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出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.202-211, 2017 (Released:2017-07-19)
著者
石森 加奈 高桑 由希子 大慈彌 久絵 吉岡 拓也 前田 聡彦 大岡 正道 山田 秀裕 尾崎 承一
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.418a-418a, 2013

背景:従来Lupus腸炎と言われてきた中でLupus mesenteric vasculitis (LMV)は,悪化すると腹膜刺激症状を呈して腸壊死に至ることがある重篤な合併症である.腹部CTで腸管壁の全周性肥厚と腹水貯留を認めることで診断される.腸壊死に至る症例はSLE活動性と相関することが多く,治療はステロイドパルスとシクロスフォスファミド間歇静注療法を必要とする.今回,LMV様所見を合併した3症例を経験したので報告する.症例1:47歳女性.主訴は腹痛と嘔吐.腹膜刺激症状と,腹部CTで典型的なLMV様所見を呈し,ステロイドパルス,プレドニゾロン(PSL)50 mg/日とアザチオプリン併用にて寛解.症例2:40歳女性.主訴は軟便,腹痛,嘔吐.腹部CTで典型的なLMV様所見を呈し,PSL 50 mg/日にて寛解.症例3:39歳女性.主訴は腹痛と下痢.腹膜刺激症状と腹部CTで典型的なLMV様所見を呈し,ステロイドパルス,PSL 50 mg/日とタクロリムス併用にて寛解.3症例とも診断時にSLE disease activity index (SLEDAI)の上昇は認めなかった.結語:3症例ともLMVと矛盾しない所見を呈したが,PSL反応性良好であり,重篤な経過を辿らなかった.LMV様の所見を呈しても,SLEDAIが上昇していない症例では,比較的予後良好であることが示唆された.<br>
著者
岡部 祥平
出版者
日本精神衛生学会
雑誌
こころの健康 (ISSN:09126945)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.16-19, 1993-06-10 (Released:2011-03-02)
参考文献数
2
出版者
北海道立林産試験場
雑誌
林産試験場報 (ISSN:0913140X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.5-10, 2004-06

従来よりも施工が簡易な鋼板釘打ち接合工法の開発を目的として先孔を空けずに釘を打ち込める鋼板厚さと釘種類の条件を検討し、以下の結果を得た。1)先孔を空けずに金づちでCN釘を打ち込めるステンレス鋼板の厚さは釘径に関わらず同じであり、添え板型で0.6mm、挿入型で1.0mmであった。釘打ち機を使用した場合は、添え板型でも1.0mmのステンレス鋼板に打ち込むことが可能であった。2)ステンレス鋼釘の場合は、添え板型でも1.0mmのステンレス鋼板に打ち込むことが可能であった。3)釘が貫通する際の荷重は、釘の硬さや先端部の形状および木材の密度によって変化した。4)計算の結果、釘の座屈性状は塑性的であり、釘径が大きいほど座屈荷重は大きくなることが示された。
著者
霧間 誠一
出版者
PHP研究所
雑誌
Voice (ISSN:03873552)
巻号頁・発行日
no.296, pp.21-26, 2002-08
著者
堀埜 一成
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.18-22, 2010-04

既存店売上高が前年同期比110%を上回るなど、この不況下で外食業界の「勝ち組」と目されるファミリーレストランチェーンのサイゼリヤ。好調の一因である低価格路線の背景には、生産性向上への徹底した取り組みがある。生産現場の手法を導入し、原理・原則に立ち返って業務を根本から見直している。
著者
笠井 津加佐 笠井 純一
出版者
金沢大学大学院人間社会環境研究科 = Graduate School of Human and Socio-Enviromental Studies Kanazawa University
雑誌
人間社会環境研究 (ISSN:18815545)
巻号頁・発行日
no.33, pp.149-164, 2017-03

初世菊田歌雄(1879-1949)は. 大阪地域を中心に, 箔曲・ 地歌の教育とその芸能の保存に貢献した女性であった。 当時の邦楽演奏家の多くは, 伝統芸能の専門職集団であった花街と深く関わり, 稽古や踊りの地方として活躍していた。 しかし彼女は, 花街とは関係を持たず, 大阪女子音楽学校 (相愛高等女学校に併設)や大阪市立盲学校などで教えると共に, 伝統芸能の専門職として独自の道を歩んだ。 彼女は継山流箔曲をはじめ, 地歌. 胡弓を習得し, その継承のため教 育に努める一方. 箪曲の採譜とその公刊. 点字楽譜の作成. バイオリン用箪曲譜(五線譜)の公刊も行った。 当時宴席でバイオリンを弾く芸妓がおり, 初世歌雄の譜面が使用された可能性もある。 また新聞で地歌の紹介にも努めている。 彼女の教育活動は, 菊原琴治と共に行った公立 女学校において等曲を正課とする運動へと発展し, 文部省の認可を得て, 箔曲音楽学校の設立に至ったが戦後の学制改革により廃止された。 本稿では, 初世歌雄の等曲教授活動の特色について, 菊田氏(三世歌雄)からの聞き取りと提供史料に即して考察を行った。 初世歌雄の教育と花街の教育は, 共に古典芸能の専門職を育成したという点では似ていた。 しかし, 初世歌雄は将来家庭に入る婦人や箪曲・地歌の専門職を育成する学校で教育を行ったのに対し, 花街における芸妓は一定の見習い期間の後は芸を披露する専門職として扱われ, 日々師匠や先輩芸妓について芸を磨きながら座敷に出た点が異なっている。 本稿では, この教育の在り方の相違が, 両者の音楽性(芸質)に違いを生じさせていると推測したが. 明らかに出来なかった点も多く. 今後の課題としたい。
著者
原 将也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.40-58, 2017 (Released:2017-06-09)
参考文献数
54

本稿では現代のアフリカ農村において,移住を仲介する保証人という存在に着目し,人びとが移住して生活基盤を確立していく過程を明らかにする.ザンビア北西部州ムフンブウェ県にはカオンデという民族が居住するが,ルンダ,ルバレ,チョークウェ,ルチャジという異なる民族の移入者を受け入れたことで,複数の民族が混住する.移入者の移住形態は農村を転々とした「農村→農村型」,都市で働いたのちに農村へ移住した「都市経由型」,都市生まれで農村へ移った「都市→農村型」の三つに分けられた.カオンデ以外の移入者は,親族間のもめごとや親族からの都市生活に対する妬みを避けるため,カオンデ農村へ移住した.彼らは親族ではなく,ルンダ語でチンサフという保証人を頼っている.移入者が信頼を寄せる人物であれば,だれもが保証人になりうる.アフリカ農村では人間関係を礎とした保証人によって,人びとの移住と平穏な暮らしが実現されている.
著者
小林 健彦 KOBAYASHI Takehiko
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.48, pp.21-41, 2017-01

日本に於ける自然地形―平坦部、山岳、河川、湖沼、海洋等―や、自然的な現象―気象や地学的な現象等―、或いは、事物等に対して、それらが人間では無いにも拘わらず、それらに恰も人間であるかの如き日本語運用上の待遇格を与え、それに準じた日本語表現法を採用することが有る。一般的には、それらは「愛称、通称」であり、愛着を指し示す目的の手法であるものとも解釈される。ただ、そこにはそれらを擬人化し、人と全く同様な待遇を与えながら運用をして行く、といった要素は全く無いのであろうか。本稿では、そうした視角に立脚して、人間ではない、日本の自然地形や事物に対する人格化表現法の目的等に就いて考察を加えたものである。
著者
斎藤 英喜
出版者
佛教大学歴史学部
雑誌
歴史学部論集 (ISSN:21854203)
巻号頁・発行日
no.7, pp.37-60, 2017-03

独創的な国文学者、民俗学者、あるいは詩人として知られる折口信夫は、もうひとつの顔をもつ。「神道学者」としての折口信夫である。それは狭い神道学に限定されることない可能性を孕んでいる。すなわちヨリシロ・マレビト・ミコトモチ・鎮魂・ムスビという「折口名彙」とその学問的成果は、近代に形成されていく「神道」(国家神道・神社神道)への異議申し立てという役割を担っていたからである。本稿は、大正期から昭和・戦前、戦後にわたる折口の学問を、中世から近世、近代へと展開する<神道史>のなかに位置づけなおし、その可能性を探る試みである。折口信夫髯籠の話大嘗祭鎮魂神道宗教化論ムスビ神既存者