著者
縣 秀彦 宇山 陽子 CHABAY Ilan DOUGHERTY James 篠原 秀雄 奥野 光 大朝 摂子 郷 智子 中川 律子 高田 裕行 室井 恭子 藤田 登起子 野口 さゆみ 青木 真紀子 鴈野 重之 臼田 功美子 (佐藤 功美子)
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

従来の博物館、科学館等における様々な科学コミュニケーション・シーンにおいての「物語る」ことの役割を分析し、科学ナラトロジー(物語り学)について考察した。主な成果として、国立天文台構内に三鷹市「星と森と絵本の家」を平成21年7月開館予定。絵本の家での有効なラナティブの活用として「星の語り部」の活動を提案した。また、市民に科学を物語る場として、平成20年11月より三鷹駅前に「星と風のサロン」を開設し定点観察を継続している。
著者
田中 二郎 ビーゼリー メガン 大野 仁美 中川 裕 大崎 雅一 菅原 和孝 BIESELE Megan 野中 健一 太田 至 早木 薫 池谷 和信 早木 仁成
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

1.生活史に刻印された変容の歴史、定住化に伴う産業の変遷、畑の請負い耕作やヤギの委託の変化、および、グイ語、ガナ語と隣接諸言語との接触史に関する資料の収集などにより、狩猟採集民サンとカラハリ族をはじめとする近隣農牧民の交渉史、共生関係の動態が明らかにされた。2.サンの年長男性の生活史を収集・分析し、過去の狩猟活動、婚外性関係、成人式、農牧民より取り入れた呪術的観念等の詳細が明らかにされた。3.サンの食用および物質分化としての昆虫利用を調査し、とくに昆虫食が食生活に占める質的重要性を明らかにした。さらに、哺乳類、取類、爬虫類を含む動物の形状や行動に関する精密な認知が予見、凶兆、習性や形態の起源神話といった象徴的解釈と密接に相関していることを明らかにした。4.グイ語とガナ語の言語構造と語彙に関する記述を精密化し、正書法を提案した。5.過去30年間に及ぶ人口調査のデータを用いて、サンの人口動態を解明した。6.サンとカラハリの儀礼の比較分析から、サンはいくつかの要素をカラハリからとりいれてきたにもかかわらず、呪術的要素は伴わなかったことを明らかにした。7.子供の言語・身体発達と社会化の過程を、狩猟採集の衰退、平等主義の変容、学校教育の導入など「近代化」の諸問題との関連において明らかにした。8.カラハリ砂漠の辺縁部植生移行帯では、ジャケツイバラ科落葉喬木モパネは家畜の飼料、物質文化として重要なばかりでなく、宗教儀礼などにおいても重要な象徴的役割をもつことが明らかにされ、さらに、この土地の利用権をめぐる民族間の争いがアイデンティティーの問題との関連で生起し、総選挙など国家レベルでの問題にも深く関わっていることが明らかになった。9.平成9年度には、ボツワナ政府主導のサンの移住という歴史的な事件が発生し、これに伴う諸問題の解明が急がれたが、多くは将来の課題となった。
著者
古澤 賢治 路 林書 中川 信義 李 暁西 植田 政孝 LU Lin shu LI Shao Xi 路 林暑
出版者
大阪市立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

1.本研究は、中国の産業立地と広域経済圏の発展可能性を主たる課題とした.調査対象としては,北京,天津,山東,遼寧を含む環渤海領域と上海デルタを「竜の頭」とする長江経済圏を軸にし,それらの比較をしたいと考えた.広大な中国の研究は対象を絞り込まねばならないが,同時に中国の多様性を実際に体験し,様々な状況を比較検討する素地を固めることも不可欠である.2.具体的な研究課題としてはまず,90年代前半の大幅な外資導入によって引き起こされた中国各地の変化についての状況認識し,その意義を分析することであった.外資導入により,中国各地の変化は確かに急速であり,投資環境の整備で産業立地の改善は大きく進展した.とはいえ,各地の一部の指導者には中央政府の援助と外資導入に依存することを望むだけの者もいる.3.次の研究課題は,企業間,地域間の協力関係の進展についてであった.我々は各地における地域連携システム確立による広域経済圏の形成を調査した.しかし,企業の自律性は依然として行政的に阻害されており,地域間の協力関係は展開できないでいるのを改めて認識させられた.社会経済構造の根本的変革は容易ではなく,市場経済の発展に不可欠な地域経済の自由往来は思ったほど進んでいない.4.今回の調査研究ではまた,自動車と家電産業を中心に外資企業の進出状況と中国各地の産業拠点政策についても認識を深めた.国際的技術水準における格差は別にして,外資企業の中にも現地化に努力し,中国の技術者を養成する姿勢を示すものも多い.さらに各地の指導者の多くが,それぞれの特色を生かした発展の重要性を自覚し始めているように見えた.
著者
西中川 駿 松元 光春 上村 俊雄
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1987

わが国の牛、馬の起源、系統や渡来の時期などを明らかにする目的で全国の遺跡から出土する牛、馬に関する遺物を調査し、さらに出土骨を同定する基礎資料を得るために、在来種や現代種の骨を形態計測学的に検索し、出土骨との比較を行い、以下の結果を得た。1.牛、馬の骨や歯の出土した遺跡は、全国で牛177、馬379、合計556カ所あり、時期的には古墳から中世が多く、また、地域別では、東京、神奈川、福岡、大阪、および千葉などに多かった。2.在来牛である見島牛(雄2、雌2)、口之島牛(雄3、雌5)および現代和牛の黒毛和種(雄10、雌20)の頭蓋、四肢骨をノギスや画像解析装置を用いて計測した。実測値、主成分分析から在来牛は黒毛和種から区分された。3.在来馬であるトカラ馬(雄7、雌8)、御崎馬(雄9、雌13)、木曽馬(雄1、雌10)および現代馬のサラブレッド(雄5、雌5)の頭蓋、四肢骨を計測し、実測値、主成分分析からトカラ馬が最も小型であることがわかった。なお、牛、馬共に骨の幅、径から骨長を、骨長から体高の推定式を作成した。4.藤原京、平安京、カキワラ貝塚など24カ所の出土骨を調査したが、牛の骨は、在来牛とほぼ同じ大きさであり、また、馬の骨は、小型から中型馬の大きさで、特に御崎馬と同じ中型馬のものが多かった。5.古墳時代中期になると、わが国でも馬具が出土しはじめ、また、杏葉や馬鐸飾った馬の埴輪もみられ、埴輪馬は関東に多く、西日本では少なかった。祭祀に用いたと考えられる土馬は、奈良、平安時代に最も多く、ほぼ全国に分布しているが、特に平城京、平安京など古都に多くみられた。6.以上の調査結果から、わが国の牛、馬の渡来時期は、弥生から古墳時代と考えられるが、今後さらに全国各地の出土遺物を詳細に調査し、牛、馬のわが国へのルートを明らかにしたい。
著者
西澤 信一郎 中川 裕志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.41-42, 1996-03-06

一般に,談話には構造があるといわれている[Hob90].これは発話者の「思考の流れ」を示していると考えられ,発話者は,地図課題対話など目的の定まった会話の場合はもちろんのこと,雑談など特定の目的に左右されない自由会話の場合でも,この構造をある程度認識し,協調的な会話を進めているものと考えられる.そのため,会話の持つ文脈情報の獲得,さらには人間同士の会話への計算機システムの参加,などを考える際には,談話の持つ構造の獲得や理解が必要となると考えられる.本稿では.飲み会の席上での会話データを用いて,接続助詞「から」や接続詞「だから」「だって」などで表される因果関係のもつ発話間の構造について考察する.
著者
細見 光一 室井 延之 東 和夫 池田 りき子 魚本 智子 大川 恭子 三宅 圭一 中川 素子 河本 由紀子 清原 義史 金 啓二 沢崎 高志 小野 達也 西田 英之 大野 真理子 緒方 園子 福島 昭二 徳山 尚吾 大西 憲明 平井 みどり 松山 賢治
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.64-72, 2006-01-10
被引用文献数
6 7

We conducted a survey on the practical training of pharmacy students in 47 community pharmacies and 76 hospital pharmacies in Hyogo Prefecture. Items surveyed included the acceptance system for pharmacy students, practical training curriculum, problems and difficulties. In many community pharmacies and hospital pharmacies, instruction in practical training was recognized as worthwhile despite the workload involved. Though the content of the practical training varied, dispensing and medication instruction were the most common items in the practical training for both community pharmacies and hospital pharmacies. Communication with patients and management of medication history were the focus of training in community pharmacies, while the major aspects of training in hospital pharmacies were dispensing of injections and TDM (therapeutic drug monitoring). Many pharmacists were of the opinion that the content and goals of the training should be reviewed and that it needed to be further evaluated. Revision of the practical training in universities was also recommended. Further, in order to achieve an efficient practical training curriculum it was felt that the training should be more linked to the special characteristics of community pharmacies and hospital pharmacies.
著者
中川 光弘 加賀 爪優 桑原 祐史 信岡 尚道 田附 明夫 長澤 淳 金澤 卓弥 上林 篤幸 上林 篤幸 井上 荘太朗
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

アジア農業モデルを開発し、農業部門への気候変動の影響予測を行い、その適応戦略を検討した。またGISやリモートセンシングを使ってアジア沿岸域への気候変動の影響予測と土地利用のあり方を検討した。農業部門への気候変動の影響は、既にアジア各地で現れているが、それが食料問題として深刻化するのは特に輸入依存度の高い最貧国であり、世界農産物市場を介して主要国の農業政策の影響も加わって、複合的な形で現れることが明らかになった。
著者
寺崎 朝子 中川 裕之 中川 裕之
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ニワトリ脳より申請者が同定したアクチン結合タンパク質lasp-2に東化活性があることを明らかにし、ニワトリ初代神経細胞の成長円錐やスパインに局在することを示した。また、アクチン結合領域を欠損したlasp-2の導入によって神経細胞の成長円錐の運動が異常になることも明らかにした。関連した論文を2本、総説1本を発表した。
著者
中川 千帆
出版者
奈良女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

当該研究は20世紀への変わり目に書かれたニューイングランドの女性作家によるヴァンパイア物語に見られるジェンダーとセクシュアリティを探るものであると同時に、現代のヴァンパイア・ロマンス人気の背後に見られるジェンダー・ポリティックスも明らかにするものである。
著者
曽根原 理 牧野 和夫 福原 敏男 佐藤 眞人 大島 薫 松本 公一 岸本 覚 山澤 学 大川 真 中川 仁喜 和田 有希子 万波 寿子 クラウタウ オリオン 青谷 美羽 杉山 俊介
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の近世社会において、東照宮が果たした役割を考えるため、関係する史料を各地の所蔵機関などで調査した。また、近世初期に東照宮を設立する際に基盤となった、中世以来の天台宗の展開について、各地の天台宗寺院の史料を調査した。加えて、年に二回のペースで研究会を行い、各自の専門に関する報告を行い議論した。そうした成果として、日本各地の東照宮や天台宗寺院に関する著作と論文を公表することが出来た。
著者
今江 禄一 中川 恵一 山下 英臣 芳賀 昭弘 篠原 広行
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,体幹部放射線治療中の呼吸による標的の移動量を明らかにした上で,標的の呼吸性移動を考慮した回転型強度変調放射線治療を用いて体幹部定位放射線治療を実現した.また,治療中の対象内のCT画像を得ることが可能である本手技を用いて,放射線治療中の標的の位置検出と移動量の評価を行った.本研究の達成により放射線治療中の標的や臓器の位置が同定可能となり,治療中の投与線量や分布を再評価することが可能となった.
著者
和田 倶典 FULGIONE Wal SAAVEDRA Osc GALEOTTI Pie 斎藤 勝彦 山下 敬彦 高橋 信介 中川 益生 山本 勲 井上 直也 岬 暁夫 WALTER Fulgi OSCAR Saaved PIERO Galeot
出版者
岡山大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究は[LVD(Large Volume Detector)]実験と,[LMD(Large area Massive particlesDetector)]実験から成る。これらの実験の目的は大統一理論から予想される新しい粒子や物理学,また宇宙からのみ飛来することが期待される新粒子,天体物理学などである。これらの実現には人工加速器は無力であり,そのため非加速器物理が押し進められている。[1]LVD実験:特に,ニュートリノ反応や,新粒子の出現頻度はきわめて稀なため,大規模で極端に低いバックグウランド状態の実験所が必要となり,それらの条件を満たす実験所がイタリア,グランサッソ-に建設されイタリア国を中心にロシア,米国,日本,中国,ブラジル等の参加でLVD計画が始まり,日本は我々のグループが参加して,平成2年,3年,4年とLVD建設に協力してきた。LVDの第一期計画のタワー1が完成し,世界最大容積の液体シンチレータデータが取れるようになり,平成4年6月から測定に入った。これにより、LVD実験の目的である(a)星の重力崩壊からのニュートリノバーストの研究,(b)太陽ニュートリノの研究,(c)陽子崩壊の研究,(d)隠れたニュートリノ天体源の研究,(e)ニュートリノ振動の研究,などの成果が期待される。さらに,LVDとしてはタワー2,3の建設が始まっているところである。LVD実験は休みなく運転を続けており,現地グランサッソ-地下実験所にて装置の運転及び実験目的の解析を行うことが本研究の目的である。それらの目的を達成するため,平成6年以降,日本から現地(イタリア,グランサッソ-地下実験所)におもむき,装置の運転及び共同作業やデータ解析などを行ってきた。それらの成果は平成7年ローマで開催された第24回宇宙線国際会議で10編の報告を行った(10.研究発表の項目参照)。また,LVD装置の運転(シフト)業務は各国で分担しているが日本グループとしては年間,最低4週間(2シフト)従事することになっているので,この業務を最優先し,平成7年度は3シフト行った。また,日本グループ独自の解析を行うためのデータ転送,調整などの調査を行い,見とうしをつけた。[2]LMD実験:本実験の研究目的は(f)超低速・超重粒子の探索,(g)超高エネルギーミューオン物理学の研究である。LMD実験も平成6年9月に40平方メートルの改良型TLシートスタック[TLS]をイタリア,モンブラン地下実験所に設置したので,(f)超低速・超重粒子探索の可能性の検討が十分成しえるよう,(ア)現地モンブラン地下実験所及びトリノ大学にてTLSの回収と解析を行うことと,(イ)TLシートが超低速粒子に感度を持つか実験を行うことが本年度の計画であった。TLSはTLシートとX線フィルムを多数枚重ねたものからなるが,今回は改良型TLSで真空パックをした。(ア)は平成8年2月に回収を行い,40平方メートルX8枚のX線フィルムをすべて現象し,解析を行った結果,3例の超低速・超重粒子候補イヴェントを見い出した。ただちに,対応するTLシートの15箇所をTL読み取りシステムで読み取り,ビデオカセットに収録し,日本でも解析できるようすべてのテープをコピーした。現在,そのビデオテープから解析中である。(イ)の実験は低速アルゴン・イオンビームで行った結果光速度の一万分の一程度でもTLシートが感度を持つことが判明し,超低速・超重粒子がTLシートに入射した時の発光量も計算することが可能になった。計算から予想される粒子による発光がバックグラウンドによる発光よりも多くなれば検出がむつかしくなる。TL発光がそれほど多量ではないことが判ったので,モンブラン・トンネル内のバックグラウンドが大きく影響することになる。モンブラン・トンネルに比較してバックグラウンドが少ないと予想される(50%から10%)グランサッソ-地下実験所にTLSを設置すべく,準備を平成7年8月に始めた。バックグラウンド計測用TLシートをグランサッソ-・トンネル内のLVDタンク上に三箇所設置した。平成8年2月にTLシートの一部分を回収し,読み取りを行った。これらもテープをすべてコピーしたので,半年間でのグランサッソ-トンネル内のバックグラウンド量が計測でき,モンブラン・トンネルと比較できる。一年後のバックグラウンド計測と併せて、新しいTLSの設置場所を検討する予定である。
著者
井上 学 エスマイルザデ リアズ 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.720, pp.105-110, 2004-03-08

近年,無線通信システムにおいて,複数アンテナを送受信機に用いて,同一時刻,同一周波数で信号伝送を行なう多入力多出力(MIMO: Multi-Input Multi-Output)方式,特に,各送信アンテナから独立な信号系列を送信するMIMO-Multiplexing方式について,同一チャネル干渉の影響低減,周波数利用効率の改善を目指す研究が盛んに行なわれている.本稿では,MIMO-Multiplexing方式において,誤り検出符号の一種である巡目冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を用いた信号分離方式と再送方式について検討を行なった.前者においては,最も良い受信特性を示す信号分離方式である最尤検波法(MLD:Maximum Likelihood Decision)を適用して送信信号を検波した後に,さらにバッファにためておいた受信信号からMLDにより検波された信号を差し引くことで,新たに送信信号を復元する方式を提案した.また,再送時における信号の送信方法として,誤ったパケットのみを効率良く再送する方法を検討しており,前回送信時に誤ったパケットを誤りが生じなかった送信アンテナから再送する選択送信ダイバーシチ法(STD: Selection Transmit Diversity),そして,誤ったパケットに対して時空間ブロック符号化(STBC:Space-Time Block Coding)を適用して再送する方式を提案した.計算機シミュレーションによる特性評価より,各々の場合において提案方式の有効性が確認された.
著者
吉村 季織 岡崎 正規 中川 直哉
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of computer chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.49-56, 2003-06-15
被引用文献数
1 1

Microsoft Excelに添付されている最適解の検索ツール、ソルバーを用いて滴定曲線から試料溶液のp<I>K</I>分布を見積もった。p<I>K</I>分布はp<I>K</I>と濃度の関係を示し、不均一表面などの分析に用いられている。滴定曲線は、クエン酸水溶液を水酸化ナトリウム溶液で滴定することによって得た。滴定曲線の式を線形で表し、Excel ソルバーの線形計画法によって実験値にフィッティングした。Excel ソルバー によって見積もられたp<I>K</I>分布は、シンプレックス法を用いた自作プログラムで見積もったp<I>K</I>分布と比べても遜色がないものであった。p<I>K</I>分布の見積もりに、Excel ソルバーを充分に活用できることを示すとともに、すべてのExcelユーザが気軽にp<I>K</I>分布を見積もることができることを示している。