著者
Naoto Handa Yasushi Takechi
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.6, pp.433-441, 2017-06-15 (Released:2017-07-25)
参考文献数
29
被引用文献数
4

We describe the characteristics of a Rhinocerotidae femur and tibia found within sea-floor sediments in the Bisan-Seto region, western Japan, a region for which the mammal fauna has been assigned the Middle Pleistocene age. Based on morphological and metrical comparisons between the studied specimens and those from Pleistocene rhinoceroses from Eurasia (Stephanorhinus, Coelodonta, and Rhinoceros), the studied specimens can be referred to as Stephanorhinus sp., although their more specific identification is not possible given a lack of further skeletal elements. Nevertheless, our study confirms the presence of Stephanorhinus during the Middle Pleistocene in Japan and supports similar finds elsewhere in western Japan (e.g., Isa in Yamaguchi Prefecture).
著者
伊藤 至乃 天野 幸子 殿塚 婦美子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.39-52, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10
被引用文献数
7 3

母子を組 (429) にして児童及び母親の食事に対する意識や態度を調査した結果, 次のことが明らかになった。1) 児童の家の食事と給食の満足, 不満足の主な要因は, 食事の内容と食卓を囲む人間関係や食事をつくる人とのコミュニケーションの問題であることが明らかにされた。家族や友だちと一緒に食べることや食事づくりの手伝いは, 満足度を高める要因である。ただし給食当番は, 家庭での手伝いほど満足度に影響を与えていなかった。2) 食事に満足している母親は, 家族と密なコミュニケーションがあり, 食事づくりにかける時間が長い。3) 子どもの意識や態度を通しての母親の意識や態度の観察では, 次の3点に違いがみられた。(1) 家の食事に満足している子どもの母親は, 献立に子どもの嫌いな物を考える時に工夫をし, 食事づくりに時間をかけていた。(2) 手伝いをよくする子どもの母親は, 手伝いの期待が高かった。(3) 食べ物の好き嫌いが少ない子どもの母親は, 献立に子どもの嫌いな物を考える時に, 好き嫌いは考えないと工夫しているとに分かれた。好き嫌いを考えない母親は, 家族とのコミュニケーションが親密であり, 互いの期待に応えようとする態度がうかがわれた。(4) 母親の意識・態度を通しての子どもの意識・態度の観察では, 子どもの嫌いな物に対する態度にのみ違いがみられた。子どもが嫌いな物を食べ残した時に何もいわない母親の子どもは, 家の食事に不満足で好き嫌いがあり, 食事も残す。このような母親の子どもに対する消極的な態度とコミュニケーション不足が, 子どもの食事に対する意識や態度に反映されていた。
著者
岡野 邦彦 小川 雄一 飛田 健次
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.395-398, 2010-04-01
参考文献数
7
被引用文献数
2

This paper describes a prospect toward electric power production by the Fusion energy. In the first part of the paper, a principle of TOKAMAK system which is the successful magnetic-confinement-systems for fusion reactors are shown, and then the ITER project based on TOKAMAK and the present status of ITER is reviewed. In the remainder of the paper, a roadmap for fusion energy and conceptual designs of Demonstration reactors are briefly described.

2 0 0 0 OA 中尊寺大観

著者
斎藤隆三 編
出版者
精華社
巻号頁・発行日
1918
著者
久保田晃弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.45-46, 2006-05-04

既存の電子回路を改造することによって、新しい音や独自の楽器を創り出すサーキット・ペンディングは、21世紀のDJカルチャーである。そこにはモダニズムからポストモダンヘという直線史観も、レトロフューチャーな循環史観も通用しない。サーキット・ペンディングがもたらしたのは単なる手法や技術ではなく、ピットやアトム、バイオや量子が混在するヘテロでハイプリットな新世紀に相応しい、新たな文化や価値観の幕開けなのだ。Circuit Bending is based on the DJ culture of the 21st century. Neither a straight line historical view nor the circulation historical view can explain it. It brought the beginning of a new heterogeneous and hybrid culture or sense of values.
著者
呉 鎮宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

&nbsp; &nbsp;近年、訪日外国人旅行者数が増加し続けており、ことにアジアからの旅行者の成長が著しい。また、外国人観光客の観光行動の多様化により、従来の観光地域のみならず、地方への流動も見られるようになった。そこで本研究では、農山村地域におけるインバウンド受け入れに成功した山形県飯豊町における台湾人観光客誘致の取り組みを分析し、その受け入れ可能となった要因と構造を明らかにすることを目的とする。 <br>&nbsp; &nbsp;山形県飯豊町は山形県の南西部に位置しており、総面積の約84%が山林で、県内でも有数の豪雪地帯である。人口は約7,600人で(2015年6月時点)、町の基幹産業は農業であり、主要作物は米作と米沢牛の飼育である。飯豊町の観光・宿泊施設は主に第三セクターの形で運営されているが、近年、設備の老朽化や常連客の高齢化、東日本大震災の影響などによって、観光入込客が減少している。一方、近年の取り組みとしては、飯豊町観光協会(以下「観光協会」)が開催するスノーパーク、なかつがわ農家民宿組合による農村民泊体験等がある。<br>&nbsp; &nbsp; 2008年秋、観光協会に高畠にあるドライブインから「雪遊び」ができる場所について紹介の依頼があり、観光協会は町内の積雪期の未利用地(町有の駐車場)を雪遊びの場として提供することとし、2009年1月に最初の台湾人ツアーを受け入れた。 最初のツアーの経験を踏まえ、次のツアーでは歓迎の意を表すために、雪遊びの会場に台湾の国旗を飾り、帰りのバスに国旗を挿したスノーモービルを並走させて見送るなどの演出を行ったが、この取り組みは台湾人客と添乗員から大変好評を博し、これにより台湾の旅行会社からの継続的な送客に繋がった。 その後、2013年に雪遊びの会場を「スノーパーク」と名付けて、不定期の運営から定期営業を行うことになり、更に日本人客の受け入れを始めた。 しかし、スノーパークは立ち寄り施設であるため、体験料金以外の収入に結び付きにくく、収入は冬に限られてしまう。そこで、一年間を通じた集客をめざし、また台湾人旅行者の滞在時間を延ばすことでもたらされる経済効果を得るため、観光協会は台湾人観光客の宿泊について検討を始めることになった。 その過程で、台湾営業の際、台湾で「田舎に泊まろう」という番組が人気であることを知り、ランドオペレーターとのやり取りの中から、中津川地区の農家民宿を活用した「田舎に泊まろうツアー」が生まれることになった。ところが、農家民宿の経営者は60代以上の高齢者が多く、外国人の受け入れに対して不安を感じていた。スノーパーク受け入れ経験のある観光協会では、農家民宿経営者に対し地道な説得を続け、最終的には「やってみなければ分からない」ということで台湾人ツアーを受け入れることになった。ツアー受け入れを積み重ね、試行錯誤の中で外国人に対するおもてなしの仕方を固めていくことで、スタートした2011年度の92名から、2014年度には222名の受け入れ実績をあげるまでに成長した。<br>&nbsp; &nbsp; 飯豊町における台湾人ツアー受け入れの実務的な流れは以下の通りである。まず、観光協会は年1回程度台湾へ営業に赴き、ランドオペレーターとともに台湾の旅行会社に対して飯豊町の観光コンテンツについて営業活動を行い、それを受けて台湾の旅行会社は、飯豊町の商品を取り入れたツアーを設定して広告・募集活動を行う。このツアーの催行が決まった段階で旅行会社はランドオペレーターを通して観光協会に発注するという手順を取る。 このように、基本的には、観光協会は台湾の旅行会社と直接やり取りをするのではなく、ランドオペレーターを仲介してのやり取りとなっている。このことによって、言語上の問題が解決され、台湾での営業コストも圧縮されて、リスク対策ともなっており、観光協会の職員数が少なく組織が小さくても、台湾人ツアーの受け入れが可能となっているのである。 <br>&nbsp; &nbsp; 台湾人客の受け入れが一過性にならなかった背景には、観光協会が継続的な営業努力を重ねてきたことと、地域内の調整やフォローをこまめに担ってきたことが重要な要素であるといえる。飯豊町の事例をみると、外国人観光客の受け入れに際した地方における人的資源不足の問題は、ランドオペレーターの起用により解消できると考えられる。一方で、仲介役の介入によってサービスを供給する地域とサービスを受ける消費者との間が乖離することにもつながり、観光客のリアルな反応がつかみにくくなり、また常に新しいツアー受け入れが中心となってしまうため、リピーターの育成に結び付きにくい側面があるといえよう。 今回の報告は台湾人観光客自身がどのような志向・意見持っているかについて十分考察できなかった。この点については今後の課題としたい。
著者
大森 翔太朗 金子 知適
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.2374-2381, 2016-11-15

近年プレイヤの個性に関する研究が人工知能の分野で取り組まれ始めている.本研究では,将棋の指し手の選択に注目し,コンピュータプログラムで個性を実現する一手法を提案する.人間における指し手の選択による個性は通常棋風と呼ばれるが,客観的な基準で判定可能なプログラムの棋風について本稿では議論する.提案手法では,指し手の客観的な分類基準を実現したい棋風となるべく関連付けて定め,それに基づいて棋譜を分類し,選別された棋譜で評価関数の学習を行う.これにより,棋風を反映した評価関数が得られることを示す.主要な題材として将棋の攻めと受けという概念について,棋譜の分類と評価関数の学習を行い,得られた評価関数の性質を報告し議論する.対局実験により,攻めと受けの好みについて,意図どおりの変化が指し手に現れたことを確認した.また,提案手法で学習したプログラムと学習前のプログラムとの対戦実験から,棋力の低下は勝率40%程度に抑えられていることを確認した.There are several researches on playing styles of computer players in Artificial Intelligence research in recent years. This study proposes a method to give a computer player an intended playing style in shogi. We focus on playing styles that can be identified in an automated manner. We select a set of game records played by players having the intended playing style, based on statistical analysis proposed in existing researches. Then, we conduct a supervised learning of an evaluation function by using the selected records. The preference on attack or defense moves is used as an example of a playing style, because many moves in shogi are categorized in attack or defense. We implemented our method in shogi and evaluated the playing strength as well as how well an intended style is reproduced in self-play experiments. It is shown that learned evaluation functions have an intended playing style and that the playing strength is about 40% against original program.
著者
大原 久友 福永 和男 吉田 則人 古谷 政道 大原 洋一 伊藤 具英 松岡 保男 伊藤 辰雄
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.225-"249-4", 1967-12-31

著者らは公共草地における造成・維持・利用管理に関する一連の研究を行なっている。今回の報告は北海道河東郡上士幌町字清水谷の町有公共草地において実施したものであり,この清水谷公共草地では主として放牧育成牛による放牧育成を行なうものである。その調査研究の結果を要約するとつぎのごとくである。1.この公共草地は10年以前に森林であったが,その後自然草地(混牧林)として馬の育成に利用されていた。1961年から3ヵ年間にわたり集約草地として改良し,1964年からの3ヵ年間は蹄耕法による簡易草地として造成したものである。その立地条件を示すと全面積: 127ha集約草地造成: 30ha蹄耕法による簡易草地造成: 60ha自然草地: 37ha地況: 標高は400〜480m,乾性地85%,湿性地15%である。土壌: 十勝岳C統火山灰で被覆される火山灰土壌であり,表土のpHは5.9,燐酸吸収係数は1970である。植生: 造成前の植生は乾性地ではカシワ,ミヅナラなどの広葉樹,湿性地ではヤチハソノキの林相であり,前者はササ型(ミヤコザサ),エゾヤマハギの優占する長草型,後者はヒラギシスゲの優占する長草型であった。気象: 一般に低温であり,積算温度は2300℃内外である。時として多雨,無霜期間が短い年もある。したがって一時的には普通畑作物の限界地帯であり,草地農業地帯に属する。2。造成集約草地では常法,つまり障害物除去,耕起,整地,施肥,播種,覆土,鎮圧によって造成した。そのうち施肥と播種はもっとも重要であるが,その量は造成年次によって若干異なる。肥料として炭カル,熔燐,草地用肥料2号(6-11-11),草種としてチモシー,オーチャードグラス,メドウフェスク,アカクローバ,アルファルファ,ラジノクローバを2.2〜2.5kg/10a混播した。蹄耕法による造成も集約草地に準ずるが,集約草地造成の場合よりもやや混播草種数を多くし,播種量も増加した。混播量は3.5〜4.2kgである。造成草地の植生はいずれもよく保持され,とくにオーチャーグラス(マスハーデイ),チモシー(クライマックス),メドウフェスク,ラジノクローバおよびシロクローバ(ニュージランド)などが旺盛に繁茂し,雑草の侵入を防止している。10a当り産草量は3トン内外であるが牧養力はかなり高い。造成後7年次の草地でもかなり植生構成が良好である。造成経費は集約草地の3ヵ年平均がha当り90,628円,蹄耕法による造成草地のそれは38,088円であり,後者の造成費は極めて少ない。[table]3,利用管理集約草地30haを9牧区,簡易草地60haを7牧区,野草地37haを3牧区,つまり全面積127haを19牧区,1牧区平均6.6haに区分し,放牧期間を通じて植生に応じて輪換放牧を行なった。輪換回数は牧区,年次によって異なるが,おおむね2〜7回であり,5回の輪換がもっとも多い。余剩の生じを草については乾草として調製した年もある。1965,1966,1967年における利用状況を示すと左のごとくである。[table]4.放牧期間における育成中の発育入牧時と中間時および終牧時に体位の測定を行なったが,その結果を示すと上のごとくである。入牧時と終牧時における体重の回帰直線はつぎのごとぐである。1965年入牧時Y=14.644x十96.06r=0.939 1965年終牧時Y=15.569x+116.86r=0.946 1966年入牧時Y=13.232x+108.72r=0.971 1966年終牧時Y=16.513x十155.947r=0.965このようにこの公共草地においては放牧育成牛にかなりの効果が認められたが,その原因として考えられる点を指摘すると(1)植生の構成,とくに少ない侵入雑草とマメ科率の保持(2)かなり高い放牧密度(3)植生に応じた適当な輪換方法5.補助飼料給与が発育に及ぼす影響放牧育成牛の栄養を向上せしめるため各群10ヵ月,12ヵ月,14ヵ月齢のもの12頭を用い骨の組成と同じ第3燐酸カルシウムおよび育成牛用配合飼料を給与した結果は左のごとくであり,補助飼料給与の効果は認められる。したがって,育成牛の栄養不良なもの,植生の衰退したときなどはこのようなミネラル,育成牛用飼料を補給することがのぞましい[table]6.経営収支経営収支では1964年は赤字決算(14万円)であったが,1965年以降は黒字決算(1965年は8万円,1966年は52万円,1967年は67万円)となり年とともに次第に黒字額が増加している。収入の主な財源は放牧料と採草料であり,支出の大部分は管理人のための賃金と肥料代である。以上のようにこの清水谷公共草地はかなり造成年次から年数を経ているにかからず,植生の維持がよい状態にあり,集約草地と簡易草地を組み合わせてかなり高い牧養力を保持している。さらに育成牛の栄養も良好にして発育効果も大であり,加うるに経営収支も黒字に転じている。さらに労力の面からみてもこの公共草地は熟練した管理人1人で管理できる単位としてもっとも適正な規模のものであろう。したがってこの草地はもっとも安定した公共草地の1つにあげることができよう。

2 0 0 0 OA 日本紳士録

著者
交詢社 編
出版者
交詢社
巻号頁・発行日
vol.42版(昭和13年), 1938