著者
宮田 律
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治
巻号頁・発行日
vol.1989, no.92, pp.158-170,L16, 1989

The coup backed by the CIA which toppled the Mussadiq's government in 1953 and the failure of the popular uprising led by Khumeini initiated and developed the anti-US feeling in Iran. This fact can be proved because Khumeini's &ldquo;struggle&rdquo; against &ldquo;American imperialism&rdquo; led to the Iranian Revolution in 1979 and the successive US hostage incident in Iran (November 1979-January 1981).<br>After the uprising in 1963, the U. S. government gradually got on closer terms with the Shah's regime. Such U. S. support for the corrupt and repressive government of the Shah had close connections with important American industries, such as munitions production, electric power generation and communication industry. In addition, the clash of interests and competition of these industries in Iran were carried out by bribes and a huge commission system. Furthermore, in 1977, about 70% of the national budget was spent on military affairs, so it was evident to many Iranians that the Iranian policies were determined by the interest of these American enterprises.<br>After the 1963 uprising was quelled, Khumeini formed strong attachments with the purpose of overthrowing the Shah's regime. He believed that the Shah was selling the spirit of Iran to the U. S. and propagating corruption, immorality and repression. In addition, Khumeini blamed the U. S. for making the Shah carry out the &ldquo;White Revolution&rdquo;, so it was responsible for the tragedy that occurred in that uprising. Khumeini also declared that the U. S. government compelled the &ldquo;Puppet Shah&rdquo; to give Americans extraterritorial rights. Up until the revolution in 1979, he had condemned the Shah and admired the people who were engaged in the anti-establishment movement, and he denounced the U. S. government for supporting the corrupt and repressive Shah's government. Thus, Khumeini and his followers became the background of anti-US ideology of the Iran-Islam government which has endured till the present.<br>This paper traces the formation and development of anti-American feeling in Iran. This anti-US feeling has formed the basis of diplomatic policies of the Iranian government since the revolution. Needless to say, Iranians have various feelings about the U. S. In fact, while freedom and democracy have been questioned in Iran since the revolution, some Iranians have discovered the merits of American democracy. This influence of democracy had penetrated the public as well as the private sector, because it is known that some Iranian government officials secretly negotiated with the U. S. government in the Iran-Contra incident. Furthermore, Rafsanjani's more realistic government might change its policies against the U. S.; however, it is certain that the Iranian government will follow Khumeini's line for the present. Needless to say, the U. S. learned a great lesson about its relations with the Third World from Iran-a lesson that should be remembered when dealing with these countries in the future.
著者
奥田 将生 橋爪 克己 上用 みどり 沼田 美子代 後藤 奈美 三上 重明
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.97-105, 2010 (Released:2012-02-13)
参考文献数
19
被引用文献数
3 11

登熟期の気温と原料米の溶解性に密接に関係するデンプン特性の年次·産地間変動との関係について解析し,以下の結果が得られた。1 同一品種でも産地間でデンプン特性や蒸米消化性が異なるのは,産地の登熟期気温が影響したことが主な原因であると示唆された。2 25品種27産地の生産年度の異なる試料について,出穂後気温とデンプン糊化温度の関係について解析したところ,登熟期気温と糊化温度は高い相関性を示し,登熟期気温が低い年は糊化温度が低く,一方気温が高いと糊化温度も高くなることを確認した。以上,デンプン糊化温度は蒸米消化性と高い相関性を示すので,これまでと今回の研究結果から,原料米ごとの出穂後の気温に注目すれば,かなりの精度で原料米の溶解性に関する酒造適性を予測できると考えられた。

2 0 0 0 OA 出版年鑑

著者
東京書籍商組合 編
出版者
東京書籍商組合事務所
巻号頁・発行日
vol.昭和11年版, 1936
著者
川島 真
出版者
講談社
雑誌
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.10-14, 2005-09-01
著者
今村 博臣 安東 友美 藤川 誠
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.020-023, 2013 (Released:2013-01-29)
参考文献数
8

ATP is indispensable for all living organisms. Despite its importance, however, distribution and dynamics of ATP level inside living cells still remained unclear. We have developed FRET-based ATP biosensors, “ATeam” and “GO-ATeam”, which enabled us to visualize intracellular ATP level. Using these biosensors, we have successfully evaluated the effect of IF1 protein and Ca2+ on regulation of ATP level. Also, we found that replication of hepatitis C virus genome resulted in the declination of cytosolic ATP level of host cells and the formation of putative virus replication sites with high ATP levels.

2 0 0 0 OA 港と出船

著者
中山 晋平[作曲]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1934-06
著者
飯田 香穂里 プロクター ロバート N
出版者
BMJ Pub. Group / London (c1992-)
雑誌
Tobacco Control = Tobacco Control (ISSN:09644563)
巻号頁・発行日
2018-02-04
被引用文献数
66

目的:日本たばこ産業株式会社(JT)が、研究助成機関である喫煙科学研究財団を1986 年になぜどのように設⽴したのかを調べる。また、この財団が⽇本におけるたばこ政策と科学にどの程度影響を及ぼしたのかを探る。⽅法:最近の⽇本国内の訴訟資料、出版されている⽂書、「Truth Tobacco Industry Documents」アーカイブに保存されているたばこ業界の内部⽂書等を分析した。結果:たばこ規制に対するJT の対策は、1980 年代半ば、JT ⺠営化に伴って強化された。⼤蔵省の保護下にとどまったものの、半⺠営化された会社には、(これまでと同等の)「政治家とのパイプ “access to politicos”」はなくなり、海外たばこメーカーとの連携の必要性が出てきた。その解決策の⼀つが、アメリカの会社と密かに情報交換をしながら進めた、第三者機関としての財団の設⽴だった。この財団には⽇本の科学的・医学的権威を取り込むことが期待されていた。政府や学界の影響⼒のある⼈物に守られ、財団は、国内外のたばこ規制政策に影響を及ぼすという⽬標とともにスタートした。財団から助成を受けた研究者は、国際学会、国内の諮問委員会、たばこ訴訟等に参加し、たばこの販売継続を可能にする環境づくりに貢献した。結論:財団は独⽴や中⽴を意図したものではないことが内部⽂書から明らかであり、JTの主張とは異なる。財団の設⽴は、1953 年にアメリカでスタートした業界による “たばこの害否定論キャンペーン” が、海外たばこメーカーの積極的な協⼒により、アジアに⼊ったタイミングを⽰すものと⾔えるだろう。
著者
浦山 佳恵
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

1.研究の背景と目的<br> 近年、生物多様性が人の暮らしにもたらす自然の恵みを&ldquo;生態系サービス&rdquo;とし、その変化を評価する試みがなされている。衣食住や信仰などの文化多様性は、生態系サービスのうち&ldquo;文化的サービス&rdquo;に含まれ、各地の生態系を維持し、人の社会・精神生活を支える礎にもなっているとされる。また、グローバル化が進むなか地域の魅力を高める資産になる、災害などからの回復力(レジリアンス)の源にもなりうる等の指摘もある。しかし、これまで文化多様性の変化について、地域レベルでの解明はあまり進んでいない。<br> 長野県は多様な自然環境を擁し食文化や行事等伝統文化にも多様性がみられるが、近年生物多様性の減少が指摘され、文化多様性へも影響が懸念される。市町村誌類から明治期~昭和30年頃の野生生物を用いた伝統行事について調べたところ、盆行事は野生生物利用の地域的多様性が顕著で、現在県版レッドリスト掲載種となっているキキョウをはじめ盆花の山野からの採取が広く行われていた。<br> そこで本研究では、長野県の文化多様性に生物多様性の減少が与えた影響を把握することを目的に、盆行事の多様性の変化とその要因を明らかにすることを試みた。<br><br> 2.研究方法<br> 文献調査により、盆行事の歴史や長野県における多様性について整理した。次いで、盆行事により区分された県下7地域ごとに1市町村選定し、4~6名の住民に集まってもらい、(1)昭和30年以降の盆行事の変化とその要因に関する聞取りと(2)昭和30年代の盆棚の復元を行った。調査にあたり、長野県で食文化による地域づくりに取組む池田玲子氏に各地域の調査協力者を紹介頂き、調査協力者を通して調査地や話者を選定した。特色ある行事として、諏訪地域の新盆の高灯籠建て、下伊那の念仏踊り等についても現地調査を行った。<br><br>3.盆行事の歴史と長野県における多様性<br> 盆行事の起源は定かでないが、中国で成立した「仏説盂蘭盆経」に基づく寺院での仏教行事が、7世紀には伝来し貴族社会で行われ、鎌倉時代末に家で祖先に食物を供える日となったとされる。各地の盆行事の伝承には固有の祖先祭りの性格が伝えられているともいわれる。伝統的な盆行事は、墓掃除、盆花採り、迎え盆(盆棚作り、迎え火)、送り盆(供物を川等に流す、送り火)、新盆・その他から構成され、地域により多様であった。迎え火と送り火により先祖を送迎するが、盆花採りによって盆花を依代に先祖を迎える、供物を川に流すことで先祖を送るとも考えられていた。長野県でも盆行事は多様で、上記の構成要素によって県下は7地域に区分された。<br><br>4.盆行事の変化とその要因<br> 昭和30年代には各地で身近な野生生物を利用した個性豊かな盆棚が作られていたが、昭和40年以降盆棚の多様性は減少していた。また、キキョウなどの盆花は栽培・購入されたものに変化し、アメリカリンドウやアスターなども用いられていた。その要因としては、勤めを中心とした生活様式への変化、盆花や盆ござ等の栽培・購入化、家の建て替え、高齢化等の社会的要因の他に、盆花や盆ござ等に用いられた野生生物の消失といった自然的要因が聞かれた。しかし、その自然的要因も、圃場整備や薪炭林の利用放棄・農地開発、畑の利用放棄など社会的要因によるものであったことも聞かれた。<br> 送り火と迎え火に用いる燃料の多様性も燃料の購入化により減少していた。供物を川に流すことはほとんどの地域で生活改善事業によって禁止され、供物は個々で処分されていた。諏訪地域の高灯籠建てはかつて新盆の家と親族が山からアカマツ等を伐り出し行っていたが、技術の継承が困難等の理由により行う家が減少していた。<br><br>5.おわりに<br> 長い歴史を持つ盆行事は、先祖を迎えることで故人と残された者、家族、親族、さらには地域住民が繋がりを深める行事であるが、行事を通して人々は山野やそこに生育する野生生物とも密接な関わりを築いてきた。しかし調査からは、社会環境の変化により、行事による自然環境との関わりは減少し、盆行事の多様性も減少している様子が伺えた。一方で、地域の文化を継承しながら生物多様性を保全する取組みは、里山等二次的自然の保全に役立ち、多くの地域住民の参加が得られる可能性がある点で重要である。今後さらに研究を進め、盆行事を地域の資源として再生し、キキョウ等の草原に生育する野生生物を保全する取組みに繋げていきたい。<br><br><br><br><br><br>
著者
齋藤 佑樹 長山 洋史 友利 幸之介 菊池 恵美子
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.299-308, 2017-06-15

要旨:本研究では,ADOCが作業療法面接に与える影響について検証した.ADOCは作業療法士とクライエントが協業的に面接評価を行い,作業療法目標を立案・共有するための面接ツールである.Webアンケート調査で,5名の予備調査インタビューから得た3つのカテゴリー(①セラピストの知識・技術,②セラピストの自信,③クライエントの状態)を基に,全34問の質問紙にて調査した.ADOCの使用経験者188名の回答を分析した結果,作業療法初心者には作業に焦点を当てた実践を追求したいと思う動機的側面にプラスに作用し,経験者では認知症や失語症など意思疎通が困難なクライエントと意味のある作業を共有する自信がついたとの回答が多いことが明らかとなった.