著者
三浦 真弘 花岡 創 平岡 裕一郎 井城 泰一 磯田 圭哉 武津 英太郎 高橋 誠 渡辺 敦史
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

林木は、異なる環境に種苗を移動した場合、成長等形質に影響する可能性が懸念される。このため、主要林業用樹種のスギでは、環境条件や天然分布の情報を基に種苗配布区域が設定され、種苗の移動が制限されてきた。一方、林木育種事業により設定された次代検定林の調査データとGISデータを利用して特定地域内の林木の移動による影響評価の解析を行ってきたところ、確かに移動の方向により不利益が生じる場合が認められるものの、影響を生じない場合もあることなどが明らかとなった。しかし、日本では共通系統を利用して異なる環境間の大規模植栽試験の実施とその詳細な影響評価について報告例がなく、広域の種苗移動による影響の有無について不明なままである。本研究では、全国各地のスギ精英樹27クローンを用いて、全国9カ所の苗畑で2年間の成長を調査し、産地および植栽場所による成長への影響を評価した。これらのデータを元に種苗を移動した場合のスギの影響評価について検討を行い、現行の種苗配布について議論を行う。
著者
清水 俊幸 安島 雄一郎 吉田 利雄 安里 彰 志田 直之 三浦 健一 住元 真司 長屋 忠男 三吉 郁夫 青木 正樹 原口 正寿 山中 栄次 宮崎 博行 草野 義博 新庄 直樹 追永 勇次 宇野 篤也 黒川 原佳 塚本 俊之 村井 均 庄司 文由 井上 俊介 黒田 明義 寺井 優晃 長谷川 幸弘 南 一生 横川 三津夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2118-2129, 2013-10

スーパーコンピュータ「京」の構成と評価について述べる.「京」はスパコンの広範な分野での利活用を目指した10PFLOPS級のスパコンである.我々は,デザインコンセプトとして,(1)汎用的なCPUアーキテクチャの採用と高いCPU単体性能の実現,(2)高いスケーラビリティのインターコネクトの専用開発,(3)並列度の爆発に抗する技術の導入,(4)高い信頼性,柔軟な運用性,省電力性の実現を掲げ,2011年にそのシステムを完成させた.HPC向けCPU,SPARC64 VIIIfxと,スケーラビリティの高いTofuインターコネクトを専用に開発し,並列度の爆発に抗する技術としてVISIMPACTを実装した.冷却やジョブマネージャ等により,高い信頼性,柔軟な運用性,省電力性を実現した.「京」は2011年6月と11月にTOP500で世界一となった.また,複数のアプリケーションで高い実行効率と性能を確認し,スパコンとしての高い実用性を示した.
著者
木村 正史 三浦 常司
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.109-127, 1995

Most first names in English exist in three forms : e. g., Thomas, Tom, Tommy or Susan, Sue, Susie. They are called the regular, short, and pet form, respectively. This paper analyzes the short forms of polysyllabic names from a morphological viewpoint. There are six known patterns in making short forms : (1) omission of letter(s) at the beginning, (2) omission of letter(s) in the middle, (3) omission of letter(s) at the end, (4) omission of letter(s) both at the beginning and in the middle, (5) omission of letter(s) both at the beginning and at the end, (6) omission of letter(s) both in the middle and at the end. Of these six patterns, (3) ranks first and pattern (1), second. These two forms account for over 84% of all short forms. The short form is less commonly used for feminine names such as Mary and Sarah. A few short forms are exception to the rules, such as Hank for Henry. This paper discusses these exceptions and classifies them under the title of sound changes and independent names. Except in a few cases, short forms have a strong tendency to Consonant-Vowel-Consonant (CVC) and its variants, i. e., closed syllable structure-a hallmark of the English language.
著者
波多野 元貴 三浦 亜友 森安 健太 西脇 剛史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2015 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp._B-15-1_-_B-15-7_, 2015-10-30 (Released:2017-06-19)

In strength training, squat exercise is a representative example of lower extremity training. As target muscles of squat exercise are mainly knee extensrs and hip extensors, it is well-known that posture can effect on the main muscles activities. In addition, it is pointed out that injuries on squat exercise such as patellar tendinitis and low back pain are caused by the wrong posture. Therefore, it is important to design shoe function considering safety posture, effective load, and stability. However, athletes and trainee tend to do barbell squat exercise with various types of shoes such as weight lifting specific shoes, versatile training shoes, and indoor athletic shoes. Hence shoe heel-heights, which are derived from sole thickness difference between rearfoot and forefoot, are widely different from almost 0mm to over 20mm and might change the effect of training. The purpose of this study is to investigate the influence of the shoe heel-height on squat motion. Firstly the motion analysis was conducted and it was confirmed that low heel-height structure leads anterior projection of the knee and high load on knee joint. In contrast, high heel-height structure causes trunk forward tilting and high load on hip joint. Secondly, the relationship between experience of the exercise and shoe heel-height was investigated using beginner and experienced subjects. Judging from the results, it was concluded that shoe heel-height makes influence on squat motion especially posture and load for beginners and stability for experiencesd subjects.
著者
三浦 和己
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.23-28, 2016

<p>近年,映画の製作・流通がアナログ(フィルム)からデジタルへと急速に移行している.この移行は映画の可能性を大きく広げる一方で,生成されたデジタルデータを長期間保存するという面においては,保存媒体やフォーマットがすぐに陳腐化するなど課題も多い.この課題についての調査を進めるため,東京国立近代美術館フィルムセンターでは,文化庁による 「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」 の補助を受け,『映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究事業』 を実施している. 本稿ではこの調査事業の一環として実施した,4K 映像の長期保存に向けた取り組みについて紹介し,その中から顕在化 した課題について考察する.さらに今後の保存システム構築における重要な要素として,特定技術への依存を回避するための技術動向について触れる.</p>
著者
三浦 勲夫
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.19, pp.p43-68, 1976-12
著者
八幡 祥子/河野 英司/広瀬 弥奈/浅香 めぐみ/松本 大輔/坂口 也子/丹下 貴司/時安 喜彦/渡部 茂/五十嵐 清治/広瀬 公治/三浦 宏子/水谷 博幸/上田 五男 ヤハタ ショウコ/カワノ エイジ/ヒロセ ミナ/アサカ メグミ/マツモト ダイスケ/サカグチ ナリコ/タンゲ タカシ/トキヤス ヨシヒコ/ワタナベ シゲル/イガラシ セイジ/ヒロセ コウジ/ミウラ ヒロコ/ミズガイ ヒロユキ/ウエダ イツオ YAHATA Syouko/KAWANO Eiji/HIROSE Mina/ASAKA Megumi/MATSUMOTO Daisuke/SAKAGUCHI Nariko/TANGE Takashi/TOKIYASU Yoshihiko/WATANABE Shigeru/IGARASHI Seiji/HIROSE Kouji/MIURA Hiroko/MIZUGAI Hiroyuki/UEDA Itsuo
雑誌
東日本歯学雑誌
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.207-212, 1995-12-31

The collective dental examinations of nursery school children aged 3 to 5 in Shinshinotsu village in Hokkaido have been conducted for several years by our departments in cooperation with the administrative organs of Shinshinotsu village. The data of dental examinations in 1994 were analyzed and compared with the data for 1988 as well as with the data of the Survey of Dental Diseases by the Health Policy Bureau Ministry of Health and Welfare, Japan in 1993 and 1987. The results were as follows; (1) The rate of persons with carious teeth and the mean number of carious teeth per person in Shinshinotsu village were higher than those of the National Survey by the Ministry of Health and Welfare at all ages. (2) The rate of persons with carious teeth and the mean number of carious teeth per person decreased. The rate of persons with dental treatment increased from 1988 to 1994 in 4 year-old children in Shinshinotsu village in the same manner as the results of the National Survey by the Ministry of Health and Welfare, while dental caries showed no decrease in the 3 and 5 year-old children.
著者
岩柳 智之 田中 伸治 中村 文彦 有吉 亮 三浦 詩乃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_1069-I_1079, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
12

わが国では道路橋の急速な老朽化を迎え,またその損傷が深刻なために修繕・更新費は莫大であり,その全てを予防保全型で維持管理することにも限界がある.そのため廃橋を維持管理の選択肢として取り入れる必要があるが,地域の理解を得るために廃橋の効果や影響を客観的に示す方法が必要となる.そこで本研究では廃橋による費用対効果計算として将来の維持管理・更新費用の縮減効果と地域の効用の低下による損失を比較する方法を提示した.そして実地域を対象とした計算を行い,廃橋が受け入れられる余地を検討し,廃橋を含めた維持管理のあり方を議論した.計算の結果,廃橋の効果がある橋梁はなかった.しかし,他の橋梁と比較し,維持管理・更新を続ける効果の低い橋梁が見られ,廃橋にする場合,しない場合それぞれの望ましい管理方針を示した.
著者
上島 弘嗣 藤吉 朗 宮川 尚子 喜多 義邦 大久保 孝義 門田 文 久松 隆史 高嶋 直敬 三浦 克之 村上 義孝
出版者
滋賀医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

(1)縦断解析:インスリン抵抗性と冠動脈硬化進展、歩数とメタボリックシンドローム発症との関連、(2)国際共同研究:米国住民コホートMESAとの冠動脈硬化日米比較、ピッツバーグ大学等との共同研究にてオメガ‐3脂肪酸と冠動脈石灰化発症との関連等、(3)遺伝子、メタボローム、新興バイオマーカー:アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子多型とLDL-コレステロール、リポプロティン関連ホスフォリパーゼA2とその遺伝子多型と潜在性動脈硬化との関連等を明らかにした。尿中メタボローム・酸化変性LDLも測定済みであり引き続き有用なバイオマーカーの探求を続ける。
著者
菅原 康滉 三浦 勇気 栗林 倫 沼倉 彬雄 加藤 成将 佐藤 和幸 冨澤 武弥 三好 扶 明石 卓也 金 天海
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.615-616, 2017-03-16

力学系学習木は船体,車体,ヒト型ロボットなどに応用されている.従来,力学系学習木の各ノードは平均出力値を保持・更新している.また,出力計算時のノード選択では入力値と最も近いノードを選択している.しかしながら,選択されるノードの平均出力値と更新されるべき真値の間の誤差が大きい場合がある.そこで本研究では,この誤差値を利用した適応的なノード選択を導入することで誤差低減を行う.提案法を小型船舶の軌道データに適用し,従来法よりも真値に近い軌道予測が行えることが分かった.
著者
岡村 菊夫 鷲見 幸彦 遠藤 英俊 徳田 治彦 志賀 幸夫 三浦 久幸 野尻 佳克
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.557-563, 2005
被引用文献数
6

<b>目的</b>: 水分を多く摂取することで脳梗塞や心筋梗塞を予防できるか否か, これまでの報告を系統的にレビューする. <b>方法</b>: PubMed 上で dehydration, hydration, water intake, fluid intake, cerebral infarction, cerebrovascular disease, apoplexy, myocardial infarction, angina pectoris, ischemic heart disease, blood viscosity, hemorheology を組み合わせた条件で文献検索し, 6名が論文を評価, 取捨選択した. <b>結果</b>: 検索された611論文のうち22論文を選択した. 前向き無作為化試験が1つ, 前向きの非無作為化試験が4つ, コホート研究あるいは症例対照研究が8つ, 後ろ向きの記述研究が9つ存在し, 以下の点が明らかとなった. 脱水は血液粘稠度を上昇させ, 脳梗塞や心筋梗塞を惹起する原因の一つである. 血液粘稠度上昇には, 脱水以外にも重要な複数の要因が関連する. 夜間の水分補給は血液粘稠度を下げるが, 脳梗塞を予防するという証拠はない. コップ5杯以上の水を飲む人は, 2杯以下しか飲まない人より心筋梗塞の発症が低いとする報告が1つ存在した. <b>結論</b>: 脳梗塞や心筋梗塞の主な原因は動脈硬化, 動脈硬化性粥腫であり, 予防には生活習慣の是正が根本的に重要である. 水分を多く摂取すると脳梗塞を予防するという直接的な証拠はなかった. 水分摂取と脳梗塞・心筋梗塞の頻度に関してはさらなる研究が必要であり, 高齢者のQoLを向上させる適切な水分摂取法を検討していく必要がある.
著者
山田 一郎 中田 洋平 松井 淳 松本 隆 三浦 菊佳 住吉 英樹 八木 伸行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.76, pp.127-132, 2007-07-25
参考文献数
13

テレビ番組のナレーションでは、「場所紹介」や「人物紹介」など特定の事柄を表現するために同じような言い回しが多用される。このような言い回しを含む文章区間が抽出できれば、対応する番組映像区間の場所紹介や人物紹介といったメタデータを付与することができる。本稿では、番組のクローズドキャプションから特定の事柄を表現する文章に類似した文章を抽出するために、文章間の類似性を評価する手法を提案する。提案手法では文章を構文解析した結果、得られる木構造中の部分木を特徴とし、この特徴をサンプリングして学習する GibbsBoost アルゴリズムを用いて文章間の類似性を評価する。紀行番組のクローズドキャプションを対象として、場所を映像とともに説明する定型表現文章区間にある文章との類似性を評価する実験を行い、提案手法の有効性を確認した。In the closed captions, there are a lot of typical expressions to express specific things, for example, first introduction of a guest in a talk show or explanation of a place in travel program. Such information helps us to put metadata to the corresponding scenes. This paper proposes a method to evaluate the similarity between multiple sentences in order to extract a section in which sentences are similar to the typical expressions expressing specific things. The first step generates tree structures from input section of sentences and extracts subtrees from these tree structures. We use Gibbsboost algorithm which samples these subtrees for features and learns the features to evaluate the similarity. In the experiment of judging whether a section of sentences is similar to the section which explains a place with video targeting closed captions of TV programs concerned with travel, we show the effectiveness of our method.
著者
三浦 武
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.40-44, 2000-05
著者
山田一郎 三浦菊佳 住吉英樹 八木伸行 奥村学 徳永健伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.82, pp.25-30, 2006-07-27
参考文献数
9
被引用文献数
2

テレビ番組のナレーションでは、「場所紹介」や「人物紹介」など特定の事柄を表現するために同じような言い回しが多用される。このような言い回しを含む文章区間が抽出できれば、対応する番組映像区間の場所紹介や人物紹介といったメタデータを付与することができる。そこで本稿では、番組のクローズドキャプションを対象として定型表現を含む文章区間を抽出する手法を提案する。提案手法では、複数文のテキストデータから木構造を生成して、木構造間の類似性を木構造に含まれる部分木の類似度により評価する。この結果を弱学習器としたAdaBoostアルゴリズムにより学習を行い定型表現か否かの判定を行う。紀行番組のクローズドキャプションを対象として、場所を映像とともに説明する定型表現文章区間を抽出する実験を行い、提案手法の有効性を確認した。In the closed captions, there are a lot of typical expressions to express specific things, for example, first introduction of a guest in a talk show or explanation of a place in travel program. Such information helps us to put matadata to the corresponding scenes. This paper proposes a method to extract a section including typical expressions. The first step generates tree structures from inputted section of sentences and evalutes the similarities between those tree structures. We use these similarities as weak larners of adaboost algorism to judge whether the section of sentences includes typical expressions or not. In the experiment of detecting sections including typical expressions which explain a place with video targeting closed capitions of TV programs conserned with travel, we show the effectiveness of our method.
著者
藤田 慎一 岡村 和幸 三浦 和彦 高橋 章
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.349-354, 2010
被引用文献数
2

The scavenging ratio of sea-salt components for the winter monsoon was presented on the coastal region of the Sea of Japan. Concentrations of sodium in air and precipitation were analyzed from four monitoring networks, CRIEPI, NPG, NIES/ADORC, and CRIEPI during the period from 1987 to 2008. On the basis of the monitoring data collected, we analyzed (i) seasonal variation and horizontal distribution of sea-salt concentration in air and precipitation, (ii) statistical properties of scavenging ratio on a regional scale, (iii) relationship between scavenging ratio and precipitation intensity, (iv) wet scavenging coefficient on a local scale, and (v) temporal variation of sodium concentration associated with the winter monsoon.<br>
著者
三浦 さつき 太田 暁子 喜多野 宣子 志垣 瞳 島村 知歩 冨岡 典子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.199, 2010

【目的】近年、伝統的な行事食の伝承が少なくなっているといわれる。本報では、平成21、22年度の日本調理科学会特別研究として実施した「行事食調査」から、年末年始の行事食を中心に、奈良県の現状を把握し、世代間による認知度や喫食経験などの違いについて明らかにすることを目的とする。<BR>【方法】平成21年12月~平成22年3月、日本調理科学会「行事食調査」の全国統一様式による調査票により、大学生およびその家族にアンケート調査を実施した。そのうち、奈良県在住者251名(学生157名、家族94名)を対象にして、正月、人日・七草、大晦日の行事の認知度、行事食の喫食経験や調理状況について検討を行った。<BR>【結果】行事の認知・経験については、正月と大晦日は学生・家族ともほぼ100%であったが、人日・七草の認知は学生83%、家族90%であり、経験は学生57%、家族83%であった。年末年始の行事食においては、学生・家族とも喫食経験が90%以上と高かった料理は、雑煮、黒豆、かまぼこ、年越しそばであり、毎年食べている人がほとんどであった。正月の赤飯、大晦日の祝い料理やいわし料理は、喫食経験が低かった。雑煮、七草粥、年越しそばは、家庭で作って食べる割合が高かったが、昆布巻き、きんとん、だて巻き卵、かまぼこは、作って食べる割合よりも買って食べる割合のほうが高かった。学生と家族で比較すると、屠蘇、煮しめ、なます、七草粥の喫食経験に違いがみられ、家族よりも学生のほうが、年末年始の行事食の喫食経験や家庭で作って食べる人の割合が低い傾向がみられた。