著者
松井 淳 加藤 直人 小林 彰夫 今井 亨 田中 英輝 安藤 彰男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.108, pp.211-216, 1999-12-20
参考文献数
7

ニュースのリアルタイム字幕作成を目的とした音声認識には一般のタスクと違う特徴がある.すなわち発声される可能性のあるテキスト,あるいはそれに類似したテキストを放送の前に入手できる特徴である.著者らはこの点に着目して認識性能を向上させる手法をいくつか研究してきた.これらは計算処理量の比較的重いものと軽いものがあり,軽い処理ほど放送直近の原稿を利用できる.本稿では,比較的処理の重い「言語モデルの適応化手法」,処理の軽い「放送直前の原稿を利用したn-gram確率の動的計算法」,および「未知語自動登録法」を使った実験を報告し,これらを組み合わせて利用することで単語正解精度が89.92%から92.36%に改善されたことを示す.Although it is almost impossible to guess what will be uttered beforehand in general speech recognition task, we can do this with high possibility in news dictation task thanks to the manuscripts that well hold the words to be uttered by announcers. In this paper, we describe three ways of utilizing such news manuscripts and will show empirically that they greatly helped improving the news recognition rate.
著者
加藤 直子 国分 一郎 金子 史男 大河原 章 目黒 高志
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.794-800, 1987-10-01 (Released:2012-03-10)
参考文献数
9

Disseminated DLEとして発症し, SLEへの移行を示し急性膵炎を併発した1例を報告した。患者は41才女子, プレドニソロン60mg投与で加療中, 心窩部痛後, 急激な左腹部痛が出現した。検査上, 血清および尿アミラーゼの上昇がみられ, 腹部エコーおよびCTにより膵臓の腫大と腹腔内の浸出液を認めたことから急性膵炎と診断した。ただちに膵床ドレナージ術を施行したが回復せず死亡した。剖検所見から急性出血性膵炎, 急性多発性胃潰瘍, 肺アスペルギルス症, 肝細胞変性などが確認された。
著者
加藤 直志 KATO T
出版者
名古屋大学教育学部附属中・高等学校
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.117-124, 2013-02-01 (Released:2013-04-08)

2008年の学習指導要領では、小学校においても伝統的な言語文化についての学習を重視するという方針が打ち出された。これを受けて、小学校の国語教科書でも、古典に関する教材がこれまで以上に配置されることになった。本稿は、それらを概観することで、各教科書の特徴を明らかにすることを試みたものである。また同時に、中学校・高等学校の国語科教員が、小学校でどのような古典教育が行われるのかを知る一助とすることも目論んだ。
著者
小川原 純子 横山 祐子 森下 勇 一條 智康 加藤 直子 山岡 昌之
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1335-1342, 2015-12-01

思春期には体も心も大きく変化する.身体的発達のみならず,自我同一性(identity)の確立などこの時期の正常な心の発達を知ることは,思春期のうつ病や,摂食障害などの心身症を診察する際,その病態の基本的理解として欠かすことができない.また,思春期の患者がもつ生来の言語能力や社会適応力・認知力といった各人の能力を見極めることは,患者の感じている困難感の分析に有用である.さらに思春期に至るまでの生育環境や養育者との基本的信頼関係の構築の有無などの情報は,思春期の患者の心の発達過程での問題点を推測する重要な手掛かりとなる.
著者
水落 円香 小林 信輔 比留間 雄大 加藤 直樹
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.11, pp.1-8, 2016-02-27

今日の学校現場では,電子黒板が普及し,黒板と共にある環境が増えてきており,黒板と電子黒板の特徴を踏まえて,どのように使うかが重要になっている.本稿では,黒板と電子黒板を組み合わせることで児童生徒の主体的な学びを支援することを目的に行った,黒板に板書された情報の電子黒板への複製・表示,電子黒板上の表示情報の黒板上への表示を可能にするシステムの提案と開発について述べる.
著者
加藤 直人 鈴木 弘治 田中 淳一 利野 靖 今田 敏夫 天野 富薫 高梨 吉則
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1525-1528, 2000 (Released:2011-06-08)
参考文献数
21
被引用文献数
5 9

症例は48歳の男性. 発熱, 腹痛を主訴に来院, 腹部全体に反跳痛, 筋性防御が認められ, 汎発性腹膜炎の診断にて開腹した. 手術所見では漿液性腹水少量, 小腸間膜の肥厚, 発赤を認めるのみであった. 腸間膜脂肪織炎を疑い一部生検を施行し, 閉腹した. 術後39℃の発熱が8日目まで持続したが, γ-globulin投与したところ平熱化し, 炎症は鎮静化した. 病理組織所見では, 変性脂肪細胞, 炎症細胞浸潤, 微小膿瘍が認められ, 脂肪織炎と診断した. 腹水細菌培養は陰性であった.腸間膜脂肪織炎は原因不明の比較的稀な疾患であり, その臨床像は多彩なため診断は困難で確立した治療法はない. 今回, 我々はγ-globulin投与が奏効したと思われる1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
著者
加藤 直三
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

エスキモーロールのなかのショートロールの運動機構の解明を行なうために、まずプールにおいて、被験者の左右の関節部(手首、肘、肩、額)にマーカーを取り付け、運動を水中2台、空中2台のCCDカメラにて撮影を行なった。またカヤックには傾斜計を取り付け、ロール角を計測した。この実験解析から、ショートロールはロングロールに比べ、起き上がる時間が約倍速いことや三次元的なパドルの動きと体の姿勢の変化との関係を明らかにした。次に、エスキモーロールのヒューマン・ダイナミックスの解析を行なった。腰、肩、手の部分にジョイントを設け、その間を直線上のリンクで置き換え、また手から先のパドルをリンクとした。またリンクの先端(エンドエフェクター)にはブレードを置いた。これらのジョイントとエンドエフェクターの位置変化からそれらの速度、角速度を求めた。エスキモーロールの理論解析では、運動系を浮遊物体とリンク機構で置き換えることで、浮遊状態のマニピュレータ付き水中ロボットの運動と等価になる。ロングロールはほぼ2次元平面内での運動と見なされるので、二次元の運動方程式を扱う。逆運動力学および逆運動学を同時に扱い、作業腕の先端の位置の加速度を与えて、各関節の運動を求めた。また、パドラーの腰から肩までを一つのリンクと考え、質量をパドラーの全質量の半分と考え、中性浮力とした。その付加質量は円柱近似で求める。パドルは円柱、ブレードは平板として付加質量を求めた。リンク機構に加わる流体力は各リンクの移動速度から得られる円柱または平板の流体力で近似した。数値シミュレーションはMATLABを用いて0.01sec.毎に行った。数値計算では1.2秒でほぼカヤックは起きあがることがわかる。さらにマニピュレータを模型カヤックに搭載してその復原の制御が可能かどうか試みた。実験で用いた模型カヤックは観察で用いたリバーカヤックの約1/3の大きさである。マニピュレータは3つのリンクとジョイントからなり、ジョイント部には-5.00(V)〜+5.00(V)の電圧により-90°〜+90°まで回転するサーボモーターとポテンショメーターの内蔵されている。重量は電源コードを含み空中重量約1.5kgf(水中では約1/3)。実験では各リンク部に発泡スチロールをつめて水中で中性浮力になるように行った。模型カヌーの時々刻々の角度を調べるためにポケンションメーターを模型カヌーの先端に取り付けた。カヤックモデルとマニピュレータの系について、マニピュレータ先端の加速度および角加速度を与えて、それによって得られる各ジョイントの角度を求め、それらを設定値とした。フィードバック制御則にはPD制御を用いた。マニピュレータの運動を制御することによって、カヤックを転覆状態から復原させることがわかった。
著者
横山 隆光 加藤 直樹 日比 光治 興戸 律子 山崎 宣次 及川 浩和
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.234-237, 2013-11-09

小中学校教職員を対象に個人情報保護と著作権の取り扱いに係る調査を行った.その結果正答率が低い項目があることが分かり,2010〜2011年度の調査と同様な傾向となっていた.職員会等や研修で取り上げた内容の正答率は高くなっていた.小学校教職員と中学校教職員とで有意な差がある項目があることも明らかになった.
著者
宮崎 太郎 加藤 直人 金子 浩之 井上 誠喜 梅田 修一 清水 俊宏 比留間 伸行 長嶋 祐二
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-207, no.7, pp.1-6, 2012-07-19

本稿では,固有名詞を手話に自動翻訳する手法について述べる.我々が翻訳の対象としているニュースや気象情報には,地名や人名などの固有名詞が頻出するが,その手話への自動翻訳の研究はこれまで行われてこなかった.固有名詞の翻訳は従来,外国語の場合ではその読みに基づいて変換するtransliterationとして研究されてきた.しかしながら,手話では固有名詞の翻訳は読みに基づくことは少なく,「漢字手話」が使われることが多い.本稿では,「漢字手話」に基づいて日本語の地名や人名を手話に変換する手法について述べる.また,提案手法を用いた主観評価実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
著者
岩田 陽子 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CE,[コンピュータと教育] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.33-40, 2002-12-13
参考文献数
5
被引用文献数
7 7

本稿では,遠隔地の生徒が電子ペンまたはタブレットPCを使って,先生が板書を行う電子白板と共有している描写画面に書き込みを行うことができるリアルタイムの遠隔授業システムについて述べる.遠隔地の生徒のディスプレイ上では,先生の代わりに先生用アバタを表示する.また,遠隔地の生徒が書き込みを行っているときには,電子白板と遠隔地の他生徒のディスプレイ上に生徒用アバタを表示する.これらのアバタにより,生徒の注意を筆記動作に向けさせることができる.遠隔地の生徒が筆記内容を電子白板側に送り,アバタによって授業に参加できることは,このシステムを使用した人達から好評を得た.今後の課題としては,実際の教育現場で評価を行う必要がある.
著者
大塚 基 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.94-97, 2000-11-11

可児市では「しなやかで魅力あふれる情報交流都市」という地域像を実現するために市民主体の情報環境の整備に取り組んでいる.そのための一つのコミュニケーションツールとして,ケーブルテレビを光・同軸ハイブリットとし,市全域を網羅した双方向ネットワーク(コミュニティネットかに)を構築している.このネットワークを活用することで,小中学校と教育研究所,社会教育関係の施設,その他市内の公共施設・機関などが連携し,情報交流を行いながら地域社会の中で学校教育を推進していくことが求められている.小学校における授業実践事例をもとに,学習指導における地域の通信ネットワークの利用方法や授業構成のあり方等について提案する.
著者
松田 大佑 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.304-305, 2011-08-20

高等学校教科情報の授業において,作品制作の場面を中心に課題の遂行可能性が向上する授業を実施した.教科の目標に従い,生徒が学習に能動的に関与するには,目標達成を見通す力を育てる必要があり,自己効力感を高める取り組みが必要不可欠であると考える.そこで,情報の実技指導における自己効力感の向上を狙った授業実践の報告と,自己効力感が向上する過程を検討する.
著者
加藤 直樹 田中 宏 中川 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.203-212, 2001-02-01
参考文献数
9
被引用文献数
7

本論文は, 手書きメッセージの読み書き, 送受信, 重ね書き, 筆記者・筆記時刻確認, 筆記再生などの機能を有する手書き電子メール環境について述べる. 我々は, 初心者にも自然な手書きをUIに採用し, 簡単に表現豊かなメッセージをインターネット上で送受信できるシステムを実現した.本システムは手書きメッセージが送受信できる点で, 近年急成長している携帯型情報通信端末に先行するものである.更に, 手書きの筆跡や図形, コード文字を表現できるように提案したフォーマットHandsDrawに従い, 手書きのメッセージを読み書き, 送受信する機能はもちろん, 受信メールへの上書き, 筆記者・筆記時刻確認機能, そして, 筆記再生機能を提供する.対話技法としては, ペン入力の良さを生かした囲み選択と, ペン入力の弱点を解決したボタンインタフェースを採用した.本システムを実際に使用してもらった上でアンケート調査を行い, また, 2年半にわたるインターネットでの公開や研究室内での使用によって多くの意見を収集した.その結果, 提供するすべてに機能に対して総じて肯定的な意見が得られた.その一方で, 手書きの文字をそのまま送りたくないとの意見も得られ, 文字認識機能の必要性が示された.
著者
田中 和子 加藤 直樹 安達 一寿 江口 愛子 森 未知
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.3-12, 2003-03-31

国立女性教育会館(以下会館)では,2000年から2002年にかけて,女性教育に関するナショナルセンターとして,男女共同参画社会の実現に向け,女性情報関連語の新しい概念構造を体系化し,それに基づいてシソーラスを開発するための調査研究を行った.そこでは,女性情報の新たな段階に対応するシソーラスの枠組み・内容の見直しとともに,情報通信ネットワークを活用した継続的な改訂作業や既存データベースにおけるシソーラスの活用機能を検討し,シソーラス編集システム及びデータベース検索のためのシソーラス参照機能を開発した.その結果,ネットワークシステム上でのシソーラス共有が可能となり関係機関が保有する個別データベースシステムの組織化が検討可能になった.
著者
加藤 直樹 田中 和子 安達 一寿 江口 愛子 森 未知
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.18, pp.302-303, 2002-08-31

国立女性教育会館では, 2000年から2002年にかけて女性情報教育シソーラスの改訂を行った。改訂に伴い, 情報通信ネットワークを活用した継続的な改訂作業や既存データベースにおけるシソーラス活用機能を検討し, シソーラス編集システム及びデータベース検索のためのシソーラス参照機能を開発した。その結果, ネットワーク上でのシソーラス共有が可能となり関係機関が保有する個別データベースシステムの組織化が検討可能となった。
著者
坂東 宏和 加藤 直樹 新藤 茂
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.11, pp.1-5, 2013-03-08

本稿では,教育の情報化を実践できる教員の養成を目的とし,教育実習におけるICT活用と情報教育の実践を教員養成の重要な要素と位置づけた,東京学芸大学における教員養成の現状について報告する.教育の情報化に対応した教育実習を行うには,指導を担当する現場の教員が,日常的にICTを活用した授業を行い,ICT活用と情報教育の実践力および指導力を身に付ける必要がある.そこで本稿では,東京学芸大学附属小金井小学校の電子黒板を中心としたICT環境とそれらを活用した授業の現状について述べた上で,電子黒板を活用した教育実習の取り組みの状況について報告する.This study purposes to train university students as teachers playing a part in introducing ICT to the field of education. For this purpose, utilization of ICT in teaching practice is considered as a critical element. In order to realize practical teacher training using ICT, the schoolteachers, performing advisor role in teaching practice in the schools, must actively engage in the routine use of computers in everyday school hours, and must have command of computers ordinarily. This paper makes a report of the current state of the ICT environment in school hours centered on the electronic whiteboards in Tokyo Gakugei University Koganei Elementary School, and also describes about teaching practice situation exploiting use of the electronic whiteboards.
著者
木村 吉幸 丹治 美生 佐藤 洋司 大槻 晃太 渡邊 憲子 加藤 直樹
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.71-77, 2002 (Released:2008-07-23)
参考文献数
21
被引用文献数
1

福島県に生息するコウモリ類の調査を,福島県内の37調査地点において1999年8月から2000年12月に実施した.その結果,21調査地点で確認されたコウモリ類は,コキクガシラコウモリ(Rhinolophus cornutus),キクガシラコウモリ(Rhinolophus ferrumequinum),フジホオヒゲコウモリ(Myotis fujiensis),モモジロコウモリ(Myotis macrodactylus),アブラコウモリ(Pipistrellus abramus),クビワコウモリ(Eptesicus japonensis),ヒナコウモリ(Vespertilio superans),チチブコウモリ(Barbastella leucomelas),ウサギコウモリ(Plecotus auritus),ニホンコテングコウモリ(Murina silvatica)およびニホンテングコウモリ(Murina hilgendorfi)の11種であった.これらのうち,クビワコウモリとチチブコウモリの2種は,福島県では初記録である.
著者
住田 弘一 加藤 直人 西田 瑞彦
出版者
東北農業研究センター
雑誌
東北農業研究センター研究報告 (ISSN:13473379)
巻号頁・発行日
no.103, pp.39-52, 2005-03
被引用文献数
10

田畑輪換を繰り返しつつ、持続的に作物を安定生産できるかどうかは、水田輪作営農を推進していく上で政策的にも極めて重要な問題であり、長期的視点から作物生産力を評価する必要がある。そこで、有機質資材の投入管理を組み合わせた長期的な畑転換や田畑輪換を繰り返したほ場において、土壌肥沃度や転作大豆及び復元田水稲の生産力の変化を調べた。寒冷地において、水稲と大豆による田畑輪換を畑期間が過半を占める体系で10年以上繰り返すと、土壌の可給態窒素が大きく減耗する。この可給態窒素の減耗は、畑期間が1-2年の田畑輪換の場合には、600gk/10aの稲わらを毎年投入することにより軽減される。しかし、畑期間が過半を占める場合には稲わら施用の効果がみられない。長期にわたり大豆を連作すると、田畑輪換の場合より可給態窒素の減耗が激しく、稲わら堆肥を2トン/10a連用しても、連年水田の堆肥無施用の場合を大きく下回る。このような可給態窒素の減耗に伴って、田畑輪換の繰り返しや長期畑転換における大豆の収量は、十分な水田期間を確保した輪換畑に比べ10-20%減収する。一方、復元田の水稲は、田畑輪換の繰り返しや長期畑転換を経ても、連年水田に比べて増収する。