著者
児玉 望 コダマ ノゾミ Kodama Nozomi
出版者
熊本大学文学部言語学研究室
雑誌
ありあけ : 熊本大学言語学論集 (ISSN:21861439)
巻号頁・発行日
no.13, pp.57-68, 2014-03

2013年3月と9月の2回にわたって、対馬市教育委員会の紹介で、対馬市鰐浦住民集会所において現地調査を行なった。2013年3月に実施した調査では、『全国方言資料』の談話録音を3名のコンサルタントに聞いていただいた上で、語裁リスト、文節リスト、連文節リストの読み上げ調査を行なった。2013年9月に実施した第2回調査では、対馬市厳原町在住の江崎マス子氏による、朗読CD付きの方言文学作品『あんねえし』巻末に収録された方言語葉リストを話題として、7名のコンサルタントに、鰐浦の方言について自由に談話していただくという形で、談話音声を録音させていただいた。また、この調査でも、ミニマルペアを中心とした文節・連文節リストと、複合語の読み上げ調査を試みた。談話音声資料の分析はまだ途上であり、この方言のアクセント体系をどのように分析するかは結論が出ているとはいえないが、シンポジウムで問題としていたピッチの揺れは、リスト読み上げ調査の段階で確認できたので、この点を中心に報告する。
著者
笠原 聡子 杉本 千恵 岡 耕平
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.160-168, 2018 (Released:2018-11-13)
参考文献数
34
被引用文献数
2

目的:二次元レジリエンス要因尺度(BRS; Bidimensional Resilience Scale)の信頼性と妥当性を看護学生と看護師で検討する.方法:看護学生246名と看護師881名に自記式質問紙調査を実施した.BRSについて,Cronbachのα,精神的回復力尺度(ARS; Adolescent Resilience Scale)との相関・偏相関分析,共分散構造分析による高次因子分析を行った.結果:看護学生230名と看護師742名から有効回答を得た.高次因子分析により2尺度(資質/獲得RS)7因子の2次元構造が確認された.統御力を資質RSから獲得RSに移行したモデルでの適合度改善はなかった.Cronbachのαは0.49~0.85であり,ARSと有意な相関があった.結論:BRSの信頼性と妥当性は確認されたが,一部因子では結果の解釈に注意が必要である.
著者
石原 俊時
出版者
東京大学経済学会
雑誌
経済学論集 = The journal of economics (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.50-73, 2015-07

論文/Article

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1901年04月10日, 1901-04-10
著者
迫 宏明 坂之上 茂 吉門 敬二 児玉 英明 森脇 可奈子
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.81-87, 2013-03

本稿では、グローバル化時代の高等教育制度に関する基礎的調査について報告する。「グローバル人材育成推進事業」の開始に伴い、グローバルキャンパスの実現に向けた制度構築の基礎的調査を行うことを目的として、2012年度の後期に、先進的な取り組みをしている大学へのヒアリングと、 フォーラム参加を行った。ここでは、調査から得られたポイントを三つ共有する。第一に、教育情報の公表義務化と大学ポートレート構想について、日本私立大学連盟主催セミナー「私立大学に必要とされる教育情報の公表」の論点を紹介し、本学が検討すべきことを提示する。第二に、創価大学主催セミナー「グローバル化時代の大学教育」で提起された論点の紹介と、本学が検討すべき事項を提示する。第三に、学内文書の英文化に関し、大阪大学と同志社大学の先進的な取り組みをヒアリングした際のポイントと、今後、本学が学内文書の英文化を進める上で留意すべき点について整理する。
著者
Solove Daniel J.
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.14, pp.88-94, 2008-12

米国では大学生のほとんどが自分のサイトを持ち,多くがFacebookやMySpaceといったソーシャルネットワーキング・サービス(SNS)に参加している。そこでは誰もが自分のプロフィールや日々の生活を書きつづり,写真や動画を載せている。
著者
横井 謙太朗 河原 達也 堂下 修司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.449, pp.71-78, 1997-01-17
被引用文献数
9

ニュース音声データベースから特定の話題に関連したニュース音声を検索するシステムを実現するため、ニュース音声に話題情報を付与することを考える。新聞記事のテキストデータベースから話題を規定するキーワードを抽出し、それらの話題依存性の統計量を求める。認識器により抽出されたキーワードをもとにこの話題依存性の晴報を総合していくことで、文全体の話題を同定する。今回は、単一単語の話題依存性だけでなく単語共起のもつ話題依存性も利用する機構を提案する。これによってより誤りに強い話題同定が行なえることを、シミュレーションにより実験・評価する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.399, pp.42-47, 2017-12

パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」を運営するRIZAPグループ。今年39歳の瀬戸健社長が2003年に創業した健康食品通販の健康コーポレーションが母体で、17年3月期の連結売上収益は952億円。営業利益は102億円。5期連続で増収、4期連続で増益を続ける。M&Aにも積極的だ。アパレルや出版、生活関連企業など数多くの企業を傘下に収め、業態を急拡大させている。瀬戸社長の独特な時短術を見ていこう。
著者
新井 佑朋
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.151, pp.60-64, 2010-05

1994年に明治薬科大学薬学部を卒業後、国内大手のOTC薬メーカーに勤務し、OTC薬学術担当、医療用医薬品安全性情報担当などを務める。2006年より薬局・薬店に勤務し、OTC薬の相談販売に取り組んでいる。現在、無料メールマガジン「おもいっきり具体的! 薬局の薬の豆知識」を好評配信中。登録はhttp://yuho.main.jp/から。
著者
久保田 由美子 中山 樹一郎
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.141-146, 2005
被引用文献数
1

市販鎮痛剤による多発性固定薬疹の2例を報告した。症例1は31歳の女性。12歳頃より生理痛にて市販鎮痛剤を毎月内服していた。29歳頃より四肢,肛囲の同じ部位に内服後痒性紅斑が出現し色素沈着を残すということを繰り返していた。皮疹部のパッチテスト(PT)でイブ<sup>®</sup>A,ニューカイテキ<sup>®</sup>Z,アリルイソプロピルアセチル尿素(AIAU)が陽性。DLSTはニューカイテキ<sup>®</sup>Zで陽性。以上よりAIAUを原因と確定した。症例2は33歳の男性。23歳頃より片頭痛にて月に1回,バファリン<sup>®</sup>,30歳より新セデス<sup>®</sup>錠を内服していた。初診の半年前より内服後,口腔内と両手に痛痒い紅斑が出現し,色素沈着を残すということを繰り返し,2日続けて内服後,重症の粘膜症状が出現し,ステロイド内服を必要とした。皮疹部のPTで新セデス<sup>®</sup>錠,セデリン<sup>®</sup>,エテンザミドが陽性。DLSTは新セデス<sup>®</sup>錠で陽性。以上よりエテンザミドを原因と確定した。2症例とも病歴より原因薬剤は特定できたが,原因成分の特定には皮疹部PTが有用であった。
著者
野口 学 田畑 貞寿
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.271-276, 1991-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1

夜間利用を考慮した公園や緑道の設計計画の諸要因を導き出すためには, 夜間における公園利用者の行動, 意識等の適切な評価が必要である. 本研究では調査対象地として日比谷公園 (東京都), 山下公園 (横浜市), グリーンパーク遊歩道 (武蔵野市) を取り上げて, 直接面接法によるアンケート調査と公園平面図等による図上計測を行い考察した. その結果, 夜間利用を考慮した公園や緑道の設計計画の諸要因において重要な位置を占める要因は, 「樹木被覆地率」と「照明計画」等であることが明らかになった.
著者
小林 正直 山本 富士男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.32, pp.127-132, 2007-03-22

近年、RSS は天気予報の配信、CD・書籍の発売情報の配信など様々な情報の配信に使われるようになった。今後、RSS リーダーには多様化した RSS 情報を整理し保存できるような機能が必要である。本研究では WEB 型の RSS リーダーを拡張して、スクラップブックのように RSS を保存し、整理することが出来るシステムの開発を行った。システムは AJAX で実装し、RSS の各アイテムを付箋紙状のウインドウとして扱えるようにした。また、コメントを加えたり、複数の RSS アイテムのウインドウを組み分けることが行えるようにした。これにより、技術ポータルからある技術に関する記事だけを収集するなど、利用者が RSS を自由に整理・保存することが可能になった。In late years, the RSS is used for the delivery of various information such as a weather forecast, release information of CDs and books. For future RSS Reader, several functions of rearranging and the save of various RSS information will be demanded. In this study, the RSS reader of WEB type is expanded so that we can store and rearrange RSS information. The system is implemented in AJAX and is able to manage each item of the RSS as a tag-shaped window. Addition of comments and the use of multiple windows for plural RSS are also available. One may use this system effectively in the case of collecting one's interesting articles about a specific theme from many portal sites.
著者
掛川 富康 Tomiyasu KAKEGAWA
出版者
茨城キリスト教大学
雑誌
茨城キリスト教大学紀要. 1, 人文科学 (ISSN:13426362)
巻号頁・発行日
no.51, pp.73-87, 2017

民主的なワイマール体制も30年代からその問題を露呈させてくる。ロマニスト,E. R. Curtiusは,警告の書「危機に立つドイツ精神」(32年)において,伝統的教養に対する時代の憎悪に警告を発し,その救済の視線をラテン中世に注ぎ始める。文学者Thomas Mannは,「戦闘的フマニスムス」を唱える。古典学者W. Jaegerは,パイデイアとキリスト教思想の統合を図る。フランスの歴史家H.-I.Marrouは,ホメロス以来のヒューマニズムと中世キリスト教思想のなかに,戦後の文化形成の可能性を祈念する。E. Gilsonは,そのトミズム理解を基礎に,人間のラチオナールな思惟能力のうちに人間性の基礎を求める。ボン大学のロマニスト,Curtiusは,ホメロスの叙事詩のなかに人間性の再生の原点を見ようとする。渡辺一夫は,16世紀フランスのラブレーの文学に専心し,新教と旧教の対立に見られる宗教的狂気に抗してユマニスムに視線を注ぐ。戦後に現れたヒューマニズムへの回帰は,多くの場合,ホメロスの叙事詩の中にフマニスムスと文学性の根源的連関を確認しているが,このような時代の中で,ロマニストE. Auerbachは,創世記とホメロスの叙事詩を嚆矢とする西洋の(通時的)文学史を,キケロの三文体論とキリスト教による並行的文体及び謙抑体との交錯という視点から考察する(「ミメーシス」47年)。ヘブライ・キリスト教思想の中に宿る,日常性と悲劇とを統一して理解する文体の可能性をとらえ,旧約聖書・創世記や新約聖書の日常ギリシャ語(所謂のコイネー)の中に,三文体論では見られなかった新しい現実描写の可能性を認知する(様式混合Stilmischung)。この様式混合は,後年19世紀フランス文学のリアリズム(スタンダール,バルザック,フローベール)の中で再生したとされる。10年後の「中世の読者と言語」(58年)においては,古代の教養を受領したロマンス語圏と異なってドイツ文学とその地におけるフマニスムスの不毛性が指摘される。俗ラテン語(Gregor von Tour)も未成長にとどまったとされ,カール大帝によって招来されたラテン語文化の復興も,神学・典礼・法学を担う社会上層部に限定され,文学言語としての生命力を秘めた俗ラテン語や民族語には無縁であったと判断される。18世紀後半いらいのドイツ特有の歴史主義によって,GoetheやSchillerにおいて新しい文学的覚醒が見られたが,新しい社会の現実には,無力であり,その無力さは,Ciceroの文体による(閉鎖的な)現実理解の突破を可能とした様式混合が見られない事実と対応するとされる。戦後のドイツ・ロマニストの業績の一つは,ゲルマンの地においては,文学性とフマニスムスが歴史的に未成熟であることを指摘したことであろう。