著者
藤井 節郎 中村 芳正 武田 節夫 森田 健一 佐藤 俊幸 丸中 照義 川口 安郎 采見 憲男
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.30-44, 1980-02-29 (Released:2008-10-23)
参考文献数
14

The metabolism, antitumor activity, and acute toxicity of 5-fluoro-1, 3-bis-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FD-1) were investigated in animals, compared with 5-fluoro-1-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FT). It was found that after oral administration of FD-1, the level of 5-fluorouracil (5-FU) was maintained higher and longer than after administration of FT, and that a large amount of 5-FU was released from FD-1 by liver microsomal drugmetabolizing enzymes or spontaneous hydrolysis via 5-fluoro-3-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (3-FT) and FT. FD-1 had a significant activity against the solid form of Ehrlich carcinoma, sarcoma-180, hepatoma AH130, Yoshida sarcoma, Walker carcinosarcoma-256, and leukemia L1210 and P388, but not the ascitic forms, and it produced greater inhibition of tumor growth than FT. The acute toxicity of FD-1 was less than that of FT.
著者
大矢 淳 柴山 知也 中村 亮太 岩本 匠夢
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_880-I_885, 2016
被引用文献数
2

2011年台風15号を例として気象-海洋結合モデルを用いて再現計算を行う.次に,疑似温暖化手法を用いて作成した気象場を構築しこの統合モデルを適用し台風・高潮の将来予測計算を行う.さらに,高潮計算と先行研究で行われた津波計算とからそれぞれ浸水面積を算出し,治水経済調査マニュアルの方法に従って直接被害額と間接被害額を求める.本研究では,温暖化ガスの排出が多く,高潮の再現について比較的危険側に設定した場合における例を検討した.水害対策は防潮堤や内部護岸のかさ上げ,水門の新設,既存構造物の耐震強化,維持管理費用を含めた対策費用(以下:構造物費用)と家屋のピロティ化(以下:高床化)の費用の2つを検討した.台風と地震の発生確率を基に50年間の予想被害額は高潮で5.76兆円,津波で13.99兆円となった.構造物費用は,50年間で2.12兆円となり,高床化にかかる費用は51.3兆円となった.海岸構造物強化の対策を行った場合の費用便益比は9.32,高床化の場合には津波の浸水域で1.32となり,高潮の浸水域で0.38となった.
著者
中村 小市
出版者
財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, pp.1911-1921, 1937

家兎ニ植物性神經毒、「ゼクレチン」或ハ食餌投與ニヨリテ其膵臟外分泌機能ヲ變化セシメ、次イデ輸膵管内「オレフ」油注入ニヨル急性膵臟壊死ヲ惹起セシメタルモノニ就テ、肝臟ノ「ガラクトーゼ」處理機能ヲ檢索セシニ、「ピロカルピン」、「ゼクレチン」ヲ注射シタルモノニアリテハ肝臟ノ該機能ハ高度ノ障碍ヲ蒙リ、「アトロピン」使用時ハ之ニ次グ。而シテ豫メ「アドレナリン」及ビ食餌投與後ノモノニ於テハ、急性膵臟壊死ニヨル肝臟ノ該機能障碍ハ寧ロ輕減セラルヽヲ見タリ。
著者
宮原 ひろ子 Miyahara Hiroko 毛受 弘彰 Menjo Hiroaki 桑名 宏輔 Kuwana Kousuke 増田 公明 Masuda Kimiaki 村木 綏 Muraki Yasushi 中村 俊夫 Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.16, pp.57-64, 2005-03

This paper presents the variation of solar activity during the Maunder Minimum (1645-1715 AD) deducted from radiocarbon content in tree-rings. Radiocarbon is produced by the galactic cosmic rays, which are modulated by the solar wind and the interplanetary magnetic field in the heliosphere. The production rate of radiocarbon, therefore, reflects the state of solar magnetic activity. Most distinct index of solar magnetic activity it the group sunspot number. The variations of sunspot number have shown clear cyclicity since the 18^<th> century with average length being about eleven years. The sunspots, however, have once almost disappeared during the period of 1645-1715 AD due to extraordinary weakening of solar activity. This period has been called as the Maunder Minimum. There is no remarkable cyclicity in the sunspot variations. We, therefore, investigated the cyclicity of radiocarbon content in tree rings from the Maunder Minimum in order to clarify the characteristics of solar activity during this period. We compared two radiocarbon records obtained newly by our group and by Stuiver et al. The results of frequency analyses have shown that solar magnetic reversals had maintained through the Maunder Minimum and that the length of the "eleven-year" cycle was stretched to 13-15 years.
著者
所 光男 長野 功 後藤 喜一 中村 章
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.861-865, 1990

SS寒天平板上で赤痢菌が疑われた集落由来株を培養時間24時間で簡易に鑑別できる培地を改良するための基礎実験を赤痢菌23株, <I>Escherichia coli</I> 129株を用いて行なった. その結果, 合成培地に酢酸ナトリウム0.3%, ブドウ糖0.02%, クエン酸ナトリウム0.3%を加え改良したCA培地 (Citrate-Acetatemedium) は, 従来我が国で常用されているクリステンゼンのクエン酸塩培地に比べ, 赤痢菌と<I>E. coli</I>の鑑別に優れていることが確認された.<BR>健康者検便のSS寒天板上で赤痢が疑われた集落由来株130株を用い赤痢菌との鑑別性をCA培地, クリステンゼンのクエン酸塩培地, 酢酸ナトリウム寒天培地を用いて比較した結果, 24時間の培養の時点では, CA培地はクリステンゼンのクエン酸塩培地, 酢酸ナトリウム寒天培地より鑑別性が優れていることが確認された.<BR>更に, 使用した130株の同定を行い上記3培地の菌種による鑑別性を検討した結果, 赤痢菌の鑑別培地としてCA培地は<I>Escherichia sp.</I> の鑑別ではクリステンゼンのクエン酸塩培地より優れており, <I>Hafnia sp.</I> の鑑別では酢酸ナトリウム培地より優れていることが確認された.
著者
中村 明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1500, pp.112-114, 2009-07-20

今年3月、「関西独立リーグ」が初めてのシーズンを迎えました。女子高生プロ野球選手、吉田えり投手が活躍するリーグとして、ご存じの方も多いと思います(編集部注:鋭いナックルボールが武器で、メディアやファンの間では「ナックル姫」の愛称で親しまれる)。彼女のおかげで、リーグの知名度が大幅にアップしました。
著者
中村 明
出版者
筑摩書房
雑誌
言語生活 (ISSN:04352955)
巻号頁・発行日
no.332, pp.p30-40, 1979-08
著者
中村 洋
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.372-376, 2008-09-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
20

中高年にみられる関節痛のもっとも多い原因が変形性関節症osteoarthritis (OA) である. 保存的治療として, 安静, 保温, 運動療法に加えて, 薬物治療が行われる. アセトアミノフェンは容易に購入できる鎮痛薬で, 本邦では一日1.5gまで使われる. 痛みが強い場合は非ステロイド性消炎鎮痛薬nonsteroidal anti-inflammatory drug (NSAID) であるインドメタシン, ジクロフェナック, ロキソプロフェンといった薬を使用するが, 上部消化管障害などの副作用に注意が必要である. これらの薬剤はシクロオキシゲナーゼcyclooxigenase (COX) を抑えることによって, 痛みや炎症の原因となるプロスタグランディンE2 (PGE2) の産生を抑制して効果を発揮する. 近年, 胃腸障害を軽減するため, COX-2選択的阻害薬が使われるようになってきた. 関節内へ薬剤を直接注入する治療法も医療機関では行われている. ステロイド剤は即効性があり, 効果も劇的であるが, 副作用を避けるため頻回に用いないほうがよい. ヒアルロン酸はその物理的性質と抗炎症作用により, OAの症状を軽減するとされている. 副作用が少なく, 定期的に注入して効果をあげている. 現在販売されているサプリメントにはさまざまな種類があるが, グルコサミンはその作用が科学的に議論されている唯一の物質である. グルコサミンのOA治療への歴史は1960年代のドイツにさかのぼる. その後, 1990年代後半から北アメリカで大ブームを巻き起こし, いくつもの臨床治験が行われた. 有効性を示す研究結果があるが, 否定的な意見もある. 一方, グルコサミンの基礎的研究は盛んに行われており, 抗炎症作用, 軟骨分解酵素の抑制作用が明らかにされ, OAの症状を軽減するだけでなく, 進行を抑制する可能性が強く示唆されている.
著者
気賀澤 悠 中村 理恵子 大森 泰 高橋 常浩 和田 則仁 川久保 博文 才川 義朗 竹内 裕也 北川 雄光
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.86-87, 2015-12-12 (Released:2016-01-06)
参考文献数
4

論文撤回のお知らせ 論文タイトル: 術後の癒着・狭窄予防にステロイド局注が著効した下咽頭表在癌の1 例 著者: 気賀澤悠・中村理恵子・大森泰・高橋常浩・和田則仁・川久保博文・才川義朗・竹内裕也・北川雄光 掲載誌: 「Progress of Digestive Endoscopy」第87 巻1 号,pp. 86-87 撤回理由: 編集作業上の事故により同一論文を2 回掲載してしまったため、2 回目掲載の本論文を撤回いたします。 本件は二重投稿には当たらず、出版社が引き起こした多重出版であることをここに明記いたします (撤回通知掲載:第90 巻1 号)。 「Progress of Digestive Endoscopy」編集委員会 委員長 髙橋 信一
著者
河内 紀浩 中村 泰之 渡邉 環樹
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.73-77, 2018

<p>沖縄県の宮古諸島に導入されたニホンイタチ<i>Mustela itatsi</i>の糞より,同諸島固有の絶滅危惧種ミヤコカナヘビ<i>Takydromus toyamai</i>の骨及び体の一部を検出した.この結果は,同地域に生息する希少な固有種が国内外来種であるニホンイタチに捕食されていることを直接的に示す初めての証拠であり,ミヤコカナヘビの深刻な個体数減少の原因についての議論に一石を投じるものである.</p>
著者
中村 豊
出版者
徳島大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

西日本の石棒は、縄文時代中期末に大型のものが伝来し、その後小型化・精製化をとげ、晩期のはじめごろ石刀へと変化し終焉を迎えたと考えられてきた。ところが最近、大阪湾沿岸地方を中心とする地域で突帯文土器にともなって結晶片岩製(泥質片岩・紅簾片岩が多い)の大型粗製石棒が相次いで発見されている。すなわち、縄文時代の最後に再び大型粗製石棒を用いた儀礼がさかんにおこなわれるようになったのである。私の本年度の研究目的は、これらがどこで生産され流通したのかを明らかにし、どのような歴史的意味をもつのか、すなわち「縄文から弥生」との関わりについて考察することにあった。私の本年度の調査によると、これら石棒は30遺跡137点の出土を確認することができ、分布は大阪湾沿岸地域(兵庫県南部から大阪府堺市付近)を中心とする地域に集中している。なかでも、最も多量の石棒を出土する遺跡は、徳島市三谷遺跡で、20点と異常ともいえるほど多量の結晶片岩製石棒が出土しており、近畿・東部瀬戸内地域に分布する石棒の多くが三谷遺跡をふくむ徳島県の遺跡で生産されたことがほぼ明らかとなった。問題はなぜ、縄文晩期終末から弥生前期初頭という時期に近畿・東部瀬戸内地域において石棒を用いた儀礼が盛行したのかというところである。この時期は、ちょうど新しい儀礼・社会のしくみが伝わる時期に相当する。これに敏感に反応して、縄文社会を維持しようとする意識がはたらいた結果、伝統的な儀礼をさかんにおこなうにいたったのではないだろうか。これが、結晶片岩石棒の分布という形で明確に現れたと理解するのである。そしてこれは、近畿・東部瀬戸内地域が、中部瀬戸内以西の地域よりも縄文時代の伝統的な社会・それを維持するシステムを保持しようとする下地があったことを示していると私は考えている。
著者
中村 俊郎 税所 篤快 伊藤 暢人
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.363, pp.44-48, 2014-12

過疎の故郷で義肢装具メーカーを起業し、世界から注文を受ける優良企業に育て上げた中村俊郎・中村ブレイス社長。映像授業を活用し、途上国の教育を支援しようと世界各地で奮闘する税所篤快・e-Education創業者。以前から中村社長は税所さんにアドバイスを送り続…
著者
坂野 昌志 間瀬 広樹 島田 泉 伊藤 由紀 中村 卓巨 青田 真理子 中村 桂 近藤 祥子 堀端 志保 中野 良美 五家 邦子 鈴木 末廣 井端 英憲
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.920-924, 2007 (Released:2009-09-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

In the treatment of cancer,radiotherapy is equally important to chemotherapy,and the pain arising from the adverse reactions of esophagitis and stomatis is treated with sodium aliginate (AL-Na).We decided to try cooling AL-Na because it was felt that doing this would enhance the analgesic effect.When cooled,the time of adhesion to the affected part was longer than that for AL-Na at room temperature and the pain relieving effect was greatly enhanced.