著者
伊藤 靖 三浦 浩 中村 憲司 吉田 司
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.1019-1026, 2009 (Released:2010-02-19)
参考文献数
28
被引用文献数
1 5

マアジの行動様式を把握するため日本海佐渡島羽茂地先の水深 45 m に設置された人工魚礁において,超音波バイオテレメトリー(V9P-1H, VEMCO 社製)を全長 30 cm のマアジへ外部装着し,追跡を行った。追跡は 2008 年 6~7 月の間に 1 尾ずつ 7 回行った。マアジは日中には人工魚礁や天然礁の天端から高さ 10 m 程度に留まり,夜間は水深 5~10 m の表層を遊泳しながら礁から離脱し,早朝,礁に移動し,日中,礁に蝟集するといった明確な日周行動を示した。
著者
船田 美雪 中村 友昭 長井 隆行 金子 正秀
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

人は知覚情報や養育者からの語りかけによって文化毎に異なる言語や概念を獲得する.また,養育者は幼児の成長に合わせて育児語と成人語を用いる傾向があり,このような変化の中で,人は育児語と成人語の双方を学習する.我々はこれまで,概念と言語の相互学習による,ロボットの概念獲得手法を提案してきた.本稿では,このような相互学習モデルにおける育児語と成人語の学習の過程と,教示言語が概念形成に及ぼす影響を検証する.
著者
中村 民雄
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.10-18, 1981-03-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
19

Since the inauguration of the modern educational system, bujutsuka military artists out of office demanded that budo military arts be put in the regular curriculums. To this, Ministry of Education and scholars on physical education argued that budo military arts was inappropriate for regular curriculum. They pointed out that budo military arts could be dangerous and that it lacked the unity of instruction program and of teaching method. They admitted, however, that it could be given as an extra curricular activity to male students who were fifteen years of age or older.To overcome the argument of the Education Ministry, bujutsuka military artists tried to establish “unified style to be taught in the regular curriculums” by unifying tens of, hundreds of schools. In other words, they appointed, on July 27,1906 (the 39th year of Meiji Era), “the committees to study unified style”. Jigoro Kano headed the judo committee and Noboru Watanabe, the kendo committee. Each committee reported, the following month, the style called “Dai Nippon Butoku-kai Seiteikata (Japan Society for Military Arts Virtue Style)”.To be more specific, in judo's case, Kodokan school made the original plans of the committee and they gained the full support.Kendo's case was not so easy. The plans of the committee were not accepted. A new 23-member committee was appointed in October,1912 (the 1st year of Taisho Era) and the committee presented the 10 brand new “Dai Nippon Teikoku Kendokata (Imperial Japan Kendo Styles)”. These styles still exist today and are considered to be the bases of kendo.
著者
久留戸 真奈美 中村 千春 塩原 みゆき
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.298-303, 2010

昨今,若い女性たちの腕や脚に乾燥した状態が目立っているが,これはムダ毛の手入れと非常に関係が深い。本研究では,一般女性19名の腕,脚,腋の肌の状態を調査するとともに,電動脱毛器3機種とカミソリによる手入れを比較して,ムダ毛の手入れと肌への影響を調査した。この結果,手入れの前後で,TEWLが増し,安全カミソリのみならず,むしろ,肌を傷めずに脱毛できると訴求される電動脱毛器においても,肌に赤みや炎症を起こし肌荒れの原因になる可能性が示された。
著者
大塚 脩斗 坪井 大和 村田 峻輔 澤 龍一 斎藤 貴 中村 凌 伊佐 常紀 海老名 葵 近藤 有希 鳥澤 幸太郎 福田 章真 小野 玲
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.3-11, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
37

目的:地域在住高齢者における包括的に評価されたヘルスリテラシーと健康関連Quality of Life(以下,QOL)との関連について検討すること.方法:本横断研究の対象者は,65歳以上の地域在住高齢者330名(73.8(SD 5.5)歳,女性226名)とした.ヘルスリテラシーの評価には14-item Health Literacy Scale(以下,HLS-14)を用い,総得点と機能的,伝達的,批判的ヘルスリテラシーの各下位分類得点を算出した.健康関連QOLの評価には12-Item Short Form Health Surveyを用い,Physical Component Summary(以下,PCS),Mental Component Summary(以下,MCS)を算出した.単変量解析では,PCSおよびMCSとHLS-14の総得点および各下位分類の相関についてSpearmanの順位相関係数を用いて検討した.重回帰分析では,従属変数をPCSおよびMCS,独立変数をHLS-14の総得点および各下位分類とし,共変数を投入したモデルを作成した.結果:単変量解析の結果,以下の関係において有意な相関が示された.1)PCSと機能的ヘルスリテラシー(相関係数 rs=0.21,p<0.01),2)MCSと総得点(rs=0.14,p=0.01),3)MCSと機能的ヘルスリテラシー(rs=0.22,p<0.01),4)MCSと伝達的ヘルスリテラシー(rs=0.14,p=0.01).重回帰分析の結果,PCSおよびMCSと機能的ヘルスリテラシーにおいてのみ独立して有意な関連が認められた(PCS:標準β=0.20,p<0.01,MCS:標準β=0.13,p=0.02).結論:本研究では,機能的ヘルスリテラシーと健康関連QOLにおいて独立して有意な関連が示され,健康関連QOLの向上のためには,高齢者に対する健康関連情報の提供方法を工夫することが重要であると示唆された.
著者
井関 雅子 中村 吉孝 森田 善仁
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.128, no.5, pp.326-329, 2006 (Released:2006-11-14)
参考文献数
7
被引用文献数
1

痛みの治療を専門とする医師の間でも,神経因性疼痛に対して患者が満足するような確実な除痛効果が得られないこともあり,しばしば治療に難渋するのが現状である.その中でも,鎮痛補助薬である抗鬱薬,抗痙攣薬,NMDA受容体拮抗薬などの使用により,痛みに関与する神経伝達物質の促進・抑制,各種チャネルや受容体の作動・遮断をおこなうことで,痛みを緩和することが可能な場合もある.欧米ではCaチャネルブロッカー(α2 δ1subunit)としてシナプス前で神経伝達を抑制すると考えられているプレガバリンが有望視されているが,残念ながら本邦では未発売である.一方,以前は神経因性疼痛に無効と考えられていたオピオイドに関しても,近年では有効性を示す論文も散見される.今後も,副作用の少なく除痛効果の高い薬物の開発が望まれる.
著者
中村 修也
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-26, 1996-11

現代社会において、漫画やアニメは一つの文化として確立している。このことを踏まえた上でも、「セーラームーン」は幼児教育にとって害をなすものである。それはセーラームーンが、GNPを高めた金満国家の中年趣味をベースに作成されたものであり、それを商業ターゲットとした幼児に企業を始めとする大人が与えたものだからである。
著者
中村 仁志
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.77-83, 1999-03

注意欠陥/多動性障害(ADHD)は, これまで微細脳機能障害, 多動性障害, 学習障害などとも呼ばれてきた障害であり, DSM-III-Rにおいて, 行動面に注目し定義された診断カテゴリーである。行動の特徴には不注意, 多動, 衝動的行動がある。注意欠陥/多動性障害の子どもたちと接していると自己評価の低さを随所に認める。こうした問題行動に起因すると思われる自己評価を回復するために, 彼らは遊戯療法場面であたかも自分の多動性や衝動性をコントロールしようとすることをテーマとした遊び(以下コントロール遊び)を展開することがある。Aくんは学校の規則や社会の決まりが守れない, 衝動的な行動が目立つことで相談に訪れた子どもである。我々は彼との遊びを通して, 彼の自己評価の低い一面を見た。彼は遊びの中で, 彼が投影されてるのであろう"パジェロちゃん"というキャラクターを用い, 自己評価を回復するために"コントロール遊び"を展開した。"コントロール遊び"を繰り返すことは, 衝動コントロールの感覚をつかみ自分の機能を高める訓練であり, 自己評価を回復するためのロールプレイであると考えられた。
著者
柴 建次 周 英明 越地 耕二 塚原 金二 土本 勝也 大海 武晴 中村 知道 遠藤 誠子 増澤 徹 巽 英介 妙中 義之 高野 久輝
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.341-346, 1998

DC-DCエネルギー伝送効率が86%以上の完全埋込型人工心臓駆動用体外結合形経皮エネルギー伝送システム(ECTETS)のin vitro及びin vivo実験を行った。体内コイル、体内整流回路をヤギ皮下に埋込み、体外に設置された(1)電子負荷装置または(2)電気油圧駆動方式完全埋込型人工心臓をECTETSにより動作させた。その結果、(1)において、DC-DCエネルギー伝送効率は、81.4%(出力電力19.2W)であった。In vitroと比べ効率が低下したのは、体外コイル滅菌のための消毒液の付着により分布静電容量が増加したことが原因であることがわかった。また、(2)人工心臓の駆動(70bpm)においては、駆動電力、拍出流量、DC-DCエネルギー伝送効率、埋込部最高温度はそれぞれ20.7W、6.2L/min、82.1%、40.4℃となり生体に影響がない程度であることが確認された。
著者
中村 貴弘 早川 正士
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.124, no.8, pp.1012-1020, 2004-08-01
参考文献数
17
被引用文献数
1 3

Mesospheric optical phenomena(including sprites) are becoming an interesting subject from the standpoint of atmosphere-ionosphere coupling. This paper deals with our observation of sprites associated with winter thunderstorms in the Hokuriku area and we show the characteristics of those sprites and their parent lightning discharges. Although the scale of Japanese lightning in winter is very small as compared with the MCS (Mesoscale Convective System) for the summer continental lightning, the essential quantities (polarity, charge transfer etc.) are found to be nearly the same as those for those MCS. However, there might be required an additional factor, such as the self-organization of the lightning.
著者
中村 陽一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.395-400, 2014-10-01

本稿では,社会デザインからみた図書館を考察するため,まず,社会デザインのなかでのコミュニティデザインの可能性を探り,そこで行われている「つながりを編み直すワーク,活かすワーク」について,事例とともに考えた。続いて,社会デザインとしての事業取り組みモデルを紹介した後,コミュニティデザインの変容から「サードプレイス」としての場の可能性に言及し,公共ホール・劇場を例にとった。そのうえで,最後にソーシャル・インクルージョン,サスティナビリティ,ソーシャル・キャピタルという3つのキーワードと「野生の社会デザイン」の必要について述べた。

3 0 0 0 京都順覧記

著者
池田東籬亭編 中村有楽圖画
出版者
竹原好兵衛
巻号頁・発行日
1831
著者
中村 亮一
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
pp.JJMU.R.92, (Released:2016-11-08)
参考文献数
31

近年の外科手術は最小侵襲での精密治療の実現を目指している.精密で安全な手術を遂行する上で最も重要な事項の一つは対象を視認することである.術野確認の困難な低侵襲手術において医用画像による治療対象認識は重要であり,医用画像情報を術中に積極的に応用する技術が必須である.手術ナビゲーションは解剖と位置の正確な客観情報により手術を支援し安全性を向上させるために目標部位への術具の誘導を行うシステムである.脳神経外科を始め様々な領域で応用されるナビゲーションシステムの課題は術中の軟性臓器の変形・移動への対応であり,「最新の地図」を術中に獲得し誘導情報を更新することが重要である.超音波診断画像は,特別な設備を必要とせず,術中に簡便に利用でき,撮像の時間分解能もMRIやCTなどに比べて高い特徴から術中画像誘導において最も有用性が期待されるデバイスである.超音波画像による精緻な手術ナビゲーションとして2次元画像を用いた多くの方法が登場したほか,我々は3D超音波による胎児内視鏡外科ナビゲーション,そしてこれを腹部一般外科に応用する等張液灌流式内視鏡外科手術と3D超音波ナビゲーションの開発を進めている.精緻さと安全性を担保した画像誘導下低侵襲手術において超音波はその中心となるモダリティであり,その応用に向け医学・工学双方向のシーズ・ニーズ連携による術式と支援技術の革新が求められている.
著者
北村 章二 生田 和正 鹿間 俊夫 中村 英史 鈴木 幸成 棟方 有宗
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2005-12 (Released:2011-03-05)

2002年度から全域キャッチアンドリリース(C and R)制となった湯川において、C and Rによる魚類資源維持効果の判定を目的として釣り人へのアンケート調査及び釣魚期間前後における資源調査を2002年と2003年に行った。C and R制導入前の2001年と比較すると、釣魚者は27.4%(2002年)及び34.2%(2003年)増加し、フライ釣り人の割合はそれぞれ83.8%及び88.1%に増加した。時間当たり釣獲率も2003年には1.21と有意に上昇した。また、両年とも釣魚期間前よりも釣魚期間後にカワマス資源量が増加していた。これらから、元々C and Rを基本とするフライ釣りの割合の高かった湯川におけるC and R制の導入は、釣魚者には好意的に受け入れられ、カワマス資源の維持に効果的であったことが示された。