著者
中里 裕臣 佐藤 弘幸
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.251-257, 2001-06-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
51
被引用文献数
20 29

下総層群は,年代値の得られているテフラの対比および酸素同位体比曲線との対比から約45万年前~8万年前の年代を占める.各累層境界は陸成層や不整合の存在から海面低下期に対応する.千葉県の木更津-姉崎地域で確立された下総層群の標準層序は,テフラの追跡・対比により木更津市以北の千葉県北部全域に適用できる.成田市-東金市以東の千葉県北東部において,従来上総層群に対比されていた塊状シルト層の上部は,テフラの対比によって地蔵堂層に対比され,その堆積深度はより南西側の地蔵堂層に比べ深い.したがって,地蔵堂層堆積期までには,この地域における“鹿島”隆起帯の顕著な活動は認められない.さらに,下総層群の各累層基底面等高線図から,これらの面の傾動速度の経時変化を求めると,地域によって違いが認められる.その境界は千葉-八潮断層の延長線,成田-多古を結ぶライン,利根川沿いにあると考えられ,鹿島-房総隆起帯の運動にブロック化が認められる.特に千葉県北東部は藪層堆積期に急激な傾動を受けた.“鹿島”隆起帯が顕在化する時期は藪層堆積期であり,その影響によりこの地域ではバリヤー島システムが形成された.

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著者
佐藤 弘三
出版者
色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.558-569, 1982
著者
佐藤 弘子 菊地 幸代 久保田 妙子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.755-761, 2003

当院における従来の感染対策マニュアルの活用状況を調査, 分析することで, 感染対策新マニュアルの作成を行った。それをもとに職員勉強会を実施, 感染対策への職員の意識づけを目的とした。<BR>感染防止対策は医療の急速な発展, 高度化に伴い, 日々変化している。当院では早期より感染対策マニュアルを作成, 修正が行われてきたが, 活用されない現状があった。そこで, 従来のマニュアルの活用状況をアンケート調査 (n=447) し, マニュアルが活用されない原因を分析した。従来のマニュアルは, 古い, 分厚い, 読みづらいと不評であったが44.7%の人が活用していた。55.3%の活用していない人は, 見てもわからない, 必要時上司, 同僚に聞くと答えている。これらの分析結果をふまえ, 約6か月間を費やし, 理解しやすく, 活用しやすい新マニュアルを作成した。職員全員に1冊ずつ手渡し, 新マニュアルをもとに職員勉強会を実施した。新マニュアルの紹介, 院内感染の定義, ユニバーサルプレコーションについて, 手洗いの仕方, 手袋, マスクのつけ方の実技を行い知識の確認を行った。パネルディスカッション形式で行われた勉強会は出席者が多く, 感染対策への関心の高さを感じた。この勉強会を行ったことで職員の感染対策に対する意識を高めることができた。また, 新マニュアルを学ぶことにより全てのスタッフに院内感染防止の重要性を理解してもらうよい機会となった。
著者
石屋 博樹 千田 浩一 斎 政博 佐藤 弘之 有馬 宏寧 佐々木 正寿
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, 1993

透視条件下において、X線アナライザの管電圧測定値と実測値はほぼ一致した。また、線量率測定に於いて、X線アナライザ2機種共に低い管電圧側で基準線量計の値より低い値を示し、管電圧が高くなる程、基準線量計の値に近づいた。今回の測定では、低い管電圧の時、線量率及び管電圧の測定が不能になったり、線量率の測定値が低くなったりするものもあったが、この原因としてはX線アナライザの測定レンジの下限を越えたためか、又は、検出限界ぎりぎりのところで測定したために起こったものと考えられる。以上より、X線アナライザは、透視条件という低いX線出力下においても、測定レンジの範囲内では充分QCに使用可能であると思われた。
著者
内山 隆啓 佐藤 弘喜
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.266, 2012 (Released:2012-06-11)

プロダクトデザインにおいて書体は重要な要素である。本研究の目的は書体の印象と製品の印象の関係を明らかにしてその要因を探ることである。まず、書体の印象評価実験を行った。33種類の欧文書体と12組の評価項目を選定し26人の被験者に評価させた。因子分析により3つの因子が抽出され、それぞれの書体の印象が明らかになった。次に、書体と製品のイメージの相性を調べる実験を行った。被験者には製品のイメージと書体のイメージがどの程度合うかを5段階で評価させた。今回は10種類のイスと15種類の書体をサンプルとして選定した。結果、コレスポンデンス分析によりいくつかの傾向が見られた。
著者
木村 容子 佐藤 弘 伊藤 隆
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.22-28, 2018 (Released:2018-07-04)
参考文献数
20

片頭痛の治療では発作時の痛みだけでなく,ストレス,月経,疲れなど誘発・増悪因子の治療も重要である。陰虚証で過度の疲労や寝不足,更年期症状などが重なると気血両虚を背景として月経後期に頭痛が起こるがある。全体の経血量が多くない場合でも月経2-3日目で比較的多く出血した後,月経4-5日目から起こる頭痛に補気補血作用のある十全大補湯が有効な症例を経験した。症例1から4を具体的に提示する。症例1では日々の服用を温経湯から十全大補湯に変更し,他の症例では月経期間の7日間のみ,十全大補湯を当帰四逆加呉茱萸生姜湯に追加(症例2)あるいは当帰芍薬散から十全大補湯に変更(症例3-4)した。十全大補湯で月経後期の頭痛が改善した9症例では,冷え(9/9例),易疲労感(9/9例)や乾燥症状(7/9例)を認めた。月経後期の片頭痛には十全大補湯が有効な場合があるが,投与量や服用期間は気血両虚の程度で調整する必要がある。
著者
佐藤 弘隆
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.273-296, 2016 (Released:2018-01-31)
参考文献数
51
被引用文献数
4

2015年,文化庁は「山・鉾・屋台行事」をユネスコ無形文化遺産に再提案することを決定した。この行事は「地域社会の安泰や災厄防除を願い,地域の人々が一体となり執り行う」点に価値が見出されており,日本各地で本登録に向けて盛り上がりをみせている。しかし,現代都市の人口変動は「山・鉾・屋台行事」をはじめとする伝統的な都市祭礼の継承を困難にしている。本稿では都市祭礼の継承のあり方を示すために,都市祭礼の運営基盤を社会・経済・場所的側面から調査する。事例とした都市祭礼は京都市都心で行われる祇園祭の山鉾行事である。山鉾33基の運営基盤の現状とその変遷が統計資料の分析やフィールドワークを通して明らかにされた。山鉾を持つ町内は同じ都心に複数あるが,それらは等質でなく,それぞれの人口や土地利用の現状に差異がみられる。そして,山鉾行事の運営基盤もそれにともない再構築され,多様化していった。都市の変容にともなう祭礼の運営基盤の再構築は,その継承につながっており,全国の都市祭礼の継承を考えるうえで重要な視点となる。
著者
稲木 一元 杵渕 彰 石野 尚吾 江川 充 佐藤 弘 青山 廉平
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.73-80, 1986-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
40

加藤謙斎 (1669~1724) と『医療手引草』について, 謙斎の『縦衡良方』自序と『手引草』により検討した。謙斎の医学は, 治療効果を常に重視するもので, 素問霊枢は, 基礎的な臨床技量を持った後で読むべきものと位置づけられていた。謙斎の師は, 張〓路玉と北山友松子だと自から言うが, 書の上のことである。なお名古屋玄医とは近い関係にあったらしい。『医療手引草』の成立には, 謙斎の子の玄順の比重が極めて大きいと思われた。次に, 目黒道琢『餐英館療治雑話』への引用を検討した。その結果, 日本の諸家の引用中, 謙斎は, 香月牛山, 和田家に次ぎ第3位だったが, 傷寒論・金匱要略の処方を扱った上巻では和田家とともに第1位だった。また謙斎に対して敬語の使用された部分があった。内容でも, 治療原則の引用部分があった。以上より, 目黒道琢が, 謙斎と『手引草』から受けた臨床的影響は少なくないと思われた。
著者
阿比留 卓也 佐藤 弘明 小田 昌史 永井 秀利 江島 俊朗 木村 伸行 木原 由光
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成24年度電気関係学会九州支部連合大会(第65回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.586, 2012-09-14 (Released:2014-12-17)

我々は,多様な動作が可能な5指ロボットハンドを用い,判別された筋動作とハンド動作とを対応付けることで,柔軟な対応能力を持つ筋電義手の開発を目指している.従来の研究では,筋電信号のWavelet解析結果に基づいて構築した判別空間上で,各動作のサンプル分布がPetal構造を成すことを示した.筋電義手利用者のQOLを高めるには,残った筋から得られる情報により,できるだけ多くの随意動作を判別可能にすることが望ましい.一方,装着の手間等を考えると,表面筋電計測位置は少ないほうがよい.そこで本稿では,Petal構造上でのクラスタ間の分離性評価により,判別可能な動作数の最大化と電極数の最小化とを図る手法を提案する.
著者
蛯子 慶三 高田 久実子 伊藤 隆 木村 容子 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.402-406, 2018 (Released:2019-08-01)
参考文献数
3

当研究所では寒証に対して面状電気温熱器を用いた置鍼治療を行っている。腰背部8ヵ所に置鍼後に面状電気温熱器を被せ,6段階に温度調節できるダイアルのうち2番目に熱い5チャンネルで20分間加温する本法を,寒証の治療および検査として用いている。加温途中で熱さを不快に感じたときには,治療目的で用いた場合は温度を下げて継続,検査目的で用いた場合はその時点で終了としている。2016年3月から10月までの8ヵ月間に実施した75例(224件)を対象に有害事象を調査したところ,皮膚表面のヒリヒリ・チリチリした感じが5件(2.2%),かゆみが3件(1.3%),体調不良が1件(0.4%)みられたが,いずれも一時的なものであり,重篤な有害事象は認めなかった。結果より,本法の安全性は高いと考えられた。漢方と鍼灸の臨床研究に繋げていくことが今後の課題である。
著者
佐藤 弘起 佐藤 和弘
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.204-209, 2007 (Released:2011-08-25)
参考文献数
9

画像のエッジ部分には,画像の特徴を決める重要な情報を多く含んでいる.そこで,画像の凹凸情報を正規化した凹凸係数と名付けた関数を用い,画像のエッジ検出や2値化処理を行った.凹凸係数は,演算対象画素の輝度値を,その周辺に位置する数画素平方の画素の平均輝度値で除算したもので,照明条件などの要因で局部的に画面の明るさが変化しても,画像の濃度変化を正確に抽出できる.その結果,従来のフィルタ処理では実行し難かったシェーディング画像の2値化処理も正確に行うことができるなど,大きな特徴を出せることがわかったので報告する.
著者
佐藤 弘樹 山下 浩樹 関 公輔 佐藤 英雄
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.84-90, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
15

【目的】側臥位における下側肩甲骨の位置について,端座位と比較し,検証することである。【対象】身体に整形外科的疾患がない健常男性9名(年齢:23.7±1.4歳,身長:172.0±2.2㎝,体重:66.7±7.6㎏)とした。【方法】吉田らの方法を参考に,肩甲骨の位置を測定した。測定肢位は,①端座位上肢下垂位,②端座位左肩関節45°屈曲位,③端座位左肩関節90°屈曲位,④左側臥位左肩関節45°屈曲位,⑤左側臥位左肩関節90°屈曲位の5条件とした。統計処理は,5条件における4距離の平均値についてTukey-Kramerの多重比較検定を用いて比較した(有意水準は5%未満)。【結果】側臥位では端座位と比較して(②と④,③と⑤),肩甲骨が挙上,外転,上方回旋することが示された。【結語】側臥位における下側肩甲骨位置の特性から,ポジショニングの方法に応用が可能と考える。
著者
佐藤 弘三
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.800-812, 1996 (Released:2007-07-09)
参考文献数
36
著者
笠井 ゆきひ 佐藤 弘喜
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.186, 2017 (Released:2017-06-29)

美味しそうな印象を「シズル感」と呼び,一つのキーワードとする。フォントから得られる視覚情報によって「美味しそう」と消費者に感じさせるには,どのような表現技法が有効かを明らかにすることが本研究の目的である。まず、食品のパッケージデザインや書き文字制作をしている日置恵氏にインタビュー調査を行い,現行の美味しそうな文字の表現技法を調査した。インタビューから、文字は点と線で構成されており、その形を味覚イメージや食品の形・質感に寄せることでシズル感に繋がるということが理解できた。実験1では、どのような画像の特徴がその食品の美味しさを表しているのかを考察する目的で、美味しそうに見える食品の画像を選定した。実験とインタビューの結果から,ごはん,ハンバーグ,サラダ,りんごの画像から受ける美味しそうな印象は「色」「艶」「かたち」が大きく影響することが明らかとなった。実験2では、どのようなフォントの特徴がその食品の美味しさを表しているのかを考察する目的で、食品の美味しさを感じられるようなフォントを求めた。実験とインタビューの結果から,フォントの形や質感が様々な印象を与えることが明らかとなった。
著者
木村 容子 清水 悟 杵渕 彰 稲木 一元 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.897-905, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

緒言:桂枝湯エキスと麻黄附子細辛湯エキスの併用が有効な冷えのタイプを検討した。症例提示:麻黄附子細辛湯エキスに桂枝湯エキスを追加して,胃もたれの軽快とともに,長年の冷えも改善した一例を挙げた。この症例を参考にして当初より同処方を併用し,症例1は冷え,食欲不振,倦怠感や関節の動きが悪い,症例2は冷え,悪寒しやすい,疲れやすい,胃もたれ,風邪を引きやすいなど,症例3では悪寒を伴う全身の冷えや倦怠感,月経痛などが改善した。対象と方法:冷えを訴え,随証治療にて桂枝湯エキスと麻黄附子細辛湯エキスを投与した患者43名を対象とした。随伴症状,体質傾向や診察所見など52項目を説明変数とし,冷えの改善の有無を目的変数として多次元クロス表分析により検討した。結果:「悪風または悪寒」と「全身の冷え」を含む組み合わせが臨床的に最適な効果予測因子となった。考察:悪寒や悪風を伴う全身の冷えがあり,頭痛を訴え,下痢がない場合に有効な可能性が高い。
著者
佐藤 弘三
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.46-53, 1973-01-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1