著者
嶋田 誠一郎 佐々木 伸一 井村 慎一 鈴木 一弘
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.75-80, 1988 (Released:2007-03-29)
参考文献数
10

膝蓋腱反射を通して運動が筋緊張に与える影響を推察する事を目的とし、以下の研究を行った。研究は、健常者23例、膝蓋腱反射亢進を示す症例8例に対し膝関節屈曲伸展の交互等速度運動を行わせ、膝蓋腱反射に与える影響を経時的に測定した。その結果、等速度運動終了後、健常者で運動開始前との間に運動終了後1分、同3分、同5分で有意な振幅の増加が認められた。症例では、運動終了後1分および同3分で運動開始前との間に有意な増加が認められた。本研究により理学療法を試行する際、筋緊張を考慮したい症例の場合は、運動の強度やインターバルを調節する必要性が示唆された。
著者
高橋 朋子 廉澤 剛 望月 学 松永 悟 西村 亮平 佐々木 伸雄
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.111-117, 1997-10-31 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

犬の皮膚型肥満細胞腫の治療にしばしば用いられるグルココルチコイド (GC) の抗腫瘍効果について, 病変の縮小程度を指標とした検討を行った。GC単独, 放射線療法や化学療法との組み合わせ, GCを使用しない治療法とを比較したところ, いずれの治療法でも一時的な腫瘤の縮小が見られたものの, 長期間にわたりコントロールできた例はなかった。しかし, GC単独での腫瘤縮小効果は, その他の療法と同程度ないしそれ以上と推測された。
著者
パテル オズマン・ヴァリ 平子 誠 高橋 透 佐々木 伸雄 百目鬼 郁男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.659-663, 1995-08-15
被引用文献数
6

2胚移植によって受胎した正常双胎妊娠牛(N牛), フリーマーチン妊娠牛(F牛)および反転性裂体妊娠牛(S牛)の妊娠全期間にわたる末梢血中プロジェステロン(P_4), エストロン(E_1)およびエストラジオール(E_2)の消長を調べた. 血中P4濃度は, F牛が妊娠254日に双子を死産した際に急減した他は, 三者の間には相違がみられなかった. 血中E1濃度は, N牛においては好期の経過に伴い上昇し, 分娩日に最高値を示した後に急減し, F牛においてはN牛よりも低い値で推移し, 妊娠254日に突然上昇した後に急減した. また, S牛においてもN牛より低く, 変動を伴って推移した. 血中E_2濃度は, 三者ともにE_1より低く, かつE_1濃度に平行して推移した. 血中E_1, E_2濃度は, 分娩後1日にN牛では両者とも20pg/ml以下の値に低下したが, F牛とS牛はE_1が150kg/ml以上, E_2が20pg/ml以上の値を示した. この成績は, 妊娠中の胎子数の判定同様子宮内の胞子の予後の判定においても, P_4よりE_1やE_2の方が優れた指標となることを示唆している.
著者
三輪 恭嗣 佐々木 伸雄
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.554-558, 2011-07-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

フェレットの副腎疾患に対する外科手術及び酢酸リュープロレリンを主とした内科療法の有効性を,病理診断結果及び治療法に基づき回顧的に調査した.調査対象は58頭である.6カ月後の生存率は副腎皮質腺癌で最も低かったが,約7割が生存した.また,他臓器への明らかな転移は1例も確認できなかった.治療内容は,外科手術のみ25頭,内科治療と外科手術14頭,内科治療のみ19頭であった.6カ月後の生存率は外科治療群で最も低かったが,内科治療のみ及び併用群では1頭を除いてすべて生存した.内科治療の副作用は,持続する高血糖が1頭確認された以外重篤なものはみられなかった.これらの結果から,高齢や手術リスクの高い症例では内科治療を選択し,全身状態のよい腫瘤の摘出可能な症例では外科治療を選択すべきであると思われた.
著者
酒井 秀夫 大橋 文人 佐々木 重人 伊藤 福美 森田 明 小林 晋作 高井 信治 佐々木 伸雄 竹内 啓
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.1239-1242, 1984-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
9

活性炭などの吸着剤による直接血液灌流(DHP)は肝不全・腎不全などに対する治療として有効である。本治療法実施に際しての抗凝固剤としては主にヘパリンが使用されているが, 血球の減少・DHP後の出血傾向などの問題がある。我々はこれらの問題点を考慮し, ヘパリンにかわる抗凝固剤としてカルバサイクリン誘導体CS-570を使用して実験的尿毒症犬の活性炭によるDHPを行ない, 血球成分・血液凝固能・血圧・回路内圧などを指標としてCS-570のDHPにおける抗凝固剤としての有用性を検討した。その結果, DHP実施中の赤血球数・血小板数は変動せず, 血液回路内での血小板凝集は強く抑制されており回路内凝血の徴候は認められなかった。一方, 生体内での凝集抑制率は低くDHP終了後の凝集能回復も速やかであった。また, 血圧の低下はわずかであった。以上のことからCS-570はDHPにおける抗凝固剤として非常に有用であると考えられた。
著者
安部 浩之 佐々木 伸雄 平林 良一 廉沢 剛 西村 亮平 竹内 啓 山口 和久
出版者
Japanese Society of Veterinary Anesthesia & Surgery
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.53-57, 1991

A 4-year-old female toy poodle was admitted with signs of unconsciousness, left head tilt, nystagmus of the left eye, paralysis of the limbs and severe salivation due to falling downstairs. Medical therapy including dexamethasone, diazepam administration was started just after the admission, and then radiography and a CT-scan were performed under xylazine sedation. As a result, the left articular process of the occipital bone was fractured and the bone fragment seemed to compress the cervical spinal cord. The patient received the surgery under GOP anesthesia. The ventral aspect of the occipito-atlantal joint was incised and a few bone fragments around the spinal cord were removed. On the 2nd day of postoperation, the light reflex of the both eyes appeared and the patient recovered consciousness on the 3rd day. On the 7th day, the patient showed a good appetite, and anal reflex and postural reflexes of the right forelimb reversed. On the 14th day, the postural reflexes of all the hindlimbs appeared and the patient could show voluntary walking. At the 8th month of postoperation, the gait and other behaviors were almost normal.
著者
奥山 泰世 小池 充 佐々木 伸也 劉 斯宝 田村 正純 中川 善直 今井 章雄 冨重 圭一
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.228-234, 2016-09-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1 4

バイオマスから従来のガソリンに含まれる炭化水素を製造することは,既存のガソリン供給インフラを使用でき,またエタノールよりも多量にガソリンにブレンドできる可能性があることから魅力的である。そのような中,我々は,セルロースからガソリン沸点範囲のオレフィンを製造する方法として,Ir–ReOx/SiO2触媒と酸触媒を用いたセルロースからのヘキサノール製造と,脱水触媒(H-ZSM-5)を用いたヘキセン製造を組み合わせた方法を提案した。我々はこれまでに,硫酸を用いたメカノキャタリシスによる前処理を施したセルロースを水素とともにIr–ReOx/SiO2触媒で反応させたところ,60 %の比較的高収率でヘキサノールが得られることを見出している。本研究では,1-ヘキサノール,2-ヘキサノールおよび3-ヘキサノールの脱水によって得られるヘキセン混合物の組成を明らかにし,そのヘキセン混合物のガソリンへの適用性をJIS規格に基づいて調査した。その結果,ヘキセン混合物は夏季でおおむね22 vol%,冬季でおおむね7 vol%までレギュラーガソリンにブレンド可能であることが分かった。よって,提案した製造経路で得られたセルロース由来のヘキセン混合物は魅力的なバイオ燃料の一つであると考えられる。
著者
佐藤 厚子 佐々木 伸子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.2_51-2_59, 2001-06-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
10

在宅療養における老年糖尿病患者の家族に対し,食品摂取バランスに着目し,できるだけ負担感が少なく,視覚に訴える食事指導方法として 「栄養バランス表」 を用いた食事指導を試みた。 より効果的なフィードバック方法として 「ひとことメモ」 欄を設け,キーパーソンである家族に繰り返し説明し,励ましと助言を与え,食事療法継続の意欲を継続させることにも心掛けた。 その結果,血糖コントロールに有効性のある可能性が示唆された。
著者
パテル オズマン・ヴァリ 平子 誠 高橋 透 佐々木 伸雄 百目鬼 郁男
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.659-663, 1995
被引用文献数
11

2胚移植によって受胎した正常双胎妊娠牛(N牛), フリーマーチン妊娠牛(F牛)および反転性裂体妊娠牛(S牛)の妊娠全期間にわたる末梢血中プロジェステロン(P<SUB>4</SUB>), エストロン(E<SUB>1</SUB>)およびエストラジオール(E<SUB>2</SUB>)の消長を調べた. 血中P4濃度は, F牛が妊娠254日に双子を死産した際に急減した他は, 三者の間には相違がみられなかった. 血中E1濃度は, N牛においては好期の経過に伴い上昇し, 分娩日に最高値を示した後に急減し, F牛においてはN牛よりも低い値で推移し, 妊娠254日に突然上昇した後に急減した. また, S牛においてもN牛より低く, 変動を伴って推移した. 血中E<SUB>2</SUB>濃度は, 三者ともにE<SUB>1</SUB>より低く, かつE<SUB>1</SUB>濃度に平行して推移した. 血中E<SUB>1</SUB>, E<SUB>2</SUB>濃度は, 分娩後1日にN牛では両者とも20pg/ml以下の値に低下したが, F牛とS牛はE<SUB>1</SUB>が150kg/ml以上, E<SUB>2</SUB>が20pg/ml以上の値を示した. この成績は, 妊娠中の胎子数の判定同様子宮内の胞子の予後の判定においても, P<SUB>4</SUB>よりE<SUB>1</SUB>やE<SUB>2</SUB>の方が優れた指標となることを示唆している.
著者
枝村 一弥 那須 広子 岩見 有紀子 西村 亮平 小川 博之 佐々木 伸雄 大河原 久子
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.129-135, 2004-02-25
被引用文献数
2

日本の各品種の豚における豚内在性レトロウイルス(PERV) proviral DNAの感染状況をPCRにて調査した.また,豚膵内分泌細胞(PE-cell)を含むバイオ人工膵島(Bio-AEP)を異種移植された実験的糖尿病犬の末梢血および脾臓を用いて,その感染の可能性をPCRおよびRT-PCRを用いて確認した.その結果,日本にいる各豚品種のすべてにPERV Oroviral DNAが検出され,今回用いた培養PE-cellにもPERV Oroviral DNAとmRNAの発現を認めた.しかし,PE-cellを異種移植したいずれの犬おいてもPERVのマイクロキメリズム,感染およびウイルス血症は認められなかった.したがって,免疫抑制剤を用いずにPE-cellの入った拡散チャンバー型Bio-AEPを移植した場合,PERV感染の可能性は極めて低いことが示唆された.
著者
辻本 元 阪口 雅弘 増田 健一 大野 耕一 平原 一樹 佐々木 伸雄 白石 明郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究においては、DNAワクチンによるアレルギー性疾患の根治的治療法を確立するため、アレルギー性疾患の自然発症犬および実験的感作犬を用いて、in vitroにおけるアレルギー反応の基礎的解析、さらにそれを応用してin vivoにおける臨床有効性の検討を行なった。最初に、スギ花粉抗原に感作されたアトピー性皮膚炎のイヌを対象としてスギ花粉抗原に対するアレルギー反応を解析した。すなわち、スギ花粉主要抗原のひとつであるCry j 1に感作された症例が多いことを明らかとし、それら症例においてはCry j 1に対するIgE産生がスギ花粉飛散時期と一致していることを解明した。さらに、これら症例においてCry j 1のオーバーラッピングペプチドを用いてT細胞エピトーブ部分を同定した。また、Cry j 1DNAワクチンの治療試験を4頭の症例を用いて実施し、治療群においてはいずれの症例もアトピー性皮層炎症状の改善とともに、スギ花粉粗抗原を用いた皮内反応の陰性化およびスギ花粉に対する末梢血リンパ球の芽球化反応の低下を認めた。一方、スギ花粉を実験的に感作した犬において、スギ花粉抗原気道内曝露によってスギ花粉特異的な気道過敏性を誘導することが可能であった。これを用いてCry j 1DNAワクチンによる治療試験を行なったところ、治療群においては、IgE値やリンパ球の芽球化反応においては顕著な変化は認められなかったが、スギ花粉抗原に対するin vivo反応性においては皮内反応の陽性閾値の上昇、気道過敏性反応の閾値の上昇が認められた。さらに、肺の組織においても、対照群と比較して肥満細胞の数が有意に低下していた。以上のことから、DNAワクチンはアレルギー性疾患の臨床症状をコントロールすることができる根治的治療法であることがわかった。
著者
加藤 卓 佐々木 伸一 中島 和紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.389, pp.29-34, 2011-01-18
被引用文献数
3

近年,LSI間を結ぶ伝送線路の高密度化が進み,隣接する信号線に発生するクロストークが問題となっている.本研究室では,送信側のLSIにスルーレート(伝送する信号の傾き)をクロックの周波数に応じて自動制御するシステムを組み込み,信号の傾きを緩やかにすることで遠端クロストークを低減する手法について検討している.本報告では,スルーレートを可変する出力回路(FG-MOSインバータ,ゲート共有型FG-MOSインバータ,クロックドインバータ)を提案し,動作速度・消費電力・回路面積・信頼性性能の面から評価を行い,ゲート共有型FG-MOSインパータが最も有効な回路であることを明らかにした.
著者
板倉 新 加藤 久宗 王 碧昭 松長 敦子 実川 友史 枝村 一弥 大河原 久子 望月 学 西村 亮平 佐々木 伸雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.10, pp.1107-1109, 2003-10-25

豚の膵島細胞への傷害作用における補体系の関与について,各種動物血清および抗補体作用を有するsCR1添加血清を用いて検討した.細胞傷害性の程度は種によって大きく異なった.またsCR1によって捕体活性が減弱された血清は細胞傷害性をほぼ失った.これらのことから,血清による豚の膵島細胞への傷害性は捕体が主要な因子であり,また動物種の組み合わせによって捕体と移植細胞の相性が大きく異なることが示された.
著者
佐々木 伸
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1170, pp.127-130, 2002-12-09

米映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を巡っては、今年の夏以降いくつもの不祥事が表面化しました。 そのため、USJの運営会社であるユー・エス・ジェイ社長だった阪田晃社長が辞任し、代わりに私が10月23日付で社長となりました。従って、私の使命は、一にも二にも失墜してしまったUSJに対するお客様の信頼を回復することだと思っています。
著者
千々和 宏作 西村 亮平 中島 亘 大野 耕一 佐々木 伸雄
出版者
Japanese Society of Veterinary Anesthesia & Surgery
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 = Japanese journal of veterinary anesthesia & surgery (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.21-27, 2008-07-30
被引用文献数
4 1

卵巣子宮摘出術後の縫合糸反応性肉芽腫が疑われた犬22症例について、その疫学、治療、および長期予後を臨床的に解析した。22症例中15例(68%)がミニチュア・ダックスフントであった。診断時の年齢は、中央値3.5(1.1~9.3)歳齢、卵巣子宮全摘出術から診断されるまでの期間は、中央値2(0.3~4.3)年であった。最も多く認められた(13/22)症状は、嘔吐または下痢を伴うあるいは伴わない、元気消失、食欲不振、体重減少、発熱といった非特異的なものであった。検査した17頭中14頭(82%)で、血漿C反応性蛋白(CRP)の上昇を認めた。腹腔内の肉芽腫をすべて摘出した20例では、20症例中16例で、肉眼的または病理組織学的に縫合糸が確認された。周術期に腎不全で斃死した1例を除く19症例中8例(42%)が、経過良好であった。一方、11例は、肉芽腫性胃腸炎、脂肪織炎、無菌性肉芽腫などの新たな疾患の発症や、腹腔内肉芽腫の再発が認められ、11例中10例がミニチュア・ダックスフントであった。以上のことから、避妊手術後の腹腔内肉芽腫はミニチュア・ダックスフントに好発し、腹腔内の肉芽腫を外科的に切除しても、病理組織学的に肉芽腫性炎症を特徴とする新たな疾患を発症する可能性があるものと推察された。<br>
著者
渡邊 学 チェン アイリス 森 美香子 上野 絵美 中村 好孝 薮本 恵美子 阿部 佳澄 椿 真理 今村 清美 関森 悦子 西澤 理絵 若栗 浩幸 中川 貴之 望月 学 西村 亮平 佐々木 伸雄 鈴木 穣 菅野 純夫
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-6, 2012-04-10 (Released:2013-01-25)
参考文献数
15

イヌ舌組織における遺伝子発現、味覚受容体の構造の検討を行うため、遺伝子発現頻度解析および味覚受容体の構造解析を行った。正常イヌ舌組織よりRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いてシークエンスを行った。シークエンスタグをイヌゲノムへのマッピングを行い各遺伝子の発現頻度を解析した。味覚受容体にマップされたシークエンスタグをもとに味覚受容体TAS2R40遺伝子およびアミノ酸配列を解析した。RNA-seq解析の結果、984,903シークエンスタグを得た。これらを用いてイヌゲノム上へのマッピングを行った。同定された遺伝子の中で、S100 calcium binding protein A8がもっとも高い発現を示した。また、骨格筋系遺伝子、心筋系遺伝子や解毒系遺伝子群の発現が認められた。味覚受容体をコードする遺伝子構造解析を行ったところ、TAS2R40、TRPV1、PKD1は既存の遺伝子構造よりも5' 端側にマップされるタグが認められ、これまでの遺伝子配列情報よりも完全長に近い遺伝子構造が推測された。また、TAS2R40遺伝子がコードするアミノ酸配列の相同性はヒトと76%マウスと62%であった。
著者
吉川 泰永 森松 正美 落合 和彦 永野 昌志 山根 義久 冨澤 伸行 佐々木 伸雄 橋爪 一善
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1013-1017, 2005-10-25
参考文献数
32
被引用文献数
13

乳腺腫瘍はヒトの女性および雌イヌでもっとも発症頻度の高い腫瘍である.BRCA2遺伝子は, DNAの修復に関与する巨大タンパク質をコードしており, ヒトではBRCA2が変異すると腫瘍罹患リスクが上昇する.BRCA2タンパク質はガン抑制タンパク質であり, これがヘテロ接合性の消失(LOH)によって不活化すると乳腺腫瘍が発症すると考えられている.本研究では, イヌBRCA2のLOH解析に適当な多型マーカを確立するために, 腫瘍に罹患したイヌ30例と罹患していないイヌ21例についてエキソン27領域のゲノム配列を解析した.これまでにイヌBRCA2遺伝子座で報告されていた多型は10204ins/delAAAだけだったが, この他に新たに4種類の単一ヌクレオチド多型(SNP)を発見した.これらのあわせて5つの多型を解析した結果, 4つのアリル型が存在することが判明した.今回解析した多型の中で10204ins/delAAAの出現頻度がもっとも高かったため, PCR法を応用してこの多型を判別する方法を確立した.この方法は, イヌのBRCA2においてLOHと腫瘍発症との関係を解析するうえで有用と考えられる.
著者
佐々木 伸一 渡邊 欣雄 池上 良正 黄 強 志賀 市子 河合 洋尚 曹 建南
出版者
京都外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、1990年代以降中国各地において顕著に見られる宗教復興の諸状況について人類学的なフィールド調査を行い、そこで得られた民族誌的資料をもとに、宗教を「象徴資本」として活用する国家や地方エリートの政策的側面と、それに対する宗教、とりわけ民俗宗教の職能者や信者たちとの複雑多岐にわたる相互作用によって構築される側面に焦点をあてつつ分析を行った。その結果、中国における宗教実践構築の諸相、及び宗教の象徴資本化の歴史性や政治性を明らかにした。