著者
中野 健 田所 千治 前川 覚
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.313-318, 2012 (Released:2013-08-02)
参考文献数
27
被引用文献数
1 5

The deformation of sliding objects plays an important role for determining the characteristics of frictional vibration. Therefore, to understand the frictional vibration of elastomers comprehensively, in-situ observations of contact area are necessary along with force measurements. In this article, after explaining the basics of frictional vibration using a single-degree-of-freedom model, some optical methods of visualizing the contact area (i.e., methods using transmission or reflection of visible light) are introduced. In particular, methods using the total reflection are hopeful to realize sensitive observations of contact area under dry or wet conditions.
著者
中野正治 著
出版者
黎明社
巻号頁・発行日
1949
著者
中野倫靖 吉井和佳 後藤真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.1-7, 2014-08-18

本稿では、歌声と伴奏を含む音楽音響信号を対象として、「ボーカルの歌声」、「楽曲中の音色」、「リズム」、「和音進行」 の確率的生成モデルを構築し、モデルからの生成確率を計算することで、「楽曲間の類似度」 や 「楽曲のありがち度」 を推定する手法を提案する。歌声、音色、リズムに関しては、LPMCC、MFCC、Fluctuation Pattern に基づく音響特徴量を抽出し、それぞれに関して潜在的ディリクレ配分法 (LDA) を用いたトピック分析を行う。個々の楽曲毎に学習したモデルと全曲から学習したモデルから、楽曲における各音響特徴量の生成確率を計算することで、それぞれ楽曲間の類似度とありがち度を推定した。和音進行に関しては、能動的音楽鑑賞サービス Songle のコード認識結果に対し、可変長 Pitman-Yor 言語モデル (VPYLM) でモデル化した。ここでは、個々の楽曲毎に学習したモデルと全曲で学習したモデルから、各曲のパープレキシティの逆数 (各和音の平均的な生成確率) を計算することで、それぞれ類似度とありがち度として推定した。本稿では、ポピュラー音楽 3278 曲を対象として分析した結果を報告する。
著者
門間 俊幸 樋野 誠一 小池 淳司 中野 剛志 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_327-I_338, 2011 (Released:2012-03-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2

公共事業関係費の適正規模を検討するには,公共投資額とその効果についての適切な把握は重要な判断材料となる.現在,財政支出を行うための財源調達については,税金,利用者負担だけでなく,政府の公債発行が行われることが多い.公債発行は金融市場の需給に影響することから,経済状況がインフレ期なのかデフレ期なのかによって,公共投資効果も大きく異なることが予想される.本稿では,現在のマクロ経済状況を最新のデータに基づき分析・整理した上で,道路投資額及び道路整備量から国内総生産の変化等を推計するマクロ計量経済モデルを構築する.その際にインフレやデフレの時の需給バランス及びこれに伴う価格調整メカニズムを考慮することにより,現下の経済情勢等を踏まえた従来のマクロ計量経済モデルの課題点の検証を行った.その結果,現在の経済状況は流動性の罠に陥っているデフレ状態の可能性があること,デフレ時には国債発行によるクラウディング・アウトが生じ難いこと,公共投資の効果がインフレ時に比べ効果が大きく表れる傾向があることが示された.
著者
仲谷 一宏 中野 秀樹
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3-4, pp.325-328, 1995-11-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9

南大西洋で漁獲されたツノザメ目ツノザメ科のオジロザメScymnodalatias albicauda の1尾の妊娠個体から発生中の59個体の胎仔を見いだした.胎仔の性別はオス33個体, メス26個体で, オス: メスの性比は1: 0.79, 大きさは全長157mmから192mmであった.本個体はマグロ延縄で漁獲されたが, 捕獲時の記録によると, いくつかの胎仔が総排出腔より海中に落ちたという.したがって, 60個体以上の胎仔をもっていたと推測される.サメ類の1腹の胎仔数は種類や個体の大きさにより様々であるが, ツノザメ類で知られている1腹の胎仔数は36個体までで, 大部分は20個体以下である.本研究ではオジロザメから1腹59個体の胎仔を見いだしたが, これは今までのツノザメ類の記録をはるかに上回る数で, ツノザメ類では最多, サメ類全体からみてもヨシキリザメ (135個体), カグラザメ (108個体) に次ぐ3番目の胎仔数である.なお, 各胎仔は大きな外卵黄嚢をもち, 腹腔内の3分の2の長さにおよぶ内卵黄嚢が形成されていた.内卵黄嚢は腸の始部 (十二指腸部) に直接開口し, 腸内にも卵黄物質が見られた.生殖方法は卵胎生 (卵黄物質にのみ依存する非胎盤性の胎生) であると考えられる.
著者
矢倉 大夢 中野 倫靖 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-112, no.3, pp.1-10, 2016-07-23

本稿では,作業時に集中度を高めることを目的として聴取する楽曲,「作業用 BGM」 に特化した楽曲推薦システムを提案する.従来,ユーザが好むであろう楽曲を推薦する手法が研究されてきたが,「とても好き」 な楽曲は作業者の集中を阻害することが知られており,作業用 BGM として推薦する楽曲に適していない.提案システムは,「とても好き」 や 「とても嫌い」 ではなく、「好き」 もしくは 「どちらともいえない」 楽曲を,BGM 聴取時のユーザからのフィードバックに基づいて推薦する.具体的には,楽曲のサビ区間までをダイジェスト的に聴取する (部分的にしか再生されない) システムとして設計することで,楽曲を 「スキップ」 するフィードバックによって 「嫌い」 な楽曲を推定する従来手法に加え,「もっと聴く」 フィードバックを導入して 「好き」 な楽曲を推定する.さらに,「好き」 として推定された楽曲は,ユーザの集中度を行動ログから推定して 「とても好き」 か 「好き」 かを識別する.これは集中度が高い時のフィードバックは,低い時より嗜好度を強く表しているという仮説に基づく.そして,楽曲間類似度に基づく Label Spreading により,頑健にかつ再生履歴が少ない状況でも適切に楽曲を推薦することを可能にした.
著者
杉山 貴昭 船越 孝太郎 中野 幹生 駒谷 和範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.C-FB2_1-9, 2016-05-01 (Released:2016-05-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1

When a robot interacts with users in public spaces, it receives various sounds such as surrounding noises and users' voices. And furthermore, the robot needs to interact with multiple people at the same time. If the robot incorrectly determines whether it should respond to these sounds, it will erroneously respond to surrounding noises or ignore user utterances directed to the robot. In this paper, we present a machine learning-based method to estimate a response obligation, i.e., whether the robot should respond to an input sound. We address a problem setting that is more similar to interactions in public spaces than those assumed in previous studies. While previous studies assume only utterances directed to one of interlocutors as input sounds, we deal with not only those utterances but also noises and monologues. To deal with various sounds, our method uses the results of input sound classification and user behaviors both in an input sound interval and after the interval. In particular, the user behaviors after the interval are introduced as a key factor for improving the estimation accuracy of response obligation, such as a tendency that a user stands and keeps still after he/she talks to the robot. We demonstrate the new features significantly improved the estimation performance. We also investigate performances with various combinations of features and reveal that the results of input sound classification and the user behaviors after the interval are helpful for the estimation.
著者
中野 和久 松下 祥 齋藤 和義 山岡 邦宏 田中 良哉
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-6, 2009 (Released:2009-02-28)
参考文献数
16
被引用文献数
5 10

ドパミンD2様受容体の過剰反応が主原因とされる統合失調症においては,関節リウマチ(RA)の発症率が顕著に低下することが知られるが,その原因は不詳である.神経伝達物質はリンパ球表面の受容体を介して免疫修飾作用を発揮する.脳内の主要な神経伝達物質であるドパミンは,D1~D5のサブタイプを持つ7回膜貫通型のGPCRを介してシグナルを転送する.   我々はこれまでに樹状細胞(DC)でのドパミン合成・貯蔵とナイーブT細胞への放出機構,およびヘルパーT細胞サブセット分化への影響を解明した.RAにおいてもDCは関節内抗原をT細胞に提示し病態形成の初期から重要な役割を果たすことから,RA滑膜組織におけるドパミン・ドパミン受容体の機能的役割を評価した.本稿ではこの一連の解析を概説し,ドパミン受容体を標的とした創薬の可能性についても述べる.
著者
永井 雅人 大平 哲也 安村 誠司 高橋 秀人 結城 美智子 中野 裕紀 章 文 矢部 博興 大津留 前田 正治 高瀬 佳苗 福島県「県民健康調査」グループ
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.3-10, 2016 (Released:2016-01-29)
参考文献数
24
被引用文献数
2

目的 東日本大震災による避難者において,生活習慣病が増加していることが報告されている。避難による生活環境の変化に伴い,身体活動量が減少したことが原因の一つとして考えられる。しかしながら,これまで避難状況と運動習慣との関連は検討されていない。そこで,福島県民を対象とした福島県「県民健康調査」より,避難状況と運動習慣の関連を検討した。方法 震災時に原発事故によって避難区域に指定された13市町村に居住していた,平成 7 年 4 月 1 日以前生まれの37,843人を解析対象者とした。避難状況は震災時の居住地(13市町村),避難先(県内避難・県外避難),現在の住居形態(避難所または仮設住宅,借家アパート,親戚宅または持ち家)とした。また,本研究では自記式質問票にて運動を「ほとんど毎日している」または「週に 2~4 回している」と回答した者を「運動習慣あり」と定義した。統計解析は,運動習慣がある者の割合を性・要因別(震災時の居住地,避難先,住居形態)に集計した。また,standard analysis of covariance methods を用いて,年齢,および震災時の居住地,避難先,住居形態を調整した割合も算出した。結果 運動習慣がある者の調整割合は,震災時の居住地別に男性:27.9~46.5%,女性:27.0~43.7%,と男女それぞれ18.6%ポイント,16.7%ポイントの差が観察された。避難先別では,男性で県外(37.7%),女性で県内(32.1%)においてより高かったが,その差は小さく男性:2.2%ポイント,女性:1.8%ポイントであった。住居形態別では,男女ともに借家アパート居住者が最も低く,避難所または仮設住宅居住者が最も高かった(男性:38.9%,女性:36.7%)。避難所または仮設住宅居住者に比し,借家アパート居住者で男性:5.4%ポイント,女性:7.1%ポイント,親戚宅または持ち家居住者で男性:2.0%ポイント,女性:4.2%ポイント,それぞれ低かった。結論 避難区域に指定された13市町村に居住していた者の運動習慣がある者の割合は,震災時の居住地および住居形態によって異なっていた一方,県内避難者と県外避難者との間では同程度であった。とくに借家アパートに居住している者における割合が低く,孤立した人々を対象とした新たな生活習慣病予防対策を立案・実行することが必要である。
著者
中野 敬一
出版者
家屋害虫研究会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.131-138, 1995-12-01
参考文献数
19

1994年12月~1995年2月と1995年5~7月に,東京都内の地下鉄駅構内の排水溝において,昆虫と水生動物の生息の有無を確認した。その際,一部の排水の水温と水質を検査した。排水溝で生息を確認した昆虫は,セスジユスリカ幼虫,オオチョウバエ幼虫,ホシチョウバエ幼虫であり,水生動物は,サカマキガイ,ミズムシ,イトミミズであった。排水溝の周辺ではセスジュスリカ,オオチョウバエ,ホシチョウバエの各成虫とザトウムシが確認できた。水生動物が生息していた排水は,そうでない排水より有機物や窒素成分が多い傾向があった。排水溝で確認した昆虫と水生動物は,生物学的水質階級のα中腐水性から強腐水性に生息する種類であった。その侵入経路については都市河川や下水道が関係すると思われる。
著者
中野 倫靖 後藤 真孝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1771-1783, 2013-06-15

本論文では,ユーザの歌声からその声色(こわいろ)変化を真似て歌声合成するシステムVocaListener2を提案する.本システムは,我々が以前開発した音高と音量のみを真似て歌声合成するVocaListenerの拡張であり,声色変化にも対応する.従来,主に声質変換やモーフィングのために,声質を操作する技術はあったが,ユーザが歌唱において意図的に変更する声色の変化を反映することはできなかった.VocaListener2を実現するために,まずVocaListenerによってユーザ歌唱の音高,音量および音素(歌詞)を真似た多様な歌声を合成して声色空間を構成し,その結果を用いてユーザ歌唱の声色変化を反映して合成する.市販の歌声合成システムを用いて実験した結果,構成された声色空間は聴取印象を反映しており,音高と音量に加えて声色変化も真似ることができていた.
著者
但馬 康宏 北出 大蔵 中野 未知子 藤本 浩司 中林 智 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.76, pp.7-12, 2007-07-24

本研究において、比較的長い対話に対する話題分割を行う手法を提案する。隠れマルコフモデル(HMM)による話題分割は、これまでも盛んに研究されており、音声認識の分野で特に成果をあげている。しかし、一般的に対話を単語の列として取り扱うため、長さが数百語程度以上の対話の場合にその対話の発生確率が著しく低くなり、有効精度不足となる。本手法では、対話における発話を HMM の出力単位として話題分割を行う。対話における1発話ごとにベイズ推定によりあらかじめ話題のラベルを付けた後、そのラベル列を出力する HMM を構成することにより話題の切り替わりを特定する。ここで、HMM はすべての状態間の遷移を許したモデルとした。68 名の被験者で対話実験を行い、62 対話を作成し、本手法の有効性を検証した。この結果、1500 単語程度の長さの対話にたいして良好な分割精度を出せたことを報告する。We propose a dialogue segmentation and topic structure finding method via Hidden Markov Model (HMM). HMM has been applied for this problem in previous studies and its advantages have been shown. Nevertheless, the length of the dialogue must be restricted about a hundred words because of computational errors, i.e. the occurrence probability of a dialogue which has a thousand words tends to be less than 10-1000 and we fail to construct HMM because of lack of computational precision. In this paper, we propose a new approach for this problem by HMM whose state outputs a symbol of an utterance. Every utterance is classified into some symbols of a segment by a Bayesian classifying method, then we construct an HMM for the target dialogue. The HMM in our method can handle a long dialogue whose length is about 1500 words for 1000 kinds of words. We used 62 dialogues by 68 testee and evaluate our method.
著者
中野 秀俊 石田 祐三
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.20, no.8, pp.631-637, 1992-08-29 (Released:2010-03-17)
参考文献数
15

Self-induced transparency (SIT) is a kind of coherent transient phenomena in two-level atomic system. The optical pulse with an area that is an integer multiple of 2π, which causes SIT in an absorber, is stable and a kind of soliton. Thus SIT is expected to be useful in pulse compression and pulse shaping. In this paper, we discuss some problems in experiments of SIT and surveys the experimental results of SIT. It is also described the recent experimental results of coherent nonlinear pulse propagation in BiI3 crystal using tunable sub-picosecond pulses.
著者
中野 浩司 佐藤 真弘 津田 綾子 關谷 悠 森 勝伸 板橋 英之
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.829-837, 2010 (Released:2010-11-11)
参考文献数
39
被引用文献数
3 6 3

The speciations of heavy metals (Cu, Zn, Pb, Cd and Cr) in bottom sediment soils collected from Kusaki dam-lake in Gunma Prefecture were considered to be in the solubility with the type of ligands, by a sequential extraction procedure with five fractionations. Through these procedures, a large amount of Cu in Kusaki dam-lake sediment was in a fraction bound to organic matter ; those of Zn and Pb were in an oxide fraction bound to iron and manganese oxides, and those of Cd and Cr were in the exchangeable fraction and in the residual fraction, respectively. The composition of species in a heavy metal was almost the same without any regard to the collection periods for two and a half years, the particle size of the sediment soils and the collection points. The total concentrations of heavy metals in the sediment soil at Kusaki dam-lake was still high at this stage, compared with those at Kanto loam and Black soil (Kurobokudo). From the distributions of each fraction for analyte heavy metals, the ratios of heavy metals with long-term leaching were estimated.