著者
今井 照彦 堅田 均 西浦 公章 錦織 ルミ子 浜田 信夫 濱田 薫 渡辺 裕之 成田 亘啓 三上 理一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.268-274, 1987
被引用文献数
4

症例は, 47歳男性。既往歴は42歳時肺結核, 糖尿病。61年1月10日ころより微熱, 咳, 労作時呼吸困難出現。2月5日洗面器約半分の喀血を2回繰り返し, 当院第二内科へ入院した。検査の結果, 右上葉の肺結核の遺存空洞に発生した肺アスペルギルス症と判明した。気管支鏡では右主気管支および上葉枝入口部は全体に発赤腫脹し, B^3入口部は拡大がみられ, 末梢は空洞様であった。壁は凹凸不整で全体に膜がはったようになり, 黒い部分や, 発赤, 新生血管と思われる赤い部分, 苔状物と思われる黄白色の部分が混在してみられた。アンホテリシンB空洞内注入療法により発赤部分, 黄白色の部分が次第に減少して, 治療終了後には凹凸不整がとれ平坦となり, 色調も赤みが消失して全体に一様に黒くなり, 一部線維化のごとく白くなっていた。この所見と平行して臨床症状も改善し, 胸部X線でも空洞壁が著明に薄くなり, これらの空洞壁の内視鏡所見は, アスペルギルス症の治癒過程を示していると思われる。
著者
今井 知正
出版者
理想社
雑誌
理想 (ISSN:03873250)
巻号頁・発行日
no.556, pp.p95-107, 1979-09
著者
對馬 達雄 今井 康雄 遠藤 孝夫 小玉 亮子 池田 全之 山名 淳
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、戦後ドイツを通底する課題である「過去の克服」という課題に、これまで等閑視されてきた精神史、文化史、広く人間形成の側面からその本質に迫ることを目的としている。本年度は、7名の分担者が交付申請書記載のそれぞれの研究テーマに則して、文献・資料の分析を進め、2回の全体研究会を通じて、共同研究としての統一性を保ちつつ研究を進めた。より具体的には、まず遠藤は、州憲法及び基本法の制定を通して、ナチズム克服の理念としてキリスト教の復権が行われたこと、小玉はナチズムにより解体の危機に瀕していた家族の再建に関する議論と施策が行われたこと、渡邊はナチ教義の注入手段と化していた歴史教育の再建において、ヴェーニガーの「政治的歴史教育」の理念が重要な役割を果たしたことを明らかにした。また、池田は20世紀ドイツを代表する哲学者ハイデガー、リット、ヤスパースの「過去」に対する思想的対応の相違を腑分けし、今井は「政治的成人性」の理念を中核とするアドルノの教育思想の特質を「過去の克服」との関連で明らかにし、對馬は反ナチ運動の復権を司法界において最初に宣明した「レーマー裁判」の意義を検事ブリッツ・バウアーの思想と行動に関連づけて明確にした。そして、山名は「追悼施設教育学」の成立経緯とその今日的意味を「記憶文化」と関連づけて明らかにした。これらの研究成果は、平成23年3月に上梓された對馬達雄編著『ドイツ過去の克服と人間形成』の各論文として収録された。
著者
今井 浩三 豊田 実 佐藤 裕信 篠村 恭久
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.362-367, 2006-02-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

遺伝子のメチル化は, シトシンとりわけCpG配列に特異的に起こるDNA修飾である. 遺伝子のメチル化は遺伝子変異, 欠失とならび, 癌抑制遺伝子不活化の第三の機構として重要である. 異常メチル化により, 細胞周期調節遺伝子やアポトーシス関連遺伝子, DNA修復酵素など様々な遺伝子が不活化を受ける. メチル化の網羅的解析から, 一部の腫瘍ではCpG island methylator phenotype (CIMP) を示し, 癌においてメチル化の制御機構が破綻していることが示唆される. メチル化の標的遺伝子が明らかになるにつれ, 異常メチル化を腫瘍マーカーや抗癌剤感受性の指標として用いる試みもなされている. また, メチル化を阻害することにより不活化されている遺伝子を再発現させ, 癌細胞に分化やアポトーシスを誘導することが可能になりつつある.
著者
子安 ゆうこ 酒井 菜穂 今井 孝成 神田 晃 川口 毅 小田島 安平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.484-493, 2004
被引用文献数
5

【目的】シックハウス症候群(sick house syndrome;SHS)とは,建物の室内環境が原因で健康被害を呈するものである.SHSは社会的には認知されているが,医学的な定義はなく疾病概念も曖昧である.今回,SHSの病態解明のために大規模疫学調査を行った.【方法】厚生労働科学研究費補助金生活安全総合研究事業シックハウス症候群に関する疫学的研究班における調査用紙を用いた.【結果】成人8737人,小児9387人の回答が得られた.疾患の定義の仕方により,SHSと判断されたのは成人女性で3.0〜23.3%,成人男性2.9〜16.1%,小児で5.6〜19.8%であった.原因環境因子は小児・成人とも「シャンプ- ・化粧・香水」,「壁や床の建材のにおい」,「塗料」が上位であった.住居の築年数,増改築の状況でSHS発症に有意差はなかった.ライフスタイルの特徴として,ストレスが多く,においに敏感なものに有病率が高かった.【考察】SHSをどのように定義するかによって,有病率が大きく異なった.SHSを解明するためには,国際的な基準もふまえた定義づけが必要と考える.
著者
松田有史 今井倫太 大澤博隆 杉山治
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.169-171, 2011-03-02

本研究では、Twitterのツイートを個人の社会性の写像と考え、個人の特徴や存在感といったものがどのような点に現れるか検証した。個人の特徴を捉えることで、従来では明らかにならなかった嗜好、価値観、行動パターンといった存在感の一面を明らかにすることができる。得られた特徴は個人のアバターを創り出すといったアプリケーションや個人に適切な情報を発信するといった推薦システムなどを実装するための基本モデルになると考えられる。本研究では、Twitterタイムラインを解析することにより、個人の特徴的なパターンを抽出し、特徴モデルを形成する方法を提案する。
著者
古川 亮 今井 正和 烏野 武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.1054-1063, 1996-06-25
参考文献数
13
被引用文献数
20

連続画像から物体の運動を解析することは, 重要でかつ困難な問題であり, これに対して多くの研究がなされてきた. 本論文で提案するActive Tubesは, 非剛体物体の運動を解析するためのモデルの一つである. このモデルは, Kassらの提案したSnakesを時間軸に沿って重ねたものとみなすことができ, Snakesと同様のエネルギー最小化の手法を用いて時空間画像中の物体を抽出する. 当初, Active Tubesの収束アルゴリズムとして, Greedy Algorithmを用いていた. しかし, Greedy Algorithmはノイズなどの影響を受けやすいため, 新しいアルゴリズムとしてRandomized Greedy Algorithmを提案する. 提案されたアルゴリズムはGreedy Algorithmと同程度に高速である上に, ノイズに対してより頑健である.
著者
今井 直子 オニヤンゴ エヴァンス 鶴本 穣治 高橋 圭介 石原 淳 畑山 範
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.48, pp.181-186, 2006-09-15

Oxazolomycin and neooxazolomycin are structurally closely related antibiotics isolated from Streptomyces sp. by Uemura et al. The former is the parent member of a class of polyene bicyclic antibiotics, other members being oxazolomycin B and C, 16-methyloxazolomycin, and curromycin A and B. The oxazolomycins were found to exhibit wide ranging and potent antibiotic activity, including inhibitory activity against Gram-positive bacteria, antiviral activity against vaccina, herpes simplex type I and influenza A, as well as in vivo antitumor activity. The intriguing molecular architectures and the biological activities make these compounds attractive targets for synthesis. However, the total synthesis is limited to Kende's synthesis of neooxazolomycin. We report here a novel approach to neooxazolomycin, which can be also applicable to the synthesis of oxazolomycin. Our synthesis of right hand core 22 started with methyl (S)-hydroxyisobutyrate and proceeded through three major transformations involving regio- and stereoselective iodination via intramolecular Pt-catalyzed hydrosilylation, Pd-catalyzed enolate alkenylation, and stereoselective dihydroxylation accompanied by concomitant lactonization. Nozaki-Hiyama-Kishi coupling of aldehyde 23 obtained from 22 with N-Fmoc-iododienamine 24 gave 7S-isomer 25 and 7R-isomer 26 as a 1: 1 epimeric mixture. It was gratifyingly found that Dess-Martin oxidation of this epimeric mixture followed by L-Selectride reduction of the resulting ketone produced the desired 7R-isomer 26 in excellent stereoselectivity (94% de). Removal of the silyl protecting group allowed us to obtain the Kende's intermediate 27, the synthesis of which constitutes a formal synthesis of neooxazolomycin.
著者
黒瀬 聖司 今井 優 別府 浩毅 内藤 玲 宮本 雅子 桝田 出
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.631-635, 2010-08-30

心拍数減衰応答(HRR)を用いた糖尿病患者の運動強度設定法について検討した.対象は糖尿病教育入院患者45名である.HRRはトレッドミル運動負荷試験終了時から直後1分目の心拍数減衰値と定義し,HRR>18拍/分を正常群,≦18拍/分を低下群に分類した.また心肺運動負荷試験から嫌気性代謝閾値(AT)を測定し,Karvonen法によりATに相当するestimated-kを求めた.その結果,HRRの低下は48.9%に認めた.estimated-kは正常群0.37±0.12,低下群0.27±0.14であり有意な差を認めた(p<0.05).HRRはestimated-kとの間に正の相関関係(r=0.39,p<0.01)を認めた.またestimated-kに影響する因子の多変量解析の結果,HRRが抽出された.以上から,HRRが低い症例ではk値すなわち目標心拍数を低めに設定することが必要と考えられ,HRR低下群ではk=0.27が適当と考えられた.<br>
著者
今井 康雄
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.98-109, 2006-06-30

ウィトゲンシュタインの後期哲学は、反表象主義の主要な典拠となっており、教育学においても、「情報化」の要請に対応した、「力」を重視する現代的な教育論の傾向にそって解釈がなされている。これに対して本稿が試みるのは、ウィトゲンシュタインの後期哲学を、「力」を重視する教育論の基盤を掘り崩すような哲学として解釈することである。ウィトゲンシュタインは、反表象主義の立場を徹底することによって、一方で教えることの不確実性を明らかにするとともに、他方では、この不確実性を回避するために教育論が通常子供の心のなかに想定している「力」の観念を解体する。その結果、教育は極めて脆弱な営みとして現れることになる。ウィトゲンシュタインは、その小学校教師時代、こうした教育の脆弱さに実際に直面していたと推測できる。しかし『哲学探究』のなかには、教育の脆弱さを克服する可能性が、理解されていないものを理解可能なものにおいて示すという「事例」のメディア的構造として示唆されてもいるのである。
著者
今井 真治
出版者
日本加除出版
雑誌
戸籍時報 (ISSN:09121579)
巻号頁・発行日
no.563, pp.34-39, 2003-11