著者
上薗 一郎 加藤 直人 森泉 美穂子
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.252-255, 2010-06-05
被引用文献数
5

近年、土壌診断によって土壌蓄積養分を適正に評価し、診断結果に基づいた施肥管理を行う必要性が増している。土壌診断測定項目のなかで可給態窒素含量は、土壌の窒素肥沃度を表す重要な項目であるにも関わらず、土壌分析機関において、可給態窒素含量が測定項目に含まれていることはほとんどない。これは、測定法が煩雑で長時間を要するためと考えられるが、土壌の窒素肥沃度に応じた窒素施肥の実施を妨げる要因の一つとなっている。80℃16時間水抽出法においてCOD簡易測定キットを用いた可給態窒素含量の推定を試み、良好な結果を得たので報告する。さらに、前報の結果を併せ、生産者自らが測定可能な畑土壌の可給態窒素迅速評価法を提案する。
著者
加藤 直哉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.23, pp.13-16, 1999-03-12

IS&TとSIDの共催による第6回Color Imaging Conference:Color Science, System, and Applicationが1998年11月17日〜20日にかけてアメリカ・アリゾナ洲Scottsdaleにて開催された。初日の17日はチュートリアルが行われ、テクニカルセッションは18日〜20日に行われた。全体としては、これまで主流であった入力・表示・出力各々の色彩画像機器の特性評価(Device Characterization)の発表が少なくなり、その分それらの画像機器をシステムとして接続する際の課題、例えば、Color Appearance ModelやGamut Mapping等の発表が増えた印象を受けた。表示機器の中でこれまでCRTが主であったのが、LCDの特性評価手法の発表が出始めてきたところが目立った程度であった。また新たな流れとしては、1)分光分布の復元のためのMulti-spectral解析、2)CGにおいて現実世界を復元するための色の忠実な再現、等が挙げられる。
著者
中村 康雄 林 豊彦 中村 真理 中溝 寛之 信原 克哉 加藤 直 飯塚 大輔
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム
巻号頁・発行日
vol.17, pp.123-132, 2004-08-25
参考文献数
21
被引用文献数
4

The shoulder and elbow joint of a baseball pitcher are frequently overused by the repetition of throwing. The overuse causes throwing injuries of the shoulder or the elbow joint. To prevent the injuries or find them as soon as possible at an early stage, it is important to understand and evaluate each individual's baseball pitching motion exactly. Therefore, we are developing an analysis system of the baseball pitching motion for clinical use. The pitching motion is classified into four major pitch styles, as follows: overhand, three-quarter, sidearm, and underhand. In the long-term clinical experience in Nobuhara Hospital, we have expected that one of the causes of throwing injuries is related to the pitch styles. A previous paper reported that different pitch styles produced different kinematic and kinetic results of pitching motion analysis (Matsuo, 2000). The difference of pitch styles will influence analysis results of the pitching motion. The classification, however, was performed qualitatively by a person having baseball experience. There is no standard method to classify the pitch styles quantitatively. The pitch styles also have to be classified quantitatively in order to investigate various factors of injuries. The aim of this study was to classify baseball pitchers of various levels into four pitch styles quantitatively and compare the kinematic and kinetic parameters. We measured the pitching motions of the baseball pitchers, using a motion-capture system at 500 Hz. Ages of the 104 subjects of this experiment ranged from 10 to 38 years. We suggested four kinematic parameters in order to classify the pitch styles. The measured pitching motions were then classified into four pitch styles, using multivariate discriminant analysis. The correct answer rate was 89.4%. ANOVA revealed significant differences of the antero-posterior direction of resultant force at the time of ball release among four classified pitch styles. The A-P force vector had high correlation (r=0.82) with horizontal adduction angle of the upper arm. The shear force on the shoulder is one of causes of injury during pitching. To reduce the risk of shoulder injuries, we believe it is necessary to reduce shear forces on the pitcher's shoulder. Our results showed that the sidearm group had 50% lower shear force than the other groups. In conclusion, we suggested four kinematic parameters in order to classify the pitch styles. This result shows that these parameters are appropriate for classifying the pitch styles without relation to age or skill differences. The results of kinematic and kinetic parameters showed the significant differences between four pitch styles. Our next task is to increase the number of subjects, especially sidearm and underhand pitchers.
著者
加藤 直樹 山本 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.193, pp.1-7, 1995-07-28

商用電源のバックアップ用電源として蓄電池は広く使用されており、その簡易な劣化評価法を確立することは停電時に必要な電力を確保する上で重要である。本論文では、トリクル充電法で使用されるNi-Cd電池を対象に、まず主要な劣化モードが短絡と電解液枯れにあることを明らかにする。次に電解液枯れにおいては、内部インピーダンスの対数と電池容量との間に直線関係があることを示し、この場合の定量的な関係が、電解液量のみを減少させた電池の特性から短時間で容易に得られることから、内部インピーダンス測定による電池容量推定はNi-Cd電池の簡易な劣化評価法として有効であることを述べる。
著者
細谷 良夫 ELIOT M STARY G 成 崇徳 蒲地 典子 王 鐘翰 陳 捷先 石橋 崇雄 楠木 賢道 PAN A.T 加藤 直人 中見 立夫 松浦 茂 岸本 美緒 江夏 由樹 松浦 章 香坂 昌紀 河内 良弘 松村 潤 神田 信夫 STARY Gioban ELOT Mark TATIANA A.Pang WANG Zhong-han CHEN Jiw-xian CHENG Chong-de 王 禹浪 関 嘉禄
出版者
東北学院大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

「実績の概要」1994〜96年の3年間にわたり、清朝史研究の基礎的な作業として、多岐にわたる清朝史料の体系的把握を目的に、満州語史料を中心とする各種史料の所在状況の調査及び版本と档案の関係を課題とする共同研究を実施した。研究活動は国外の研究分担者の協力を得て中国、台湾、香港、アメリカ、ロシアで実施したが、はじめに調査研究の対象となった主要な(1)史料所蔵機関と(2)史料名称を以下に列挙する。(1)史料所蔵機関(中国)第一歴史档案館、遼寧省档案館、吉林省档案館、吉林市档案館、黒龍江省档案館、北京図書館、科学院図書館、吉林大学図書館、中央民族学院図書館、遼寧省図書館、大連市図書館、中国社会科学院歴史研究所、中国社会科学経済研究所、中国社会科学院清史研究室、中国社会科学院近代史研究所、遼寧省博物館、黒龍江省博物館、黒龍江省民族博物館、新賓満族自治県博物館、伊通満族博物館、海拉尓民族博物館、阿里河鄂倫春族博物館、莫力達瓦文物管理所図書館、承徳市囲場県文物管理所、赫哲族民族博物館、赫哲族民族館(中華民国・台湾)台湾中央図書館、故宮博物院文献處、中央研究院近代史研究所、中央研究院歴史言語研究所(香港)香港大学図書館、香港理工学院図書館(アメリカ)カリホルニヤ大学(バ-クレイ)図書館、議会図書館、ハ-ヴァト大学燕京漢和図書館、プリンストン大学ゲスト図書館、ニューヨーク市立図書館(ロシア)ロシア科学アカデミー極東研究所中国学図書館(モスクワ)、ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルグ)、サンクトペテルブルグ大学、サルトコフシチュドリン名称公衆図書館(2)主要な史料と史料系譜の名称無圏点「満文老档」、有圏点「満文老档」、満文「清実録」(太祖・太宗朝)、内国史院档、崇徳3年档、逃人档、〓批奏摺、戸科史書、礼科史書、内閣大庫漢文黄冊、戸部銀庫大進黄冊、戸部銀庫大出黄冊、江南銭糧冊、徽州文書、理藩院題本、黒龍江将軍衙門档案、三姓档、黒図档、尚務府档、朝鮮国来書簿、尚可喜事実冊档案、南満州鉄道北満経済調査所所蔵史料、哈爾濱学院所蔵史料、駐哈爾濱外務局特派員公署所蔵史料、満漢文清朝初期関係の石碑拓本、嫩江流域達斡尓族所蔵の満文史料、大楊樹付近の満族関係史料、烏蘇里江流域赫哲族所蔵の満族史料、琿春付近の満族関係史料、鴨緑江流域所在の満族関係史料「共同研究会の開催」上記各史料所蔵機関で、各種の資料をめぐり中国では王鍾翰、成崇徳、台湾で陳捷先、アメリカでエリオット、ロシアでタチアナ・パン各教授と個別課題で共同調査と研究を実施した。また文書史料のみならず、中国東北地域で、清朝初期史をめぐる石碑史料、宗譜や牌単などの祖先祭祀史料、鄂倫春族などを含む満族をめぐる口承伝承資料の採集などの現地調査と研究を関嘉禄、王禹浪研究員と共に行った。3年間にわたる共同研究のまとめとして、1996年12月に成崇徳教授を招聘、満族史研究会の招聘などで来日中の陳捷先、スターリ、パン、エリオット教授をまじえ、満漢文史料をめぐるシンポジュウムと満文版本目録作成のためのワークショップを5日間にわたり実施し、これまでの総括と今後の共同研究の方法を討議した。「成果」共同研究の実施の結果、各所蔵機関の資料状況が明らかになったことに併せて、個別資料の研究、すなわち実録の基礎となったであろう国内史院档の系譜や実録写本の検討、礼科史書と理藩院題本の関係、清朝から満州国に及ぶ東北土地文書の史料系譜、銭糧冊や黄冊などの清朝の経済政策を解明する基礎史料の整理などの官本と档冊の研究が行われた。同時に従来所在不明とされていた朝鮮国来書簿あるいは既に倒壊したと伝えられていた尚可喜神道碑の発見、あるいは逹斡尓族の満州語使用とその档冊や写本を見出した。これらの多くの成果は分担者それぞれの研究成果として公表されると共に「満族史研究通信」の誌上に史料状況を中心とする調査報告が公開されている。また満族史研究通信は国外に対する共同研究の成果の還元として、各国に送付され高い評価を得ている。
著者
興戸 律子 村瀬 康一郎 加藤 直樹 益子 典文 松原 正也
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.240-241, 2005-08-20

平成16年度から国立大学は「国立大学法人」となり, 教育研究活動情報を整備し大学内外に対して発信することが求められるようになった. そのような情報の収集と管理のために, 今回教員の教育・研究における活動実績を蓄積管理するための情報システムを構築した. このシステムの特徴は, 教員自身が便利な道具箱として日常的にシステムを利用するメリットを感得でき, 複数人がデータベースの情報を共同利用するための「権限付与」, 「マイリスト」, 実績の入力を代理が行うための「代行入力」の処理機能が備わっていることである. この「権限付与」「代行入力」「マイリスト」機能は, 複数人がデータベースの情報を共有するために必須である機能と考えるものであり, 今回これらの機能について報告する.
著者
加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1536-1546, 1998-05-15
参考文献数
8
被引用文献数
15

本論文は, 表示一体型タブレットとペンを使用する環境におけるペンの操作性を検討し, ペンの特徴やペンUIを設計するときに考慮すべき点を明らかにする.現状のペンUIの多くはマウスUIで用いられてきた対話技法を流用しており, ペンの良さを引き出しているとはいえない.ペンはマウスとは異なったデバイスであり, ペンにふさわしいUIを構築する必要がある.そこで我々は, ペンとマウスの操作性を比較する実験を行った.実験は, ドラッギングでオブジェクトを移動するタスクと, 2つの対象をドラッギングとポインティングで選択するタスクについて行った.その結果, ほとんどの場合ペンはマウスより速く操作できるが, ドラッギングで正確さが要求される操作を行うとき操作回数が多くなること, 長い距離をドラッグする操作や, 右利きの人の場合, 右, 右下の方向への移動をともなう操作では操作時間が長くなるという欠点が明らかになった.このことから, 右・右下方向へ頻繁に移動する対話技法, たとえば従来のドラッギングで選択するプルダウンメニューなどは, ペンには向かないことが予想される.また, ペンはマウスより, 次の操作があらかじめ分かっているとき, 操作がより速くできるようになることが示された.
著者
坂東 宏和 福島 貴弘 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.1996-2005, 2002-06-15
被引用文献数
2

本論文は,表示一体型タブレット上での文字記入枠を用いない枠なし手書き認識方式における誤認識の訂正インタフェース,および,認識結果の表示インタフェースを提案する.枠なしの手書き認識方式は,筆記者に自然で円滑な手書き入力を提供する反面,文字の誤認識は枠あり認識より起こりやすく,文字間の区切り判定でも誤りが発生する危険がある.そこで本論文では,各文字の誤認識訂正方法,文字区切り位置の訂正方法,および,認識結果の表示方法を複数提案し,それらの比較実験について報告する.実験の結果,各文字の誤認識訂正は訂正候補を手書き文字の上にメニュー表示し選択させる方法が適切であること,文字の分割操作は区切りジェスチャ,文字の結合操作は文字が小さく書かれている場合には囲みジェスチャ,文字が大きい場合には接続ジェスチャが適切であることが示された.また,認識結果の表示は,文字が小さいなどの理由により読みにくくなる場合には離れた場所にまとめて表示する方法が,結果と手書き文字が読みにくくならなければ手書き文字の上に認識結果を重ねる方法が適切であることが示された.This paper presents user interfaces for writing-box-free handwriting input on a display-integrated tablet.The writing-box-free handwriting recognition is natural and smooth to input text, but character recognition errors may happen more frequently than the writing-boxed recognition and character segmentation errors may also occur. Therefore, this paper proposes various user interfaces for correcting character recognition and segmentation errors as well as those for displaying recognition results, and then compares them. In consequence of comparative experiments, the followings are suggested: for changing character recognition results, showing recognition candidates above each handwritten character pattern and accepting selection is efficient; for correcting mis-divided character segmentation into one, cutting pen-gesture is superior; for correcting mis-combined character patterns into two or more, encircling pen-gesture is preferred when small characters are written densely, while connecting pen-gesture is effective when large characters are written sparsely; for displaying character recognition results, showing resulting text apart from handwritten patterns is preferred when characters are written small and densely, while overlaying the recognition result on top of each handwritten pattern is preferred when characters are written large and sparsely.
著者
小柴 等 加藤 直孝 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.96-104, 2008-01-15

本論文では,AHP (Analytic Hierarchy Process)を用いたグループ意思決定場面において,グループ構成員間のコミュニケーションを支援するための機能を提案し,その妥当性を実験により検証する.グループで意思決定を下す場合にはグループ構成員間で対人説得など,様々なコミュニケーションが必要となる.しかし,既存のグループ意思決定支援システムの研究ではコミュニケーション自体に関する支援手法の検討はこれまで積極的になされていなかった.そこで本論文では,グループ構成員間のコミュニケーションを支援するための機能として判断メタ情報を提案する.判断メタ情報は精緻化見込みモデルでいうところの周辺的手がかり,なかでも知識・専門性と関心・配慮の知覚を支援しようとするものである.これにより各グループ構成員が有する知識や価値観に対する気づきが促され,互いの思惑が伝わりやすくなること,つまりは円滑なコミュニケーションの実現が期待できる.今回は"対人説得を遂行するうえで重要となる妥協の引き出しやすさという点での他者の思惑の読み取りに,判断メタ情報が有効である"という仮説について検証した.大学院生を被験者とした実験からは,判断メタ情報のある方が相手からの妥協の引き出しやすさを予測しやすいという傾向が見られ,コミュニケーション支援機能としての判断メタ情報の有用性を支持するデータが得られた. : In this paper, we propose communication support function for AHP (Analytic Hierarchy Process) based GDSS (Group Decision Support System). And, we endeavor to verify the effects of this newly proposed function. When we are in group-decision-making process, it is indispensable to communicate with other group-members. However, existing research on GDSS dose not cover the essential elements of the communicational support function. Therefore, to support the communication among group members, we proposed "Negotiation Meta-Information (NMI), " which acts as a peripheral route determinant in Elaboration Likelihood Model (ELM). Especially, we focused on and tried to support "knowledge, specialty and interest, " and "perception of consideration, " among group members that led to support and share the coexistent, as well as group-oriented values. To evaluate, whether NMI is effective or not to generate some clues regarding the possibilities of compromise among group members, we conduct an experimental test with graduate students. Our results suggest that with NMI environment, it is more effective to read the possibility of compromises, than without NMI environment. Hence, we revealed that NMI as a communicational support in GDSS is useful.
著者
加藤 直孝 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.22, pp.39-46, 2005-03-10
被引用文献数
2

本稿はソフトウェアのローカライゼーションにおける文字列の翻訳に関するものである。現在の多くのアプリケーション・システムはユーザーとのインターラクションを前提としており、ユーザーとの意思疎通のためにテキストを用いる。このテキスト情報のうちプログラムに統合した情報をProgram Integrated Information (PII)とよぶ。PIIはプログラム中に埋め込まず、プログラムとは分離した外部テキストファイル上に置く。これによりPIIの翻訳者はプログラムのコードとは別に文字列を翻訳できる。ただしPIIを外部テキストファイルにしても、PIIの翻訳には多くの問題が残っている。プログラムの国際化に関して、従来は文字コードやファイルフォーマットと言ったPIIのプログラミングの側面のみを議論してきた。PIIの翻訳や自然言語処理の側面は論じてこなかった。本稿はPIIの自然言語、特に翻訳、の側面に焦点をあてる。まず、PIIには「相」があることを指摘するとともに、PIIのモデルを構成する「Feature」を導入する。そして、それら「相」や「Feature」がPIIの文脈とどのような関係にあるかを提示することにより、PIIの概念構築を行った。今後は構築した概念モデルを活用して、プログラム開発言語、プログラム開発環境、翻訳支援ツール、および自動翻訳プログラムがいかに協調してPIIの翻訳の問題を解くかを議論できる。Most of the application systems require interaction with users. Such applications use text strings to communicate with users. Those strings are integrated in a software and are called "Program Integrated Information (PII)." This paper focuses translation of those text strings from the point of software localization. PII is separated into text files from application system programs. Although this separation enables translators to translate PII without referring the coding of the application system program, it does not solve all the problems that translators face when they translate PII. Computer scientists and engineers that were engaged in the design of PII have not discussed the natural language aspect of PII, but discussed only the programming aspect of PII such as character coding and PII file format. This paper introduces the PII concept of "So" and "Feature" to understand PII from both aspects. Then the conceptual model of PII is presented by relating the "PII Context" to the "So" and "Features."
著者
岩田 初美 加藤 直樹 村瀬 康一郎 松川 禮子 若山 皖一郎 後藤 忠彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.118-119, 1993-07-27

マルチメディアの教育利用を進めるにあたり,パソコンを用いたマルチメディア教材を,図書,テキスト等の印刷メディアと併せて活用される場合が多いが,その関連をいかにもたせるかが課題である。このために,印刷物からもパソコンを用いたマルチメディア教材を,バーコードを用いて選択し利用可能とした。 その結果,図書,テキストとパソコンを用いたマルチメディア教材の利用や,教室での提示用のマルチメディア教材がバーコードで簡単に選択できるようになり,研修等の必要もなくなり,誰にでもマルチメディア教材の利用ができるようになってきた。
著者
上田 芳弘 成田 仁志 加藤 直孝 林 克明 南保 英孝 木村 春彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.887-898, 2004-10-01
被引用文献数
3

電子メールやWebを利用した問合せメールを,適切な担当者に自動分配するシステムを構築した.提案手法は,まず各担当者が作成した文書ファイルを収集して,この中の出現単語のtf・idf値とidf/conf値を算出し,この2種類の辞書を担当者ごとに作成する.更に,従来の帰納的学習に代えてProfit Sharingを応用し,これらのウェイトを強化学習することが特徴である.システムは,問合せメールとこれらの辞書を照合して,単語のウェイトと一致率から担当者ごとにスコアを算出し,このスコアが高い担当者を回答者として推定する.提案方法の有効性を評価するために実際の問合せメールを用いて評価実験を行い,以下のような考察をした.(1)問合せメールを分配している専門家の分配精度から実用上必要な精度を明らかにした.(2)tf・idf値とidf/conf値を用いただけの分配では,実用的な分配精度が得られなかった.(3)(2)の単語のウェイトを強化学習することにより分配の専門家と同等な精度で実用的な分配ができた.最後に(3)の実用的な精度を得るための文書ファイル数とノイズに関する評価を行い,更に従来のテキスト分類手法との精度比較を行った.