著者
吉田 秀樹 中野 正博 行正 徹 福地 博行 進藤 覚弥 有田 敏彦 鞘師 守 前田 康成 羽山 雄偉 横野 和也
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.19-28, 2010-05-11
参考文献数
31
被引用文献数
3

先行報告した音声帯域(80-5,120Hz)のデータ収集システムの性能改善を実施した。同システムは従来のPCMデータを、6帯域に分割された時間-周波数平面を構成する極大値と極小値の時系列に変換し、聴性認識の研究や応用製品の開発に資することを目的とする。帯域制限波の極値の記録から元の音響情報は再生できるので、許容誤差内で高速に極値を記録することが課題であった。解決の鍵は極値を推定することに見出され、標本化周波数を従来値の44,100Hzから22,050Hzに下げたことで、より少ない入力データから情報抽出が実現し、計算時間の約67%が短縮された。さらに共有メモリの設計をブロック長16,384バイト、ブロック数2とし、3種類の汎用フォーマットを提案したことで、ファイル容量の約65%が削減され、6秒毎に出力されていたファイルが約1.5秒毎に生成できる様に改良された。
著者
中野 正寛 渋木 英潔 宮崎 林太郎 石下 円香 森 辰則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.90, pp.107-114, 2008-09-17
被引用文献数
3

本稿では情報信憑性の判断に役立つ要約について扱う.プロードバンド化の進展やブログの普及に伴って爆発的に増加する情報の中には利用者に不利益をもたらす情報も含まれており,情報の信憑性判断を支援する技術の実現は重要な課題である.我々は情報信憑性の判断に役立つ要約の自動生成に向けて,複数の作業者の人手により情報信憑性判断のための要約を作成する実験を行った.そして,得られた要約文章の安定性や複数作業者間の一致度を分析し,情報信憑性の判断に役立つ要約を作成する際に人間が重要視する情報を調査した.実験結果では,要約対象として収集した文書から要約に必要な記述を抜き出すまでの何段階かの絞り込みで中程度の一致が期待できる事がわかった.事後の作業者へのアンケート調査によれば,要約として適当な長さと考えたのは 1 000 から 3 000 文字程度であり,作業者がまとまっていることである.また,情報信憑性の判断に役立つ要約の自動生成に向けて,作業者が作成した要約を参照要約とし,それに対応する原文からの文の抜粋に関するデータを整備した.In this paper, we investigated processes of text summarization that supports the judgment of the information credibility. The realization of technology that supports the judgment of the information credibility is one of important issues, because information harmful to users creeps into the huge amount of available information in the era of information explosion. Aiming at automated summarization, we conducted experiments in which multiple subjects manually created text summaries from the viewpoint of the judgment of the information credibility. We studied the stability of the summarization and the degree of agreement in the results of extraction of important information. We also investigated the information that subjects supposed to be important in the process of the creation of summaries, by using questioners after the experiments. The experimental results show that moderate agreement can be expected in the result of extraction of important information. The length of summaries was between about 1,000 and 3,000 characters. According to the questioners, the documents that were well-organized and information about information holders were supposed to be important. Aiming at the automated summarization, we also prepared the information of the extracted sentences that correspond to the created summaries.
著者
中野 正則
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
資源と素材 : 資源・素材学会誌 : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.115, no.7, pp.498-504, 1999-07-25

IBUKI Limestone Quarry started operation from 1952. In order to obtain limestone ore resources, the exploitation plot plan for the upper lever was first considered in early 1970's. This area is adjacent to the natural park and natural monument area where high mountain plants are growing in groups. Prior to making the plot plan, the exploitation concept was discussed with experts and local communities and determined with regard to the natural environment. According to this concept, the excavating system including restoration on the planting and transporting system of limestone ore were developed. In order to verify restoration by planting and also to confirm the coexistence with mining work, the planting work had been performed since 1971 at the already excavated area below 1,000 meter level. On the other hand, the facilities for ore transportation were installed underground so that it cannot affect the existing landscape. Although rock had enough strength, strength of rock mass was not high due to considerable cracks observed. When the vertical ore shaft was constructed in the cracked rock, the diameter of the shaft was designed as a small scale and the walls were reinforced with concrete and steel ringing. To avoid choking in the shaft, the rock size supplied to the shaft is made under 300 mm using a mobile crushing plant. The operations in the upper limestone quarry was started in 1978, then the restoration planting at the upper limestone quarry was started in 1979. At the beginning of operation, there are many unexpected troubles in operations. This paper describes a design of exploitation which agreed with the concept, countermeasure for the troubles in operations, additional construction work to improve the environment against dust emission and the restored results in the excavated area.
著者
櫻井 しのぶ 小島 照子 小島 照子 中野 正孝 池田 浩子 櫻井 しのぶ
出版者
三重大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

平成11年度に行われた研究の結果、「女性」では、従来からの「女性性」を表現する言葉が多く挙がる一方で、「心・芯は強い」という従来には見られなかった女性性の概念が抽出された。また「男性」では、「たくましい」「強い」「頼りになる」等の、従来の「男性性」と一致した表現となっていた。しかし「女性」とは反対に「気が弱い」等の精神的な弱さを挙げた者も多く、これらの傾向は20代の対象者に強く見られた。これらを元に、平成12年度は、「看護」との関連性に焦点を当て調査した。分析した結果では、「看護」に対し、「優しい」「大変・しんどい」「強い・強い精神力」という項目が上位を占めた。さらに、「女性・女性中心の仕事」という項目も、対象者の10%が挙げていた。また、看護に対するイメージと「女性性」、「男性性」としてあげられた項目において、共通する言葉を分析したところ、「女性性」との共通の方が有意に高いことが確認できた。以上の結果から、一般の人々が抱いている「看護」に対するイメージは、従来の「女性」をイメージする「優しい」等と、新しい「女性」を表す「強い」というイメージの両方を持ち合わせていることが明確となった。看護教育を考える上で、「看護」と「女性性」というものが強く結びついていることを理解し、看護者は看護に対する伝統的な女性的役割である「やさしい」だけでなく、「頼りになる」「強い」という看護の側面も、社会的に要求されていることを事実として受け止めなければならない。以上の結果をもとに、現在論文を作成中である。
著者
野田 利弘 浅岡 顕 中野 正樹 中井 健太郎 澤田 義博 大塚 悟 小高 猛司 高稲 敏浩 山田 正太郎 白石 岳 竹内 秀克 河井 正 田代 むつみ 酒井 崇之 河村 精一 福武 毅芳 濁川 直寛 野中 俊宏
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

日本の重要な社会資本は,沖積平野や海上埋立人工地盤といった地震被害が懸念される軟弱地盤上に多く蓄積されている.本研究では,特に沿岸域に立地する社会基盤施設を対象に,長周期成分を含み継続時間が数分にも及ぶ海溝型巨大地震が発生した際の耐震性再評価と耐震強化技術の再検討を実施した.既往の被害予測手法は地震時安定性評価に主眼が置かれ,地震後の長期継続する地盤変状を予測することはできない.「地盤に何が起こるかを教えてくれる」本解析技術による評価を既往手法と並行して実施することで,予測精度の向上とともに,被害の見落としを防ぐ役割を果たすことを示した.
著者
牧 孝 中野 正博
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.283-295, 1979-06-01

最近, 1f7/2^-領域の原子核(原子番号40以上で中重核)の約5MeV以下での低い励起状態についての情報や, 実験事実が集積しつつある。本論では(1)この領域の原子核のうち, 奇数質量核から原子核の構造についての情報が得られること(2)奇数質量核の励起状態には, 大別して3種類の運動形態があること(3)各々の運動形態が出現する領域には, 著しい特徴が存在することの3点について議論する。更に, 3種類の運動形態を表現する励起状態の角運動量の順序が, どのような効果によって理解されるか, 微視的観点から論及し, 現象論的模型を導出する。(1979年6月9日 受付)
著者
澄川 喜一 長澤 市郎 小野寺 久幸 岡 興造 寺内 洪 小町谷 朝生 田淵 俊雄 坂本 一道 佐藤 一郎 大西 長利 増村 紀一郎 稲葉 政満 前野 尭 BEACH Milo C FEINBERG Rob 杉下 龍一郎 新山 榮 馬淵 久夫 中里 寿克 ROSENFIELD J 原 正樹 小松 大秀 中野 正樹 手塚 登久夫 浅井 和春 水野 敬三郎 海老根 聰郎 辻 茂 山川 武 福井 爽人 清水 義明 平山 郁夫
出版者
東京芸術大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本研究プロジェクトは、広く海外所在の日本・東洋美術品の保存修復に係る調査研究の一環として、在米日本・東洋美術品の日米保存修復研究者による共同研究である。我が国の美術品は、固有の材料・技法をもって制作されるが、異なる風土的環境下でどのような特質的被害を生ずるかは従来研究されていなかった。たまたま米国フリーア美術館所有品に修理すべき必要が生じ、本学を含む我が国の工房で修復処置を行った。その機会に保存修復に関する調査研究が実施された。本プロジェクトの目的は、とくに絵画、彫刻、工芸についての保存修復の実情を調査することにあった。具体的には、本学側においては米国の美術館等の保存修復の方法、哲学、施設的・人員的規模等を調査し、フリーア美術館側は我が国の最高レベルの修復技術(装こう)とその工房の実態、すなわち施設、用具、手法、人員等を調査し、相互の研究結果を共同討議した。3年度間の研究成果概要を以下箇条書きで示す。1)フリーア美術館付属保存修復施設をはじめ6美術館(ナショナルギャラリー、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ゲティー美術館、ロード・アイランド・スクール・オブデザイン付属美術館)の保存修復施設、及び3大学の保存修復教育課程(ニューヨーク大学保存修復センター、デェラウェア大学保存修復プログラム、ニューヨーク州立大学バッファロ-校)を調査した。2)美術館及び収蔵庫並びに付属の研究室、工房は、一定範囲の温湿度(フリーア美術館の場合は温度68〜70゜F、湿度50〜55%、ただし日本の美術品に対しては湿度65%で管理する等、その数値は美術館により若干変化の幅がある)にコントロールされる。我が国の修復は自然な環境下で行われるから、そのような点に経験度の関与が必要となる一つの理由が見いだされる。しかし、完全な人工管理環境下での修復が特質的な材料・技法を満足させるものであるか否かの解明は、今後の研究課題である。3)CAL(保存修復分析研究所)やGCI(ゲティー保存修復研究所)のような高度精密分析専門機関は我が国にも必要である。4)米国の美術館は保存修復施設並びに専門研究者を必備のものと考え、展示部門ときわめて密接な関係をもって管理運営し、コンサバタ-の権威が確立されている。その点での我が国の現状は、当事者の間での関心は高いが、配備としては皆無に近い。5)大学院の教育課程は科学な計測・分析修得を主としながら、同時に物に対する経験を重視する姿勢を基本としており、その点で本学の実技教育に共通するところがある。米国の保存修復高等教育機関のシステムを知り得たことは、本学で予定している保存修復分野の拡充計画立案に大変参考になった。6)保存修復に対する考え方は米国内においても研究者による異同があり、修復対象作品に良いと判断される方向で多少の現状変更を認める(従来の我が国の修理の考え方)立場と、現状維持を絶対視する立場とがある。現状維持は、将来さらに良い修復方法が発見された場合に備える、修復箇所の除去可能を前提とする考え方である。保存修復の理想的なあるべき姿の探求は、今後の重要な国際的な研究課題である。7)それは漆工芸等においてはとくに慎重に検討されるべき課題であり、彼らには漆工芸の基礎的知識不足が目立つ。そのような我が国固有の材料、技法面についての情報提供、技法指導などの面での積極的交流が今後とくに必要であろう。逆に建築分野は彼らが先進している。8)米国研究者は我が国の工房修復を実地に体験し、深く感銘した。それは装こう技術が脳手術のようだという称賛の言葉となって表れた。9)ミーティングにおける主要話題は、保存修復は現地で行われるべきであり、それを可能とする人材養成が必要である。保存修復教育には時間がかかることはやむを得ない、期間として6年位が目安となろう。科学教育は大学で行われるべきだが、日本画に限れば工房教育がよい、などであった。
著者
牧 孝 中野 正博 長 哲二 吉村 厚 吉永 春馬 上原 周三 星 正治 名越 千恵子 鬼塚 昌彦 小西 圭介 豊福 不可依 高木 望 豊島 耕一
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.221-233, 1983-06-01

体内深部の癌の放射線治療に負パイ(π^-)中間子を使用する利点は, 体表面から患部までの正常組織には低LET放射線で且つ付与する線量は少なく, π^-中間子のrest energy領域での患部にはBragg peak効果とスター形成による高LET放射線で且つ付与する線量は大きく従って治療効果比が大きいと理論的に高く評価される事である. 我国内では物理学的・医学的に治療応用の為の具体的な実験研究は未だ行われていない. 我々は特にπ中間子が正常組織を飛行中のプラトー領域での高LET粒子の発生に注目しその影響を調べた. この論文は第1報として, 国立高エネルギー物理学研究所の12GeV陽子シンクロトロン加速器を用いて発生させた運動量150, 173MeV/cのπ中間子を人体模疑物質ルサイトに照射し, 正・負パイ(π^±)中間子の飛程と捕捉・吸収の後の残存曲線の実験結果を示す. 飛程は理論値とよく一致した. 残存曲線にはπ^+とπ^-中間子では差異が認められた. またピーク・プラトー比は約10対1と予想値よりはるかによい結果を得たことを報告する.(1983年3月7日 受付)
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。
著者
中野 正敏
出版者
日本作物学会
雑誌
九州作物談話會報
巻号頁・発行日
no.11, pp.45-50, 1957-03

従来水田裏作の菜種栽培と言えば,移植栽培が普通であり又,菜種は移植するものだと認識されていた観があった。しかし近年に於いて菌核病の発生が非常に多くなり,しかも此の病害が菜種に致命的な打撃を与えるものであることから,これが対策には種々研究もされて来たが未だに完全な方法は発見出来ない現状である。しかし乍ら著者等は,直播する1二とにより最も恐るべき菌核病と合せて萎縮病の発生が少なく,しか'も労力賢材等の節約如出来て・経営的に見ても一石二鳥の効果があることがわかった。此の点佐賀県に於いては上記効果の認識と,苗床を必要としない為,近年直播栽1書が急速に増加し,昭和28年播付けでは,県計面積4,556町に対し其の25.2%,昭和29年度では,5,486町の45.1%,昭和30年度では,67.7%と言うように毎年増加し又,本県に於いては昭和25年より菜種多牧穫競作参を実施しているが,29年は約半数が直播栽培で出品し30年でほ県審査の対照となった21点中,1点だけが移植で殆んどが直播栽培であった。佐賀県に於ける菜種の多收穫地帯は山麓部の畑地で菌核病の発生の少ない地帯に限定されていたが,最近は直播栽培の普及により,菌核病の為半ばあきらめ的与感があった。平坦部の水田裏作地帯から高位多收穫者が続出するようになった。以上の事実から如何に菌核病の被害が致命的なものであったかが思考される。然しながら菜種は元来移植によって栽培され発達もして来たものであり,(北海道及び南九州の畑地帯では一部分直播されているが)水田裏作に於ける菜種の直播栽培についての研究は,殆んど行なわれていない現状であったので,著者等はこれ等直播に関する幾らかの問題について,試験を実施して来たが尚今後究明されねばならない問題も多々あるが,今回はすでに実施した研究