著者
平山 匡彦 鈴木 慎太郎 井上 広平 作元 誠司 井手 陽一 北原 敏弘 中野 正治 宮崎 長一郎 嵩下 賢 出口 法隆 佐藤 宏樹 三木 晶子 澤田 康文
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.87-94, 2016 (Released:2016-09-27)
参考文献数
3

Objectives: First steps to promote the proper use of medicines in remote islands and rural areas are as follows: (1) recognition of the profession of “pharmacist” from secondary-remote-island residents who do not have a pharmacy or drugstore or the opportunity for pharmacist contact and (2) an understanding by remote-island residents of the advantages of having a “family pharmacist.”Methods: Repeated “medicine information and consultation sessions” for secondary-remote-island residents of Japan’s Nagasaki Prefecture were held.  Residents were then surveyed for changes in awareness of or demand for pharmacists and the nature of such changes.Results: Before the information sessions, 29.7% of residents did not recognize the profession of pharmacy, but the extent of their recognition increased after information sessions were concluded.  They were asked “Who explains medicines in a way that is easy to understand ?”; more than half responded “doctors” before the information session, but after information sessions were concluded, those who said “pharmacists” increased.Conclusion: Conducting “medicine information and consultation sessions” for residents of secondary-remote islands and rural areas enabled them to understand the profession of pharmacy.  The initiatives in the present study are first steps toward promoting proper use of medicines by residents of remote islands and rural areas who use “family pharmacies/pharmacists.”
著者
松浦 弘幸 根本 哲也 野田 信雄 中野 正博
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.131-136, 2005-10-20
被引用文献数
2

現代日本社会で見られる人口減少の真の理由を明らかにするには、種としての人間が生物学的にどのような未来をたどるかという設計医療工学の視座にたって人口減少社会を観察する必要がある.このことは,人口減少社会の別の側面を見せてくれるばかりか,"生物集団としての人間"を知るためにも極めて重要な視点といえる.本論では、データからモデルを組み立てる帰納的方法と,仮説を立て検証を行う演繹的方法を併用し,数理モデルを形成する.しかる後,現実の社会システムに応用してモデルの完成度高める,予測推計・分析および政策立案に応用する方法を提案する。
著者
溝尻 顕爾 高嶋 彰 湯川 忠彦 中野 正行
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Supplement1, pp.774-782, 1989-11-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
8

14C-標識7432-Sをラットに20mg/kg経口あるいは5mg/kg静脈内投与したときの血漿濃度と排泄について検討した。1. 経口投与後の血漿中放射能濃度は投与後30分で最高濃度平均9.18μg equiv./mlに達し, 以後速やかに減少した。血漿中放射能の大部分は未変化体の7432-Sであり, 7432-S-trans濃度は極めて低かった。2. 経口投与時の7432-Sの薬動力学的パラメーターはTmax 24分, Cmax 7.44μg/ml, t1/2 52分であった。静脈内投与時の7432-Sのt1/2は17.3分であった。3. 経口投与後24時間に投与放射能の平均約47%が尿中に, 平均約46%が糞中に排泄された。尿中放射能の大部分は7432-Sで, 7432-S-transあるいはその他の代謝物は極めて少なかった。4. 経口投与後24時間までの胆汁中放射能排泄率は平均約8%と少なく, 少量の代謝物が認められたが大部分は7432-Sであった。5. 7432-Sの吸収部位は小腸上部および中部で, 胃, 盲腸, 結腸ではほとんど吸収されなかった。6. 7432-Sは小膓では比較的安定であったが, 胃では7432-S-transへの転換が認められた。7432-S-transは吸収されず, 7432-Sが選択的に吸収されると思われた。ラットに経口投与したときの消化管吸収率は約50%と推定された。
著者
松浦 弘幸 神谷 直樹 石川 耕介 近藤 理恵 松崎 照美 行正 徹 中野 正博 玉川 雅章
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.97-106, 2013-10-12

生活支援機器では,機械中心の安全概念と供に人間中心的安全が重要である.これは,人間の解剖生理学的特性に基づいて機械に各種の機構・機能的クライテリアを要請するものである.リスクは相対的で他者との比較で議論される生存率や死亡率として出力される.リスク選択は、便益と不利益を考慮して死亡リスクを10^<-5>〜10^<-6>に制御するが,最終的判断(許容レベル)は,社会の成員に委ねられる.TRISSから,ISS3の受傷者の死亡リスクは0.0035となり,これは,機器を毎日4時間程度使用し,人の寿命90年を想定すると,生涯死亡率5.8%,平均余命損失2.7年,年間死亡率0.0007と計算される.この数値は,産業別死亡率や自動車事故や不慮の事故死亡率よりも遥かに小さく,自然災害による死亡と同比率である.TRISSは,同一部位に存在する多発性外傷と高齢者の年齢の影響を考慮していない.しかし,単一外傷による軽傷や重症のリスクアジャスターとしては,ACSOTと類似の結果を与える.
著者
中野 正昭
出版者
大正演劇研究会
雑誌
大正演劇研究
巻号頁・発行日
vol.9, pp.122-123, 2005-05-31

先日、書店でエリザベス・キューブラー・ロス著『j人生は廻る輪のように』の文庫版を購入した。病床にあった曽田先生が愛読していた本の一つだ。私自身は、「いずれは読むだろうが、それはまだ先のこと」と漠然と思っていた。が、角川文庫から出されている本が、何故か平積みされた講談社文庫の上に一冊だけ置いてあったのも何かの縁だろう、そう思い、予定外だが購入した。--良い研究社は読書家でなくてはならない。しかし、良い読書家や愛読書が、良い研究者とは限らない。そんなアフォリズムを、先生は大学院の授業で口にしたことがあった。殊更優れたアフォリズムだとは思わなかったが、最期までそれを体現した師の姿は、喧嘩しては「本当に生意気なヤツだなぁ」と言われ続けた弟子にとって最高の教えだった。
著者
松浦 弘幸 小井出 一晴 野田 信雄 根本 哲也 伊藤 安海 中野 正博 福田 吉治 今井 博久
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 : BMFSA
巻号頁・発行日
no.20, pp.147-150, 2007-08-02

我々は,衛生統計データを用いて離婚率の社会的要因を重回帰分析した.従属変数は,離婚率である.説明変数は,個人家庭的要因,経済的要因,社会的要因,文化的要因,そして,要因の5つの領域で,30個の変数を用意した.個々のデータの正規分布性を確認した後,変数減少法と分散分析を行い,説明変数の絞込み最終的な重回帰式を決定した.離婚を促進する要因として,完全失業率,年間平均気温,共稼ぎ,核家族,貯金高が大きく作用し,逆に離婚を抑制する要因は,持ち家,年間雪日,学歴,所得が関与している.持ち家政策の推進と,所得の増加は,勤労青少年婦人福祉施設数,3次活動平均時間も増加よりも効果が大である.
著者
中野 正俊 神山 保 糸乗 前
出版者
滋賀県立琵琶湖博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

これまでにも国内各地で、防災ならびにエネルギー活用に関する教育は行われてきた。ただ、それらは学校あるいは地域や民間それぞれが単独で実施してきた。社会教育施設等が学校や地域と連携して実践する例はなかった。そのために、当該学校では効果的な学習ができても、他へ広められなかった。そこで今回、博物館・学校・地域の3者が連携し、モデルを作った。このモデルは、全国のあらゆる学校や地域で活用できる。それは、学習指導要領にもとづいたモデルだからである。また、学校教員と話し合い、子どもの実態にそって実践したからである。総合的な学習の時間は減った。これを乗り越えて実践する手だてや工夫が必要である。
著者
中野 正大 宝月 誠 油井 清光 加藤 一巳 近藤 敏夫 藤澤 三佳 鎌田 大資 高山 龍太郎 大山 小夜
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、前回の科学研究費補助金による研究「シカゴ学派の総合的研究」(課題番号10410045)に引き続き、米国シカゴ学派社会学の諸成果に対する多角的な検討を通して、現代社会の諸問題を分析するためのより有効な社会学的土台の構築を目的とした。この目的を達成するために、初期シカゴ学派から戦後の第2次シカゴ学派まで幅広くシカゴ学派社会学の研究業績を検討した。研究成果は、およそ5つに分類できる。一つは、「シカゴ学派社会学総論」である。シカゴ学派社会学には、多様な理論的志向と方法論が混在する。その一枚岩ではないシカゴ学派社会学を統一的に理解しようと試みた。二つは、「シカゴ学派の方法論の応用可能性」である。芸術、専門職、非行など個別の研究領域におけるシカゴ学派社会学の応用可能性を明らかにした。また、近年注目されているナラティブや主観的データの研究上の取り扱いについて、その基本的発想をシカゴ学派社会学に見いだした。三つは、「シカゴ学派の理論的インプリケーション」である。シカゴ学派社会学の基底を構成している科学論や相互作用論などの抽象度の高い理論について整理をおこなった。四つは、「シカゴ学派のモノグラフ研究再考」である。コミュニティ、エスニシティ、逸脱というシカゴ学派社会学を代表する3つの研究領域のモノグラフについて詳細に検討を加え、その内実を明らかにした。五つは、「現代社会のエスノグラフィー」である、シカゴ学派社会学再考でもっとも言及されることの多いエスノグラフィーの方法を現代日本社会に応用した。以上の検討から、シカゴ学派社会学が、異質性と流動性が高まりつつある現代日本社会の研究に、十分に応用可能であることが確認された。
著者
松浦 弘幸 中野 正博 野田 信雄 小井手 一晴 伊藤 安海 根本 哲也
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.27-33, 2007-07-31

我々は,光線力学療法に使用される電磁波の照射エネルギーと温度との関係を表す基本式を提案した.電磁波療法は,電磁波の熱的側面が利用されたものであり,治療計画の立案には,理論的な裏づけが重要である.我々の計算によれば,比熱0.3cal/g.Kの標的組織に100mW/cm^2の低出力パルスレーザーを1秒間照射した場合,局所的な温度上昇は,0.67K程度に達すると予測される.この1秒間で熱が拡散する深さは,0.1cmと見積もられる.また,熱平衡時では,筋肉の温度上昇度合いは高々2.4Kであり,体温が37度であることを考慮すれば,低出力レーザーや電磁波は,温熱療法に利用できる可能性がある.一般には標的組織の厚さが有限であるために,標的組織の背後からの熱反射を考慮する必要があり,温度上昇は本論文の見積もり値よりも大きくなる.これらの点を改良するには,反射率,吸収係数,熱伝導率などの物性値に温度依存性を知る必要がある.
著者
木村 真三 三浦 善憲 高辻 俊宏 三宅 晋司 佐藤 斉 遠藤 暁 中野 正博
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

チェルノブイリ原発事故発生から30年後の被災地域において、一年間にわたってホールボディカウンタによる住民の内部被ばく調査、陰膳法による食事調査を行い、関連を分析。内部被ばく調査では、予備調査で最大23,788Bq/body, 本調査で最大7,437Bq/bodyの放射能が確認され、冬季は高く、夏季は低い傾向がみられた。食事調査では、年間合計で1,446サンプルを分析。森林由来のキノコ、ベリー類や牛乳で高い放射能が確認され、最大は乾燥キノコで24,257Bq/kgであった。30年経過時点でも食事から放射性物質を取り込んでいる実態が明らかになり、食生活の観点から被ばく予防を行う必要性が確認された。
著者
星 正治 中野 正博 牧 孝 鬼塚 昌彦 長 哲二 上原 周三 小西 圭介 豊原 不可依 名越 智恵子 高本 望 豊島 耕一 吉村 厚 吉永 春馬
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.67-73, 1984-03-01

π-中間子を用いて癌の放射線治療を行う場合に必要な, 照射中に患者の体外がらπ-中間子の停止領域(付与線量のピーク領域)を観測する方法(モニターの方法)を議論した. π-中間子が停止したスターを生成する領域からπ原子X線やχ線,中性子が放出されこれらの放射線は照身中の患者の体外で検出できる. 実験では正常の生体等価物質としての水ファントムを用い, π-中間子の到達深度を変えて照射した. π-中間子による核反応に伴うγ線はNaI検出器と同時計数回路を用いて測定した. こうしたy線測走法は深部線量分布のピークと照射すべき患部が一致していることを確めるのに有効であることが分った. 更に正確に患者の体内での深部線量分布のピークの位置ぎめにこの方法を用いる為には, 多孔コリメーターの付いたシンチレーションカメラなど用いることが有効であることが示唆される.(1983年11月15日受付)
著者
中野 正大
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.93-101, 1970-12-30 (Released:2010-02-19)
参考文献数
7

In this paper, we shall begin with distinguishing the three major types within a great variety of functionalism and, then, reconsider the problems of “sociological functionalism”, which is one of the three types of functionalism, from the viewpoint of “scientific explanation”. Sociological functionalism explains the existence or occurrence of a item that is the object of “functional analysis”, by showing how it contributes toward survival or integration of a society (social system) as a whole by fulfilling functional prerequisites of it. Its characteristics are, therfore, to use the theory of functional prerequisites and the model of social system and, in a analytical point of view, “holistic” and “system centered” as many people have often pointed out. My concern is to clarify whether the explanation that is provided by this sociological functionalism can be scientific one. As Hempel points out, the scientific explanation, which is synonymous with “theory”, must satisfy both the requirement of explanatory relevance and that of testability. However, when we examine sociological functional explanation with such criteria, we can see the fact that it fails to meet the minimum requirement for scientific explanation. For its major problems consist in the key concepts in it : functional prerequisites, survival, integration (or stability, equilibrium, harmony, and structural continuity), adaptation or adjustment, and functional equivalents. But yet, it seems these problems are due to the model of social system (or society) because the model functionalists have in mind is usually biological organic analogy. Accordingly, if we try to improve sociological functional explanation toward scientific one, to it is essential to make the concept of social system, we use, clear. That is, to describe the components of it in detail and specify the internal and external (environment) condition in a system. And next, to clear the key concepts above in sociological functionalism, we must set up the “permissible state” of the system which is possible to survive or integrate (stabilize or equilibrate) as Hempel and Nagel suggest. It would be indicated by specifing the “range” of possible state of it. However when we think of these difficult problems above in formulating sociological functionalism, we had better abondon it at this stage. It might be rather advisable to attempt at constructing a small hypothesis (theory) by dealing with the fields of lower (micro) level in a society, for example a subsystem, and, then, go toward the study of higher level in it.
著者
浅岡 顕 野田 利弘 山田 英司 金田 一広 中野 正樹
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
地盤工学会論文報告集 (ISSN:13417452)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.47-57, 2002-10-15
参考文献数
16
被引用文献数
16

In critical state soil mechanics, the volume change behavior of soils has typically been analyzed based upon conventional "e-logp' relationships". However, compaction/densification of loose sand, for example, can sometimes occur even without any significant increase of mean effective stresses. This study presents a model which considers the fact that volume change can occur due to decay/collapse of the structure of soils. Taking into consideration the differences between clay and sand, this study models super-subloading surfaces together with rotational hardening using the modified Cam-clay model. The effects of decay of the soil structure, loss of overconsolidation and evolution of anisotropy are mutually discussed concerning their relationship with ongoing plastic deformation. Fundamental constitutive model responses are illustrated in the present study particularly for "compaction" of sand. Repeated application of low-level shear stress upon loose sand yields a huge amount of volume compression, which is due to the rapid collapse of the initial soil structure. Repetition of the loading also results in a rapid increase of the overconsolidation ratio. Drained and undrained shear behavior of the sand naturally changes remarkably along this densification/compaction procedure, which is also consistently predicted using a single set of soil parameters. Elasto-plastic behavior of the same sand at various densities is thus totally described in the present study in a single the-oretical framework based on soil parameters independent of density.