著者
関 寿人 国枝 恒治 佐藤 正博 加納 東彦 若林 正之 中川 泰一 城 知宏 内山 正三 井上 恭一
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.466-472, 1992
被引用文献数
12 21

切除不能,肝動脈塞栓療法(TAE)の施行出来ない大型肝細胞癌(結節型,腫瘍径5~8cm:HCC)7例に対し,自作のマイクロ波電極を用いた超音波誘導下経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)および経皮的エタノール注入療法(PEIT)の併用治療を施行しその効果を検討た.併用治療の抗腫瘍効果は良好で,腫瘍縮小率は平均40%を示した.現時点での生存期間は,6カ月~14カ月で7例中2例が死亡,2例とも肝硬変による肝不全死であった.また治療後例中3例に肝内に新しいHCCが出現したが,治療を施した腫瘍からの局所再発は認めていない.剖検標本では,治療時腫瘍長径7cmの大型HCCが被膜浸潤部を含め完全壊死に陥っているのが確認された.PEIT施行前に,PMCTを行うことによりPEITの治療回数およびエタノールの総注入量の減少,減量が可能であった.以上より本併用治療は,患者に対する負担の少ない効率の良い局所治療となり得ると考えられた.
著者
吉田 稔 中川 裕志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

Suffix Array索引付けによるWikipedia検索支援システムを提案する。提案システムでは、クエリの連接語や同義語等を動的に抽出し、クエリの入力と同時にインタラクティブに提示する。
著者
金 漠龍 堀江 武 中川 博視 和田 晋征
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.634-643, 1996-12-05
被引用文献数
13

予測される地球規模の環境変化が水稲生産に及ぼす影響を明らかにするため, 温度傾斜型CO_2濃度処理装置(TGC)を用い, 水稲アキヒカリの群落を対象に異なる温度とCO_2濃度の複合処理を行い, 発育, 乾物生産および生育諸特性に及ぼす影響について検討した. TGCは長さ26m, 幅2.05m, 高さ1.7mのトンネル型のチャンバーであり, その長軸に沿って常に4での温度勾配が生じるように, 通気速度をコンピュータ制御により調節した. 実験には2つのTGCを用い, 1つのTGCは現行の大気CO_2濃度(&cong;350μLL^<-1>)を, 他方は690μLL^<-1>のCO_2濃度を維持させた. ポット(1/5000 a)植の水稲をTGC内に20株m^<-2>の密度で配置したポット植群落(1991年)とTGC内の枠水田に25株m^<-2>の密度で移植した枠水田群落(1992年)にそれぞれ肥料を十分あたえ, CO_2×温度の複合処理を全生育期間にわたり行った. CO_2濃度倍増処理は水稲の出穂に向けての発育を促進し, 出穂を早めた. その促進率は高温ほど大きく, 出穂までの平均気温が3O℃の場合のそれは11%にも及んだ. 草丈に対するCO_2濃度および温度の影響は小さかったが, 茎数はCO_2濃度に強く影響され, 全茎数と有効茎数ともCO_2濃度倍増処理によって顕著に増加した. CO_2濃度倍増処埋の葉面積への影響は, 幼穂分化期ごろまでの生育初期以降は極めて小さくなり, 過去の研究結果とよく一致した. 乾物生産はCO_2濃度倍増処埋によって顕著に高まったが, それに対する温度の影響は小さく, 2作期の全温度区を平均してみたCO_2濃度倍増処理による最終乾物重の増加率は約24%と推定された. なお, この乾物増加率の温度反応は過去の研究結果と異なったが, これは, 過去の研究は光が殆ど生育を制限しない孤立個体に基づいたものであるのに対し, 本実験の群落条件下では光が生育の制限要因となったためであると考えられる.
著者
中川 威雄 鈴木 清 植松 哲太郎 小山 浩幸
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.1399-1405, 1981-11-05
被引用文献数
10

金属短繊維は, 複合材料用基材など種々の用途をもつものと考えられているが, 既存の金属短繊維製造法はいずれも効率が悪く, コストも高い.本論文では, 旋削時に弾性切削工具にびびり振動を積極的に生じさせることにより極細の金属短繊維を製造する, 新しい「びびり振動切削法」を提案する.このびびり振動切削法によれば, 直径10〜250μm, 長さ0.5〜20mmの金属短繊維を, ほとんどすべての金属材料から直接, 安価に, 効率良く製造できる.びびり振動切削法における短繊維の生成機構についても実験により得られた結果をもとにその推定を行った.
著者
新里 里春 玉井 一 藤井 真一 吹野 治 中川 哲也 町元 あつこ 徳永 鉄哉
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.397-407, 1986-08-01
被引用文献数
10

The purpose of the study is to develop and to study validities and reliabilities of translated version of the Eating Attitudes Test (EAT) developed by Garner et al.1. The subjects of the study were 35 female anorexics before psychosomatic treatment (AN group) (average age 20.5±5.3,average duration 4 years). The control subjects were as follows : 26 female anorexics on psychosomatic treatment (ANDT group) (average age 21.1±6.5,average duration 3.5 years), 414 healthy female control subjects (FN group) (average age 18.8±2.4).2,20 out of 40 items were extracted by a good and poor analysis (t-test). Using the 20 items, three meaningful factors, namely food obsession (F1), dieting (F2) and phodia of obesity (F3) were factors analytically extracted.3. To study the validity of the factors and their combined EAT (EAT-20), correlational study was conducted between the scores of F1,F2,F3 and EAT-20 and clinical scales of the Kyushu University Medical Index (KMI). Followings were significant : F1 and KMI Obsessive-compulsive neurosis scale; F2 and KMI Obsessive-compulsive neurosis scale ; F1 and KMI Hypochondria scale; F1 and KMI Depression scale. A correlation between F3 and past percent maximum body weight was significant.
著者
中川 昭一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.583-590, 1976-09

雑種成犬に胃切除術を合併しない各種迷切術を段階的に施行し, この間の血中ガストリンの変動をインスリンおよび試験食刺激を用いて検討した. さらに試験食刺激では幽門形成術の有無の影響をガストリン面から検討した. インスリン刺激によるガストリン分泌は, SPV で高値の傾向を示し, SV+P では刺激による反応は消失した. 試験食刺激によるガストリン分泌は, SPV で有意の高値を示し, SV および TV では SPV より有意の低値を示した. SPV, SV, TV に幽門形成術を追加すると, ガストリン分泌は低下傾向を示したが, 有意差は認められなかった. 迷走神経幽門洞枝はガストリン分泌促進作用を有すると考えられた.
著者
土田 大輔 中川 慎二 岡田 昌志 カン チェドン 松本 浩二 川越 哲男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
熱工学講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.481-482, 2001-11-03

Water-silicone oil emulsion with a silane coupling agent was used as a phase change material. Using stainless steel vessels coated with PFA resin, experiments of forming ice with stirring were carried out under various conditions of the temperature of brine for cooling and the composition of emulsion. We investigated the correlation between cooling heat flux and ice adhesion to the cooling surface in the ice formation process. The following results were obtained, (a) Silicone oil has the effect of preventing the formed ice from adhering to the cooling surface, (b) Under a condition of the same concentration of the additive, the maximum cooling heat flux without adhesion in the case of water fraction of 80vol.% was larger than that in the case of 100%.
著者
中川 貴雄
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.133-141, 1991-03

赤外線観測による星形成領域の最近の研究について, 概説を行う。太陽程度の質量を持つ星は, 分子雲中の高密度コア内で生まれる。高密度コアは乱流によっては支えられてはおらず, 10^5年程度の自由落下時間でつぶれて, 星を形成する。こうして形成された星は, 最初はダスト雲に包まれているために, 可視光ではみることができないが, 進化が進むにつれてダストが晴れ上がり, 可視光で見ることができるようになる。これらの若い星には, ディスク上の濃い雲が付随している。このディスクの存在は, 近赤外域での偏光観測や, 赤外域でのエネルギー分布などから要請される。IRASによって観測された若い星のエネルギー分布の変化は, ディスクをもった星のシステムが, 周りのダストを吹き飛ばしながら進化していくと考えれば説明することができる。中心星の周りのディスクは, 惑星系の形成に決定的な影響があるはずである。次世代の観測装置により, このディスクの直接的観測が可能になるであろう。
著者
小此木 慎哉 畑田 敏雄 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.574, pp.39-44, 2007-02-27

本研究では「安静」,「メタ認知」,「メタメタ認知」の3種類の思考状態に対する脳活動を定量的に計測・識別することを目的とする.脳波のフラクタル次元解析を行うことで,脳波信号の特徴量を抽出し,思考状態の計測・識別を行う.その結果,意図した思考状態に対応する出力の割合が大きいことから,どの思考状態にあるかを識別しうることを見出した.さらに,ストループ試験を実施し,思考状態が学習効果に与える影響についてフラクタル理論を用いて検討を行った.その結果,メタ認知が学習効果に影響を与えることを確認した.本研究の結果,メタ認知,あるいは,メタメタ認知の修得度を評価する"学習効果計測装置"としての応用の可能性が示唆された.
著者
江口 研二 足立 秀治 池田 徳彦 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 楠 洋子 佐川 元保 鈴木 隆一郎 早田 宏 祖父江 友孝 曽根 脩輔 高橋 里美 塚田 裕子 中川 徹 中林 武仁 中山 富雄 西井 研治 西山 祥行 原田 真雄 丸山 雄一郎 三澤 順
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.985-992, 2003-12-30
被引用文献数
1 1

・低線量CT肺癌検診を実施することにより,非受診者群に比較して,受診者群の肺癌による死亡を有意に減少させるという成績は現在まで証明されていない.・低線量CT肺癌検診は,高危険群および非高危険群に対して,胸部写真による検診よりも末梢小型肺癌(腺癌)をより多く発見し,発見肺癌の6〜8割は病期I期肺癌である.・低線量CT肺癌検診では,受診者の被曝リスクを低減させるために,撮影条件,画像描出条件など読影環境を整備することが必要である.・低線量CT肺癌検診は,他のがん検診と同様に,検診の運営に際して,精度管理とその維持が必要である.・低線量CT肺癌検診の受診者には,検診一般の説明だけでなく,現状でCT検診の有用性に関するエビデンスの内容および想定される有害事象を含めて,説明と同意(インフォームドコンセント)を行うべきである.・医療経済学的な面も併せて,低線量CT肺癌検診の至適なあり方を確立するためには,解析可能な精度の高い実績を集積する必要がある.・本稿の低線量CT肺癌検診のあり方については現行の自治体検診時のCT検診,職域検診のみならず,人間ドックでのCT検診も念頭に置いたものである.