著者
矢尾 善英 長田 一仁 長田 鉄也 末定 弘行 箱島 明 石川 幹夫 石丸 新 古川 欽一
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.757-760, 1989

Björk Shilly C-C弁をもちいた僧帽弁置換術患者20例にたいしてX線シネ撮影を用いた直視下の弁機能の観察を行った。最大解放角度, 弁座動揺角度, 解放時間, 閉鎖時間は経時的変動は少なく良好な結果を示した。弁座動揺角度は症例による変動が大きく, 10度以上の症例は11例で, これらの弁サイズは全例31mmであり, 左房, 左室の拡大, 肺高血圧が見られた。
著者
阿部 広和 大須田 祐亮 井上 和広 森 鉄矢 古川 章子 石岡 卓 中島 久三子 小塚 直樹
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Bb1176-Bb1176, 2012

【はじめに、目的】 脳性麻痺児の移動手段は個々により多種多様にも関わらず,移動に関する研究の多くは歩行に焦点を当てたものである.移動時のエネルギー効率に関しても,歩行時のエネルギー効率を算出している報告が多くみられる.しかし,障害の重症度を表すGross Motor Function Classification System(GMFCS)レベル3-4の脳性麻痺児の多くは学校や地域で車いすを用いて移動している.そのため,GMFCSレベル3-4の脳性麻痺児においては,歩行によるエネルギー効率の把握が日常生活における移動方法のエネルギー効率をみているとは必ずしも言えない.本研究の目的は,脳性麻痺児における手動車いす駆動時のエネルギー効率と歩行時のエネルギー効率をGMFCSレベルごとに分け,比較し検討することである.【方法】 対象は,痙直型脳性麻痺児21名(男性11名,女性10名,平均年齢13.5±3.4歳)とした.内訳は,GMFCSレベル2-4の児が各レベルごと7名であった.移動方法は,GMFCSレベル2の児は独歩,レベル3-4の児は手動車いすであった.エネルギー効率の測定は5分間の安静座位後,1辺10mの正方形のコース上を5分間,対象児の最も快適と感じる速度で歩行・手動車いす駆動させた.歩行時・手動車いす駆動時のエネルギー効率は,Total Heart Beat Index(THBI)を用いて求めた.THBI(beats/m)は,5分間総心拍数(beats)/5分間総移動距離(m)で算出した.心拍数の測定には,Polar RS800CX (Polar Electro社,日本)を使用した.統計処理は,GMFCSレベルごとのエネルギー効率を比較するために一元配置分散分析と多重比較検定を行った(有意水準5%).また,群間の差の大きさをみるために効果量(Cohen's d)を算出した.効果量は,0.2≦d<0.5で軽度,0.5≦d<0.8で中等度,0.8≦dで高度と効果量が高くなるほど群間の差が大きいとされている.一元配置分散分析と多重比較検定はSPSS version 19.0,効果量はG Power3.1を用いて算出した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は札幌医科大学倫理委員会の承認を得て,保護者・対象者に説明を行い,同意書を得て行った.【結果】 THBI(beats/m)は,GMFCSレベル2で2.75±0.75,レベル3で1.99±0.21,レベル4で3.0±0.87であった.GMFCSレベルごとのエネルギー効率を比較するために一元配置分散分析を行ったところ,有意な主効果が得られた(F<sub>2,18</sub>=4.254,p=0.031).Games-Howellの方法でpost-hocテストを行ったところ,GMFCS レベル3と4で有意な差が見出された(P=0.049).GMFCSレベル2と3,3と4間の効果量はd=1.37,1.60と大きかったが,レベル2と4間の効果量はd=0.32と小さかった.【考察】 GMFCSレベルが低下するにつれて,歩行時のエネルギー効率は低下するとされている.しかし,GMFCSレベル3の児は車いす駆動で移動することにより,GMFCSレベル2の児における歩行時のエネルギー効率よりも効率よく移動できた.GMFCSレベル2と4間では,効果量が小さいためエネルギー効率にあまり差がないと言える.GMFCSレベル4の児における歩行時のエネルギー効率はレベル1-3の児よりも大きく低下するため,手動車いす駆動で移動することで効率よく移動できることが示唆された.また,有意差はなかったがGMFCSレベル3と4間では,効果量が大きくサンプルサイズを増やせば有意差が生じる可能性がある.つまり,車いす駆動時のエネルギー効率も粗大運動能力により変化する可能性が示唆された.しかし,GMFCSレベル4の児はばらつきが大きいため,手指の操作性を評価するManual Ability Classification System(MACS)などで詳細に評価していく必要があると考える.【理学療法学研究としての意義】 日常生活の移動方法として用いられている手動車いす駆動時のエネルギー効率を把握することで,エネルギー効率の改善を目的とした理学療法介入の一助となると考える.
著者
古川 功 江原 誠二 橋本 静信
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1990, no.9, pp.949-954, 1990
被引用文献数
1

ジハロトリフェニルポスホランと1-アリ-ル-2-ヒドロキシ-1-アルカノンジメチルアセタール1のi 反応について検討した。ジブモトリフェニルボスホラン2またはジグロロートリフェニルホスホラン3を,アセトニトリル溶媒中ピリジン存在下で1と加熱反応させると短時間で2-アリールカルボン酸エステル4が得られた。4の収率は1の芳香環上の置換基によって影響を受け,電子供与基をもつものはを好収率(94~95%)で与えたが,電子求引基をもつものでは低収率となった。一方,ジョードトリフェニルホスホラシを同条件で反応させると4は得られず,1-アリールー1一メトキシー2一アルカノンが好収率(84~88%)で得られた。以上の結果からジハロトリフェニルホスホランのハロゲンを変えると異なる生成物が得られ,特に2または3を反応試剤とする方法は,4の有効な合成法であることが明らかとなった。
著者
岡本 裕行 内橋 康充 ルォン ゴォク カーン 宮原 照夫 川面 克行 西山 孝 藤井 隆夫 古川 憲治
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.318-327, 2009-07-20
参考文献数
21
被引用文献数
1 5

anammox処理を応用してビール工場排水の窒素量を効率良く削減することを目指し,アサヒビールの工場において実際の排水を用いて,anammox処理に適用させるための前処理実験を実施した.供試排水のTOC値の18.5%は酢酸とプロピオン酸から成り曝気処理で容易に分解した.有機物分解後にアンモニア態窒素酸化が起こる事象が確認され,前処理工程としてはアクリル繊維担体で微生物を固定化した曝気槽(有効容積360 L)で有機物の除去(活性汚泥処理)を行った後,同型の曝気槽にて部分亜硝酸化処理を行うプロセスが構築できた.<br>半年間の連続実証運転において,有機物除去能力1.5–2.4[kg-TOC/m<sup>3</sup>/d]程度,部分亜硝酸化処理能力は1.5–2.5[kg-NH<sub>4</sub>/m<sup>3</sup>/d]程度であった.供試排水への急激な高濃度排水あるいは浮遊性懸濁物質(Suspended Solid : SS)の流入や運転ミスがない限りは,有機物を80%除去した上,亜硝酸化率が50%付近で維持できる前処理が可能であることを連続1ヶ月間確認することができた.

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著者
古川斗鬼 著
出版者
早川熊治郎
巻号頁・発行日
1896
著者
古川 哲史 黒川 洵子 白 長喜
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.3, pp.152-156, 2016 (Released:2016-03-10)
参考文献数
8

薬用人参は最もポピュラーな生薬の1つであり,東洋医学では不老長寿の薬・万能薬として使われている.その主成分はステロールサポニン(ginsenoside)であり,薬理作用としては免疫賦活作用,抗がん作用,血管拡張作用などが知られているが,その作用機序の詳細は不明である.我々は,薬用人参の心血管系に対する作用を検討した.薬用人参は,急性作用として心筋活動電位持続時間を短縮し,細胞内カルシウム濃度を低下させることで心血管系保護作用を示す.薬用人参成分の中で,ginsenoside Reが主な作用成分であった.コントロール状態では,緩徐活性化遅延整流性カリウム電流(IKs)を活性化し,交感神経刺激状態ではL型カルシウム電流(ICaL)を抑制することにより活動電位持続時間を短縮した.IKs活性化,ICaL抑制とも一酸化窒素(NO)依存性であるが,その機序は異なっていた.IKs活性化は,IKsチャネルαサブユニットKCNQ1のニトロシル化,ICaL抑制は交感神経刺激により産生されたcAMPの分解の促進によりもたらされた.NO産生源は3型NO合成酵素(NOS3,別名eNOS)であり,eNOS活性化はカルシウム非依存性であり,リン酸化酵素Akt依存性であった.Aktの活性化は,性ホルモン受容体であるエストロゲン受容体,アンドロゲン受容体,プロゲステロン受容体を介して行われた.Ginsenoside Reはエストロゲン受容体,アンドロゲン受容体,プロゲステロン受容体に直接結合するが,コアクチベーターの結合を起こさないために,ゲノム作用を示さなかった.以上から,薬用人参のステロールサポニンginsenoside Reは性ホルモン受容体非ゲノム作用の特異的リガンドとして心血管保護作用を示すことが明らかとなった.
著者
古川 俊之
出版者
学会出版センタ-
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.p445-447, 1990-07
著者
古川 智恵子 小川 由香
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.31-40, 1988-03-01

1.繰糸祭およびお糸船神事の由来は,伊勢神宮へ神衣の材料を献上する儀式であり,7世紀後半より始まり,15世紀,戦国時代には中絶したと言われている.しかし明治34年,土地の人渡辺熊十によって復興され現在にまで至っている. 2.祭りの装束については,神職は上衣として狩衣を,下衣は指貫を着用し被物は烏帽子である.狩衣に指貫の装束は,古く平安時代から公家の間で広く用いられた狩猟用の略装であるが,明治以後神職の祭祀奉仕の略服として着用されるようになった.神に捧げる絹糸を採る糸姫は,木綿の白衣に白衿を着用し,最上衣として木綿の千早を羽織る.千早は平安時代中期に祭服として用いられるようになり,原始的な貫頭衣の形態を留めている.ただし御料所の千早は伊勢神宮のものとは多少構成が異なり,より機能的に工夫されている.この白無垢の装束は,神に捧げる絹糸を採る際の糸姫の純粋,清浄な心を表現するものと考えられる.その他の祭り参加者の衣装は,時代が進展するにつれて簡略化の傾向を辿ってきたが,神職と糸姫の装束だけは現在に至るまで,古式の面影を留めている. 3.祭りとくらしについて要約すると,「延喜式」にも記されているように,亀山の良質な絹糸を奉献する繰糸祭・お糸船神事は,その土地の特徴を生かした祭りであると言うことができる.かつ五穀豊穣,大漁を神に祈る意味をもち,衣に霊魂が宿るとする日本古来の信仰とともに現在にまで伝えられているのである.神事の後の直会は,本来神に献上した御食,御酒を人々が戴くことによって,神の霊威を人間の体内に受け入れるという意味をもち,また一年に一度集まり,参加する人々のコミュニケーションの場ともなっている.祭りはこうして生活の折り目,節目としての役割をも果たし,観光開発のために伝統的な祭りを保存していこうとする動きが一般的である今日でも,この祭りは地域の人々の生活の中にその本義を忘れることなく,今も根づいていると言うことができる.
著者
堀内 真愛 古川 善博 掛川 武
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.121-121, 2011

リボースの生成は初期生命の形成において重要である.初期地球におけるリボース生成反応としてホルモース反応が提案されているがこの反応にはリボース前駆体が不安定であるという問題がある.これに対しホウ酸塩を添加するとリボース-ホウ酸錯体が形成され,リボースの安定性が向上することが提案されている.従来の分析法では反応の素過程とそれらに対するホウ酸の影響が明らかにされていない.そこで本研究ではLC/MSによる分析手法開発、さらにホルモース反応において不安定な前駆体であるグリセルアルデヒドの縮重合実験を行い,ホウ酸の影響を検証した. 分析条件開発の結果,2つの配位子交換カラムが適していることが明らかになり,開発した条件で実験生成物を分析したところ,ホウ酸塩を反応に添加した場合,グリセルアルデヒド-ホウ酸錯体が形成し,グリセルアルデヒドの減少率が低下した.これらの結果は, ホウ酸がグリセルアルデヒド-ホウ酸錯体を形成することで,グリセルアルデヒドの安定性を向上させ,ホウ酸が初期地球におけるリボース生成に貢献したことを示唆する.
著者
古川 忠延 松澤 智史 松尾 豊 内山 幸樹 武田 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.1258-1266, 2005-07-01
被引用文献数
2

最近注目を集めているWeblog(以下Blog)では, ブックマーク(ユーザが自身のBlogページ内からリンクしているお気に入りのBlog)やコメント, トラックバックなどによりBlog同士の関係性を把握することができる.このようなBlogのつながりは全体としてBlogネットワークを構成し, ユーザへの情報推薦に有用な情報源であると考えられる.本論文では, Blogネットワークにおいて, ユーザがどのようなページを頻繁に閲覧しているのかを, Blog間の関係性に着目して分析し, その把握を試みた.機械学習アルゴリズムを用いてユーザが閲覧する要因を分析した結果, Blogネットワークにおいてはブックマークを経由しての閲覧が大きな割合を占めていることが分かった.また, ユーザが閲覧している先のBlog運営者がコメントやトラックバックといったアクションを起こしている先のBlogも, ユーザにとって興味深いBlogとなっている可能性が高いことを裏づけるデータを得ることができた.
著者
大久保 貴之 辻 純一 徳永 憲洋 古川 徹生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.480, pp.381-386, 2009-03-04
被引用文献数
1

本研究の目的は,ダイナミクスの「集合」を扱うニューラルネットワーク(Multi-Dynamics Learning Network:MDLN)を開発することである.このMDLNには次の3つの機能を求める.i)教示されるダイナミクスの可観測状態変数から,非可観測状態変数とそのダイナミクスを推定すること.ii)推定するダイナミクス間の順序づけを行うこと.iii)順序づけしたダイナミクス間の内挿補間を行うこと.本論文ではこれら3つの機能を満たすMDLNの実現において既存のアプローチでは限界があること,その理由と解決方法について議論する.そしてシミュレーションを行い,われわれの主張する論理の整合性を検証したので報告する.なお本研究では,既存のアプローチにとしてRecurrentNeural Network(RNN)を機能モジュールとするモジュラーネットワーク型SOM(mnSOM)とParametric Bias(PB)法を用いたRNNPBの2つのニューラルネットワークを用いて検証を行った.