著者
粟井 和夫 中野 由紀子 石田 万里
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

心臓CT受診患者45人を対象に、CT検査前、直後、24-48時間後の末梢血リンパ球を採取し、DNA二本鎖切断修復関連蛋白(γH2AX)の定量を行い、CTにおける被曝の物理的指標(CTDI, DLP, SSDE)とDNAの損傷の程度の相関を検討した。また体の体幹部を模倣したファントムの中心に血液を封入したシリンジを挿入し、それに対してCT撮影を行い、CTDI、DLP、SSDEとDNAの損傷が相関するか否か検討した。臨床検討およびファントムの検討により、DNA二重鎖はCT直後より切断され、その程度はCTの物理線量と相関することが判明した。
著者
望月 祐志 坂倉 耕太 秋永 宜伸 加藤 幸一郎 渡邊 啓正 沖山 佳生 中野 達也 古明地 勇人 奥沢 明 福澤 薫 田中 成典
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.119-122, 2018 (Released:2018-01-30)
参考文献数
14
被引用文献数
8

We have been developing the ABINIT-MP program for the fragment molecular orbital (FMO) method. The list of inter-fragment interaction energies (IFIEs) is available from FMO calculations and is useful in analyzing the nature of interactions in a given target system. In this Letter, we summarize the current status of ABINIT-MP and also the machine-learning assisted analyses of IFIE data.
著者
武尾 実 大湊 隆雄 前野 深 篠原 雅尚 馬場 聖至 渡邉 篤志 市原 美恵 西田 究 金子 隆之 安田 敦 杉岡 裕子 浜野 洋三 多田 訓子 中野 俊 吉本 充宏 高木 朗充 長岡 優
出版者
海洋理工学会
雑誌
海洋理工学会誌 (ISSN:13412752)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.45-56, 2018 (Released:2018-08-30)
参考文献数
12

Nishinoshima is an andesitic stratovolcano located in Ogasawara Islands, Japan. In November 2013, island-forming eruption started. Before the eruption, Nishinoshima was a small island of the area of 0.29 km2 and elevation of 25 m but it had a huge edifice rising 3,000 m from the sea floor. By March 2016, area and elevation reached 2.7 km2 and 140 m, respectively. We conducted various types of geophysical observations at this “difficult-to-access island” (950 km from Tokyo taking 90 min by Jet plane, or 24 h by ship). In June 2016, we conducted airborne observations using unmanned helicopter, collecting 250 grams of scoria and detailed 4K images of lava flows. OBSs (Ocean Bottom Seismometers) were deployed around Nishinoshima in four periods. From February 2015 to May 2017, characteristic waveforms dominated at 4–8 Hz band were frequently observed. Comparisons with infrasonic records and video images revealed that the 4–8 Hz seismic signals were associated with eruptions at pyroclastic cone. The number of seismic signals of this type declined from July 2015, and disappeared in November 2015, suggesting that the eruptive activity started declining in July 2015 and ceased in the middle of November 2015. In October 2016, we landed and deployed a broadband seismometer and an infrasonic sensor in the old Nishinoshima, collecting a lot of new lava, deposits, and ash samples. We demonstrated a capacity of remote-island volcano monitoring system for one day test navigation circling around Nishinoshima. After one and a half year quiescence, a new eruptive phase started in April, 2017. Our on-land seismic sensor detected precursory signals as early as April 17. The seismometer also recorded characteristic waveforms during the very early stage of the new eruption phase before data transmission was terminated on April 21.
著者
中村 智美 石倉 宏恭 中野 貴文 仲村 佳彦 神村 英利
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.589-596, 2018-08-31 (Released:2018-09-01)
参考文献数
12

播種性血管内凝固症候群(DIC)治療薬の遺伝子組み換えヒト可溶性トロンボモジュリン(rTM)の急性腎障害(AKI)患者への至適用量を検討した。rTM を1日1回380U/kgまたは130U/kgで投与したDIC合併AKI患者129例を対象とし,持続的血液濾過透析(CHDF)の有無およびrTMの投与量別に,有効性・安全性を評価した。DIC離脱率は,CHDFを施行しなかった患者群ではrTMの用量による違いはなかったが,CHDF施行群では380U/kg群のほうが高い傾向であった(p=0.050)。出血率はCHDFの有無およびrTMの用量間で差はなかった。以上より,AKI合併DIC患者にはrTM 130U/kgと380U/kgで有効性,安全性に差はないものの,CHDF施行時には380U/kg投与によりDIC離脱の可能性が高まることが示唆された。
著者
武田 征士 Hsu Hsiang 濱 利行 山根 敏志 益田 幸治 中野 大樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3E102, 2018 (Released:2018-07-30)

所望の物性値をもつ新物質をデザインすることは、あらゆる工業分野における重要な課題である。本研究では、既存物質のデータ解析から新物質デザインまでend-to-endで実現する手法を提案する。本手法は、特徴量エンコーディング、回帰モデル、解探索、構造生成のステップからなる。データ駆動特徴量と事前定義特徴量を定義し、それらを用いた分子構造生成手法を提案することで、各ステップが連携的に動作する。本手法により、複数の目標物性値を同時に満たす複雑かつ多様な分子構造を高速にデザイン可能であることを、市販の薬物データを用いて実証する。
著者
松原 英輝 入口 豊 中野 尊志 西田 裕之 中村 泰介
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.51-70, 2006-09-29

競技スポーツにおいて,若年期から発育・発達を考慮した選手育成を行っていく必要性があることは世界の常識となっている。フランスは,1970年代始めにヨーロッパにおいてプロサッカー選手育成システムをいち早く導入し(モアン,2000),世界のサッカー界の中でも先駆的に若年層の体系的・組織的育成に着手している国である。また同時に,強豪国の中で唯一国立のサッカー学院を持つ国でもある。その成果が,1998年のワールドカップでのフランス代表チーム優勝へと結実したとも言われている。本研究は,このフランスの青少年期におけるサッカー選手育成システムに着目し,その長期的な視野に立った若年層の選手育成システムの理念と実情を分析し,今後の日本の青少年サッカー選手育成システム改革に資する資料を得ることを目的とする。特に,本稿ではフランスの若年層におけるサッカー選手育成システムの現状とその特徴について、(1)育成スタイル(2)育成年齢とその期間(3)システム化されたプログラム(4)育成のための特別な施設(5)中央と地方との結びつき(6)育成システム終了後のプロサッカー選手への到達率とその活躍の6つの視点から明らかにした。
著者
中野 善逹
出版者
筑波大学教育研究科カウンセリング専攻リハビリテーションコース
雑誌
筑波大学リハビリテーション研究 (ISSN:09178058)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-10, 1994-03-31

「障害を持つアメリカ人に関する法律(1990年)」(ADA)は障害をもつ人びとに対する世界最初の包括的な市民的権利法である。本稿は、ADAの実施状況に関し、主として連邦政府諸機関から発行された、もしくは提供された諸資料をもとに、若干の検討を行う。(1)ADAの施行規則、ガイドライン、基準は ...
著者
中野 敬子 臼田 倫美 中村 有里
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.45, pp.A75-A90, 2010-09

The Dyadic Almost Perfect Scale-Revised(Dyadic APS-R)is a self-report measure of perfectionism. The present study was intended to examine the psychometric properties of the Japanese version of the Dyadic APS-R. Japanese university students (213) completed the Japanese version of the Dyadic APS-R along with measures of mental health outcomes (self-efficacy and depression). Exploratory factor analysis revealed two factors: High Standards and Order, and Discrepancy. A reliability estimate of internal consistency of High Standards and Order, and Discrepancy was high. Confirmatory factor analysis of the Dyadic APS-R in another group of Japanese university students (108) supported the existence of 2 perfectionism factors. Cluster analysis using the two subscales of the Dyadic APS-R yielded 3 clusters: Adaptive perfectionists, maladaptive perfectionists, non-perfectionists.Adaptive perfectionists characterized by high Standards and Order scores, and low Discrepancy scores had higher scores on self-efficacy and lower scores on depression than those of maladaptive perfectionists and even of non-perfectionists.Distinguishing adaptive perfectionists from maladaptive perfectionists is discussed in the context of psychological functioning and further research.
著者
岩尾 亜希子 藤原 喜美子 長谷川 志保子 上野 京子 太田 久子 長谷川 幸子 櫻井 順子 會田 秀子 中澤 惠子 小市 佳代子 古畑 裕枝 中野 八重美 金子 恵美子 稲垣 一美 柳 努 北原 るり子 山下 小百合 落合 和徳
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.219-227, 2013 (Released:2013-09-10)
参考文献数
13

院内暴力の現状は,幾つか報告されているが,高度先進医療を担う大学病院に特化した報告はない。私立大学病院医療安全推進連絡会議では,職員が安全に働くための環境を整備する事を目的に2011年に都内私立大学附属病院本院に勤務する全職員29,065名を対象に質問紙による調査を行った。その結果,回収率は78.6%で過去1年以内に院内暴力を受けた人は44.3%だった。更に暴力が原因で「退職したいと思った」が3.7%(1,159名),「死にたかった」が0.2%(58名)いるにもかかわらず個人の対応としては,我慢や謝罪をしている現状が明らかになった。又,各施設で整備されているサポート体制の認知度は低く「サポート体制が無い」,「わからない」と回答した職員が合わせて71.7%だった。院内暴力に対する不安を5段階評価で2以上(何らかの不安を感じている)の職員が86.3%いた事は重く受け止められるべきであり,院内暴力の現状認識と有効な対策の立案が急務であるとともに患者・患者家族との信頼関係の構築が必須である。
著者
中野 由章 中山 泰一 Yoshiaki Nakano Yasuichi Nakayama
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.4-441-4-442, 2017-03-16 (Released:2017-03-17)

情報処理学会第79回全国大会, 2017年3月16日‐3月18日, 名古屋大学東山キャンパス コンピュータと人間社会, 一般セッション, 情報処理教育, 5E-01 (講演日3月17日)
著者
伊藤 靖朗 ボルジン ジャシル 中野 浩嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. AL, アルゴリズム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.70, pp.35-42, 2002-07-25
参考文献数
10

本論文では,文脈自由文法に対するCKYパージングを高速に行う入力依存回路によるFPGAへの実装を提案する.文脈自由文法Gと文字列xが与えられたときに,CKYパージングはGがxを導出するか否かを判定する.このCKYパージングは,xの長さがnのときに,O(n^3)時間で導出するかを判定するできることが知られている.任意の文脈自由文法Gが与えられたときに,その文法に対するCKYパージングを行うハードウェアのVelilog HDL記述を生成するハードウェアジェネレータを示す.生成された記述は,FPGAに実装され,任意の文字列xに対して,Gがxを導出するかを判定する.このFPGAは,特定の文法Gに対してのみパージングを行うので,入力依存ハードウェアであり,究極の高速化が可能である.このハードウェアの性能をタイミング解析により評価し,また,アルテラ社のFPGAを用いて動作確認を行った.結果として,ソフトウェアによるCKYパージングより約750倍高速であることがわかった.
著者
中野 あずさ 益子 育代 田村 文子
出版者
群馬県立県民健康科学大学
雑誌
群馬県立県民健康科学大学紀要 (ISSN:18810691)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-62, 2006-03

目的:本研究の目的は,精神看護学実習におけるプロセスレコードを使った指導の有効性について検討するものである.方法:対象は,精神看護学実習での困惑場面について再構成されたプロセスレコード44例である.プロセスレコードを使った指導は,1)ロールプレイ,2)かかわりの評価,3)縦読み,4)横読み,の手順に従って実施された.本稿は,学生の困惑状況とその問題要因について分析を行った.結果:学生の困惑状況は8つのカテゴリーに分類できる.さらに,その問題要田は,1)コミュニケーションスキルの未熟さによる状況把握の不足,2)察しの悪さによる共感性の欠如,3)わかったつもりになって患者へ不快感を喚起してしまうこと,4)精神症状に対する不安,の4つのパターンに整理された.学生はロールプレイを通して患者に対する共感性が高まり,縦読み・横読みから自分のかかわりの問題点と改善策を見出だすことができた.
著者
関 勝寿 宮崎 毅 中野 政詩
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.181, pp.137-144,a3, 1996-02-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
18

土に長期的に栄養水が侵入すると, 土の間隙中の土壌微生物と微生物がつくり出す代謝生成物が水の通り道を塞ぐ現象, いわゆるclogging (目詰まり) 現象が生じ, 土の透水性が低下することが知られている. そこで, 栄養水飽和浸透条件下での透水係数の長期変動を調べ, 深さ0~1cmの層において, 118日間でほぼ2オーダー透水係数が低下することを示した.透水係数低下の第一の原因は, 糸状菌の長い菌糸と微生物の代謝生成物による間隙の閉塞であり, 第二の原因は, グルコースから発生したメタンガスが118日間に表層に最大14%の気相率相当量が溶解せず気泡となって間隙中に閉塞されたことによるものであると説明された.
著者
中野 尚夫 石田 喜久男 村岡 一彦
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.31, pp.19-20, 1990-07-31

アマランサスは、タンパク質含量の高い作物で、最近ではアレルギー性疾患回避にも効果があると注目されている。アマランサスはヒユ科ヒユ属の総称で、穀実用として注目されているAmaranthus hypochondriacus. A. caudatus, A. cruentusはいずれも中南米起源の作物と考えられている。中南米では、これら3種が紀元前5000〜3000年頃から栽培され、スペイン人が新大陸に上陸した16世紀にはトウモロコシ、インゲンマメとならんで主要な食糧であった。その後19世紀初頭にインド、アフリカに伝えられ、日本にも明治初頭に渡来し、東北地方において救荒作物として利用されていた。今日では、中南米での栽培は少なく、主要な栽培地はインド北部、ネパールとなっている。岡山農試では、水田転作作物探索の一環として1989年からその栽培利用の可能性を検討している。本報告では、1989年における栽培特性の検討結果を紹介する。
著者
中野 明
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.460, pp.201-204, 2004-06-21

数字は無用、色変え歓迎/同時選択の影に$あり/=は必須、パレット使えず/順番に知恵を絞るべし/英単語そのままです
著者
佐藤 好恵 成田 伸 中野 隆
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_45-1_52, 2005-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
19

殿部筋肉内注射実施時の安全性について検討するため,代表的な殿部筋肉内注射部位である「四分三分法の点」および「クラークの点」において,実習用遺体18体33側の皮脂厚および筋の構造,各点と上殿神経との解剖学的位置関係について調べた。また,健康な成人女性32名(20~55歳)64側の殿部について皮脂厚を計測した。「四分三分法の点」では「クラークの点」よりも皮脂厚が有意に厚く(p<0.001),そして12側に皮脂の直下に大殿筋が分布していた。中殿筋の厚みは「クラークの点」(2.1±0.8㎝)の方が「四分三分法の点」(1.7±0.7㎝)より厚かった(p<0.01)。また「四分三分法の点」では,注射針を直角に小殿筋表層まで刺入した時,上殿神経への刺入が10側(30.3%)あった。このことから,「クラークの点」の方が,「四分三分法の点」よりも中殿筋に安全に注射針を刺入できると考えられた。