著者
佐藤 康太
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. アーカイブズ研究篇 = The bulletin of the National Institute of Japanese Literature. 人間文化研究機構国文学研究資料館 編 (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.12, pp.35-56, 2016-03

本稿は、近年新たに「大学史料編纂室」を設置した立正大学を事例に、年史編纂事業から大学アーカイブズへの発展へ向けた動向について考察するものである。まずアーカイブズ設立前史として、これまで立正大学において行われてきた周年記念事業(大学史編纂)に係る組織の変遷と、その過程で収集された大学史資料の保存管理状況や、現在までの伝来経緯をあきらかにする。つづいて、立正大学における「文書保存要領」などの現行規程類を参考に、今後の資料収集計画(レコードマネージメント)について展望を述べるとともに、その実践へ向けた現状の課題を整理する。また、先行研究に拠りつつ、実際に立正大学史料編纂室が所蔵する資料群に対して、適用可能な編成理論について検討をおこない、その有力な選択肢の一つとして「シリーズ・システム」について触れる。最後に、その実践として、現在計画中の「シリーズ・システム」のイメージを参考とした、リレーショナル・データベースによる目録検索システムの導入についても、その概要の一部を紹介する。なお、本事例における大学史資料の来歴検証の結果として浮き彫りとなった、大学組織内におけるアーカイブズの存在意義やその在り方についても、若干の私見を述べる。The purpose of this paper considers Rissho University which established "university archives" newly in recent years about the trend for the university archives establishment in a case.First of all, it's checked about establishment commemoration business of the past and a change in its organization in Rissho University. And I make it clear about management conditions of the university record collected by the process of the university history compilation. Second, future's view for decision of a record collection plan and the practice and problem are described by making reference to a present regulation of "documentary preservation point" etc. in Rissho University. Next when classifying a university record material group of Rissho University, applicable classifying process theory is considered and "series system" is taken up as one of the strong choices. Finally, The part of the outline is also introduced about introduction of the material catalog search system by the relational database which made the image of "series system" reference that it's being planned at present.
著者
佐藤 栄治 三橋 伸夫
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.691, pp.1965-1972, 2013
被引用文献数
2

In recent years, residential areas in local city are facing many problems; rapidly increasing number of elderly people, regional gaps of social service and shrinking social capital. For solving problems, these areas urgently need to consider for keeping livelihood, creating a safe and secure social for elderly people.<br>The purpose of this study is constructing the evaluation methodology of present environmental condition in residential area. And the methodology will be able to judge the future situation whether the region will be habitable.<br>We analyze the characteristics of the local, Utsunomiya city in Tochigi. And to use GIS and to calculate the physical environments clarified the situation of local areas quantitatively.<br>As the results, the center of the city has an adequate amount of facilities within walking distance. On the other hand, living in the suburbs is difficult to walk. The study confirms the efficacy of an overall evaluation of living environment.
著者
佐藤 哲
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.14, pp.70-85, 2008
被引用文献数
2

<p>地域社会に特徴的な野生生物や生態系は,環境アイコンとして環境保全,自然再生,地域振興に活用されている。兵庫県豊岡市におけるコウノトリをアイコンとした地域再生,沖縄県石垣市白保におけるサンゴ礁をアイコンとした環境保全と地域振興,長野県佐久市における佐久鯉をアイコンとした稲田養鯉の復活を事例に,環境アイコンの生成要因と求心力の基盤,環境アイコンが象徴する多様な生態系サービス,環境アイコンの活用におけるレジデント型研究機関の役割,環境アイコンの活用を通じた人と自然とのかかわりを検討した。環境アイコンの生成には,環境改変による喪失・危機が契機となっており,地域の日常生活に密着した伝統文化や自然資源利用,および他の地域との差異化につながる環境アイコンの独自性を基盤とした人々の強い愛着と誇りが基盤となっている。環境アイコンの保全・再生が生態系サービスの改善をもたらすことが,多様なステークホルダーの合意形成と求心力の維持に貢献している。生態系サービスの現状と未来を評価する科学研究の担い手として,地域社会に常駐するレジデント型研究機関の役割が重要である。環境アイコンは地域振興に密接にかかわる生態系サービスを象徴するものととらえるのが適切であり,人と環境アイコンとのかかわりは,人が一方向的に破壊,保全,再生する対象ではなく,環境アイコンの保全と再生を行いつつ,多様な生態系サービスを創出してその恩恵をうける相互的な関係としてとらえなおされるべきである。</p>
著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る
著者
佐藤 悦成
出版者
愛知学院大学
雑誌
禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
巻号頁・発行日
no.23, pp.p177-200, 1994
著者
鍋藤 悠 鹿嶋 雅之 佐藤 公則 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.374, pp.43-48, 2009-01-05

動画共有サイトが活発化しており,大量の動画をクラスタリングする技術が求められている.我々は複数の画像特徴を統合的に解析することによりカット点検出を行い,その後の時区間の画像を対応付け、比較することにより動画の一致性判定を行う手法に関する研究を行っている.本稿では,複数の特徴を用いたカット点検出とカット点の対応付けについて述べる.SIFT特徴,明度ヒストグラム,エッジ量を用いてカット点検出を行い,DPマッチングを用いてカット点の対応付けを行う.スポーツ,アニメ,音楽のライブ映像を用いた評価により,手法の有効性が示された.
著者
熊谷 良雄 佐藤 貴茂
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.7, pp.298-303, 1997-11
被引用文献数
1

The Great Hanshin-Awaji Earthquake Disaster gave us many lessons learned in relation to emergency responses by public sector. After the Quake, the Basic Plan for Disaster Prevention, which was editted by the Central Disaster Prevention Council, was revised twice. And also, almost all prefectural disaster prevention plans were revised or have been revising. In this paper, we try to evaluate prefectural disaster prevention plans before and after the Great Hanshin-Aawaji Earthquake Disaster. Some conclusions of this study are as follows : ・Contents of prefectural disaster prevention plans were enriched remarkablely. ・Response for person who need emergency help was planed by almost all prefectures. ・Almost all prefectures are not yet ready to accept emergency aid from foriegn countries.
著者
佐藤 玲子
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1993-01-08

浜松医科大学学位論文 医博論第134号(平成05年01月08日)
著者
岡 知子 仲井 邦彦 亀尾 聡美 佐藤 洋
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.163-168, 2004

母親の食事由来の低濃度メチル水銀の胎児期曝露が,その後の児の発達に与える影響を検証する疫学的調査として良く知られているのは,デンマーク領フェロー諸島前向き研究(Faroe Islands Prospective Study)とセイシェル小児発達研究(Seychelles Child Development Study:SCDS)の2つである。両研究は,曝露量,対象集団の規模,および神経発達の検査法が比較的類似しているにも関わらず,結果的にはSCDSではフェロー諸島で認められた様な小児の神経・認知・行動への影響は見出されていない。本稿では調査の背景となったセイシェル共和国の自然と人々,生活様式,を紹介するとともにこれまでの調査の主要な結果をまとめ,SCDSの位置づけなどを考えてみた。
著者
千葉 さおり 佐藤 彰博 浅田 一彦
出版者
弘前医療福祉大学紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学紀要 (ISSN:21850550)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.65-72, 2015-03-31

臨床実習においてコミュニケーション能力の低下などによって、指導者から不適格とされる学生が増えている。そこで、作業療法士・言語聴覚士を目指す学生と実習指導経験者のコミュニケーション・スキルの違いを明らかにすることを目的とした。本学医療技術学科1・2 年生(学生群)と指導者(指導者群)を対象に、コミュニケーション・スキル尺度ENDCOREs(藤本・大坊、2007)を用いてコミュニケーション・スキルを測定した。得られたデータを全項目得点平均値、下位尺度毎の平均値、サブスキル毎の平均値の差について2 群間での比較を行った。さらにクラスタ分析によって得点パターンの分類を行い、学生・指導者と各クラスタの関係をχ2独立性の検定によって分析した。その結果、下位尺度毎の比較では他者受容のみが学生群において有意に高かった。また、得点パターンは3 つのクラスタに分類されたが、学生・指導者と各クラスタの関係に統計学的な差はなかったことから、両群のコミュニケーションの対象の違いが影響している可能性が考えられた。限定的な学生の対人関係において、自己のスキルについて振り返りや気づきがされにくいと考えられるため、自己のコミュニケーションについて振り返る機会を設けたり、社会と関わる機会を作ったりすることが必要であると考えられた。

1 0 0 0 東北

著者
色川大吉 逸見秀雄 佐藤憲一編
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
1978
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.39-44, 1999-03-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
16
被引用文献数
3 6

夏季における新ソバ供給と水田の高度利用を目的にした, 西南暖地における夏ソバ栽培技術の確立に関する研究の一環として, 播種期の違いが夏ソバの生育ならびに収量に及ぼす影響について調査した. 普通ソバ品種キタワセソバの種子を, 愛媛大学農学部内の雨よけビニルハウスに設置したポットに3月中旬から6月初旬まで10日ごとに播種した. 播種期が遅くなるほど開花数は増加したが, 結実率の著しい低下により粒数が減少し, さらに千粒重も低下して子実重は減少した. 特に, 開花始~成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えると結実率は顕著に低下した. したがって, 西南暖地における夏ソバの播種は, 遅霜の心配がなければできるだけ早く, かつ開花始~成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えない時期までに終える必要があることが明らかになった. さらに, 瀬戸内地域においては遅霜と梅雨入り時期ならびに上記臨界温度を考慮すると, 播種期は3月下旬から4月中旬に限定されること, 4月中旬までに播種すれば収穫は6月初旬となり, 初夏には新ソバの供給ができるばかりでなく, その後作に水稲はもちろんダイズ, 飼料作物などの栽培も可能となり, ソバを水田における輪作体系に組み込むことができることも明らかになった.
著者
金澤 莉奈 佐藤 生馬 藤野 雄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.302, pp.29-33, 2012-11-12

近年,様々な家族構成がある中で,核家族化が進み,1人で子育てをしていると感じる母親が増えている.このような子育てにおける不安やストレスから育児ノイローゼとなり,最悪の場合には子供を虐待してしまうケースがおる.現在,地域毎に子育て支援を行っているがまだまだ十分とは言えない.そこで本研究では,多くの母親が感じている睡眠不足の問題に着目する.母親の睡眠不足の原因は,乳児の夜泣きによるもので,なかなか寝付かない,寝てもすぐ起きるなど乳児によって様々である.そこで,乳児の睡眠リズムを把握し管理または改善するために睡眠を中心としたライフログを可視化し,母親の安心感の増加やQOLの向上を目指す.