著者
竹内 孝治 古川 修 田中 宏典 西脇 秀幸 岡部 進
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.123-133, 1986
被引用文献数
3

elcatoninのラットの急性胃・十二指腸損傷の発生,胃液分泌,十二指腸alkali分泌,胃運動に対する効果を検討した.elcatoninは以下の実験で全て皮下投与した.elcatonin 30 unit/kgの投与により塩酸・aspirin,塩酸・ethanol胃損傷の発生を各々81.6%,49.7%(P<0.05)抑制した.水浸ストレス,indomethacin胃損傷の発生もelcatoninは用量依存的に抑制し,前者の損傷は30 unit/kgで77.6%,後者の損傷は10 unit/kgで98.7%(P<0.05)抑制された.elcatonin 30 unit/kgの2回投与はmepirizole十二指腸損傷の発生に対して抑制の傾向(32.7%)を示したが,胃損傷の発生は著明に抑制した.indomethacin·histamine十二指腸損傷の発生に対してはelcatonin 30 unit/kgは59.5%(P<0.05)の抑制を示した.胃損傷もまた抑制した.対照薬として使用した16, 16-dimethylprostaglandin E<SUB>2</SUB>(16-dmPGE<SUB>2</SUB>)は各種胃・十二指腸損傷モデルを3~30 μg/kgの経口投与で強力に抑制した.elcatonin 10および30 unit/kgは幽門結紮ラット(4時間法)での胃液量,酸およびpepsin排出量を有意に抑制した.16-dmPGE<SUB>2</SUB> 3,10,30 μg/kgの十二指腸内投与で胃液には影響を与えなかった.elcatonin 30 unit/kgは十二指腸のアルカリ分泌に影響はなかったが,16-dmPGE<SUB>2</SUB> 30 μg/kgはアルカリ分泌を亢進した.elcatoninおよび16-dmPGE<SUB>2</SUB>は胃運動を2時間有意に抑制した.以上の結果よりelcatoninは抗胃および十二指腸損傷作用を有し,その機序の一部は胃液分泌および胃運動に対する抑制作用に基くことが示された.

2 0 0 0 古川市史

著者
古川市史編さん委員会編集
出版者
古川市
巻号頁・発行日
2001
著者
古川 裕佳
出版者
都留文科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

日本近代文学において、志賀直哉をはじめとする若い男性作家の作品に、家の女中と性的関係をもったことに苦悩する主人公像が描かれていることに注目し、罪意識と逸脱者意識の混交の果てに超越的な自己を見出そうとするような、共通した機構があることについて考察した。女中と関係してしまう「不良」のような、<家庭>イデオロギーからの逸脱者を描くことが、当時の文学にとって重要な課題であったことを明らかにし、家庭において家族と他人の中間的な存在であった「女中」の表象がどのように変容するのかを、当時の女中をめぐる言説および具体的な小説の表象に即して検討した。家庭にとっての異物であり、悪役とされる「妾」がお家騒動においてどのように機能したかを検討した。
著者
古川 顕
出版者
京都大学経済学会
雑誌
経済論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.179, no.2, pp.85-101, 2007-02
著者
古川 徹生
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

高次の知識を得るための階層的学習法に関する研究を行った.第1次階層での学習は,個々のケースにおけるデータを学び,モデル化を行う.第2次学習では1次学習の結果をデータとみなして,すべてのケースに共通する普遍モデル,すなわち高次知識を得る.この学習タスクはテンソル方程式で書くことを見出し,自己組織化写像 (SOM) の階層構造で解けることを見出した.さらに多視点的データ解析を可能にするテンソルSOMを開発し,その有効性を示した.
著者
片山 徹郎 菰田 敏行 古川 善吾 牛島 和夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.2223-2232, 1993-11-15
被引用文献数
3

ソフトウェアのテストを行う際、テストデータについての条件を記述したテストケースは、ソフトウェアの信頼性向上に重要な役割を果たす。逐次処理プログラムのテストケース作成技法については、さまざまな方法が実用化されている。しかしながら、並行処理プログラムの場合、テストケースの考え方すらほとんど研究されていない。並行処理プログラムが実用化されるようになり、並行処理プログラムのテストの質を向上させることが重要になっている。本稿では、並行処理プログラムのテストケースの定義、およびその生成ツール(TCgen)の試作と利用経験について述べる。プログラム単位ごとに事象グラフを作り、事象グラフ間で同期する節点を同期関係で結んだ事象同期グラフ(ESG)によって、並行処理プログラムをモデル化する。事象同期グラフ上の協調路(Copath)を、並行処理プログラムのテストケースと定義する。テストケース生成ツールTCgenは、プログラミング言語Adaで書かれた並行処理プログラムを入力とし、協調路を出力とするツールである。ツールTCgenによって作成された協調路は、テストケースの漏れや重複を少なくすると期待される。しかしながら、実際のテストデータを作成する段階で、実行可能性についての間題が残る。
著者
古川 浩平 松本 幸太郎 大石 博之 円田 竜太 井上 佳子
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.15-26, 2008-09-15 (Released:2013-09-02)
参考文献数
12

In erosion control engineering field, various kinds of new techniques have been developed and briskly put into practical uses. Among these techniques, it is said that non-structural measures have been in demand lately. These measures contain many kinds of techniques and the terminology “non-structural measures" that are still not clear. Therefore, in this study, various kinds of non-structural measures which have been developed so far are reviewed, and the present technological development measures are analyzed in relation to social demands. As a result, practical needs on these measures, today and in the future, will be clarified. This paper's distinctive feature is its analysis based on the quantity of patent right registration, while in many preceding papers, major analyses used to be conducted based on the quantity of academic papers. Additionally, the questionnaire survey or the hearing investigation was executed to extract the problem that the erosion and torrent control field had, and it listened to engineer's opinion and manager's opinion at the technology development. From the result of this investigation, it turned out to be felt that the entrepreneurial strategy and the advantage of making to the patent are different.
著者
古川 智恵子 中田 明美
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-8, 1986-03-01

腰巻は褌と並んで衣の厚点であり,ある時代には裳として表着に,また褶(ひらみ)・湯巻として労働着に,あるいは肌着に,またある時代には脚布(きゃふ)や蹴出(けだ)しとして女の服飾に色彩を添え,下半身を被う必要不可欠な「衣」として人間の欲求の多様化と共に分化してきた.また,労働着としては漁・山村あるいは地底でも炭坑婦に用いられ,厳しい労働に従事し,家族の為に身を粉にして働く女達の精神を支え,見守ってきたのである.この腰巻は昭和の中頃まで,あるいは地域的には現在でもなお仕事着として用いられ,和服着用時の裾よけとしても用いられている.人間の文化は原点に戻りながら循環を繰り返してきたが,そこには絶えず新しい価値と機能性が加えられ,時代と共に脈動しながら発展してきた.今日まで何千年もの間その形態を保ち続け,着用され続けてきた腰巻は,労働文化の荷ない手として堂々と主張すべき貴重な文化財であり,人間の進歩,発展と共に分化し,育成をみてきた生活と文化の尊い資産なのである.
著者
西 智弘 森 雅紀 松本 禎久 佐藤 恭子 上元 洵子 宮本 信吾 三浦 智史 厨 芽衣子 中野 貴美子 佐藤 一樹 下井 辰徳 田上 恵太 江角 悠太 坂井 大介 古川 孝広 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.184-191, 2013 (Released:2013-07-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

【背景】わが国における緩和ケアの需要は年々高まり, 緩和ケア医の養成は重要な課題である. しかし, 緩和ケア医を目指す若手医師が, 教育研修体制やキャリア構築などに対して, どのような満たされないニーズを抱えているかは明らかになっていない. 【目的】緩和ケア医を目指す若手医師が抱えるニーズを明らかにする. 【方法】卒後15年目までの医師を対象にグループディスカッションを中心としたフォーラムを行い「必要としているけれども十分に満たされていないことは?」などに対する意見をテーマ分析を用いて分析した. 【結果】40名の医師が参加した. 若手の抱えるニーズは, 「人手の確保」「研修プログラム・教育の質の担保」「ネットワークの充実」「緩和ケア医を続けていくことへの障害の除去」「専門医として成長する道筋の確立」であることが示された. 【結論】緩和ケア医を育成していくため, これら満たされないニーズの解決を議論していくべきである.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.20, pp.1-6, 2013-02-20

国家をネットワークのノード,同盟をネットワークのエッジとして捉えると,国際政治システムをネットワークとして分析することができる.我々は,この同盟ネットワークを,"the World Alliance Web (WAW)" と呼ぶことにする.本論文の目的は,WAW のトポロジー特性とその変化を分析することで,国際政治システムの特徴を明らかにすることにある.本論文では,1816 年から2000 年までのデータを一日毎に分析する.その結果,WAW は冷戦開始を境にノードとエッジが急激に増加し,米国を中心とするネットワークとソ連を中心とするネットワークが出現していることが明らかになった.また,それぞれのネットワークのトポロジー特性の変化から,米国とソ連の安全保障戦略が明らかになった.By defining nations as nodes, and alliances as edges, it becomes possible to look at international political system as undirected networks, which we call "the World Alliance Web (WAW)". In this paper, we explore the characteristics of international political system by analyzing topological properties of WAW. We analyze day-to-day data of alliances from 1816 to 2000. The results show that the number of nodes and edges rapidly increased after the beginning of the Cold War and a conneced component with USA as center and a connected component with USSR as center have emerged. In addition, we can observe security strategies of USA and USSR from topological properties of WAW.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
古川 陽介 仲村 尚崇 深田 光敬 中司 元 安田 潮人 小田代 敬太 丸山 徹 赤司 浩一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1515-1520, 2011 (Released:2013-02-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1

目的: 近年, ワルファリン(warfarin; WFN) とプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor; PPI)の併用による薬物相互作用が指摘されている. 今回, ラベプラゾールとランソプラゾールの抗凝固療法に対する影響を後ろ向きに検討した.対象と方法: 外来で安定した抗凝固療法が確認されておりPPIを追加投与された例をPPI投与群(n=19), PPIを併用せずにWFNの維持量を半年以上固定している例を対照群(n=12)とし, PT-INR値とその変化率, PT-INRをWFNの用量で補正した値(INR/WFN)および出血性イベントを評価した.結果: 対照群とPPI投与前のラベプラゾール群およびランソプラゾール群でWFNの維持量, 平均PT-INR値, INR/WFNに有意差はなかった. PPI投与前後の平均PT-INR値はラベプラゾール群で変化なく(p=0.137), ランソプラゾール群で増加した(p=0.002). この増加は対照群のINRの自然変動より有意に大きかった(p<0.001). INR/WFNはラベプラゾールの投与では変化なく, ランソプラゾールの投与で増大した(p=0.011). 臨床的にいずれのPPIも出血性イベントは起こさなかった. ランソプラゾール群の2名でWFNを減量した.結語: 今回, ラベプラゾールはランソプラゾールに比べて抗凝固療法下でのPT-INR値に影響を与えにくいことが明らかとなった.
著者
古川園 智樹 石元 龍太郎 小林 慶太 笠井 賢紀 赤松 正教 井庭 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.99-106, 2004-08-05
被引用文献数
1

本論文の目的は、成長するネットワーク上で社会・経済シミュレーションを行う ための基盤を構築することである。まず、ネットワーク形成のシミュレー ションにマルチエージェント・モデルが有効であることを示した上で、成長す るネットワークにおける代表的な3つのモデルを再現する。再現するモデルは、「ランダム選択成長モデル」、「優先的選択成長モデル」、「適応度を付与した優先的選 択成長モデル」である。さらに、社会・経済シミュレーションへの拡張が容易 であることを示すために、成長するネットワーク上での情報伝播のシミュ レーションを行う。The purpose of this paper is to construct the basis of the social and economic simulation on evolving network. To achieve the purpose, we first suggest that multi-agent model is useful in simulating network formation and second replicate three typical models of evolving network.The models are ``random network model'' , ``scale-free network model'' and ``fitness network model''. Finally, we simulate ``information propagation model'' on evolving network and demonstrate that it is easy to expand multi-agent model on evolving network to social and economic simulation.
著者
古川 亮子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.290-298, 2006-07
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究は,両親学級の実態調査を通して,今日の妊婦教育の現状・課題を検討することを目的とする。対象は,新潟県内の医療機関49施設と行政機関115施設のうち,倫理的配慮のもとに研究協力を得られた86施設であった(回答率52.4%)。1)行政機関による両親学級の実施率は,医療機関による両親学級の実施率に比べ有意に高かった(p<0.05)。2)両親学級の実施率は,土・日・祝日(p<0.01)または午前中と夕方(17時以降)(p<0.05)において,母親学級に比較し有意に高かった。3)両親学級の妊婦以外の参加者,特に夫・パートナーの参加は,母親学級に比べて有意に高かった(p<0.05)。4)新生児に関する演習の実施は,両親学級が母親学級に比較して有意に高かった(p<0.01)。5)評価の実施は,両親学級(48.0%)が母親学級(26.7%)に比べ有意に高かった(p<0.05)。両親学級と母親学級の実施状況には,上記の5項目以外には大きな差はみられなかった。今後は,「両親学級」の普及に及んだ社会背景やその特徴を考慮しつつ,家庭にも男女共同参画を盛り込んだ妊婦教育の提供を考慮する必要がある。
著者
古川 雅英 床次 眞司
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.195-206, 2001 (Released:2010-02-25)
参考文献数
39
被引用文献数
4 8

The absorbed dose rate in air because of terrestrial gamma radiation in Miyako-jima, an island that is part of Okinawa Prefecture in the subtropical region of Japan, was estimated at 637 points by in situ measurements with spectrometers equipped with 3″φ×3″NaI (Tl) and 1″φ×2″NaI (Tl) scintillation detectors. The mean, minimum, and maximum dose rates were calculated to be about 79nGy/h, 3nGy/h, and 165nGy/h, respectively. The correlation of the dose rate and geology showed that the high-rate areas (>100nGy/h) and the distribution of the Holocene red soils (Onokoshi Clay) overlap each other. On the other hand, the low dose rates (<30nGy/h) were mainly found in an outcrop of the Pleistocene Ryukyu Limestone, the main geologic element in the foundation of the red soils. Recent studies (e. g., Inoue et al., 1993) concluded that most of the red soils were not residuals from the base rocks, but of eolian dust “Kosa (Yellow Sand)” origin. These results strongly indicate that the dose rate in Miyako-jima has been enhanced as a result of eolian deposits transported mainly from the arid region of China since the last glacial epoch.
著者
藤田 芳史 久保田 彰 古川 まどか 八木 宏章 佃 守
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.113, no.3, pp.115-122, 2010-03-20
被引用文献数
1 2

過去11年間に当科で治療した耳下腺癌症例34例について検討した.T1/2/3/4aが5例/12/7/10, N0/1/2が25例/3/6, stage I/II/III/IVが5例/10/6/13であった. 病理組織型は, 多形腺腫由来癌が9例, 腺癌が8例の他, 計10種類の組織型を認めた. 同期間の良性腫瘍98例を含め, 穿刺吸引細胞診 (FNA) の有用性を検討したところ, 感度76.0%, 特異度95.4%, 良悪性の正診率91.1%であり, 過去の報告と同等であったが, 4例の偽陽性と, 6例の偽陰性を認め, FNAの結果のみで悪性腫瘍と判定し, 顔面神経の処置を決定するのは危険なことが判明した. 悪性腫瘍29例に手術を施行した. 顔面神経は可能な限り温存を試み, 15例で全5枝を温存した. 悪性腫瘍で, 顔面神経浸潤が疑われる症例, リンパ節転移陽性, 高悪性度の症例, 切除断端陽性の15症例に対して, 術後放射線照射を施行し, そのうち3例に再発を認めた. 手術不能例5例に対しては, 化学放射線同時併用療法または放射線単独照射を行ったが, 現在まで全例生存している. 5年overall survival (OS) は87.4%, 5年progression free survival (PFS) は71.4%であった. stage分類別5年PFSは, stage I/II: 91.7% (stage I: 100%, stage II: 87.5%), stage III/IV: 51.6% (stage III: 50%, stage IV: 47.9%) で, 両者の間には有意差が認められた. またN分類別5年PFSでも, N0: 86.2%, N+: 38.1% (N1: 66.7%, N2: 20.8%) で, 両者の間には有意差が認められた.