著者
仲内 悠祐 佐藤 広幸 長岡 央 佐伯 和人 大竹 真紀子 白石 浩章 本田 親寿 石原 吉明
雑誌
日本地球惑星科学連合2021年大会
巻号頁・発行日
2021-03-24

Smart Lander for Investigating Moon (SLIM) project will demonstrate a “pin-point” landing within a radius of 100 m on the lunar surface. It will be launched in FY2022. The SLIM aims “SHIOLI” crater (13.3º S, 25.2º E) to derive the detailed mineralogy of the olivine-rich exposures to investigate the composition of the lunar mantle or deep crustal material, and understand their origin. The Multi Band Camera (MBC) is the scientific instrument on board SLIM lander to obtain Mg# (= molar Mg / (Mg + Fe)) of lunar mantle materials. The MBC is composed of a Vis-InGaAs imaging sensor, a filter-wheel with 10 band-pass filters, a movable mirror for panning and tilting, and an autofocus system. The MBC observes the boulders and regolith distributed around the lander. Since various distances to the objects are expected from a few meters to infinity, the MBC is equipped with an auto-focus (AF) system. The MBC uses the jpeg compression technique. An image with maximum sharpness taken in a best focus position will have the largest image file size after JPEG compression. Using this characteristic, the AF algorithm is designed to automatically find the focus lens position that maximizes the image file size after jpeg compression. Our AF system has been tested using the Engineering Model of MBC (MBC-EM). The imaging target is a picture of lunar surface obtained by previous spacecrafts and basaltic rocks from Hawaii. Our results suggest that the amount of initial movement is important parameter. In the presentation, we will show the results of AF system, and MBC operation plan.
著者
佐藤 広英 吉田 富二雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.559-566, 2008-02-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

The effects of anonymity on self-disclosure were investigated in a CMC (computer-mediated communication) situation by separately manipulating the anonymity of the self and the other. It was hypothesized that anonymity of the self would enhance disclosure, whereas anonymity of the other would decrease it. Female undergraduate students (n=60) were randomly assigned to a 2 (self: anonymous or non-anonymous)×2 (other: anonymous or non-anonymous) experimental design. The anonymity of the self and the other was manipulated in the profile, such as the photo, name, and sex of the self or the other, on the computer screen. The results indicated that anonymity of the self decreased the feeling of anxiety, but had no effect on disclosure, whereas anonymity of the other decreased the feeling of closeness and decreased the intimacy of disclosure.
著者
山本 輝太郎 佐藤 広英
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.183-191, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
21

本研究ではオンライン掲示板でのコミュニケーションにおいて,ファシリテーション的介入が参加者に及ぼす影響を実験的に検討した.「深海には,絶滅したと思われている古代の生物の子孫がまだ生き残っている」「銀河系内には地球と同じような生命を持つ惑星が存在する」という科学的な内容に関連する二つのトピックを設定し,ファシリテーションの有無を条件として実験参加者に議論をさせた(ランダム化比較試験).ファシリテーター役は毎日,その日の議論を整理するなどの介入を行った.実験の結果,ファシリテーションありの掲示板ではなしの掲示板と比較して参加者の攻撃的なコメントや集団極性化が抑制され,批判的思考態度が向上した.オンライン掲示板におけるファシリテーションの有効性が示唆された.
著者
佐藤 広
出版者
[西郊民俗談話会]
雑誌
西郊民俗 (ISSN:09110291)
巻号頁・発行日
no.254, pp.1-8, 2021-03
著者
水谷 仁 高橋 眞智子 清水 正之 刈屋 完 佐藤 広隆 芋川 玄爾
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.457-461, 2001-08-01 (Released:2010-09-02)
参考文献数
15
被引用文献数
14 14

アトピー性皮膚炎は,環境抗原に対する湿疹反応とともにIgEの産生過剰を伴うアレルギー性の免疫異常のほか,臨床的に乾燥性皮膚といわれる病態を示す。これは,皮膚バリアー機能に重要な役割を果している角質細胞間脂質であるセラミドが,顕著に減少していることによっていると推測されている。このことは減少したセラミドを外から補うことにより,バリアー機能が改善される可能性があり,さらにはアトピー性皮膚炎の改善が期待できる。天然セラミド2の類縁体である合成擬似セラミドを8%配合したクリームを外用することによる,アトピー性皮膚炎患者の乾燥皮膚に対する効果について,10%尿素クリームを対照として比較検討した。対象はアトピー性皮膚炎患者19例で前腕皮膚へ塗布し,皮膚所見及び総合判定により有用性を判定した。その結果,合成擬似セラミドを8%配合したクリーム使用群はその68%に有用性を認め,対照クリームとの比較でも有意な差を持って有用であった。さらに本試験開始前にダニの貼付試験で陽性であった4例について,試験製剤を4週間使用後に再度貼付試験を実施した。その結果,合成擬似セラミドを8%配合したクリーム使用群では4例すべてが陰性となり,バリアー機能が向上したと考えられた。以上より合成擬似セラミドを8%配合したクリームは,アトピー性皮膚炎患者皮膚に対する日常的なスキンケア剤として有用な製剤であると考えられた。
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.26-34, 2016
被引用文献数
2

本研究の目的は,ソーシャル・ネットワーキング・サービス上での自己情報公開を規定する心理的要因を検討することであった。mixi利用者1,051名を対象にウェブ調査を実施し,プロフィール上での自己情報公開や,情報プライバシーなどの心理的要因に関する項目に回答するように求めた。その結果,自己の属性情報(e.g., 性別),識別情報(e.g., 本名)への情報プライバシーが低いほど,不特定他者への自己情報公開数が多く,また,プロフィール上の自己表出性が高かった。一方,人気希求,犯罪被害へのリスク認知が高いほど,プロフィール上の自己表出性が高かった。
著者
中澤 洋三 坂 尚憲 山﨑 雅夫 佐藤 広顕
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.476-482, 2017-09-15 (Released:2017-09-22)
参考文献数
20
被引用文献数
2

エミュー肉は,アメリカやオーストラリアにおいて,健康的な食材として流通しているが,その加工特性は不明な点が残されている.本研究は,エミュー肉を使ったフランクフルトソーセージ製造のための化学的および加工特性を明らかにすることを目的とした.豚もも肉と比較し,エミューもも肉は,高タンパク質であるが,コレステロールを含む脂質の量が顕著に低かった.また,エミューもも肉は豚もも肉よりも6倍多くの鉄を含んでいた.エミューのひき肉に塩を加えたところ,塩溶性タンパク質の溶出が低かったが,得られた加熱ゲルは高いゲル強度を示した.発色剤によって発色されたエミュー肉糊の色は,豚肉のそれと比較し,加熱に対し安定性を示した.これらの結果を基に,最適化した方法で調製したフランクフルトソーセージは,良好な物性と色調だけでなく,高タンパク,高鉄分,低脂質,低塩分および低カロリーを示す製品であった.
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.211-216, 2021 (Released:2021-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1

This study investigated the relationship between privacy consciousness for others and disclosing others’ information on Twitter. A model was developed based on a previous study in which this relationship was mediated by concern for others’ privacy on Twitter. 153 undergraduate participants who were regular Twitter users were asked to respond to a questionnaire inquiring about disclosing information about friends and acquaintances on their Twitter accounts during the past month. Participants also responded to scales assessing consciousness about others’ privacy and concerns about others’ privacy on Twitter. As expected, the results supported our predictive model. However, there was no significant direct relationship between privacy consciousness for others and disclosing others’ information on Twitter.
著者
松井 清夫 坂本 弘 堀尾 清晴 佐藤 広文
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.693-698, 1978-12-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
12
被引用文献数
3 2

騒音暴露時の副腎皮質機能変動に関しては機能上昇と低下の所見が交錯して報告されている。それは暴露音の強さと暴露時間の差異にもとづくのではないかと推察される。本報では広帯域騒音を60, 80, 100dB (c) で8時間暴露し, その経過中の数時点で副腎重量, 副腎中11-OHCS濃度および cholesterol 濃度を測定した。また, 8時間暴露後15分間無騒音の状態においた後に15分間100dB (c) の騒音に再暴露して, 同様の観察項目の測定をおこなった。さらに, 8時間暴露終了直前にACTHまたは histamine を投与し, それらに対する副腎反応性も観察した。次のような結果を得た。1) 騒音暴露により副腎11-OHCS濃度は急速に上昇し, 15分で最高値に達した後ただちに低下し対照群と同一水準に復帰する。暴露がなお継続されているが, 復帰後は対照群と同様に正常日内変動リズムを示す。2) 8時間暴露終了時点における副腎11-OHCS濃度は, 対照群および各音強暴露群間で有意の差は認められなかった。3) 8時間暴露後15分間無騒音の状態においた後に100dB騒音を15分間再暴露すると, 80dB群では副腎11-OHCS濃度は再び上昇する。しかし, 8時間100dB暴露群では有意な上昇はみられなかった。4) 8時間暴露終了直前にACTH投与をおこなうと, 対照群および各暴露群ともに副腎11-OHCS濃度は有意に上昇した。5) 8時間暴露終了直前に histamine を投与すると, 対照群, 60dB暴露群および80dB暴露群では副腎11-OHCS濃度は有意に上昇するが, 100dB暴露群では上昇がみられなかった。6) 副腎中 cholesterol 濃度は, 8時間暴露終了時頃80dBおよび100dB暴露群で有意な減少がみられた。7) 副腎重量はすべての実験および群で有意な変化はみられなかった。以上の結果から, 副腎皮質機能日内変動とストレス反応とでは支配中枢が異なること, 強音暴露時にはストレス反応がみられるにとどまらず中枢支配状況の異常が出現することについて考察した。
著者
中村 正 佐藤 広隆 芋川 玄爾 宮地 良樹
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.264-269, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

アトピックドライスキンに対するスキンケア剤使用の有用性を検討するために, 洗浄剤, クリーム及び入浴剤を用いて使用試験を行った. その結果, 角質層セラミド量の増加による皮膚バリア機能の回復が認められた. また, 試験前後の肌状態を観察した結果, ほとんどの症例において乾燥の改善が見られるなど多くの被験者で肌状態の改善が認められ, 高い有用性を示すことがわかった. また, 本試験品に起因する副作用は認められなかった.以上より, 本スキンケア剤は, 日常のスキンケアにおいてアトピックドライスキンの皮膚機能を回復し, 症状の緩和及び悪化防止に有用であることが明らかとなった.
著者
山中 正義 石川 治 高橋 昭彦 佐藤 広隆 芋川 玄爾
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4-5, pp.278-285, 2001 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15

1998年10月から2000年3月にかけて群馬大学医学部附属病院皮膚科を受診したアトピー性皮膚炎患者17例に対して, 「キュレル (R) 薬用クリーム」の臨床試験を実施した。本試験剤はセラミド類似の合成脂質とユーカリエキスを配合したことを特徴とするスキンケアクリーム (医薬部外品) である。6週間の使用試験において, 17例全例において有用性を認めた。また試験剤使用部位の角層内水分量, 経皮水分蒸散量を測定したところ, 試験前と6週間使用後の平均値の差がそれぞれ13.23μS, -7.61g/m2/hr改善されており, 対照剤として用いた20%尿素軟膏との比較でも有意に改善されていた。これらの結果から, 試験剤である「キュレル (R) 薬用クリーム」は皮膚保湿性と皮膚バリア能の改善に優れ, アトピー性皮膚炎患者の無疹部に対するスキンケア剤として有用であると考えた。
著者
西田 清一郎 佐藤 広康
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.638-642, 2011 (Released:2011-12-27)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は,耳鳴りを主訴に来院した70歳の男性。釣藤散の服用後,耳鳴りは,約10ヵ月で改善しそれまでにあった頭痛も改善した。しかし,釣藤散を減量後に,それまで見当たらなかった高血圧症が,みられるようになった。再度,釣藤散を通常量に戻したところ,投与開始日から,速やかに高血圧の改善を認めた。高齢者の耳鳴りを釣藤散はよく改善する可能性がある。また,本例から,釣藤散は,高血圧の程度が軽度で,深刻な合併症がない症例であれば,患者の随伴症状の治療とともに,投与でき,その降圧作用は,即時的に表れる可能性が示唆された。
著者
眞竹 昭宏 佐藤 広徳 三浦 朗 佐藤 陽彦 福場 良之
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.16-21, 2003-02-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
29
被引用文献数
6 5

咬合力の低下は顎顔面領域の成長を抑制し, その顎顔面領域の疾病のみならず, 全身の身体健康や機能障害を招く一因となっていることが憂慮されている. そこで本研究では, 咬合力を発揮する咀嚼筋の中で最も形態的に大きく, 強大な力を発揮するといわれる咬筋に着目し, 超音波法を用いた左右咬筋の弛緩時および緊張時における横断面積と, ストレインゲージによる一歯間の咬合力測定を行い, 咬筋の筋横断面と咬合力との関係について検討した. 咬筋が咬合力を発揮する緊張時の形態的変化として, 筋厚, 筋横断面積が増加し, 筋幅が減少するといった特徴がみられた. また, 最大咬合力は右側で683.7±204.9N (CV=0.299), 左側で693.6±208.7N (CV=0.300) であり, 有意な左右差はみられなかったものの, 左右ともにその標準偏差および変動係数から, 個人差の大きいことがうかがえた. さらに, 咬合力と左右全ての咬筋形態計測値との間で有意な正の相関がみられ, 咬合力の発現には咬筋形態の大きさが影響していることが示された.
著者
相根 義昌 中川 純一 戸枝 一喜 佐藤 広顕
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.298-306, 2013-09-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
14

食材の香りと風味は,食材に含まれる複数の化合物が人の感覚器によって検出されることによって生まれる.したがって,香りや風味を機器分析によって評価することは困難とされてきた.しかし,人による官能試験と機器分析を組み合わせた方法で香りや風味を評価できる可能性がうまれてきた.一方,好まれる食材の香りを生み出すためには,香りや風味に関わる化合物がどのように合成されるかを解明することが必要である.本稿では,香り成分の視点から,発酵食品中の化合物とその代謝経路,植物の香りに関わる遺伝子の研究について紹介する.