著者
向井 信彦 中川 真志
出版者
武蔵工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、血管の変形と血管を傷つけた際に発生する出血を同時に実現して性能評価を行うと共に、単体の計算機だけではなく複数の計算機をネットワーク結合した手術シミュレータシステムを構築して、処理の高速化に関する検討を行った。さらに、従来の血管モデルでは血管径を一定とした変形にしか対応できないため、血管径の変化も考慮したモデルを考案し、大動脈手術のような血管そのものの手術にも対応できるモデルと変形手法を構築した。
著者
中川 聖一 秋葉 友良 山本 一公 土屋 雅稔
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

音声認識の高精度化と音声認識結果の整形化、音声ドキュメントからの検索語の高速・高精度検索法の研究を行った。音声認識の高精度化に関しては、従来のHMMを越える新しい音声認識モデルを提案し、その有効性を示した。音声認識結果の整形に関しては、話し言葉音声の音声認識結果からの書き言葉への整形のための確率モデルを提案し、その有効性を示した。音声ドキュメントからの検索語の高速検出に関しては、音節のnグラムインデックスに基づく手法を提案し、その有効性を示した。
著者
湯淺 太一 中川 雄一郎 小宮 常康 八杉 昌宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.87-99, 2000-11-15
被引用文献数
8

Lispなどの大多数のリスト処理システムでは,不用セルを回収するためにごみ集め(GC)が行われる.一般的に採用されているGCは,ごみ集めの間プログラムの実行が中断されるので実時間処理には適さない.この問題を解決するために,ごみ集めの一連の処理を小さな部分処理に細分化し,プログラムの実行と並行してごみ集め処理を少しずつ進行させる実時間方式のGCが提案されている.代表的な実時間GCであるスナップショットGCは,スタックなどのルート領域から直接指されているセルをGC開始時にすべてマークしておかなければならない.この間の実行停止時間は,ルート領域の大きさによっては,無視できなくなる.そこで,関数からのリターン時にマーク漏れがないようにチェックすることで,スタックから直接指されているセルを関数フレーム単位でマークする方法を提案する.スタック上のルート領域をフレーム単位でマークしていき,ある関数からリターンする際に次の関数フレームがマークされているかどうかをチェックし,マークされていなければその関数フレームをマークしてからリターンする.これをリターン・バリアと呼ぶことにする.ルート領域のマークが終了したら,従来のスナップショットGCと同様に残りのセルをマークする.本論文では,Common Lisp処理系KCL(Kyoto Common Lisp)上でリターン・バリアを実装し,GCによる実行停止時間について,従来のスナップショットGCと比較評価および検討を行った.Garbage collection (GC) is the most popular method in list processing systems such as Lisp to reclaim discarded cells. GC periodically suspends the execution of the main list processing program. In order to avoid this problem, realtime GC which runs in parallel with the main program so that the time for each list processing primitive is bounded by some small constant has been proposed. The snapshot GC, which is one of the most popular realtime GC methods, has to mark all cells directly pointed to from the root area at the beginning of a GC process. The suspension of the main program by this root marking cannot be ignored when the root area is large. This paper proposes ``return barrier'' in order to divide the process of root marking into small chunks and to reduce the suspension time of the main program. The root area on the stack is marked frame by frame each time a new cell is requierd. When a function returns, the garbage collector checks if cells pointed to from the frame of the caller function have been already marked, and marks them if not. After marking all cells directly pointed to from the root area, other cells are marked as in the original snapshot GC .In this paper, we implemented the snapshot GC equipped with the return barrier in KCL (Kyoto Common Lisp). We compare and discuss the suspension times of this GC and the original snapshot GC.
著者
森内 基隆 中川 重康
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
舞鶴工業高等専門学校紀要 (ISSN:02863839)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.35-39, 2005-03-10

太陽電池モジュールは,建物,積雪等による部分陰の影響を受けて,その発電出力が低下することが問題となっている.特に,積雪による部分影の影響は大きく,外部からの電力供給による融雪装置の検討が進められている.一方,筆者らは120W太陽電池モジュールを用いた実験で,一個のセルが陰に覆われた場合,そのセルの温度が日の当たっているセルの温度より高いことを明らかにしている.本研究では,120W太陽電池モジュールにおいて6個のセルが陰で覆われた場合,それらのセルの温度は日の当たっているセルの温度より低くなることが分かった.さらに,陰になるセルの温度が,そのセルの枚数で異なることを解明した.陰で温度の下がるセルであっても,他のセルからの電力供給で温度を上げることができた.モジュールに雪が積もると,セルは雪で陰になるので,その陰のセルの温度を上げて雪を溶かせることが可能であることを示している.従って,本研究は外部からの電力供給を必要としない,新しい融雪手法を提案している.
著者
中川 光弘 丸山 裕則 船山 淳
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.13-31, 1995-03-10
被引用文献数
10

Hokkaido island is situated at the junction of northeastern Japan and Kuril arcs. Recent K-Ar age dating of Cenozoic volcanics in the island revealed that the distribution of Quaternary volcanoes (<1.7Ma) is remarkably different from previously accepted one. On the basis of the newly established distribution of the volcanoes, spatial variations in SiO_2-normalized major element values (SiO_2=60%) of Quaternary andesitic rocks (SiO_2=56-64wt%) are investigated. The Na_2O, CaO and P_2O_5 values vary systematically in the across-arc direction irrespective of the tectonic setting and/or the geological structure. On the contrary, the variations in FeO, Al_2O_3 and K_2O values seem to be largely correlated with the tectonic setting and the Bouguer anomaly. The distribution of the volcanoes and the mode of spatial variations in major element chemistry suggest the presence of three Quatemary volcanic fields, the southwestern Hokkaido (SWH), Taisetsu-Tokachi-Shikaribetsu (TTS) and Akan-Shiretoko (AKS) regions. Modes of the spatial variations in normalized major element values in SWH and AKS regions resemble each other and are nearly the same as those of northern Honshu arc; chemical zonation of volcanoes is sub-parallel to the trench axis in both regions. On the contrary, the spatial variations in FeO and K_2O values in TTS region are different from those in SWH and AKS regions. The mode of the variations in FeO and K_2O values is thus discontinuous in Hokkaido island. The values of Bouguer anomaly at TTS region (-40 to 0 mgal) are much lower than those at other two regions (+40 to +100 mgal). Because crustal thickness under the regions is nearly identical (25-34km), the regional variation in the values of Bouguer anomaly suggests that crustal materials of TTS region are less dense than those of SWH and AKS regions. These different crustal materials, which have been produced under the different tectonic settings, are believed to have resulted in mode of spatial variations in major element chemistry of Quaternary andesites.
著者
宮原 誠 名塚 悦郎 吉田 育弘 中川 匡弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.905-911, 1985-10-20
被引用文献数
1

人間の色彩感覚を適確に表現し, かつその尺度を均等に表現する表色系であるマンセル(HVC)表色系に注目し, カラー画像の伝送時に生ずるひずみを色知覚の許容限以下にするような色立体分割方法を考案した.また, 量子化された色情報の代表値を予測符号化する伝送方式を検討した.この結果, エントロピー約3.5(bit/pixel)で, ほぼ満足できる画質の画像を伝送できた.色感覚をあらわすH, V, Cは互いの独立性が良いので, Y, I, Qと比較した場合, 色情報を無駄なく符号化することができ, また輪郭部の情報損失も少なくできるなど, 多くの利点がある.
著者
小関 正道 中川 敦子 寺尾 清
出版者
山脇学園短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1、目的(1)アルカリイオン水が動物細胞に及ぼす影響を直接検討するために、メダカのえら細胞に与える影響を検討する。(2)アルカリイオン水がラットに与える生理的影響を、飼料条件、アルカリイオン水のpHおよびアルカリイオン水の原水の種類を変動させて検討する。2、方法(1)メダカを35℃のアルカリイオン水中に30分間入れた時と、常温で1ヶ月間アルカリイオン水中で飼育した時のえら細胞の形態学的変化を光学顕微鏡で観察する。(2)ラットを酸化した飼料とイオン交換水を原水としたpH10.5〜10.89のアルカリイオン水、市販固形飼料と水道水を原水としたpH10.5またはpH11のアルカリイオン水、またはAIN93飼料とミネラルウオーターを原水としたpH11のアルカリイオン水のそれぞれで飼育した場合の生理的変化を、血液生化学検査値や臓器重量の変化などにより検討する。3、結果(1)メダカを35℃のアルカリ性の水に入れた場合にはえら細胞が破壊されるが、同一pHのアルカリイオン水ではえら細胞は膨張するものの破壊されることはなく、アルカリ性の水に比べ影響が穏やかであった。常温で1ヶ月間飼育した場合にはアルカリイオン水による影響は認められなかった。(2)ラットにアルカリイオン水を摂取させると脾臓重量や胸腺重量が低下することがあり、免疫系への影響が考えられたが、ミネラルウオーターを用いた実験では結果が再現されず、また血清免疫グロブリン値にも変化がなく結論は得られなかったが、更に検討することが必要である。アルカリイオン水を摂取したラットの血清鉄濃度の低下は今回も観察されたが、常に再現される結果とはならなかった。アルカリイオン水摂取による血清脂質レベルの低下はしばしば観察され、特に中性脂肪レベルの低下は有意差にはならないもののほとんどの実験で観察されている。また精巣周辺重量がアルカリイオン水摂取群で低下傾向にあることからも、体内脂肪レベルの低下効果はアルカリイオン水摂取による生理効果として充分に考えられるものといえるので、この点を明白にする研究を早急に実施する必要がある。
著者
森内 基隆 中川 重康
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
舞鶴工業高等専門学校紀要 (ISSN:02863839)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.17-24, 2006-03-10

最近,太陽光発電設備の普及に伴い,その設置場所が積雪地域に拡大している.しかし,積雪地域に設置された太陽電池モジュールの積雪が,太陽電池が受け取る太陽エネルギーを減少させる.その結果,太陽光発電システムの発電量が低下する.この問題を抑制する手法の一つが,太陽電池モジュールの積雪を融かすことである.雪が積もった直後は,積雪は太陽電池モジュールの全面を覆っているが,時間が経過するとほとんどの積雪は,自重あるいはわずかの太陽光によって,太陽電池モジュールから滑り落ちる.しかし,太陽電池モジュールの最下部に配置されたセルの位置に積雪の一部が残り,この積雪の一部が部分的な陰を発生させる.この部分的な陰が,太陽電池モジュールの発電電力量を減少させる.我々は,太陽電池モジュールの最下部に配置されたセルの位置に残った積雪に着目し,太陽電池モジュールの発電電力量を使用して,この積雪を融かす手法を提案し,評価する.
著者
中川 鮮 島 通保
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, 1982-09-15

徳島県上嵯峨地すべり地の地下帯水域に形成する地下水塊の挙動について, 1977年に発表した前報に引き続き, 1977年から1978年にかけての新しい資料を加えて検討した。地下水塊の増大現象には本地すべり地の地形的集水域に降る雨の約3分の1の量にあたる分が関与していることが分かった。地表排水の対策により浸透量を減らし, 帯水域への涵養を緩和することが効果的な手法であると考えられた。地下水塊の体積増加を予測する方法として, 地すべり地の観測孔(ボーリング孔)の水位変動の記録を使用した。前報と同じく7日間雨量による水位上昇値を用いている。地すべり防止対策で実施している地下水排水孔の観測結果より, 排水量が20/min以上の時の減水半減期は約2週間である。半減期が2週間位の挙動の激しい地下水を対象として防止対策を立案することが必要であると考えられた。
著者
岡部 篤行 佐藤 俊明 岡部 佳世 中川 貴之 今村 栄二 松下 和弘 長野 一博 石渡 祥嗣 飴本 幸司 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-39, 2006-09-30 (Released:2009-02-13)
参考文献数
5

当報告書は,無線LAN位置システム(以下システム)を放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用可能かどうかを調べた結果を報告するものである。システムは,連続的な地面上にいるニワトリの位置を1 mのグリッド交差点上の点として表し,ニワトリの軌跡はその点列として表す。システムは,ニワトリの位置を1秒ごとに記録することができる。実験は8羽のニワトリと2羽のホロホロチョウを170 m×90 mの広さの公園に放って5日間にわたりその軌跡を観察した。分析に利用可能なデータは3日間得られた。システムによって得られる位置のデータは雑音を含むため,位置データは確率変数として扱った。データ分析により,位置の精度は,確率0.95で2.6 m,すなわち,真の位置が,観察された位置を中心に半径2.6 mの円の中にある確率が95%であると判明した。ニワトリの生活圏は,その場所にニワトリがいた確率密度関数として表現した。その関数はバンド幅が2.6 mのカーネル法で推定をした。軌跡は移動平均で推定した。実験の結果,システムは放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用できることが判明した。
著者
近藤 俊介 庄納 崇 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.415, pp.35-40, 2006-12-07
被引用文献数
1

ダウンリンクにおける次世代移動通信システムとしてOFDMAとMC-CDMAが注目を集めている.これらの技術の共通の問題点として,同一周波数帯を使用している隣接セルからの信号が干渉となり,特にセル端において性能が急激に劣化してしまうことが挙げられる.MC-CDMAでは,周辺セルからの干渉を低減するために,スクランブル符号を乗算することによって干渉を雑音化しセルを識別する.一方でOFDMAでは,周辺セルからの信号が直接干渉となり,SIRが大きく低下してしまう.そこで,セルの中心部とセル端とで使用する周波数帯を変えることによって,周辺セルからの干渉を低減する方法として提案されているFRPA技術を用いる.この技術を使用することで,FRF=1の場合に近い効率を実現でき,かつセル端で問題となる干渉の影響も周辺セルで使用している周波数帯と異なるために小さくすることができる.本稿では,FRPA技術を適用したOFDMAとスクランブル符号の使用によってセルを識別するMC-CDMAの比較を行う.比較は計算機シミュレーションを用いて行い,多重ユーザ数,所望基地局と端末との距離に対する平均BER特性によって評価を行う.
著者
中川 光弘 高橋 浩晃 松島 健 宮町 宏樹 長谷川 健 青山 裕 石塚 吉浩 宮城 洋介
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

カムチャッカのクリチェフスコイ火山において地球物理学的および岩石学的研究を実施した。研究期間中に4点の傾斜計を設置し、既存の地震計を合わせた観測網を構築・維持させることができた。そして2010年の噴火活動中に10~20分の周期でのサイクリックな傾斜変動を観測し、ストロンボリ式噴火モデルを構築した。特に過去3000年間の噴火堆積物の物質科学的解析を行った結果、3000年間で2タイプの初生玄武岩質マグマが存在し、ひとつのタイプから別のタイプへと次第に入れ替わっていることが明らかになった。また最近80年間の噴火では火山直下のマグマ供給系が噴火活動期毎に更新されていることも明らかになった。
著者
石井 聡一 福原 知宏 増田 英孝 中川 裕志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

本研究では,アフィリエイトスパムのフィルタリングを目的とするアフィリエイト分析支援システムを提案する. 提案システムでは利用者からのアフィリエイトID,URL,商品名をクエリとし,クエリに応じてアフィリエイトIDが出現するブログ数,商品数,価格帯,商品ジャンル等を解析する. これによって,複数のブログサイトにまたがったアフィリエイタの分析やアフィリエイタの掲載商品の傾向の分析が可能となる.