著者
新澤 祥惠 川村 昭子 中村 喜代美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.226, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】石川県におけるおやつの特徴を検討した。【方法】平成25~27年に実施した「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の聞き書き調査(穴水町、金沢市、野々市町、白山市、小松市、白峰村)及び文献等により検討した。【結果】1)石川県全域で出現するものは「かき餅(欠餅とも書く)」がある。1月下旬に寒の餅をつき、赤、青の色をつけたり、黒豆、切り昆布、胡麻など混ぜてトボ型に入れ、薄く切ったものを縄で結んで屋内で乾燥するものである。これを1年中焼いて食したが、細かく切って煎り、砂糖や黒砂糖をまぶした「はぜ」としても利用した。「かき餅」は農山村では自家製であるが、都市部では菓子屋で搗いたもちを切ってもらい、自宅で干した。 2)「かき餅」以外にも餅類は多く、正月の終わりには、お鏡をおろして「善哉」とし、春と秋の彼岸、報恩講にはご飯を半殺し(半分だけつぶす)にした「おはぎ」を作った。また、春にはよもぎ団子、初夏になるとササゲを塩味にゆでてもちにまぶした「ささげ餅」が、また、笹のあるところでは笹の葉に包んだ笹餅が作られた。この他、春や秋に訪れるパクーン業者(パクーンとは米を煎り砂糖をまぶしたもの)に煎り米を作ってもらった。 3)夏は、スイカ、まくわ瓜、みの瓜を、秋は柿、ぐみ、栗、イチジクなどの果実がよく食べられた。渋柿は干してさわし柿とした。 4)以上の他に、大麦粉に砂糖を入れて水で掻いた「おちらし」、さつまいもを蒸して細く切り乾燥させた「干しいも」、さつまいもやじゃが芋(砂糖を加える)をつぶした「茶きん絞り」やテングサから作ったところてん、ザラメから作ったカラメル焼きなどが出現した。 5)白峰村では炒り豆や豆板、びやゆり・じゃが芋のデンプンに砂糖を入れ湯でかいた葛湯、かまし粉を番茶で掻いて砂糖を入れたおちらしや、栃の実の粉で作ったとち餅などこの地域独特のものがみられた。
著者
中村 久美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的</b> 外部環境との応答性に関わる住生活には、①環境調整(温熱、光、空気環境の調節)、②防犯・監視(見守り)、③生活の豊かさにつながる知覚(眺め、自然や四季の変化の感受)、④コミュニティや景観形成(演出、表出による親しみ、通りの景観形成)の諸側面が存在する。もともと開放的で内外中間領域(縁側)を有する日本の住空間では、外の自然や周辺環境と親しむ住生活が存在したが、地球環境問題や地域コミュニティとの関係が問われる現代は、そのような住生活のあり方は重要である。現代における外部環境との応答性ある生活様式の再構築をめざし、まずは若年層の窓と窓周りの住生活の実態を明らかにする&nbsp;.<br>&nbsp;<b>方法</b> 女子大生151名を対象に、窓やカーテンの開閉など窓周りの住生活や自宅の窓周りの生活様態に関する質問紙調査を実施。<br><b>結果</b> 自宅開口部の様態を見ると、1年中雨戸や窓が締切の部屋がそれぞれ約2割、4割存在する。日差しの調節にすだれなどを活用している(4.5割)一方、天気の良い日中でもリビングの照明をつけている(4.5割)。内外中間領域のうち、ベランダ・バルコニーは7.5割が有しているが、縁側、テラス(ともに2割)を有する家は少ない。またそこでは物干し以外の住生活行為は特に行われていない場合が多い。学生自身の窓周りへの働きかけをみると、換気の習慣が定着していない学生が一定数存在し、厚いと感じたら窓を開けずにエアコンをつける者が1/3をしめる。「窓の外を眺める」「空模様を見る」ことを全くしない学生も2割存在する。そもそも自室の窓の方位を認識しない学生が多い。住空間への意識として窓や空間の開放性に関心のない学生ほど当然のことながら窓や窓周りへの働きかけはない。総じて外部環境への関心や窓を介した外との関係が希薄な学生が少なくない。
著者
中村 匡良
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

シロイヌナズナのspiral(spr)3変異体は体軸がねじれるために、葉器官が反時計方向に回転して見え、根は寒天培地上を右方向に向かって伸長し、根の表皮細胞は右向きにねじれる。spr3の原因遺伝子はγチューブリン複合体の一構成員GCP2のホモログをコードしていた。1.AtGCP2は生存に必須の因子である。シロイヌナズナ(At)GCP2ノックアウト株は作出されなかった。atgcp2ヘテロ株の解析から、AtGCP2は雌雄配偶子の形成や発達に重要であり、生存に必須の因子であることが示唆された。2.間期表層微小管はAtGCP2を介して形成される。GFPを融合したAtGCP2コンストラクトをRFPで微小管標識した植物体に形質転換することで、微小管とAtGCP2を同時に生細胞で観察できる植物体を作製した。共焦点レーザー顕微鏡による観察を行ったところ、AtGCP2が既存の表層微小管に出現し、そして40°の角度を持って微小管が文枝形成される動態が観察された。このことから、表層微小管はAtGCP2を含む微小管重合核を介して形成されることが示唆された。3.シロイヌナズナ微小管重合核は微小管形成角度を維持することにより表層微小管構築に寄与する。表層微小管は細胞膜内側で形成されたのち、マイナス端が形成した部位から移動することが特徴的である。また、形成部位から微小管を遊離するには微小管を切断するカタニンタンパク質が関与することが考えられている。事実、シロイヌナズナカタニン変異株の間期表層微小管動態を観察したところ、微小管の形成部位からの遊離は観察できなかった。マイナス端遊離のないカタニン変異株にspr3変異を付与するとカタニン変異株の表現型にspr3の表現型である右巻きねじれが付与された。このとき、表層微小管形成角度はspr3変異株のみのときと同様変化していた。以上のことから、植物細胞の伸長方向には、AtGCP2を含む微小管重合核による40°という高等植物に特徴的な角度を持った微小管形成の維持が重要であることが示唆された。
著者
中村 信隆
出版者
Japanese Association for the Contemporary and Applied Philosophy (JACAP)
雑誌
Contemporary and Applied Philosophy (ISSN:18834329)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-22, 2018-07-23

The purpose of this paper is to morally justify the death penalty according to the "expressive theory of retribution, " which has been developed by Jean Hampton. She tries to justify retributive punishment on the basis of the expressive or communicative role of punishment, arguing that retributive punishment can express and reaffirm victims' worth or dignity and their equality with offenders, which were negated by the offenders' actions. In this paper, I try to apply the expressive theory of retribution to the issue of death penalty. The problem is that it is unclear whether the death penalty is compatible with the human dignity of offenders. The first purpose of retributive punishment is to express victims' dignity, but retributive punishment must also not degrade offenders' dignity, because both victims and offenders equally have dignity. How then can imposing the death penalty on murderers be consistent with respect for their dignity? To consider this problem, I take up two questions. The first question is whether the death penalty shows implicit disregard for the human dignity of unrepentant offenders by precluding the possibility of their resipiscence as the development of their own moral character. On this question I advocate the death penalty by arguing that it does not degrade offenders' dignity as long as we provide them the opportunity of resipiscence by allowing them sufficient time between sentencing and execution. The second question is whether any method of execution is not intrinsically degrading to offenders' dignity. On this question, I argue that some methods of execution are not intrinsically degrading to offenders' dignity, and even if those methods are accused of cruelty, cruelty is in itself irrelevant for the justification of the death penalty in the expressive theory of retribution.
著者
ジメネス フェリックス 吉川 大弘 古橋 武 加納 政芳 中村 剛士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.2N21, 2018-07-30

<p>近年,教育を支援する教育支援ロボットが注目され,定型発達児を対象に研究が進められている.一方,学校の通常学級において,発達障害児の在学割合は年々増加している.そのため,発達障害児を対象とした教育支援の必要性は高まると考えられる.しかしながら,発達障害児を対象とした研究事例は少ない.そこで本稿では,発達障害児と教育支援ロボットとの一対一における共同学習による学習効果について報告する.</p>
著者
田中 宏季 サクリアニ サクティ グラム ニュービック 戸田 智基 中村 哲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.2H4NFC04b3, 2018-07-30

<p>自閉症スペクトラム障害とは、社会性とコミュニケーションに困難がある発達障害であり、言語と非言語の表出に影響を及ぼすと報告されている。特に他人とのインタラクションにおいて定型発達児と比較した際の特異性がこれまで報告されている。本研究では、自閉症児のコミュニケーション支援に向けた対話システムを開発するため、保護者とのインタラクションにおける発話応答時間と応答内容の分析を行った。</p>
著者
中川 明彦 谷島 ゆきみ 高萩 英邦 中村 皖一 島田 幸雄 長沼 英夫 塩谷 宏明 川原 幸則
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.113-121, 1987 (Released:2007-03-29)
参考文献数
12

GC/MSによるカルバサイクリン誘導体,CS-570のイヌ血漿中定量法を確立した.本法はODSおよびSiミニカラムによるclean-up法とメチル-DMiPS誘導体化を用いることにより,1ng/mlのCS-570を定量できた. CS-570をイヌに静注および持続静注し,その体内動態を解析した.その結果,CS-570の血漿中半減期は約10分と極めて短く,速やかに循環血流から消失することが明らかになった.また持続静注を行うと,投与開始後15分で定常状態の95%に到達することが判明した.
著者
中村 賢二 山本 和久
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.729-731, 1977
被引用文献数
2

The patient was a 21-year-old man who acquired unilateral deafness while he was exposed to extremely loud sound of discotheque for about 4 hours.<br> His hearing type was of a dish, with a mean hearing loss of slightly over 50 dB in the middle frequencies. He was positive for recruitment phenomenon. No abnormal temporary threshold tone decay could be observed. He received treatment for approximately 2 months with slight improvement in hearing. Only 10 dB was elevated in frequencies of 500 Hz or below during treatment.<br> He had no subjective symptoms such as vertigo, dizziness and giddiness, nor any abnormal findings in equilibrium tests.<br> He was diagnosed as noise-induced sudden deafness caused by the sound of discotheque.
著者
中村 智幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00069, (Released:2018-06-08)
参考文献数
26
被引用文献数
8

内水面漁協の経営改善のため,アユとイワナ,ヤマメ等の渓流魚の放流事業の採算性を検証した。アユ,渓流魚ともに,放流経費と漁業権行使料・遊漁料の受入額の間に有意な正の直線関係が認められた。回帰式の傾きはアユでは0.55,渓流魚では1.20であり,アユのほうが有意に小さかった。このように,アユでは放流経費の約半分しか漁業権行使料・遊漁料で回収できておらず,アユの放流事業の採算性は低かった。放流経費と漁業権行使料・遊漁料の受入額の関係から,アユ,渓流魚それぞれについて放流事業の収支の評価指標を作成した。
著者
松田 健 加藤 雅彦 唐沢 勇輔 丹京 真一 中村 智史 林 憲明 加藤 孝浩
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.447-448, 2018-03-13

フィッシングの手口の巧妙化が進む中,フィッシングサイトを早期に発見することは被害を最小限に抑えるだけでなく,攻撃者側の準備にかかるかコストを増大させることにも繋がる可能性があるため,フィッシングサイトの早期発見は非常に重要な問題である.本研究では,実際のフィッシングサイトに使用されたドメイン名に含まれる特徴から,新たにフィッシングに使用される可能性のあるドメイン候補を生成・監視することで,フィッシングサイトの早期発見に繋げるための情報収集方法について検討する.