著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.991, pp.112-115, 1999-05-17

8ミリビデオは1983年3月に世界規格が大筋合意したことから、各社とも製品化に向けて走り出した。しかしなぜか自社ブランドでの製品投入には二の足を踏んでいた。既存のユーザーに「あのメーカーは2分の1を切り捨てて、8ミリに走った」との印象を与えたくなかったためだ。 互換性も問題だった。各社ともカメラとビデオのマッチングに苦労していた。
著者
佐藤 正明
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

翻訳論、メディア論、精神分析を理論的に結びつけることを目指した本年度の研究では、フリードリヒ・キットラーのテーゼ「文字が保存するものは、ただ文字のみなのであり、それ以上でもそれ以下でもない」(『グラモフォン・フィルム・タイプライター』)に注目し、「翻訳が保存するものは、オリジナルではなく、ただ翻訳のみである」という仮説を立てることから出発した。メディア論の観点に立てば、文字という物質が記録しているのは、その背後に広がるアイディアの世界ではなく表面の文字だけであり、読み手がそこから読み取る意味と厳しく峻別されなければならない。同様に、「翻訳」と呼ばれる文字列が記録しているのは「翻訳されたもの」だけであり、その媒体の中に「翻訳されるべきもの」であったオリジナルは含まれていない。原文と翻訳の「等価性」や「誤訳」の問題は翻訳論で常に焦点を当てられてきたが、そこでは二つのテクストの連続性が前提され、かつ要求されている。これに非連続性、恣意性を対置させることで、翻訳論は精神分析的なダイナミズムへの広がり獲得する。原文の刺激に由来しつつもそこから断絶されて別の言語体系に現れた「翻訳」は、その国語に運動をもたらし、話者を新たな連想の連鎖に置くことができる。このとき翻訳は、原文の代理としての「翻訳されたもの」ではなく、独自の(シニフィアンの)論理に従って振舞う(話者/主体を)「翻訳するもの」となる。フロイトの用語において「翻訳」は「解釈」の意味で使用されることがあるが、彼が「翻訳/解釈」によって目指していたのは真理としての原文の正しい再構成ではなく、翻訳の連鎖としての連想が先に進むことだけである。ラカンが日本語の特徴として名指した「永遠の翻訳」とは、漢字というフェティシズム化された対象のまわりで「翻訳するもの」が循環してしまい、機能不全に陥った状態を指すといえる。
著者
佐藤 正隆
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.51, no.464, pp.1235-1242, 1985-04-25

著者は以前従来のネゲントロビの定義を変更してエントロビ差による定義を提案したが,これは孤立系に基づくもので,一般の状況下にある系に適用するには更に定義の変更が必要になる.本報ではKullback-Leiblerの情報量による定義を提案し,これによるネゲントロビが正値性や非平衡性,仕事の可能性を表すことを示し,さらにエクセルギを導くことを見た.拡張されたネゲントロビは,その一部として拡張前の懸念を含んでいる.
著者
佐藤 正隆
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.53, no.493, pp.2863-2868, 1987-09-25

The capacity of negentropy is the maximum negentropy that a system can have. For example, the negentropy contained by a cylinder-piston system becomes larger as the piston is moved inward, but practically it has a maximum, namely, the capacity of negentropy. Generally, capacity represents a certain type of macroscopic order (capacity-type of order) which comes from the relation between molecules, and without this type of order, negentropy cannot beheld by a system. Capacity-type of order is regarded as a pattern which has the property of recovering its origin in thermodynamic situations, and the order may be destroyed by negentropy which exceeds the capacity. Although nonequilibrium-type of order, which is represented by negentropy, differs from the capacity-type of order, they are intimately related with each other. The general definition of the capacity is made in a statistical-mechanical manner based on negentropy defined by Kullback-Leibler information.
著者
山本 利一 鳩貝 拓也 弘中 一誠 佐藤 正直
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.21-29, 2014

本稿は,小学校におけるコンピュータによるプログラム学習を推進するために,プログラミング言語のScratchとそれらの制御対象物であるレゴエデュケーションWeDoを活用して,基本的な知識と技能を習得する指導過程を検討した.授業実践の結果,小学4年生の児童は,プログラムの基本的な知識と技能を習得し,プログラム作成の課題をクリアすることができた.また,これらの学習を通して,プログラムに関する興味・関心が高まった.

1 0 0 0 OA 魚醤

著者
佐藤 正美
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.135-139, 1993-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
12

ここ数年, 魚醤の需給及び製造に関する問い合わせが急増している。これは, 東南アジア方面からの移住者の増加による, いわゆるエスニック料理のブームが大きく影響しているものと思われる。幻の魚醤となってしまった「いかなご醤油」の復元に成功された著者に魚醤について解説していただいた。
著者
田辺 仁志 中山 忠三 浅山 哲 内海 進 栗栖 弍彦 市川 吉夫 河合 孝 鮎沢 千尋 河原畑 勇 福原 敏彦 橋本 陽子 久保 正太郎 楠野 正夫 中村 二郎 宮沢 左門 有賀 久雄 宮島 成寿 今井 退 小田 常治 川森 郁郎 川瀬 茂実 石川 義文 沖野 英男 山口 孝根 三好 健勝 倉田 啓而 鮎沢 啓夫 山口 定次郎 小林 勝 岩下 嘉光 細田 茂和 松沢 則子 山崎 寿 小林 あつ子 山田 たけを 市岡 正道 丸山 長治 高須 敏夫 佐藤 清 山崎 昭治 酒井 英卿 片岡 平 梅村 義雄 村上 昭雄 田島 弥太郎 鬼丸 喜美治 佐渡 敏彦 広部 達道 沓掛 久雄 渡部 仁 長野 ヒロ 小林 悦雄 佐伯 佳之 阿相 敏雄 佐藤 正市 平田 保夫 武井 隆三 長島 栄一 高沼 重義 蒲生 卓磨 一場 静夫 宮川 千三郎 清水 滋 堀内 彬明 波島 千恵子 安江 昇 辻田 光雄 真野 保久 板垣 正男 田中 義麿 中山 光育 筑紫 春生 土井 良宏 山下 興亜 長谷川 金作 小林 勝利 石戸谷 幸雄 楠木園 正雄 橋口 勉 吉武 成美 赤井 弘 森 精 有本 肇 小西 孝 小野 四郎 荒井 三雄 加藤 康雄 土橋 俊人 後藤田 さっき 吉田 勝 進士 安治 青木 一三 小松 計一 鳥居 礼子 橋本 嘉男 清水 正徳 坂口 育三 小笠原 真次 中川 房吉 北村 愛夫 佐藤 歌子 大野 巌 原田 泰介 関 文夫 石垣 隆謌 嶋崎 昭典 大沢 定敏 小島 哲雄 布目 順郎 小川 敬之 松田 和夫 大工原 建
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.207-221, 1965

126) キンケムシの核多角体病に関する研究 (第1報) 発生実態調査と多角体の性状について<BR>127) キンケムシの核多角体病に関する研究 (第2報) ウイルスのキンケムシに対する感染力とウイルス伝播の-知見<BR>128) キンケムシの核多角体病に関する研究 (第3報) ウイルスの交差感染について<BR>129) 野外昆虫多角体病と家蚕多角体病に関する研究 (VIII) 家蚕, サクサンなどに感染性を示す核多角体病ウイルス
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.997, pp.90-93, 1999-06-28

日本ビクター専務の高野鎭雄が8ミリビデオ対策で孤軍奮闘しているころ、彼はもう1つの問題で頭を悩ませていた。ビクターの次期社長問題である。宍道一郎が社長に就任したのが1979年6月だから、すでに3期6年が経過しており、いつ代わってもおかしくない状況にあった。
著者
佐藤 正
出版者
金子書房
雑誌
児童心理 (ISSN:0385826X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.169-175, 1967-03
著者
富山 光広 加藤 紘之 大野 耕一 奥芝 知郎 佐藤 正文 田辺 達三
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.9, pp.2291-2300, 1992-09-01
被引用文献数
7

動脈-門脈シャント術の併用が,肝動脈遮断によって生ずる肝不全を回避しうるか否かを実験的に検討した.雑種成犬を用い,肝への動脈性血行をすべて結紮する肝動脈遮断群(n=5)と,切離した肝動脈を門脈に直接吻合する動脈-門脈シャント群(n=5)の2群を作成し,肝血行動態,肝酸素需給動態および肝生化学的変化について検討を加えた.その結果,肝動脈遮断群では6時間後に総肝血流量は55%,肝酸素供給量は43%に減少し,門脈血管抵抗は250%にまで上昇した.これに対しシャント群では,それぞれ120%,108%,70%と肝動脈遮断下にもかかわらず術前の状態を良く維持していた.総胆汁酸濃度,GOT.GPTは,シャント群で低値を示した.また動脈血中ケトン体分画比はシャント群の方が高かった.以上の結果から動脈-門脈シャント手術は肝動脈遮断後の肝血流量と酸素供給量を維持し,肝不全予防に有用であると考えられた.
著者
大塚 正人 和田 健太 佐藤 正宏 三浦 浩美
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

従来のゲノム編集マウス作製法では、(1)受精卵の回収、(2)CRISPR関連試薬の顕微注入、(3)注入卵の偽妊娠マウスへの移植、という熟練した技術と高価な設備を要する3つのステップが必須であった。今回、受精卵を有する妊娠メス卵管へのCRISPR関連試薬の注入、続く卵管全体へのin vivo電気穿孔を行うことで、上述した3つのステップ全てを省いてゲノム編集マウスが作製できる新手法「GONAD」の開発とその応用を進めた。
著者
馬杉 正男 高木 国主男 佐藤 正治 井手口 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.496-505, 1994-09-25
被引用文献数
1

無線通信などに起因する電磁妨害波の多くは,放射電力,発生時間,発生位置等が必ずしも一定しない準定常的な変動特性を有し,これらに起因する電磁障害原因の特定は困難である.本論文は,電磁障害発生前後において,あらかじめ設定した周波数範囲内のレベル変動に基づいた条件により電磁妨害波を選択して検出・記録可能な測定システムの検討を通して,障害要因となる電磁妨害波を周波数領域において測定する方法の提案を目的とする.ここでは,電磁妨害波の周波数,電磁界強度,発生時刻等の把握に有効となる測定システムの構成ならびに制御方法について述べると共に,試作した測定システムの測定データの転送時間を含めた処理時間が2秒程度であるといった基本評価結果例を示している.続いて,都市部において,市民ラジオ電波帯を対象とした電磁環境測定を実施することにより,無線電波に起因する電磁妨害波の検出率は早朝から夕方にかけて増加し,その発生時間帯と人間の日常生活時間帯との間には相関関係があること等を定量的に明らかにした.以上の検討を通して,提案した測定システムが電磁障害原因の究明のみならず,今後の電磁障害対策を行っていく上で有効となることを検証した.
著者
佐藤 正一 道木 慎二 石田 宗秋
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.464-470, 2004 (Released:2004-08-01)
参考文献数
8
被引用文献数
8 12

This paper deals with the high-frequency equivalent circuits of permanent magnet synchronous motor (PMSM) driven by a PWM inverter. The leakage current (common-mode current) flows through stray capacitance among stator windings and iron core (frame) of an synchronous motor at the switching instants of inverter transistors. A high-frequency equivalent circuits of PMSM are derived based on the frequency characteristics of the high-frequency zero-phase-impedance and line-to-line-impedance of synchronous motor. The validity of the proposed equivalent circuit is confirmed by simulation considering parasitic capacitance of the inverter.
著者
佐藤 正志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.65-88, 2014 (Released:2014-11-29)
参考文献数
48
被引用文献数
2

本稿では,「企業立地促進法」の基本計画策定過程の検討を通じて,地方分権下の地域産業政策形成において,政府間関係が果たす役割と課題を考察した.全国的な企業立地促進法の計画策定状況と四日市市,北上市の計画形成過程を検討した結果,都道府県が依然として主導的な役割を果たしていたことが明らかになった.一方で市町村は,過去に地域産業政策の策定に携わった経験を持つ自治体は独自に計画を策定していた反面,水平的関係を通じた政策情報の交換はみられず,他の市町村は補完的な役割にとどまり計画内容には大きな影響を及ぼしていなかった.