に本青年はとらわれ,姉への怒りや憎しみ,敵意を募らせていった。そして,募った怒りや憎しみ,敵意が殺意へと繋がった。(2)殺意消失化の機序 本青年による《ステップ1》の「殺意の記述」が行なわれた。その後,《ステップ2》の「筆者への相談の意志の表明」,「ステップ3」の「殺意の具体的内容の記述」,《ステップ4》の「"問題"を解決していこうとする主体性の表れ」,《ステップ5》の「"問題"をひとに頼らず乗り越えようと決意する」,《ステップ6》の「姉との別居の時期の見通しが成立」,《ステップ7》の「見通しが現実化し,何とか耐えようとする」,《ステップ8》の「教師になることを目指し,"監獄行き"を回避しようとする」,《ステップ9》の「殺意の波動があまり起きなくなった」,と進んでいった。そして,《ステップ10》の「姉に対して殺意を抱く状態から姉に同乗を寄せる状態への変化を自覚する」に到った。
著者
千々和 泰明
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.154, pp.154_62-154_78, 2008

The purpose of this research is to explore political dynamics of the ways of Japan's defense capability, asking why the &ldquo;Concept of Basic Defense Capability&rdquo; (<i>kibanteki boeiryoku koso</i>), which was introduced in the 1976 National Defense Planning Outline (<i>boei taiko</i>), has been maintained for over 30 years and how this concept has affected defense capability construction.<br>The ways of defense capability can be typified as four genres. Type I recognizes the threat level as low and emphasizes the autonomy of Japan's defense capability. Type II also admits the importance of autonomy but does not consider the threat level as low. Type III and IV emphasize operability with forces of Japan's ally, the United States. Type III is distinguished from type IV based on the level threat recognition. In the preceding studies, the Concept of Basic Defense Capability was understood as a type I defense concept.<br>In fact, the Concept of Basic Defense Capability has consisted of a number of diverse interpretations, so it can be explained by any of the above ways of defense capability. Around the period that the 1976 NDPO was developed, the Concept of Basic Defense Capability had type I-III interpretations. The vice minister of defense, Kubo Takuya, understood the Concept of Basic Defense Capability was a type I defense concept, but other defense bureaucrats interpreted the Concept of Basic Defense Capability as type II. Some Self-Defense Force officials downplayed low threat recognition and the autonomy of defense capability. In the new cold war era, some defense officials and politicians insisted on restoring the Concept of Necessary Defense Capability (<i>shoyo boeiryoku koso</i>) or modifying the schedule form (<i>beppyo</i>) in the NDPO. However, these counter-concepts against the Concept of Basic Defense Capability had been co-opted in these interpretations of the Concept of Basic Defense Capability, because it included two interpretations other than Kubo's opinion. When the 1995 NDPO was formulated after the cold war period, the interpretation of the Concept of Basic Defense Capability was expanded to type IV.<br>In conclusion, the Concept of Basic Defense Capability has continued for over 30 years, co-opting its counter-concepts in itself, restoring the cracks among domestic groups, and permitting a consensus to be made over the ways of defense capability through its diverse interpretations.
著者
妻木 充法
出版者
The Japan Society of Acupuncture and Moxibustion
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.684-689, 2008-08-01
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

クラブワールドカップは、 6大陸のクラブ王者が世界一を決める大会であり、 その審判もアジア、 アフリカ、 南米、 北中米カリブ、 オセアニア、 ヨーロッパより選出される。 今回、 世界サッカー連盟 (FIFA)、 日本サッカー協会より依頼を受け、 鍼灸師が審判団のメディカルサポートを行った。 業務は、 練習及びフィットネステスト時のトレーナー活動、 試合帯同、 トリートメント業務 (鍼治療、 マッサージなど) であった。 16日間で59回の鍼治療、 63回のマッサージを行った。 大会期間中の外傷はハムストリングス肉離れ2名、 障害は、 腰痛、 アキレス腱周囲炎、 頚部痛などがあり鍼治療を行い改善した。 しかし2度の肉離れを起こした1名は、 帰国した。 鍼を知らない審判もいて、 日本の鍼治療を理解してもらう工夫が必要であった。 今後は、 感染防止の対策、 鍼の効果や傷害についての英語での説明法、 各国の食事やサプリメントの正確な知識を持つことの必要性を痛感した。
著者
中野 葉子 大竹 美登利
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.34, 2006

<br><b>【目的】</b><br> 実験・実習などの体験的学習が多い被服や食物の領域に比べ、家庭経営領域は、生徒の関心が薄く、学習意欲も低い。現在は「家庭基礎」2単位を洗濯する学校も多く、家庭科の授業時数は少ない。そこで、生徒が興味関心を持って、楽しみながら短時間で学習でき、多様な学校での実施が可能な「生活設計ゲーム」を開発し、授業実践を行って、そのゲームから生徒が学ぶ内容を明らかにすることを研究の目的とした。<br><b>【新たな教材の開発】</b><br> 本研究では、「仮想生活ゲーム」(社団法人損害保険協会)のゲームを基にして、「生活設計ゲーム」を開発した。「仮想生活ゲーム」は、夫妻と2人の子どもの4人家族に設定され、生活の中でのリスクを体験しながら、そのリスク回避のために損害保険に入ることが有効であるとの認識が得やすいゲームとなっていた。大変わかりやすい教材であったが、損害保険に特化しているので、家族や就労、生活スタイルの相違によって、収入や支出が多様であり、また、生活のリスク回避として、様々な社会保障のしくみがあることなど、より総合的な生活運営の仕組みを学べるゲームを開発したいと考えた。<br> そこで、プリテストをしながら、「仮想生活ゲーム」を改良し「生活設計ゲーム」を完成させた。改良の主な点は、(1)多様な家族構成・就労形態の7つの家族パターンの設定および決め方、(2)家計費目毎の予算を立てやすいように選択肢を設定、(3)あらゆる計算を簡単に、(4)見やすいプリント冊子の作成、(5)イベント内容の精査、(6)言葉表現を簡単でわかりやすく、(6)2時間で実施可能なこと、(7)おみくじカードなどの教材キットの工夫である。<br><b>【本ゲームで生徒が学ぶ内容の検証】</b><br><b>1.方法:</b>都立5校(普通科3校、職業科2校)で「生活設計ゲーム」を実践し、その前後に、(1)家族に関する意識、(2)就業形態の指向、(3)生活設計への興味関心、(4)社会保障・資産の優先順位、(5)家庭経営の学習意欲、(6)ゲームの感想に関するワークシートを記入してもらい、このデータを分析した。<br><b>2.結果:</b>ゲーム実施によって(1)「家族に関する意識」は子どもを持つことへの負荷を感じるものが増加し、(2)常勤を希望する生徒が増加し、逆に、フリーターに対するプラスイメージが減少し、大変さを認識する生徒が増えた。(3)社会保障・資産に関しては貯金や社会保険、生命保険への期待が高まり、(4)「生活設計への興味関心」は増加し、(5)「家庭経営領域の内容」については、「正社員とフリー他の違い」「社会保障制度」「子育てに関するサービスやそれにかかる費用」などに関しての学習意欲が高まった。性別、学科別による相違は少なかったが、自分が取り組んだ家族パターンによって生徒の感想に相違があった。すなわち、一人暮らしやDINKSの家族だった生徒は子どもは居た方が良いという記述が、子どものいる家族であった生徒は預貯金の大切さに関する記述が、子どもの居ない家族であった生徒は保険や社会保障の大切さに関するの記述が多かった。<br><b>【まとめと今後の課題】</b><br> 将来の「家族に関する意識」では結婚願望が増加し、「就労形態について」では常勤志向が高まり、「社会保障・資産の優先順位」では社会保障を大切と思うものが増え、「生活設計への興味関心」は高まった。また「家庭経営領域」に対する学習意欲も向上した。「学科」「実施方法」によってこれらの傾向に相違は少ないことから、汎用性のあるゲームといえよう。なお、ゲームのなかで、就労形態や社会保障の種類と内容などを適宜説明する必要があり、これが、労働や社会保障の理解を促すが、一方で、教員がそれらを十分理解している必要もあり、教員向けの詳しいマニュアルの作成が今後の課題として残された。

2 0 0 0 OA 徳川慶喜公伝

著者
渋沢栄一 著
出版者
竜門社
巻号頁・発行日
vol.巻2, 1918
著者
石田 頼房
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.42, pp.121-149, 1991-03-30

エベネザー・ハワードが1898年にその著書『明日』(後に『明日の田園都市』)で発表した田園都市論は,単なる理想都市論ではなく,極めて実現性の高い計画論であった。しかし,発表当初はハワードの理論も「空想的」とみなされていた。それを空想ではないと感じさせたのが,ボーンヴィルやポート・サンライトなどの既に実現しつつあった工業村だった。もともと,ハワードの田園都市論は19世紀を通じてイギリスでみられた工業村などの試みや,土地公有化論を基礎に考えられたものである。さらに,ボーンヴィルのカドベリーやポート・サンライトのレヴァーなどの,工業村の創始者である工業主はレッチワース田園都市を建設した第一田園都市株式会社の有力出資者でもあった。いわば,田園都市論も田園都市も工業村をぬきにしては語れないのである。しかし日本では,工業村については断片的な紹介しかされていない。この報告では,19世紀イギリスの工業村の内でも最も著名なソルテア,ポート・サンライト,ボーンヴィルの三事例を取り上げ,その計画と建設の歴史,その後の変化,現状について述べる。
出版者
東華堂
巻号頁・発行日
1897
著者
呉 慧太 上田 慎治エジウソン 寺内 文雄 青木 弘行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.149, 2013 (Released:2013-06-20)

飲料は、容器の形状や材質によって味の印象が変化する。また、ワインやビールなど一部の嗜好品には、それぞれの味や香りの特徴に合わせた様々な形状の容器が存在する。それらは形状により、飲料の流れや、香り方を変化させることで飲料を美味しくしている。そこで日常的に飲む飲料でも、特徴に合った形状ならば、より美味しくなる可能性があると考えた。 本研究では、容器形状が飲料に与える影響を明らかにし、それに基づく飲料容器の提案を目的とした。 普段飲む飲料に関する調査から冷めたコーヒーに対する不満が多く見られたため、冷めたコーヒーでも最後まで美味しく飲める飲料容器の提案を考えた。 様々な形状をしたコップのモデルで実験を行い、冷めたコーヒーの不快な特徴を打ち消すような飲料容器を制作した。それらを用いて印象評価を行い仮定の実証と、新たな課題の発見をした。
著者
松井 剛太
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.295-306, 2013-12-25

本研究の目的は,障害のある子どもがいる保育にとって,すべての子どもが充実した遊びを行うための示唆を提起することであった。研究方法として,特別支援学校幼稚部の遊びを分析対象とした。その結果,以下のポイントが明らかになった。第1に障害特性論から脱却することが遊びの充実につながること,第2に,個々の子どもの遊びの構えに着目すること,第3に,遊び込むための構造化を考えること,第4に,集団のノリを生むための教師の役割を振り返ること,であった。最後に,障害特性論の脱却のためには,保育独自の個別の指導計画の開発が必要であることを提起した。