著者
佐藤 正典 加藤 哲哉 清家 弘治 伊谷 行
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.30-39, 2016-08-30 (Released:2017-02-07)
参考文献数
25

The scale worm Hesperonoe hwanghaiensis Uschakov and Wu, 1959 (Annelida: Polynoidae) is recorded from eastern Japan, based on four specimens collected from Akkeshi Bay, Hokkaido, and Kashima-nada, Ibaraki Prefecture. In Akkeshi Bay, three specimens (body length of a complete specimen: 40 mm, body width without parapodia: 4.0–4.5 mm), which are the largest of all Japanese specimens including previous records, were found from mud and sand sediments at intertidal flats, where a mud shrimp Upogebia major (De Haan, 1841) was collected simultaneously. In Kashima-nada, a complete mature male specimen (body length: 23 mm, body width without parapodia: 2.7 mm) was collected by dredging at subtidal sandy bottom at a water depth of 7.6 m, where another mud shrimp Austinogebia narutensis (Sakai, 1986) was collected simultaneously. The morphological characteristics of these specimens basically agreed with those of the previous records on the specimens collected from western Japan, with a diagnostic characteristic of the presence of a row of the more conical macrotubercles (up to 28 in an elytron of the complete specimen from Akkeshi Bay, and up to 3 in that from Kashima-nada) on the posterior surface of the elytra in the larger specimen. The present result suggests that the scale worm is commensal with not only U. major but also A. narutensis in its habitats extending from intertidal flats in semi-enclosed inner bays to subtidal bottom in open coasts.
著者
山本 利一 佐藤 正直
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.45-53, 2013

本研究は,中学校技術・家庭科(技術分野)の生物育成に関する技術を指導する際,タブレット端末を学習支援に活用した授業を構築し,実験授業を通してその効果を検証するものである.タブレット端末の特徴である,モバイビリティを活かして,栽培活動の場面において生育方法に関する情報を収集したり,カメラ機能を活用し栽培記録を取りそれらを整理することができる.実験授業では,中学3年生233名を対象にタブレット端末を4時間活用し,その教育効果を検証した.その結果,タブレット端末を利用することで栽培学習に関する興味・関心が高まると共に,栽培技術に関する知識の定着に効果が示された.
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.952, pp.80-83, 1998-08-03

VHSとベータマックス、どちらの技術が優れているのか。ビクター、松下電器、ソニーの3社7首脳が秘密裏に集まって開いた会合の席で、ソニーとビクターはお互いの主張を一歩も譲らず、規格統一どころの騒ぎではなくなった。業を煮やしたソニー会長の盛田昭夫は、松下幸之助にソニーの研究所と量産工場の見学を申し出た。
著者
佐藤 正惠
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第12回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.35-39, 2015 (Released:2015-12-04)
参考文献数
12

日本は世界に類を見ない高齢化社会を迎えようとしており、厚生労働省は日本の医療機関に対し、ベビーブーマー世代が後期高齢者を迎える「2025年問題」に向けたロードマップで、各機関の役割明確化と在宅医療を推進している。 病院内の図書室は、医療法第22条により地域医療支援病院に設置が定められた共同利用施設であり、院内および地域の医療従事者に学術支援を行う役割がある。 また病院内に患者のための図書室(以下、患者図書室)を設置する動きが増加しているが、これは「がん対策基本法」により、がん診療連携拠点病院や自治体には患者への医療情報提供が義務付けられたことや、「健康増進法」制定、患者サービスの一環等の理由による。 病院図書室には、医療における1990年代からの根拠に基づく医療(EBM:Evidence based Medicine)推進の流れを受け、医療従事者や患者への科学的根拠のある情報提供が求められてきたが、一般市民にとっても、健康情報リテラシーの向上は喫緊の課題である。 図書館員の役割として、利用者に積極的に溶け込んで情報サービスを行う「エンベディッド・ライブラリアン」が注目されている。 本稿では、患者図書室の状況や役割を概観し、さらに自治体や公共図書館との連携・患者会や地域などへエンベディッドして活動する図書館員の役割と課題を考察する。
著者
松井 希代子 柳原 清子 佐藤 正美 能登原 寛子 下 綾華 塚本 愛実 中村 優希 西野 ひかり 東 郁江 兵田 亜未 村田 奈穂 元橋 茉佑 森田 恵里 米澤 智亜紀
出版者
ウェルネス・ヘルスケア学会
雑誌
Journal of wellness and health care (ISSN:24333190)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.125-135, 2017

Cancer medicine is becoming more sophisticated and complex, and therefore it is becoming more difficult to care for people at the end of life. This study was performed to identify the nature of positive attitudes to nursing practice of nurses in general hospitals, and to examine their associations with various different factors. The participants were 683 nurses working in 41 wards in eight regional general hospitals. The survey was carried out as an anonymous self-administered questionnaire. Four factors were identified as constituents of nurses' positive attitudes to nursing practice. These consisted of three factors concerning attitudes and knowledge, comprising [The practice of specialist end-of-life specific care], [Making the best arrangements until the end], and [Spiritual care], and one affirmative sentiment, that of [The confidence to nurse someone at the end of life]. The mean score for factors related to knowledge of nursing practice was > 4 points on a 6-point scale, corresponding to "Somewhat applicable," whereas the mean score for the sentiment [The confidence to nurse someone at the end of life] was > 3 points, corresponding to "Not really applicable." In terms of related factors, for all factors other than spiritual care, positive attitudes to nursing practice increased significantly with increasing experience. There was no association with having cared for a dying family member. Although having experienced an educational opportunity was not associated with the practice of case conferences for deceased patients, it was significantly associated with the experience of having been able to talk at length about the care they had provided and their own thoughts in venues such as case conferences, receiving recognition by colleagues at their own level of seniority or above, and reflection. Improving nurses' positive attitudes to nursing practice in end-of-life care in general hospitals, therefore, depended not on personal characteristics, such as having taken care of a dying family member, but rather on having repeatedly overcome difficulties in the course of nursing experience. Talking at length about care and expressing one's own thoughts, receiving recognition from colleagues at one's own level of seniority or above, and reflection on nursing practice were all important in this process.がん医療が高度・複雑化し、結果、人々が「死」を看取っていくことが難しくなっている。本研究の目的は、総合病院における看護師のがん終末期の実践への肯定感はどのようなものかを明らかにし、要因との関連を見ることとである。対象は地方の 8 つの総合病院 41 病棟683 名の看護師である。自記式質問紙調査を行い、看護師の実践への肯定感は 4 因子の構造として見いだされた。それは【終末期固有の専門的ケア実践】、【最期までの最善の調整】、【スピリティアルなケア】という実践への態度や認識と、【最期を看取っていく自信】という肯定的心情であった。実践への認識の平均値は 6 段階中 4 点台で、「どちらかといえばできる」レベルであり、【最期を看取っていく自信】の心情は 3 点台で「どちらかといえば自信がない」であった。関連要因では、スピリティアルケアを除く全ての因子で、経験年数が増すと実践への肯定感が有意に高まっていた。また、身内の死の看取り経験は関連がなかった。一方、教育的働きかけを受けた経験との関連は、デスカンファレンス実施の有無とは関係がなかったが、自分の行ったケアや思いを十分に語った経験、先輩や同僚に認められた経験、そしてリフレクションが有意に関係していた。つまり、総合病院の終末期ケアにおいて、看護師の実践への肯定感の高まりは、身内の死の看取りなどの個人的特性ではなく、看護経験の中で、困難感からの転換の形で積み重ねられていた。その過程では、ケアや思いを十分に語り、先輩や同僚に認められ、そして実践をリフレクションすることが重要となる。
著者
佐藤 正雄 福田 俊平
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.71, no.805, pp.101-104, 1963 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

Experiments were made to prepare yttrium iron garnet (Y3Fe5O12) single crystals in molten YF3-PbF2 solutions. The solubilities of Y2O3 in YF3 were obtained by differential thermal analysis, and those of Fe2O3 in PbF2 in air by chemical analysis of quenched specimens.Mixtures of Y2O3 and Fe2O3 were dissolved in YF3-PbF2 solutions at 1300°-1350°C and then the solutions were cooled at the rate of 4-10°C/hr to prepare yttrium iron garnet single crystals.Spacings of these crystals were compared with those of crystals prepared by the other methods.
著者
佐藤 正之
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.615-627, 2017-06-01

失音楽症(amusia)の報告はこれまでに100例足らずで,障害半球として左,右,両側が報告されており,言語機能のように側性化は明確でない。そのうち,音楽能力の選択的障害を生じた純粋失音楽症(pure amusia)は9例で,共通する責任病巣として右上・中側頭回が含まれる。症状との対比から同部位は,メロディの受容と表出に関与していると考えられる。脳の後天的障害により音楽の情動経験のみが障害された病態が存在し,2011年に筆者により音楽無感症(musical anhedonia)と命名された。音楽無感症は自験2例を含めこれまでに4例が報告されており,右側頭葉から頭頂葉にかけての皮質下が共通して障害されていた。音楽無感症の病態機序として,右側の聴覚連合野と島との離断が考えられた。音楽心理学の研究者から,健常者への検査結果に基づいた先天性失音楽症(congenital amusia)や先天性音楽無感症の報告が相次いでいる。用語や疾患としての妥当性を含め,さらなる検討が必要である。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.967, pp.78-81, 1998-11-23

国内のベータマックス陣営とVHS陣営の覇権争いは、米国へ飛び火した。米最大のテレビメーカー、ゼニスをソニーがベータマックス陣営に引き入れると、松下電器はゼニスと並ぶメーカーであるRCAをVHS陣営に引き込むことに成功した。一方、欧州市場の開拓はまず、ビクターのビデオ事業部長、高野鎭雄が指揮した作戦が功を奏する。
著者
齋藤 司 相澤 仁志 澤田 潤 油川 陽子 片山 隆行 長谷部 直幸 林 恵充 安栄 良悟 佐藤 正夫 程塚 明
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.133-137, 2009-11-25 (Released:2010-03-29)
参考文献数
8
被引用文献数
6 1

【背景・目的】小脳梗塞の臨床的特徴を検討し,初期診療上の問題点を明らかにする.【方法】2006年1月1日から2008年12月31日までの3年間に,旭川医大病院Stroke teamが診療した脳卒中患者514例のうちの小脳梗塞患者22例(4.3%)を対象とした.【結果】典型的な小脳症状を全く呈さない症例,あるいは一つのみ呈する症例が8例(36.4%)見られた.3例が救急車を利用し発症後3時間以内に受診したにもかかわらず,当初小脳梗塞と診断されず神経内科や脳神経外科以外の病棟に入院した.その3例はいずれもめまいを主訴とし,構音障害と歩行障害が見られなかった.その他2例を合わせ全体の22.7% にあたる5例が,Stroke teamによる初期の診察を受けておらず,それが当初小脳梗塞と診断されなかった要因の一つと考えられた.【結論】めまいや嘔吐を主訴とする場合は,常に小脳梗塞である可能性を考慮する必要がある.Stroke teamによる早期の正確な神経学的診察が重要である.
著者
久島 英二 佐藤 正広 沖 守 秋元 成太 富田 勝
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.750-753, 1990

血液浄化用Double Lumen Catheter(以下DLCと略す)の問題点として、血栓および位置不良による血流不良が挙られる。我々はそれらを解決するため回転式DLCにスライド式(抜去)の改良を加えた回転スライド式DLCを考案し、その臨床試作を試みた。その構造は従来の固定式と異なり、DLC本体が360度回転し、かつ抜去可能なスライド式になっている。このカテーテルを用いて、血流不良時に対する有効性について検討した。血流不良は、体位変換等により一時的に認められたがDLCの回転あるいはスライドにより容易な対処が可能であった。また、血流不良が頻回に生じる場合では、スライド式が効果的であった。なお、血栓が原因と考えられる血流不良での対処は、スライド方式により一部改善を認めたが血栓が内腔にまで及んだ状態(完全閉塞)での対処は困難であった。以上より、本カテーテルは、血流不良時の対処法として効果的であり、今後十分臨床に応用できるDLCであると判断された。