著者
天津 久郎 金村 信明 木下 彩子 中野 友明 植村 剛 副島 千晶
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.56-63, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
20

小児では転倒などにより箸や歯ブラシなどの異物による口腔外傷が多く見られる。稀に異物が頚髄,頭蓋内などの深部に刺入するものの発見が遅れることや,異物が刺入しなくても気腫や深頸部感染症を生じること,時に遅発性の内頸動脈閉塞を合併することがある。したがって,小児口腔外傷は患者家族への十分な説明と厳重な経過観察が必要であり,注意を要する疾患である。口腔より箸が刺入し,頭頸部深部に達して異物として残存した小児2症例を経験した。1例は異物が上咽頭粘膜下,斜台前方の頭長筋内まで達して後咽頭間隙に蜂巣炎を併発しており,内視鏡を用いて経鼻的に異物を摘出した。もう1例は異物が頸動脈間隙に達して,周囲の間隙に気腫を生じており,外切開により異物を摘出した。両症例とも術後,遅発性の内頸動脈閉塞などの合併症は認められなかった。自験例と小児の口腔異物症例について,若干の文献的考察を加えて報告する。
著者
中野 創
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.103, 2007-04-10

読者の皆様は「どんずあな,け」の意味がわかりますか? ここ青森県津軽地方で医師として仕事をするためには,いわゆる津軽弁を理解する必要があります.日本の津々浦々にユニークな方言がありますが,津軽弁もそれらに負けない独特の語彙を有しています.体の各所を現す言葉には,じゃんぼ,なずぎ,ぼんのご,おどげ,よろた,あぐど,どんず,はど,などがあります.それぞれ,髪,額,項,頤,太腿,踵,尻,陰茎の意味です.濁点が多いのが特徴でもありますが,それを上手くフィルターにかけると語源が推測できる語もあります.「なずぎ」は「脳(なずき)」,「ぼんのご」はうなじの窪みを表す「盆の窪(ぼんのくぼ)」,「おどげ」は「頤(おとがい)」,「あぐど」は『東海道中膝栗毛』にも用例が見いだされる,かかとを示す「踵(あくと)」がそれぞれ転訛したものと考えられます.
著者
武田 龍 駒谷 和範 中島 圭祐 中野 幹生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.IDS-B_1-9, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
24

Dialogue system development involves a variety of factors and requires multifaceted consideration, so design guidelines would be helpful. Although a neural-based approach can be used, it requires a vast amount of dialogue data and would take too much effort to collect them to develop a system for a specific and fixed-length dialogue. Furthermore, errors in automatic speech recognition and language understanding should be explicitly considered in the design because they are inevitable when the system talks with general users and would lower their impressions. We propose design guidelines for developing dialogue systems. Our systems developed with the aid of these guidelines took first place in two dialogue system competitions: the situation track of the second Dialogue System Live Competition and a pre-preliminary test of the Dialogue Robot Competition. Our proposed design guidelines are to (1) make the system take initiative, (2) avoid dialogue flows from relying too much on user utterances, and (3) include in system utterances that the system understands what the user said. We also show more details regarding the systems designed for each of the two competitions with examples, such as the dialogue examples in the two competitions and the scores of questionnaire by real users.
著者
サンプラザ中野くん
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, 2011-05-15
著者
望月 祐志 中野 達也 佐藤 伸哉 坂倉 耕太 渡邊 啓正 奥脇 弘次 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.132-136, 2021 (Released:2022-03-17)
参考文献数
32
被引用文献数
2

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. In 2021, the Open Version 2 series has started for large scale systems consisting of more than ten thousand fragments. This letter describes the current status of ABINIT-MP, including the speed-up as well as the situation of distributions over supercomputing facilities in Japan.
著者
中野 真備
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.164-203, 2021-01-31 (Released:2021-01-29)
参考文献数
86

This paper examines the ecological cognition of Sama-Bajau fishermen by analyzing the naming of fish, fishing grounds, and landmarks used by those who engage mainly in open-sea fishing in the Banggai Islands, Central Sulawesi, Indonesia. The field survey assumed that reef rocks and celestial bodies are landmarks used only by Sama-Bajau fishermen because their Sama-Bajau names have been shared among the fishermen until the present day along with their detailed origins. Compared to these landmarks, capes and bays are spread over relatively long distances, so minute differences are difficult to discern. Sama-Bajau fishermen have an equal interest in the names of capes, bays, and reef rocks. The study also clarifies that the background to the naming and folk taxonomy of landmarks is related to differences in the appearance of landmarks and living spaces used by Sama-Bajau and non-Sama-Bajau groups. Therefore, folk taxonomies attract greater and lesser interest or an intermediate level of interest. The study clarifies that Sama-Bajau folk taxonomies have similar features to landscape recognition from a fisherman’s perspective. This is the first attempt to comprehensively classify fish, fishing grounds, and targets based on indigenous knowledge of the sea.
著者
中野 正昭
出版者
大正演劇研究会
雑誌
大正演劇研究
巻号頁・発行日
vol.6, pp.59-60, 1997-03-26

自慢じゃないが私は、学部生のころはほとんど大学に寄りつかなかった。学校をサボるのは、何も大学生になって始まったことではないので、別に珍しいことでもない。毎日学校に通うようなヤツは、きっと頭がおかしいんだと思っていたし、今もそう思っている。、だから、菅井先生の授業も他の先生同様きちんとサボらせてもらった。ノートの大半がコピーというありさまだったので、学部時代は先生のことはよく知らなかった。演技論の授業はディドロの「俳優論」だったが、"ディドロ=百科全書派、以上"程度の知識しかなかった私にはその意図がよく分からなかった。というわけで私の四年間は年中無休の自主休講状態だった。そのうち、菅井先生が理系出身だということを耳にして、「これはもう全く分からないタイプの人だなぁ」と理系に偏見を持つ私は勝手に決めてしまった。
著者
小野 隆裕 橋本 章 田中 隆光 福家 洋之 清水 敦哉 欠田 成人 中野 洋
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.734-741, 2021-11-01 (Released:2021-11-08)
参考文献数
23
被引用文献数
1

症例は40歳代女性.風俗店勤務.外陰部腫瘤,潰瘍,体幹部丘疹,手掌足底に紅斑を認め梅毒を疑った.梅毒反応陽性,胆道系優位の肝胆道系酵素上昇を認めた.腹部超音波検査で門脈域に高エコー像を認めた.造影CTでは動脈相で肝内胆管の一部拡張と壁肥厚,肝実質に不均一な造影所見を認め,以上より胆管炎も疑われた.MRIではT1強調画像opposed-phaseで門脈域周囲低信号域を認め,MRCPで胆管の枯れ枝状変化を認めた.肝生検ではグリソン鞘と周囲組織にリンパ球浸潤と線維化を認め実質に脂肪変性を認めた.AMPC内服を開始し梅毒反応は陰性化し,肝胆道系酵素は約11カ月の経過で低下し画像所見も改善を認めた.早期梅毒肝炎の過去報告例では画像上胆道系異常を指摘した報告は少ない.この所見は胆道系優位の肝障害という早期梅毒性肝炎の特徴とも合致し,特徴的な画像所見を呈した1例として報告する.
著者
三井 一希 佐藤 和紀 渡邉 光浩 中野 生子 小出 泰久 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45052, (Released:2021-09-07)
参考文献数
5

本研究は,児童同士の交流に着目したプログラミングの学習の場を,休み時間等の授業時間外に設定した実践を行い,その有効性と交流の実態を調査した.結果,提示した課題を教師が介入することなく,児童だけで達成することが概ね可能であることが示唆された.また,教師が指導する学習形態よりも児童だけで学ぶ学習形態を好む児童が有意に多いことが示された.さらに,児童同士の交流の実態を調査したところ,児童は事前のプログラミング技能の差に関わらずに他者と交流を行い,課題を達成している可能性が示唆された.
著者
中野 治美 井上 栄
出版者
Japan Society for Occupational Health
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, 2010
被引用文献数
4 3

<b>東京圏在住サラリーマンの通勤時身体運動量:中野治美ほか.大妻女子大学家政学部公衆衛生研究室―目的:</b>東京圏在住サラリーマンの中強度以上身体活動の量を測定し,電車通勤者とクルマ通勤者とで比較する. <b>対象と方法:</b>歩数および身体活動の測定には,身体活動強度METs(=安静時の何倍かを表す単位)を1分ごとに記録する身体活動量計(オムロンHJA-350 IT)を使った.データをパソコンに移して,通勤時間帯および全日の運動量「エクササイズEx」(=METs(≥3)×時間)を計算した. <b>結果:</b>電車通勤男性群(74人)は,朝夕の通勤にそれぞれ70±30,103±43分を使い,朝+夕通勤時のExは3.4±1.7で,これは全日のEx 5.3±2.4の64%を占めた.この全日Exは,クルマ通勤男性群(78人)の全日Ex 1.8±0.8の2.9倍であった.1日の歩数は,電車通勤男性群9,305±2,651歩で,クルマ通勤男性群3,490±1,406歩の2.7倍であった. <b>考察:</b>厚生労働省「健康づくりのための運動指針2006」は,週23 Ex以上の身体運動を推奨している.東京圏在住の電車通勤サラリーマンの運動量は大きく,週日5日間では男性で平均26.5 Exとなり,電車通勤は生活習慣病予防に貢献しているように見える.<br> (産衛誌2010; 52: 133-139)<br>
著者
Falko JUDT Daniel KLOCKE Rosimar RIOS-BERRIOS Benoit VANNIERE Florian ZIEMEN Ludovic AUGER Joachim BIERCAMP Christopher BRETHERTON Xi CHEN Peter DÜBEN Cathy HOHENEGGER Marat KHAIROUTDINOV 小玉 知央 Luis KORNBLUEH Shian-Jiann LIN 中野 満寿男 Philipp NEUMANN William PUTMAN Niklas RÖBER Malcolm ROBERTS 佐藤 正樹 澁谷 亮輔 Bjorn STEVENS Pier Luigi VIDALE Nils WEDI Linjiong ZHOU
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.3, pp.579-602, 2021 (Released:2021-06-10)
参考文献数
68
被引用文献数
26

近年のコンピューターとモデル開発の進歩により、全球ストーム解像モデルの時代が始まり、それに伴って気象や気候予測が一変する可能性を秘めている。本研究では、この新しいクラスのモデルを検証するという一般的なテーマの中で、9つの全球ストーム解像モデルについて、熱帯低気圧(TC)をシミュレートする能力を評価した。その結果、大まかにいえば、これらのモデルは現実的な熱帯低気圧を再現し、熱帯低気圧の強度の正確なシミュレーションを可能とするなど、全球モデルの長年の課題が解消されていることが示された。一方、TCはモデルの設計に強く影響され、全てのモデルはTCの数、強度、大きさ、構造に関して独自のバイアスを持っている。いくつかのモデルは他のモデルよりも優れたTCをシミュレートするが、全ての点で優れたモデルが存在するわけではなかった。全体的な結果は、全球ストーム解像モデルがTC予測の新時代を切り拓くことが可能であることを示しているが、その可能性を最大限に引き出すためには改良が必要である。
著者
木村 龍太郎 竹本 正明 杉村 真美子 金澤 将史 今村 友典 中野 貴明 伊藤 敏孝
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.262-264, 2018-12-31 (Released:2018-12-28)
参考文献数
1

【症例】14歳, 女性【主訴】左示指刺創【現病歴】家庭科の授業中にミシンを用いて裁縫中に誤って左示指の末節にミシン針が刺さり救急要請となった。救急隊はミシンを破壊し本体の一部をつけたまま搬送した。【来院後経過】救急外来にて針に付着した布押さえの部分を工事用ペンチで破壊した。針と糸が共に指を手背側から手掌側へ貫通している状態であった。左示指に局所麻酔し, 針の末端部分の一部を切断し, 手掌側の針の先端をペンチで把持して引き抜くように糸と共に除去した。除去後, 止血を確認し, 帰宅とした。【考察】ミシンの縫い目は2本の糸が絡み合うことによって作られる。その構造上ミシン針の糸通しは針の先端についているためミシン作業中の刺創では針と共に糸が必ず体内を通過する。その構造を把握しないで針だけを抜去すると糸が皮膚の中に残存することがある。ミシン針の貫通創の処置では抜去時にミシンの仕組みを知る必要があると考えた。
著者
中野 研也 Nakano Kenya
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間生活学部篇 (ISSN:21853363)
巻号頁・発行日
no.7, pp.117-125, 2015

フォーカル・ジストニアは,症状の程度によっては,その演奏活動を断念せざるを得ない程の深 刻な事態となる場合も少なくなく,楽器の演奏家や歌手にとって難しい問題となっている.フォー カル・ジストニアの認知度は,近年徐々に高くなっているが,病院は不明であり根本的な治療法や 解決法は未だ確立していない.本稿では,演奏家がフォーカル・ジストニアに罹患した場合におい て如何なる方法で克服したらよいのか,実践的対処法について演奏者の視点から考察する.
著者
濱口 郁枝 吉田 有里 森 由紀 大森 敏江 中野 加都子 松村 俊和 山本 存 藤堂 俊宏 宮田 倫好 上島 一泰
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.143, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 女子大生のコーヒーの嗜好について調査し、好まれるコーヒーを検討した。 方法 兵庫県内の一大学の女子学生を対象とし、コーヒーを飲む頻度や嗜好に関する質問紙調査と、2回の官能評価を実施した。1回目は、普段コーヒーを飲まない24名に円卓法で検討した。試料は、H:数種のブレンド・焙煎標準、J:ミャンマー産をブレンドに追加・焙煎軽め、P:オリジンごとに分けて焙煎、の3種とし、ブラックとミルクや砂糖を入れて評価した。2回目は64名に、1回目の結果をもとに改良したものと、エチオピア産のシングルオリジンをブラックで味わい、2点嗜好試験法で比較した。 結果 ドリップコーヒーを飲む者は23%と少なく、カフェラテなど甘めのコーヒーを飲む者が70%と多かった。官能評価1回目の結果、Hは、香ばしくて美味しく飲みやすいが酸味がある、Jは、ブラックでも飲みやすくミルクと砂糖を入れると一番美味しい、Pは、酸味が強く美味しさは他より劣る、との評価が得られた。そこで、評価の高いJの焙煎度を上げてコクを出し、ミャンマー産の豆をインドネシア産マンデリンG-1にかえて改良した。2回目の結果、酸味、総合評価ともにJの改良が好まれた(各p<0.01)。Jの改良を飲んだ後は、コーヒーの好みの程度が上昇した(p<0.01)。したがって、穏やかな酸味とバランスのとれた味わいのブレンドコーヒーは、ブラックでも女子大生に好まれることが示唆された。
著者
小山 善之 熊取 敏之 澁谷 敏三 新谷 和夫 福田 龍三 今村 幸雄 佐野 一郎 鴫谷 亮一 古屋 曉一 河野 實 日野 佳弘 渡邊 孝 武正 勇造 中村 なをゑ 小澤 義光 林 康之 平島 信子 早船 喬一 濱口 榮祐 木村 信良 神田 清 岡本 十二郎 濱田 政彦 大橋 成一 橋本 敬祐 小酒 井望 石井 暢 天木 一太 深澤 義明 貴船 トミ子 松村 義寛 中野 巖 種田 強一郎 林 義次 村田 貢
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.5-45, 1955

This paper is an intermediate report of the clinical observations and various investigations made upon the 16 patients of the radiation sickness caused by BIKINI ashes on. 1st March 1934. The patients were admitted to the First Tokyo National Hospital on March 28th, and this report shall be for the period of the 5 months from March 28th to the end of August, 1964. Later, a thorough and complete report will be given, in which some amendments may be added to the present paper.<br>INTRODUCTION: At 3.50 a. m. on 1st March 1954, the 5th Lucky Dragon, a fishing boat, with a crew of twenty three on board, was located at about 100 miles east of BIKINI. The boat was under grey-white ash-fall for more than 5 hours. The crew was exposed to the ash-fall for 1.5 to 5 hours. The evening of that day they suffered from headache, anorexia, conjunctivitis and later nausea, vomiting, exhaustion and diarrehea, Several days later they suffered from itching, pain, rash, and erosion on the exposed skin areas. One week later two of the crew had hemorrhage of gingiva and some of the crew suffered from depilation. On March 19th, the boat returned to its base at Yaizu. On March 16th, the crew was admitted to the Kyoritsu Yaizu Hospital and on March 28th, 16 patients out of 23 were transfered to our hospital (the First Tokyo National Hospital).<br>On March 26th, Prof. Kimura's laboratory of Tokyo University made the analysis of the ashes taken from the 5th Lucky Dragon and found the following radioactive substances: Sr-89, Sr-90, Y-90, Y-91, Zr-96, Nb-95m, Nb-95, Ru-103, Ru-106, Te-129m, Te-129, Te-132, I-131, I-132, Ba-140, La-140, Ce-141, Ce-144, Pr-143, Pr-194, Nd-147, Pm-147, S-35, Ca-45, U-237, and Pu-239. The remaining radiation of the boat was investigated by Dr. Kakei et al. of March 17th and found it to be around 100mr/hr. Upon this data the total radiation was estimated at a count of 270 to 440γ. on the crew. In addition to the external exposure of such radiation, internal exposure, such as respiration of contaminated air, drinking of contaminated water and taking of contaminated food, shall be taken into consideration in the present cases. Radioactivity was found in the bile and urine taken from the patients.<br>GENERAL REMARKS: The 16 cases were strong young men but their body weight began to decrease from the middle of May and high or slight fever, anorexia, feeling of exhaustion, diarrhea and headache continued.<br>Skin and Hair: Irregular depilation, depigmentation, pigmentation with rain and itching, and erosion was observed. Some cases had folliculitis with pustules in April, while others recovered from erosions and at the end of May, regeneration of hair began. In July, hair condition was almost normal.<br>Blood and Bone-marrow: At the middle of April, the lowest peripheral leucocyte count was less than 2, 000. Two cases who had lower leucocyte count recovered earlier, i. e., their leucocytes increased to around 5, 000 at the middle of May. Meanu hile, the other cases had from 3, 033 to 4.000 count during the entire period. The former cases had also moderate anemia while the latter had only slight anemia. Blood platelet count of the former cases was less than 20, 000 and the recovery was slower than that of the leucocyte count. Reticulocyte count kept pace with that of leucocyte. In the former cases, myelocyte and other immature blood cells appeared temporarily in the circulated blood and eosinophile cells increased. The count of bone-marrow cells decreased remarkably (8, 000), i. e. panmyelophthisis, which later recovered slowly. In the latter cases, peripheral leucocyte findings and myelogram had almost no changes from the beginning of our observation and count of bone marrow cells was remarkably different by the sites of bone-marrow puncture. Vacuole and toxic granula appeared in the neutrophile cells in the circulated blood and vacuoles also appeared in lymphocyte and monocyte.
著者
中野渡 一耕
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
鷹・鷹場・環境研究 (ISSN:24328502)
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-34, 2020-03-20

小稿は、盛岡藩三戸代官所(現青森県三戸町)の役人の留書から、同藩における巣鷹捕獲の実態について分析するものである。巣鷹とは、巣立ち前のタカ類の幼鳥のことで、鷹狩り用に調教するため捕獲された。盛岡藩では巣鷹を捕獲する専門の役職「巣鷹御用懸」が、藩内4か所の代官所に置かれた。巣鷹の見回りや捕獲は、巣鷹御用懸や実際に捕獲する専門の百姓のほか、肝入(村の責任者)・山守など多くの村人が動員される一大作業だった。また藩庁の指示により、捕獲の要・不要ががけ判断され、また営巣(巣懸)・孵化(貝割)・巣下げの度に代官や用人に報告させるなど、厳格な管理体制が敷かれていた。藩の権力を背最にした鷹の権威の大きさが見て取れるとともに、藩の方針に振り回される現場の様子も垣間見え、藩政と地域の結節点にあった代官所役人の業務の特性が現れている。また、巣鷹御用懸の職制と関連して、これまであまり分析されていなかった、盛岡藩の鷹匠組織や鷹の捕獲体制についても触れる。