著者
中村 千里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.436-442, 1978

農林水産研究情報センターが,筑波農林研究団地の共同利用施設として,昭和53年10月に開設され,以後関係情報の収集,処理,提供業務を段階的に拡充していく予定である。農林水産関係の試験研究情報活動は主として国立試験研究機関等を中心に昭和30年代末から活発化し,40年代において,シソーラス作成,国内文献索引作成,進行中の試験研究課題機械検索システムの開発,FAOのAGRISへの協力などに着手してきた。しかしこれら各業務は,それらを行なう中心的な機能,施設を欠き,個々の潜在的な協力態勢によってなされてきたのであるが,今回その中核となる上記センターの設置により,一層の農学関係情報活動が進展するであろう。
著者
中村 義樹
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.219-232, 2005-12

研究(Note)保育所待機児童問題は、大きな社会問題となっている。政府は「待機児童ゼロ作戦」を打ち出し待機児童解消政策を実行している。しかし、保育所施設数および保育所利用児童数が増加しているにもかかわらず待機児童数は増加している。女性の就業率の上昇、および核家族化等の要因により、保育所の利用を希望する勤労世帯が増えているからである。待機児童を解消するには3つの手法が考えられ、一つは保育所数の増加、二つ目は育児休業制度の整備、三つ目は所得保障制度の整備である。本稿では、保育を必要とする子どもの親の就業支援を考慮し、三つの手法のうち第一の保育所の整備を選んだ。理由として育児と仕事を両立する形で望ましい保育サービス環境を地域に作っていくことが大事だと考えたからである。本稿の目的は、進む少子化の中で、増える保育所待機児童問題をとりあげ、既存の社会資源を活用した保育所整備の可能性を検証することにある。そこで、神戸市の待機児童数に着目し、神戸市内の特別養護老人ホームを社会資源としてとらえ、特別養護老人ホームに保育所を併設する施策によって、待機児童数の早期解消と保育所整備コストの軽減の可能性を分析している。
著者
浜田 英里 岡本 憲省 奥田 文悟 中村 俊平 川尻 真和 小原 克彦 三木 哲郎 大塚 奈穂子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.2379-2381, 2005-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

尿閉を呈した脳脊髄髄膜炎2症例の臨床的特徴を検討した.いずれも感冒症状後に意識障害や脊髄症・神経根症を伴って発症し,ステロイドが有効であった点,髄液の細胞蛋白の上昇がみられた点などからウイルス感染を契機とした急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.ステロイドを中心とした治療により神経徴候と尿閉は比較的速やかに改善した.尿閉の成因として無菌性髄膜炎に伴う急性仙髄神経根障害とそれに随伴した一過性の括約筋障害(Elsberg症候群)が考えられた.
著者
中村 庄八 藤本 光一郎 中山 俊雄 方違 重治
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.8, pp.397-412, 2016-08-15 (Released:2016-09-02)
参考文献数
42

群馬県北西部の吾妻地域は日本海拡大時に形成された関東北部のリフト帯の縁辺部に位置し,中新世から現在に至る断続的な火山活動で特徴づけられている.日本海拡大以降の本州中央部の地質構造形成や火成活動を考えるうえで重要な地域と考えられる.本見学コースの吾妻川中・上流域では,中新世にはバイモーダルな海底火山活動が中心だが,鮮新世以降陸上の環境となって安山岩質からデイサイト質の火山活動が主体となった.しかし,地層の連続性が乏しく層理も明瞭でなく,変質作用を広汎に受けていることによって進まなかった地層の分布や層序の解明は近年になってようやく前進するに至った.また,本地域は長年にわたって議論されてきた八ッ場ダム建設地を含み,応用地質的にも興味深い地域である.本巡検においては,開析された火山体を構成する塊状の溶岩や火山砕屑岩を特徴づける鮮新世の八ッ場層と同時期ないしその一連の火山活動に関連した岩脈・貫入岩体および酸性変質帯を,また,前期更新世に新たに活動を開始した菅峰火山を構成する火山岩,さらに,後期更新世に浅間火山の活動により流下した応桑岩屑なだれ堆積物,草津白根火山の熱水活動により形成された殺生河原の変質帯の見学を行う.
著者
坂本 俊介 須藤 崇志 丸山 広 中村 太一
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2009-DD-72, no.17, pp.1-6, 2009-07-23

技術文章力を高めるには,個別に添削指導を受けることが有効であるが,時間的な制約により実現が難しい.この問題に対処するため,書き手自身が短時間で何度も文章の客観的な見直しを繰り返し行い,さらに指摘の重要性や修正例を提示する校正支援手法により,学生の文章作成能力の向上に寄与できることを示した.また,学生の実験レポート2,285編から,140,214件の誤りを指摘した結果,学生に多い誤りは句読点および体言止めで79.4%を占めた.同時に,技術文章作成のノウハウを課題やレポートを通じて習得させることの重要性を改めて確認できた.
著者
中村 聡史 小松 孝徳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1402-1412, 2013-04-15

スポーツの試合の録画視聴を楽しみにしているユーザにとって,Web上で遭遇してしまう試合結果などのネタバレ情報は楽しみを減退させる忌むべきものである.本稿では,こうしたネタバレ情報との遭遇を防ぐための表現手法を4つ提案し,実装を行った.また,表現手法の有効性について評価実験をベースとして検討を行った.
著者
角田 幸秀 妙中 義之 巽 英介 上所 邦広 中村 真人 増澤 徹 柴 建次 越地 耕二
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.31-35, 2000

完全体内埋込み型人工心臓 (TAH) の開発において, 安全性・耐久性に優れた経皮エネルギー伝送システム (TETS) の開発はきわめて重要である。今回, 現在開発中の電気油圧方式TAH (EHTAH) システムのTETSに対して長期間の<I>in vivo</I>評価を行った。体重39kgの成山羊の胸壁に体内コイルを埋込み, 1日のうち20Wで23時間および40Wで1時間のスケジュールで連続経皮エネルギー伝送を行い, 体外コイルの表面温度, 体内コイルの内部側表面温度, 伝送効率を測定した。その結果, 4カ月以上にわたって82-85%の伝送効率で連続伝送を行い得, また各部の温度上昇も十分許容可能な範囲にあった。以上より, 現在開発中のTETSは, 安定性及び耐久性の面で, 十分な実用性を有することが確認された。
著者
濱口 脩 藤原 陽子 中村 愛人
出版者
広島大学
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.147-155, 2005-03-28

The aim of this study is to make clear the significance of inferences in high school English reading classes. The kinds of inference are mainly divided into these two. (1) bridging inferences (2) elaborative inferences. (1) are inferences with which one grasps text information correctly and reads the text consistently. (2) are inferences with which one reads a text more deeply and elaboratively. One does not necessarily use elaborative inferences. In many English classes, teachers tend to focus only on bridging inferences. Therefore, the effect of using elaborative inferences is examined in this study.
著者
今野 浩太郎 平山 力 中村 匡利 田村 泰盛 服部 誠 河野 勝行
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 日本蚕糸学会第72回学術講演会
巻号頁・発行日
pp.118, 2002 (Released:2004-02-03)

エリサン(Samia riciniヤママユガ科)は味覚が鈍感であり、たとえ毒性や成長阻害活性を持つ植物でも与えれば良く摂食し、その植物に特有の反応を示すため、植物の毒性や成長阻害活性の検出に大変優れた昆虫である。シダを食害する植食昆虫の種数は、植物1種当たり平均で、被子植物と比較して顕著(1/30)に少ないことが知られているが、その理由については未知であるため、エリサンを用い、ヒメシダ、コウヤワラビ、ゼンマイ、ワラビ、ヒカゲヘゴ等の毒性·成長阻害活性を調べた。その結果、草食哺乳類に対する毒性が知られているワラビが、エリサンに対し中程度の毒性·成長阻害活性しか示さなかった一方で、ヒメシダ、コウヤワラビ·ゼンマイなど、これまでに毒性·成長阻害活性が報告されていないシダに毒性に近い非常に強い成長阻害活性が観察された。特に、ヒメシダ(Thelypteris palustris )の生葉や、生葉粉を栄養価の高い人工飼料に混ぜた餌を与えた場合、エリサンは摂食するが全く成長しなかった。この活性は熱に弱く、100℃数分間の加熱で完全に失われた。また、この活性は水、リン酸緩衝液、アルカリ緩衝液、メタノール、界面活性剤などに対し極めて難溶性で葉残渣画分に残った。これらの性質は、シダが一般的に植食昆虫耐性を持つことの原因とされているファイトエクジステロイド、チアミン分解酵素、青酸配糖体の性質とは非常に異なっており、シダに未知の耐性機構が存在する可能性が示唆された。
著者
西中村 浩
出版者
日本ロシア文学会
雑誌
ロシア語ロシア文学研究 (ISSN:03873277)
巻号頁・発行日
no.19, pp.76-90, 1987-10-15

Стиль записей и рассуждения героя романа "Мы" напоминают стиль и мышление современников автора, как и пролеткультовских поэтов, так и художников авангардистского направления, в том числе таких живописцев, как Кандинский и Малевич. И в своих статьях Замятни упоминает, кроме самого себя, нескольких художников-живописцев, как представителей одного из новейших направлений в искусстве, которое он назвал "синтетизмом" или "неореализмом" Эти факты свидетельствуют о его активном интересе к современным ему явлениям не только литературы, но и искусства вобще, н дает нам повод исследовать его произведения в связи с твочеством авангардистских художников. И в самом деле, то что в романе "Мы" преобладают зрительные образы (зрительные лейтмотивы, как выражался сам автор), которые играют существенную роль наравне с четырьмя основными цветами, доказывает родство Замятина с живописцами-авангардистами и в России, и на Западе. У него мы находим и свойственный авангарду подход к конструкции: разложив мир на первоначальные элементы, снова конструировать из них единое целое строение (т. е. произведение как завершенный самостоятельный мир), не считаясь с их бытовым, повседневным порядком. Но принцип конструкции Замятина тесно связан с его осознанием свойств слова и прозы, что и отличает его, как художника слова, от других авангардистов, и, в частности, как прозаика, от футуристов-поэтов. Хотя он ценил футуристские языковые эксперименты до некоторой степеии, ему был чужд их заумный язык, и он требует иного подхода к слову, при котором не исключены такие свойства, как "смысл" и "логические связи" Тут выступает на первый план стилизация: он утверждает, что прозаику необходимо писать на "языке изображаемой среды и эпохи", и что с помощью "стилизованного языка среды" можно, пользуясь только языковыми средствами, обнажать характерное мышление описываемого в романе общества или личности. (Такое понимание свойств слов и романа сближает его с Бахтиным.) И он, угадав в высказываниях современников установку на монофоническое слово утопии, и проанализировав их, "синтезировал" их в язык среды Единого Государства, где господствует утопическое слово, предполагающее единственно-правильное,
著者
村上 裕一 中村 隆 吉田 明正 家田 清一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.520-527, 1995-07-25
被引用文献数
7

本論文では,無装荷な構造で長方形の1波長ループアンテナが,円偏波用アンテナとして動作することを示し,その原理を明らかにしている.本アンテナは,長方形の長辺と短辺の比により,ループ上の電流分布が制御できることに着目したもので,最も簡単な構造をもつ単一給電アンテナであることが特徴である.本アンテナに対し,電流分布が前進波と後進波の進行波モード電流に分解できることを利用して,ループ各辺中央の電流値と実効長に関する円偏波条件式を導出している.この条件式の実現方法に対する考察に基づいて,ループの1角で偏給電された円偏波アンテナを具体的に設計し,その軸比や指向性などの諸特性を求めている.これより,反射板からのアンテナの高さが0.13λ前後のある範囲で良好な円偏波が得られることを明らかにしている.また,実験によって,これらの理論結果の妥当性も確認している.
著者
中村 薫
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学水産学部紀要 (ISSN:0453087X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.p225-238, 1980-12

It has been commonly known that the feeding habits of decapods are affected by inevitablemoltings for their developments. In this report, the quantitative methods were applied tofeeding experiments of individual crayfish, Procambarus clarkii, for the purpose to clarify therelation of feeds to the molting cycle. Some kinds of pellets were prepared, especially suchpellets as containing much cellulose (90%) or oil (14.1%) were used for the examinations of nutritional consideration. Such item as the body weights at different stages on the moltingcycle, the diurnal amount of consumed pellets, and in some cases the amount of feces were weighed. After that, the feed conversion factor of each molting cycle, the amount of consumed pellets during one cycle/ (the body wt. of postmolt-the body wt. of intermolt), wascalculated. Further, the values of the molting power were introduced here as the indicativesof the degrees of water absorption at the molting time, which were calculated as (the body wt. ofpostmolt-the body wt. of premolt)×100/ the body wt. of premolt.As results, the diurnal amount of consumed pellets showed a distinct variation following thelapse of molting stages. Its pattern had the 1st maximum, which is also the greatest value,at the short postmolt period and the 2nd maxima were recognized in some cases before thenext molting. Such greatest values correspond to the 2-3% of their body weights, and thesummed feeds of the diurnal amounts during one molting cycle occupy about 23% of the bodyweight of intermolt. Considering with the experimental results of cellulose feeding, it suggestedthat the internal factor(s) of a feed-control mechanism if existed in the crayfish might participateprimarily with the hemolymph concentration(s)of absorbed nutritive(s) rather than the physical factor as the capacity of the digestive tract, that is the stomach and intestinal volume. Inaddition, as the pellets of much contained oil gave comparatively a high efficiency to the molting power and the feed conversion factor, it seems that lipid may propose a physiological interestfor the nutritional approach to the molting development.1. 個別飼育法でペレット飼料を給餌し,アメリカザリガニの日間摂餌量を求め摂食と脱皮成長との関係を調べた。2. 日間摂餌量は脱皮周期上の位置により著しい変動を示した。そのパターンは脱皮後期に最大値をもつ極大点を示すこと,第2極大期を次回脱皮の前に経る場合もあること,等が明らかにされた。3. 最大日間摂餌量はその体重の2-3%程に当たること,脱皮の1周期上の積算摂餌量は個体の大きさに関らず脱皮間期体重の約23%を占めることが算出された。4. セルロース給餌との比較実験の結果,摂食の制御機序には胃の容積と云った機械的要因よりも血リンパの栄養分が第一義的に関与する可能性の高いことが示唆された。5. 脂質高含有飼料の栄養試験により当該飼料は脱皮周期へは促進的効果を示さないが,脱皮時の吸水作用を高め且つ飼料係数を小さくする働きを窺わせ,脱皮成長に対して効率の良い飼料になり得る可能性を示した。
著者
早川 由紀夫 藤根 久 伊藤 茂 Lomtatize ZAUR 尾嵜 大真 小林 紘一 中村 賢太郎 黒沼 保子 宮島 宏 竹之内 耕
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.120, no.3, pp.536-546, 2011-06-25 (Released:2011-09-06)
参考文献数
11

Two wood trunks, one charred and 75 years old and the other not charred and more than 199 years old, were collected from Hayakawa ignimbrite of Niigata Yakeyama Volcano. They were investigated using the radiocarbon wiggle-matching method to determine the age of the eruption. The result was 1225-1244 cal AD (95.4%), which is over 200 years younger than previous estimates. The eruption, including the Hayakawa ignimbrite, was the largest during the volcano's life period of 3000 years. Co-ignimbrite fallout KGc ash has been found at many archaeological sites spreading on the eastern flanks of Myoko Volcano and the Takada Plain. The age obtained here will provide a useful time constraint for archaeologists and volcanologists studying this area.