著者
正木 義男 渡辺 道隆 古川 朋靖 加納 昭彦 山谷 千恵美
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.297-304, 1998 (Released:2009-10-13)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

IntroductionVasovagal reflex (VVR) is a disease that has received attention in various fields.Recently, researchers have started to clarify its mechanism. Three patients with symptoms probably due to VVR were treated in this department and the Head up tilt test was used to diagnose dizziness due to VVR.PatientsThe three patients included a 21-year-old female (Case 1), a 26-year-old male (Case 2) and a 61-year-old female (Case 3). All three patients had chief complaints of spontaneous dizziness after standing or sitting for 5 to 30 minutes.ResultsThe duration of standing before the onset of positive findings was 9.5 minutes in Case 1 and 11 minutes in Case 2. In Case 3, positive findings were obtained 9.5 minutes after isoproterenol administration.DiscussionAll three patients showed spontaneous dizziness in either the standing or sitting position and the results of the Head up tilt test were positive. Therefore, dizziness seemed to be due to VVR in these patients. The instantaneous decrease in blood volume due to paradoxical activation of the vagus nerve may have induced dizziness, loss of consciousness and faintness. Because of severe patient stress during the Head up tilt test, this examination should be indicated only in those who are strongly suspected of VVR.
著者
古川 宇一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.34-46, 1978-03-15 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1 1

中部太平洋岸の小漁村における成人知的遅滞者の生活状況の特徴とその社会的背景について検討した。資料は知的遅滞者の家族・職場関係者、村人との面接資料、および関係事務所の文献資料である。世帯数371、カツオ・マグロ遠洋漁業を主産業とするこの村では、男子知的遅滞者は1人前に働きうる存在であり、就業し家庭を持っているものが多い。女子の場合、結婚するか、さもなくば次世代の家族に扶養されている。村人の態度は受容的であり、知的遅滞が問題になることは比較的少い。このような知的遅滞者の生活状況を支える社会的背景として、地域社会の主産業である漁業の技術的単純性、職場適応への良い教育環境、職場・地域社会における強い血縁的紐帯、漁業利益配分における古い平等原則の残存、世帯間の生活様式の類似性、家計収入面での利害の共有性、古くからのつきあいの緊密性、しつかりした家制度の残存などの要因が考えられた。
著者
古川寿平 編
出版者
敬業社
巻号頁・発行日
vol.巻の1, 1893
著者
菅 文彦 古川 拓也 舟橋 弘晃 間野 義之
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_1-1_11, 2018

&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Although previous researches have suggested that Team Identification (Team ID) and Place Attachment are positively correlated, the causal relationship between them has not been clarified sufficiently.<BR>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;In this research we attempted to verify the hypothesis that &ldquo;inhabitants who have raised the Team ID will raise Place Attachment, compared to the inhabitants who have not raised it.&rdquo; The investigation method was a longitudinal survey focused on inhabitants of Imabari City, designed to assess the change in the Team ID and Place Attachment.<BR>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;The results of the two-way ANOVA showed that there was a significant difference between the Place Attachment of inhabitants who had raised the Team ID and those who had not. Place Attachment of the former increased, and thus the hypothesis was supported.<BR>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;The causal relationship between Team ID and Place Attachment been clarified by this research, however, the existence and the influence of other parameters have not been clarified. In order to clarify the mechanism between Team ID and Place Attachment, accumulation of expert knowledge will be required.
著者
森 伸一郎 古川 将也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.242-251, 2010

本論文の目的は,2009年12月17日から始まった伊豆半島沖群発地震を利用して,小規模アースダムとしてのため池堤体の地震観測を行い,微小震動レベルにおけるため池堤体の地震応答特性について明らかにすることである.対象ため池は谷池であり上下流の2つのため池が隣接し,2つの堤頂と基盤の3点で観測した.観測は19,20日の2日間行い,極微小から小地震による震度2の地震を含む微小振幅の30の地震動の記録を得た.その結果,振幅の大きく異なるフーリエスペクトルの地震動でも,基盤に対する堤頂のフーリエスペクトル比はおよそ一定の形状を示し,各堤体で固有の振動特性を示すことがわかった.また,地震時と微動のフーリエスペクトル比は類似しており,微動による調査法は有効性を確認できた.
著者
篠崎 麻利子 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.27-34, 1993-03-17
被引用文献数
1

発達に障害をもつ子供たちの中には,思春期になると問題行動が重篤化する者がいるという。親は思春期に非常に大きな不安を持っている。だが,実態はよく掴まえられていない。本研究は,思春期の問題行動の実態,具体的な対応の仕方や親の悩み,要望などを明らかにすることを目的に,親への質問紙法による調査を行った。その結果,(1)問題行動別に年代による推移をみると,多動,偏食,奇声は年代とともに減少傾向が大きいこと。他傷行為,睡眠障害,パニックにも減少傾向が見られること。(2)逆に,過食,異食,チック,自慰等性的問題行動は思春期以降に増加傾向を示すこと。(3)自傷行為,強迫的こだわりは,年齢に関わらず,どの年代にも一定数見られること。(4)問題行動が減少していく事例をみると,幼児期に障害児と特別扱いしないで叱る時は厳しく叱る躾方をし,いろいろな趣味を持ち日々を楽しく過ごしている様子が伺えること。また,思春期以降重篤化する事例は中卒者38名中4名にすぎないことなどがあげられた。
著者
古川 賢一 中島 めぐみ
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.26-27, 2015-08

要旨:当院では平成7年の移転新築時、院内原則禁煙とするため建物内に喫煙所を作成。平成17年の病院機能評価受審を機に、建物外に喫煙所を移設。平成22年に筆者が院長就任時「敷地内全面禁煙」を宣言し、2回の全職員対象の講演会、さらに当院職員を対象にした「喫煙に対する意識と実態調査」を行い職員にフィードバック、平成24年に敷地内全面禁煙を実施した。しかし職員の完全禁煙化は進まず、タバコ煙フリーとはなっていない。その経過を報告する。
著者
鈴木 重雄 正本 英紀 井坂 利章 古川 順啓 東 彰一 大田 直友 鎌田 磨人
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-10, 2010-06-30 (Released:2012-02-14)
参考文献数
23
被引用文献数
3 5

モウソウチク(Phyllostachys pubescens Mazel ex Houzeau de Lehaie)を中心とする竹林の拡大が全国各地で報告され,社会的な問題となっている.竹林拡大を抑止するためには,竹林所有者のみならず市民参加を促し,協働の枠組みを構築しながら継続性を担保できる計画を策定することが肝要である.本研究では,産民学官からなる協議会「みなみから届ける環づくり会議」が,徳島県阿南市において,竹林の拡大抑制に取り組むにあたり,その活動方針決定にいかすために行った竹林所有者と地域住民を対象とした意識調査を通じて,竹林所有者と地域住民の竹林に対する認識とニーズを明らかにした.その結果,たけのこ生産が盛んであった当地域では,竹林はたけのこ生産の場であると強く認識がされていた.一方,主に竹林所有者にしか竹林の拡大は認識されておらず,竹林を所有していない住民との間で認識に差異があった.また,竹林は所有者の資産であるという考え方が強く,地域全体の問題として竹林拡大抑制策に取り組もうとする意識は低かった.これらのことから,本地域では,竹林の拡大に係る課題を地域内で共有する努力を行って,所有者と地域住民の双方が現状を認識し,合意形成を図る必要がある.
著者
古川正雄 著
出版者
青山堂
巻号頁・発行日
1871
著者
本庄 将也 飯塚 博幸 山本 雅人 古川 正志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.744-755, 2016-08-15 (Released:2016-09-28)
参考文献数
18
被引用文献数
3

近年注目されている実数値最適化手法の一つに粒子群最適化(Particle Swarm Optimization, PSO)がある.PSOは群知能の一種であり,複数の探索単位(粒子)が互いに情報共有を行いながら解の探索を行う.多点探索を行うメタヒューリスティクスとしては遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm, GA)が有名であるが,多くの実数値最適化問題においてPSOのほうがGAに比べて高速に良い解を発見できることが知られている.本研究では,組合せ最適化問題の一種である巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problem, TSP)に対して短時間で良い解を得ることを目的として,PSOを基にしたアルゴリズムである挿入操作PSO戦略を提案する.提案手法では,粒子の解候補は実数値ベクトルではなく巡回路として表現され,粒子間の相互作用は部分経路挿入によって行われる.本論文では,挿入操作PSO戦略について説明し,数値計算実験からパラメータと得られる解の良さと必要な時間の関係について調査し,パラメータ調整の指針を示す.また,各ベンチマーク問題に対して提案手法とGAなどの代表的なメタヒューリスティクスを適用し,提案手法がこれらの手法より短時間で良い解を求められることを示す.
著者
神田 鉄平 池田 慎 大内 真菜美 長﨑 絢子 山本 理恵 森下 友裕 前田 憲孝 佐々木 崇了 古本 佳代 加計 悟 村尾 信義 古川 敏紀
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.7-12, 2011 (Released:2011-10-18)
参考文献数
10

メデトミジン(MED)が引き起こす体温低下に対して加温輸液を静脈内投与することの効果について健康なイヌを用いて検討を行った。生理的食塩液(control)あるいはメデトミジン40 μg/kgを筋肉内投与し、同時に10 ml/kg/hrでリンゲル液を室温(RT)あるいはアニメック(ANI)、メディテンプ(MEDI)という二種類の加温装置を用いて4時間の静脈内投与を実施した。MED-ANI群では体温低下が僅かに緩和される傾向がみられたが、加温しない群と比較して統計学的に有意な差は認められなかった。結果から、イヌにおいて本条件での加温輸液の投与はメデトミジンによる体温低下を有意には抑制しないことが示された。
著者
高橋 厚 別所 隆 大西 英胤 篠原 央 近藤 喬 栗原 博明 小野口 勝久 関 泰 飯尾 宏 古川 俊治 飛田 浩輔 向井 美和子
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.592-597, 1991-03-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
36

最近われわれは急性の経過をとった腸間膜脂肪織炎の1例を経験した.症例は23歳女性で腹痛と発熱を主訴に来院した.腹部CTにて腸間膜の炎症性疾患が疑われたが,症状増悪するために開腹手術が行われた.開腹所見は小腸間膜の炎症性肥厚を認め肉眼的に腸間膜脂肪織炎と診断した.腸間膜の生検より組織学的にも腸間膜脂肪織炎と診断された.この症例は抗生剤と非ステロイド性消炎鎮痛剤投与のみで症状軽快した.腸間膜脂肪織炎は腸間膜の非特異性炎症性疾患であり多くは慢性に経過する.検索し得た本邦報告例35例を集計し文献的考察を加え報告する.
著者
南 昌孝 森原 徹 大西 興洋 加太 佑吉 祐成 毅 古川 龍平 木田 圭重 琴浦 義浩 藤原 浩芳 久保 俊一
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.541-544, 2017 (Released:2017-09-20)
参考文献数
8

胸郭出口症候群(TOS)は,上肢のしびれや放散痛が生じる疾患である.投球時に同様の症状を訴える野球選手をしばしば経験するが,その疫学や病態は明らかでない.高校野球検診でTOSと診断された選手の疫学と病態を検討した.検診に参加した選手のうち,投球時に上肢のしびれや放散痛を自覚しWright testが陽性の選手をTOSの疑いありとした.そのうち病院を受診した選手の病態を検討した.TOSを疑われた選手は305名中13名であり,5名が病院を受診した.5名の身体所見は,肩甲骨の運動不良3例,胸椎のアライメント不良3例であった.すべての選手に運動療法を行い,2ヵ月以内に症状は消失した.野球選手のTOSは,筋の過緊張やリリース時の牽引などが原因とされている.今回経験した5例では筋の過緊張や肩甲骨下方偏位に加え,胸椎のアライメント異常が影響していると考えた.それらを改善することで症状は消失した.