著者
神原 彩 三浦 芳助 瀬山 一正
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.95-103, 2012 (Released:2013-01-23)

我々は「食物成分の操作による尿のアルカリ化が尿酸排泄を促進する」ということを発見した.この発見を生活の場で具体化するためには,献立をたてる段階で,食物が代謝された時に尿酸だけでなくH+の生成量を予測することが必要不可欠となる.Frassetto等(1998)は,食事に含まれるタンパク質(g)とK+(mEq)の比率であるP/K比は,腎による正味の酸排泄量([滴定酸]+[NH4+]-[HCO3-])と直線的相関関係があると報告している.我々は,この仮説が過去4年間に得られたデータと一致するか検証した.得られた結果は彼らのデータを支持するものであった.そこで,プリン体含有量とP/K比で分類した食物を選択するための簡単な参照表を作成した.プリン体はすでに金子氏によって報告されたデータを使用し,P/K比は五訂増補日本食品標準成分表を用いて算出した.高尿酸血症予防のためによいとする食事のP/K比の境界線は,日本痛風・核酸代謝学会の治療指針に尿路結石予防のために尿pHを6.0以上に維持することが示されているので,尿pH6.0に相当する一日当たりの食事のP/K比1.5とした.
著者
三浦 康之
出版者
湘南工科大学
雑誌
湘南工科大学紀要 = Memoirs of Shonan Institute of Technology (ISSN:09192549)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.43-52, 2012-03-31

Non-photographed images such as cartoon image or illustration are often handled in PC. To reducethe number of bits of their compressed images, subtractive color are processed.However, because the conventional error diff usion method causes some error diff usion in fl at partsof image, it is not suitable for the combination with lossless compression. In this paper, we propose amethod of subtractive color process for non-photographed images and the performance of them are evaluated.
著者
安藤 花恵 三浦 佳世
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.130, 2007

本研究では、質問紙調査により、演劇経験1年目、2年目、3・4年目、5年以上の俳優がどのような態度で演劇に取り組んでいるのかを検討した。目指す俳優像、脚本を読む際の態度、演技プランを立てる際の態度、演技中の態度について、それぞれ16~18の項目の評定をおこなった。その結果、経験1年目、2年目の俳優は、演技中になりきろうとしたり、役になりきることができる俳優を目指すなど、「なりきる」ということへの志向が強いことが明らかになった。経験2~4年目の俳優には、自分のセリフに線を引いたり、脚本を読む際にまず自分のセリフを探したり、自分の出るシーンを重点的に読むなど、自己中心的な傾向が見られた。経験が5年以上になると、そのようななりきることへの志向や自己中心的な傾向は消え、存在感のある俳優や華のある俳優を目指すなど、感性的に優れた俳優を目指すようになることが示された。
著者
三浦 翔平 西村 麻美 小林 範久
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.23-24, 2005

We studied electrochemical properties of electrochromic materials, which showed reversible color change by electronic stimuli, from a view point of paper-like electronic imaging device. Electrochemical materials showing color changes from clear to the three primary colors such as RGB or CMY should be required to realize full color paper-like electronic imaging decvice. In this paper, we studied electrochromic characteristics of viologen and phthalate derivatives from the view point of its color and the electrochromic mechanism for paper-like display.
著者
甲斐 雅亮 三浦 哲朗 小橋 一弥 大倉 洋甫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.1115-1120, 1981-04-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
16
被引用文献数
31 32

A new fluorimetric method for the precise and rapid determination of guanidino compounds with benzoin is described. This is based on their reaction in an aqueous potassium hydroxide solution with benzoin (dissolved in methylcellosolve), in the presence of β-mercaptoethanol and sodium sulfite, while the pH of the reaction mixture is maintained at 9.2 after the reaction. This method requires heating at 100° for only 10 min. The excitation and emission maximum wavelengths of the fluorescence from these compounds are at around 325 and 435 nm, respectively. The method is simple, selective for guanidine and monosubstituted guanidino compounds (including peptides with one or two arginyl residues) and sensitive ; almost all the compounds can be determined at concentrations as low as 40-170 pmol/ml.
著者
甲斐 雅亮 坂本 靖浩 三浦 哲朗 大倉 洋甫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.329-332, 1986-03-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

A high performance liquid chromatographic method is described for the determination of antipain which is a protease inhibitor and also a possible therapeutic drug for muscular destrophy. Antipain was converted to the fluorescent derivative by reaction with benzoin, a fluorogenic reagent for guanidino group. The derivative was then determined on a reversed phase column with isocratic elution within 15 min by using fluorescence detector. The detection limit of antipain in mouse serum was 0.42μg/ml, which corresponds to the amount of 240 pg (400 fmol) in an injection volume of 100μ1 at a signal to noise ratio of 2. The calibration graph for the compound was linear up to at least a concentration of 30 μg/ml in the serum. The proposed method was simple, rapid and sensitive enough to permit the quantification of antipain in as little as 40 μl of mouse serum dosed with the compound.
著者
三浦 友三 馬渕 勉 東村 稔 天沼 利宏
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.235-240, 2003

ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)は日本農薬(株)によって創製され、実用化されたプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(Protox)阻害型除草剤である。本化合物はコムギに対して高い安全性を示すと共に広範囲の広葉雑草に対して10g a.i./ha前後の低薬量で極めて高い除草活性を示す。特にコムギ栽培における難防除雑草の一つであるヤエムグラ(Galium aparine)に卓効を示す。ピラフルフェンエチルは日本ではムギ用除草剤として、エコパートフロアブルの商品名で1999年に農薬登録の許可を得て販売を開始した。また同時に果樹園の下草防除や非農耕地の非選択性除草剤として、グリホサートトリメシウム塩との混合剤であるサンダーボルトの販売も開始した。さらに、2001年バレイショ枯凋剤として、デシカン乳剤の販売を開始した。これらは海外においても14か国で登録・上市され、数か国で開発途上にある。本稿では、ピラフルフェンエチルの創出の経緯、工業的製造法、構造活性相関、除草活性、作用機構、各種毒性試験結果について概要を述べる。
著者
三浦 篤史 青木 芙美 桃井 宏樹 柳沢 国道 大井 敬子 大橋 正明 竹内 玲子 小林 由美子 佐々木 由美 大倉 輝明 跡部 治
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.719-725, 2009-01-30 (Released:2009-04-08)
参考文献数
6

佐久総合病院では,筋弛緩薬,カリウム製剤などはハイリスク薬として扱われているが,インスリンは事故防止のために標準化された対策がなされていない。今回我々は,多職種に渡ったチームを構成し医療改善運動を行なった。チームでは薬剤師が中心となり,Quality Control (QC) 手法を利用してインスリン投与の過誤を防止するための対策に取り組んだ。その結果,インスリン取り扱いに関するヒヤリ・ハットは減少した。薬剤に関したヒヤリ・ハット事例は多く,薬剤師のリスクマネジメントに果たす役割は大きいと考えられる。今後,薬剤師は積極的にリスクマネジメントに関わり,医薬品が関与する医療事故を未然に防止することが望まれる。そのことからも,QC手法を活用し,医療改善運動に取り組むことは効果的な活動と考えられた。
著者
三浦 誠 内林 俊洋 阿部 亨 菅沼 拓夫
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.505-506, 2017-03-16

遠隔臨場感技術の進展により,コミュニケーション,医療,教育など,さまざまな分野において,その技術を用いた支援システム(遠隔臨場感システム)の活用が期待されている.遠隔臨場感システムの高度な実現法として,遠隔操作ロボットに搭載されたカメラからの映像を配信する手法が注目されているが,カメラが向いている方向しか映し出すことができないため,臨場感や利便性の観点では未だ十分とは言えない.本研究では,遠隔操作ロボット,全方位カメラ,スマートフォンを用いたHMDを組み合わせることで,ロボットの方向に依存しない自由視線映像の取得が可能な遠隔臨場感システムを提案する.本稿では,本システムを実現するためのシステム構成設計,および映像のQoS制御について議論する.
著者
村山 綾 三浦 麻子
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.90-99, 2015 (Released:2017-06-02)

本研究の目的は、裁判員裁判を模した専門家-非専門家の評議過程において、(1)非専門家が有罪・無罪判断に用いる材料が事前の意見分布や評議前後の意見変容のパターンによって異なるかどうかを検討することと、(2)裁判員の主観的成果の指標として満足度に注目し、評議の満足度を高める要因を多面的に検討することである。実験協力者の裁判官役1名(常に有罪を主張)、実験参加者の裁判員役3名の計4名からなる30集団が有罪・無罪判断を決定する評議を行った。大学生90名のデータを対象とした分析の結果、非専門家は、専門家や多数派の意見を参考に自らの判断を行うこと、評議に関する満足度には専門家に対する信頼の程度や、専門家や自分と同じ立場である非専門家との意見の相違などが影響することが示された。事件内容の理解も満足度を高めていたが、評議中の発言量とは関連が見られなかった。裁判員の評議への実質的参加を高める評議デザインについて議論した。
著者
村山 綾 今里 詩 三浦 麻子
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.35-44, 2012 (Released:2017-06-02)

本研究の目的は、専門家と非専門家による評議コミュニケーション場面で専門家の意見が評決に及ぼす影響について実験的に検討することである。実際の裁判員裁判に類似したシナリオを用いて、裁判員役の大学生3名と裁判官役の実験協力者1名の4名からなる評議体(合計93名、31評議体)が被告人の有罪・無罪について話し合った。事前意見分布(有罪多数、対立、無罪多数)と評議スタイル(評決主導もしくは証拠主導)を操作した。分析の結果、裁判官役と反対意見に判断を変化させる参加者よりも、同一判断に意見を変容させる参加者が多かった。また評議後に裁判官と同一判断だった参加者は、評議前の判断の確信度よりも評議後の確信度の方が高くなっていた。本研究で得られた知見に基づいて、裁判員制度および評議過程に関する提言を行った。
著者
永田 真 三浦 典之 本間 尚文 林 優一 崎山 一男 Danger Jean-Luc
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

サイドチャネル攻撃への耐性を有し、高度に電磁波セキュリティを保証する暗号VLSI技術を確立した。具体的には、(1)暗号コア近傍に接近する電磁界マイクロプローブをオンチップで検知するサイドチャネル攻撃センサの回路技術、(2)暗号コア近傍における電磁界マイクロプローブとサイドチャネル攻撃センサの結合の電磁界シミュレーション及びセンサ回路の動作シミュレーション手法、(3)暗号コアから漏洩するサイドチャネル情報を用いて暗号コアを認証・真正性を確認する技術の開発に成功した。また、半導体集積回路の試作チップを用いたプロトタイプシステムを構築し、研究成果の効果を実証した。