著者
松原 聰
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.68-68, 2017 (Released:2017-05-13)

日本新産鉱物情報(2015年)以降,2016年12月末までに確認された日本産新鉱物および新産鉱物と,種名変更などがあるものやその他について紹介する.太字は少なくとも化学的,結晶学的性質が明らかにされたもので,信頼度が高い.
著者
吉村 史郎 小笠原 寛 中原 聰 藤谷 哲造
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.602-608, 1995
被引用文献数
6

オオバヤシャプシは六甲山系の開発後に多数植林されており, その開花時期はスギ花粉飛散期の後半に重なる. 1991年の花粉飛散期に芦屋市内に10年以上居住する532名の女性を対象にスギならびにオオバヤシャブシ花粉症の疫学調査を行った. スギとの重複感作例を含めたオオバヤシャブシ花粉症有病率はオオバヤシャブシが密植されハンノキ属の落下花粉総数が977個/cm^2/年の山腹では26.1%で, 山腹から約5km離れ落下花粉総数386個/cm^2/年の平野部では4.3%にすぎなかった. 平野部には交通量の多い幹線道路が通過し, 大気汚染は山腹よりも有意に強かった. しかし, 我々の調査結果から, しばしばスギ花粉症で報告されているような大気汚染の花粉症に対するアジュバント効果は認められなかった.
著者
菅原 聰 白幡 洋三郎 赤坂 信 中堀 謙二
出版者
信州大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度には、国内調査として、地域住民の森林観の調査・大学生の森林認識の調査・山村においての森林の利用状況の調査・日本人の自然観に関する予備調査・森林休養についての調査・森林風景についての調査・里山についての調査をおこない、海外調査として、ドイツ・フランス・オーストリー・北欧・イギリスならびにカナダで森林観と森林施業の調査をおこなった。そして、平成3年度と平成4年度の調査結果とを合わせて、「森林観の比較研究」として、次のようにまとめることにした。(1) 東西の森林観:東洋と西洋について、とくに宗教との関係をめぐって、森林観を比較した。(2) 呼吸する里山:信州においての農民と里山との変遷を、資料(古文書・古絵図など)を用いて探るとともに、山村においての農民と森林との交流についての調査に基づいて、里山をめぐる森林観の推移を明らかにした。(3) 森林風景の行方:森林は人間によって創られたものであるから、森林風景は森林観と密接に関係している。技術的視点で森林風景の創造について接近し、現代人の森林観と現代社会においての技術展開の方向から森林風景の行方を探った。(4) 大英帝国の森林の盛衰:イギリスで大英帝国時代に森林がどのように取り扱われたかについての考察を通じて、森林観と森林の盛衰との関係を明確にした。(5) 変貌する森林観:森林観は社会構造と密接な関係にある。古代社会では神秘のなかに森林をみていたが、農耕社会で有用な存在となり、工業社会では無用となり、情報社会では貴重なものとなってきた森林に対しての森林観の推移を明らかにした。
著者
大浜 多喜 山田 隆 小菅 康寛 松原 聰
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会2008年年会
巻号頁・発行日
pp.117, 2008 (Released:2009-04-07)

栃木県鹿沼市(旧上都賀郡粟野町)発光路鷹ノ巣鉱山からトゥチェク鉱(tucekite;Ni9Sb2S8)を見出した。 トゥチェク鉱はオーストラリアと南アフリカから発見され1980年に記載された鉱物で、ハウチェコルン鉱グループの一員、正方晶系の鉱物である。近年、埼玉県広河原鉱山からも微細なものが見つかっている(西久保ら2005)が詳細な鉱物学的性質については公表されていない。足尾山地の層状変成マンガン鉱床である鷹ノ巣鉱山における野外調査の結果、一定量のトゥチェク鉱を採集し実験に用いることが出来たので、産状や形態とともに、実験結果を報告する。鷹ノ巣鉱山は足尾山地の変成層状マンガン鉱床の一つで、久良沢鉱山とともにマンガンパイロスマライトの産出で知られる。 トゥチェク鉱は方解石あるいは菱マンガン鉱に包有され、マンガンパイロスマライトやバラ輝石の結晶の隙間に、錐面を伴う正方柱状の自形結晶として産する。結晶の長さは最長で約4mm、太さは最大でも1mmまでである。新鮮なものは白色の金属光沢で光をよく反射するため、微細な結晶でも肉眼で気付きやすい。空気中に放置すると次第に輝きを失う。電子線プローブマイクロアナライザーによる化学分析では、およそNi:Sb:S=9:2:8で、わずかにCoやBiを含む。X線粉末回折実験により格子常数はa=7.216, c=5.383(Å)であった。
著者
加藤 昭 齋藤 靖二 松原 聰
出版者
国立科学博物館
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

本邦各地の層状マンガン鉱床産の鉱石試料中に含まれるニッケル・コバルト鉱物の同定を行った。それらのうち、三種について化学組成を決定した。又一部のゲルスドルフ鉱・輝コバルト鉱については、購入のプリセションカメラにより晶系を決定(等軸)した。最も重要な事実は、栃木県鹿島鉱山産試料中の含ニッケル黄鉄鉱(最高Ni0.46重量%)の確認、ニッケルの分布状態の把握、その成因の推定で、そのニッケルは本来テフロ石(【Mn_2】Si【O_4】)中の微量成分として含まれていたものが、そのバラ輝石(〜MnSi【O_3】)化に伴なって濃集されたものであろうという結論に達した。この結論はバラ輝石の集合中に含まれるニッケル・コバルト鉱物の成因を説明することができる。またこれらが砒素を含む場合、その砒素の根源も恐らくテフロ石にあるであろうと考えることができる。また栃木県板荷産のバラ輝石を主とする鉱石中に見出されたシーゲン鉱(【(Co,Ni)_3】【S_4】)+輝コバルト鉱((Co,Ni)AsS)の組合せではCo/(Co+Ni)比は前者中で後者より小さいことを明らかにした。なお鹿島鉱山ではテフロ石(最高NiO 0.07重量%)以外にも、チロディ内石(〜$$Mn_2$$$$Mg_5$$$〔OH|Si_4O_11〕_2$$)中に最高NiO 0.18重量%が認められた。これらの鉱物中に含まれるニッケル・コバルトの根源については、現世の深海底に堆積しつつあるマンガンノジュール様のものの生成が過去の地質時代にもおこっており、これがそれに該当するとして説明される。まずこれを構成する二酸化マンガンの鉱物がニッケル・コバルトを取り込んで結晶化しその後の中間過程は不明であるが、最終的には上述のような含ニッケル・コバルトテフロ石となり、この中ではこれらはマンガンを置換しているが、テフロ石からバラ輝石の生成や硫黄の供給などによってニッケル・コバルトは硫化物等として結晶したものである。またこれらの過程を通じて、両元素の地球化学的挙動は似通っていた。
著者
草地 功 小林 祥一 武智 泰史 中牟田 義博 長瀬 敏郎 横山 一己 宮脇 律郎 重岡 昌子 松原 聰
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
巻号頁・発行日
pp.142, 2011 (Released:2012-03-28)

岡山県備中町布賀鉱山のゲーレン石・スパー石スカルンに近接した結晶質石灰岩を貫く,武田石など種々のカルシウムホウ酸塩鉱物からなる不規則な脈中の含水カルシウムホウ酸塩鉱物(草地ら,2004)について,新たな分析を行い,このたび国際鉱物学連合,新鉱物命名分類委員会より,新種「島崎石」として承認された。命名は、スカルンの鉱物学、鉱床学に多大な貢献をした島崎英彦東京大学名誉教授に因む。
著者
宮脇 律郎 志村 俊昭 門馬 綱一 松原 聰 加藤 昭
雑誌
一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会
巻号頁・発行日
2019-08-13

河辺石の再定義に向けて、原記載産地の標本を用いた化学組成と加熱処理再結晶化による結晶データの測定を行った。示差熱分析は、4段階の脱水反応による重量減量を示した。メタミクト化した非晶質の未処理試料は650°Cまで加熱すると再結晶化が始まり、立方晶系のパイロクロア石型構造となる。775°Cでジルコノ石の三方晶系ポリタイプ型に相転移する。河辺石の外形は三方晶系に調和的であることから、河辺石の原構造は、三方晶ジルコノ石型と結論される。従って河辺石は、ジルコノ石の希土類置換体と再定義されるべきである。
著者
宮島 宏 百瀬 孝仁 大塚 勉 那須野 雅好 遠藤 公洋 赤羽 久忠 松原 聰 宮脇 律郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.88, 2010 (Released:2011-04-06)

中房温泉のこれまで『明礬』とされていた噴気生成物の大部分は,タマルガル石Tamarugite NaAl (SO4)2・H2Oであることがわかったので報告する.本鉱物はチリのTamarugalパンパスから発見されたもので,国内産出例として大分県別府明礬温泉(皆川, 1994),埼玉県吉見丘陵の吉見百穴洞窟内壁面(堀口ら, 2000)がある. 中房川の右岸の噴気帯から白色と黄褐色の2種類の噴気生成物が認められた.量的には前者が卓越する.EDXによる化学分析とXRDによるX線粉末回折データから黄褐色昇華物はソーダ鉄明礬石と鉄を含む明礬石であったが,白色昇華物は明礬石ではなくタマルガル石であった.また,かつて林間学校の宿泊用に使われていた木造の建物内の床面に,タマルガル石と少量のアルノーゲン,明礬石からなる厚さ5cmに達する噴気生成物が発見された.タマルガル石は薄い板状結晶(最大長30μm,厚さ2~3μm)である.Fe-poor でNa, Kが存在しているときにはタマルガル石と明礬石が生成し,Fe-richであるとタマルガル石とソーダ鉄明礬石が生成し,共にソーダ明礬石は生成しない.
著者
原 聰介
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1965, no.12, pp.28-43, 1965 (Released:2009-09-04)
参考文献数
9

The problem of the view of man as the fundamental educational theory is necessarily connected with the theory of the possibility of human reform. The human reform as it is meant here is not only limited to itself but also connotes the reform of the modes of human behavior as it is socially conditioned, being thus related with the problem of social reform.The present writer was motivated to treat the aesthetic aspect of human recognition as a theory of human reform by the fact that aesthesia played an important role in the transition period of cultural system (modes of behavior) from feudalism to modernism and that intuitionism as an educational theory was formed through the impact of this reform.The theory of aesthesia as an educational theory, however, acts on human reform as a deterrent by fixing the given cultural system while functioning as a reform promotor. Though aesthetic recognition contains a contradiction like this, this seems to remain the only possible approach to the problem of the modern man.
著者
松原 聰 宮脇 律郎 横山 一己 重岡 昌子 原田 明 山田 隆 川島 和子 清水 孝一 宮島 浩
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.77, 2010 (Released:2011-04-06)

長野県茅野市向谷鉱山の熱水脈からヘドレイ鉱、ピルゼン鉱、都茂鉱、Bi3Te2のようなBi - Te系鉱物が産する。鉱脈は三波川変成岩に属する石英ー白雲母ー滑石片岩中に見られる。Bi - Te系鉱物はゲルスドルフ鉱、硫砒鉄鉱、磁硫鉄鉱、黄銅鉱を伴う。ヘドレイ鉱、ピルゼン鉱、都茂鉱は、直径2 mm以下の六角板状結晶として見られる。
著者
門馬 綱一 池田 卓史 長瀬 敏郎 栗林 貴弘 本間 千舟 西久保 勝己 高橋 直樹 高田 雅介 松下 能孝 宮脇 律郎 松原 聰
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2014年年会
巻号頁・発行日
pp.36, 2014 (Released:2019-03-20)

千葉県南房総市荒川から、千葉石と共生して産出した未命名シリカ鉱物について、新鉱物bosoite「房総石」として国際鉱物学連合新鉱物命名分類委員会の承認を受けた。房総石はケージ状骨格構造中にメタンやエタンなどのガス分子を含み、構造H型のガスハイドレートと同形構造である。
著者
松原 聰 宮脇 律郎 門馬 綱一 加藤 昭 重岡 昌子 清水 正明 興野 喜宣 小原 祥裕 原田 明
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

群馬県萩平鉱山から産出したマンガン鉱石中に、グラシャン鉱を確認した。これは世界で2番目の例であり、原産地のものより、理想化学組成に近く、粒が大きいため、反射率の測定もおこなった。産状、共生鉱物、化学組成、結晶学的諸性質などについて報告する。