著者
木曽 宏顕 森 辰則 中川 裕志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.169-170, 1993-03-01

文A,Bを接続助詞「ながら」でつないだ文「AながらB」には,AとBが同時進行的に起こっていることを表すものと、AであるにもかかわらずBという逆接的意味合いを生じるものと二通りあることが知られている。本稿では、「AながらB」がどちらの解釈になるのかを文Aの持つ性質により決定する方法についと論じ、特に取り立て助詞との関係について見ていく。
著者
中山 一郎 岡田 稔枝 中川 みかほ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.16, pp.5-8, 1999-02-18

これまで筆者らは、発声時に発声者自身が聴取する音声(自己聴取音)の音色を、自己聴取音に相当する音声を発声者がイコライザとアッテネータを操作して、自己聴取音と出来るだけ似かよった音声(シミュレート音)を作成する方法(遅延音帰還法)を用いて、周波数軸上で定量化してきた。しかしながら、自己聴取音は発声者本人しか聴取できないが故に、シミュレート音との類似性を客観的には評価できなかった。そこで本研究では、男性の話し声の母音/a/を対象に、1)自己聴取音とシミュレート音、及び、2)シミュレート音とその音色を実験者が意図的に変化させて作成した音声(加工音)、との2種類の類似度評価実験を行うことによって、自己聴取音とシミュレート音の類似性が原理的には客観的に評価できること、及びその類似性が十分に高いことを明らかにした。What sort of voice timbre do we perceive in autophonic production, hearing our own voice during phonation, and can we measure the timbre itself quantitatively? The authors have showed that the timbre can be examined quantitatively as a function of frequency using a delayed feedback method created by the author, in which a sound was generated by the subjects themselves so as to simulate the sound through a loud-speaker as accurately as possible in its timbre and loudness to the sound perceived during phonation. However, the judgement of similarity of voice timbre between the perceived and the simulated sounds was left to the subjects themselves, not objectively, because the voice timbre in autophonic production cannot be examined by anyone other than the speaker oneself. The purpose of the present study is to show a method to evaluate the similarity between the simulated and perceived sounds objectively. When male subjects phonated a vowel/a/ in the spoken mode. Two similarity judgement tests were conducted, one (TestA) between the perceived and the simulated ones, and the other (TestB) between the simulated and the processing sounds, with an amplitude of a frequency band of the simulated sound altered, using the same criterion of the judgement of the similarity as in TestA. Through these tests, it was found objectively that the similarity between the simulated and perceived sounds was fairly well.
著者
宗片 健太朗 福原 知宏 山田 剛一 絹川 博之 中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.97, 2008 (Released:2009-07-31)

本研究では、Web上で人々が注目しているページの収集と分析を行うことを 目的とし、ソーシャルブックマークを用いた情報収集・分析ツールの 開発を行った。 提案ツールについて述べ、 本ツールを用いて得られたソーシャルブックマーク上の タグやコメントデータの分析結果について述べる。
著者
平 洋一 沼田 英俊 中川 茂 小原 さゆり 山田 文明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp."S-38"-"S-39", 2009-03-04

マイクロプロセッサの性能向上に応じて配線板の電気信号バンド幅を増加させる必要がある。しかしながら現状の電気インターコネクト技術だけでは困難が伴う。特に高速信号の減衰、劣化を補うため回路の消費電力の増加も大きなものとなる。光伝送を用いた光インターコネクトはより高いバンド幅と低消費電力を可能にする。すでに、長さ数十メートル以上の高速光リンクは高バンド幅・低損失の光ファイバーが用いられているが、より短距離までの光リンクを実現にするには新しい技術が必要である。このために効果的なのは、光リンクつき配線板である。これら、電気配線版の限界と、光配線板の機能、要件および現在の技術課題を検討する。
著者
清家 暁 岡部 正也 佐伯 昭 海野 徹也 大竹 二雄 中川 平介
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.852-858, 2002-11-15
被引用文献数
4 5

高知県伊尾木川および物部川で捕獲されたアユの由来判別を耳石Sr/Ca比を用いて行った。両河川に放流された人工海産アユは発育初期の飼育水の塩分濃度が低く,かつ,淡水への馴致期間も天然魚に比べて短いことから耳石Sr/Ca比により天然,人工海産および湖産アユの判別が可能であった。1998年および1999年の伊尾木川の29個体,1999年度の物部川の56個体について耳石Sr/Ca比と標識痕による由来判別を行った結果,両者の結果が一致しなかったのは全体の12%,わずか10個体であった。この結果は耳石Sr/Ca比によるアユの由来判別が従来の標識方法と同等に有効であることを示唆するものである。
著者
藤井 昭二 野 義夫 中川登美雄
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.37, pp.85-95, 1992-03-15
被引用文献数
17

微古生物層序学と放射年代の進歩により,北陸地域の新第三系の精度の良い対比表ができた。新しい対比表を基に,最初の2時期は岩相分布図,後の7時期は古地理図をつくった。1)楡原期とそれ以前と2)岩稲期と医玉山期(20-17Ma):この2時期には火山活動が盛んで安山岩や流紋岩の火砕岩が広く分布した。3)黒瀬谷期(16.5-16Ma):海進により堆積盆が形成され"八尾一門ノ沢"動物群が支配した。4)東別所期(16-15Ma):海は拡大・深化し黒色泥岩が厚く堆積した。5)下部音川期(15-14Ma):堆積盆は再び浅くなり,暖流が流れていた。6)上部音川期(13.5-8Ma):堆積盆は浅く寒流が流れ,"音川"動物群で特徴づけられる。7)阿尾期(6.5-3.5Ma):能登半島は陸域となり,堆積盆は狭くなった。8)薮田期(3.5-1.5Ma):前期と同様寒流が流れ,石灰質砂岩が堆積した。9)大桑期(1.5-0.8Ma)浅海で寒流系の"大桑・万願寺"動物群で特徴づけられる。
著者
中川 尚史
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.291-307, 1996-04-25
被引用文献数
9

Studies on food selection in non-human primates were reviewed from the viewpoint of optimal food selection. Key factors in the classical model of optimal food selection were "maximization" of the "intake rate" of "energy". Later, the key factors were changed to "maximization" of the "contents" of "energy-essential nutrients" and "minimization" of the "contents" of "digestion inhibitor-toxins" in a modified model for herbivores. Most studies on food selection in herbivorous non-human primates have been based on the modified model, and revealed that primates choose food so as to maximize protein, and to minimize digestion inhibitiors (fiber, condensed tannin). However, the present review points out that the above key factors of the classical model are also important because food availability relating these factors correlates positively with feeding frequency.
著者
中川 功哉
出版者
仙台大学
雑誌
仙台大学紀要 (ISSN:03893073)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.89-95, 1970-07

低酸素に対する循環系の適応機能の中で,とくに右心活動が重要な因子であることを推定し,impednce法により適応時の左心および右心拍出量の相互関孫を中心にウサギを使用して解析した。呼吸数,心拍数,血圧などの循環機能は低酸素耐性とそれぞれ相関が認められ,とくに呼吸数,心拍数等は平地での値が,すでに耐性と相関を示すことが認められた。一回拍出量は高度上昇時および一定高度滞留中増加するが,心拍数は減少し毎分拍出量は減少した。低酸素耐性と右心毎分拍出量は高い相関があり,右心の活動水準の大きさが低酸素耐性の大きな因子となった。
著者
本谷秀堅 中川 宗栄 馬場 一徳 釘宮 豊人 佐藤公春
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.88, pp.71-78, 2003-09-08

本稿では対象をIDタグで同定し,CADデータをネットワークより取得するCAD-based visionシステムを提案する.その例として,円形のIDタグを利用した,visual trackingシステムを示す.円形のIDタグは,内部の白黒パターンがIDを表す.円形タグの画像は楕円形となる.その楕円形状からカメラと対象の相対的な姿勢を推定する.IDの認識と姿勢の推定は,時刻0においてのみおこなう.IDを認識し姿勢を推定するためには,IDタグが画像から頑健に抽出されなければならない.そこで再帰反射板でIDタグを作成し,カメラと同期して明滅する照明を併用する.照明を駆動する信号と画素値の変化の相関を計算することにより,画像から頑健にタグ領域を抽出できる.IDタグにより対象を認識できるため,画像に基づき対象を認識するCAD-based visionシステムと比べて,より多くの対象を処理することが可能となる.We propose a CAD-based vision system that identifies an object using its ID-tag, and downloads the CAD data from the computer network. A visual tracking system that uses a circular ID-tag is shown as an example. A circular ID-tag represents the unique ID number of an object. In an image, the shape of the circular tag is an ellipse. The shape of the ellipse helps to estimate the pose of the object relative to the camera. We designe a tag sensing system that robustly extracts the ID-tag from an image. We make the circular ID-tag with a retroreflector, and mount a lighting system that illuminates objects in sync with the camera. Calculating the correlation between the light and the image, the system extracts the ID-tag from an image, robustly. Because the ID-tag helps to identify objects, our system can process more objects than a system that identifies objects using only their images.
著者
土屋 雅稔 肥田 新也 中川 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.46, pp.1-6, 2008-05-15

統計的固有表現抽出のためには,固有表現がタグ付けされた十分な量の学習コーパスが必要である.しかし,新規の固有表現が増加し続けていることを考慮すると,あらゆる固有表現に対応した学習コーパスを用意することは非現実的である.本稿では,この問題に対処するために,固有表現がタグ付けされたコーパスとタグ付けされていないコーパスを併用して,タグ付けされたコーパスに頻出しない語 (非頻出語) を含む固有表現を抽出する手法を提案する.提案手法は 2 段階からなる.最初に,タグ付けされていない大量のコーパスを用いて,入力テキストに含まれている非頻出語を,その非頻出語と良く似た頻出語に対応付ける.次に,元々の語から得られる素性と頻出語から得られる素性の両方を組み合わせて学習した統計的固有表現抽出器によって,固有表現を抽出する.IREX コーパスと NHK コーパスを用いた実験により,提案手法は,非頻出語からなる固有表現の抽出において効果的であることを示す.This paper proposes a novel method to extract named entities including infrequent words which do not occur or occur few times in a training corpus using a large unannotated corpus. The proposed method consists of two steps. The first step is to assign the most similar and frequent word to each infrequent word based on their context vectors calculated from a large unannotated corpus. After that, traditional machine learning approaches are employed as the second step. The experiments of extracting Japanese named entities from IREX corpus and NHK corpus show the effectiveness of the proposed method.
著者
西中川 駿 鈴木 秀作 大塚 閏一
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.79-86, 1980-03-19

絶食がマウスの乳腺組織, 特に実質および脂肪組織と血管分布に如何なる影響を与えるかを検索するために, ICR-JCL雌マウスを用い, 処女(102例)および泌乳期(74例)の乳腺について観察した.検索方法は前報と同様である.1.成熟処女マウスの絶食後の体重は, 5日で約9gの減少がみられ, 乳腺および卵巣の重量は, 90日齢無処置のものの約1/3,1/2の重さであった.絶食1日目の乳腺の構造と血管分布は, 無処置のものと大差はなかった.絶食2日の乳腺は, 間質のunilocular脂肪細胞の一部に退行がみられ, これらに分布する血管に縮れがみえはじめた.3日では, 脂肪細胞の大きさや量は減少し, 血管は2日のものより退縮していた.4日の乳腺脂肪組織は, 脂質の消失により, 多くの腺様細胞からなり, 血管も著しく縮れていた.5日間の絶食では, 脂肪細胞の顕著な退化とbudや導管の部分的な退行によって, 乳腺域はせばめられ, また, 血管分布の密度も低く, 絶食4日のものより著しく縮れていた.2.泌乳マウスの絶食後の体重は, 6日で, 無処置のものより約13gの減少がみられ, 乳腺および卵巣の重量は, 無処置の約1/3,1/2の重さであった.絶食1日の乳腺構造は, 無処置のものと比べ, ほとんど差はなかった, 2日では, 乳腺実質の腺胞に崩壊がみられ, 脂肪細胞の出現もみられたが, 無処置のものより少なかった.絶食3日の腺胞は, 不規則な崩壊を示し, また, unilocular脂肪細胞の出現は2日のものより多くみられた.これらに分布する血管には縮れが生じていた.4日では, 腺胞の崩壊は著しく, 腺腔はみられなく, また, 脂肪細胞は完全に消失し, 血管分布密度も低く, 縮れていた.絶食5,6日では, 腺胞は退化上皮の塊としてみられ, また, 導管や小葉の周囲には, 結合組織の増加がみられた.これらに分布する血管は著しく退縮していた.3.以上の観察から, 処女期での絶食は, 脂肪組織とその血管分布に退縮を起こさせ, 泌乳期では, 腺胞の不規則な崩壊, 脂肪細胞の出現阻止ならびにその血管に退縮を起こすことが示唆された.