著者
岡田 充弘 小山 泰弘 古川 仁
出版者
長野県林業総合センター
巻号頁・発行日
no.16, pp.33-39, 2002 (Released:2015-11-24)

カラマツ根株心腐病被害は,土壌中の水分が停滞しやすい山腹平衡緩斜面あるいは石礫が多く風当たりが強い尾根下斜面の林分に多かった。被害は,幹の傷から腐朽するタイプと,根系から腐朽が始まるタイプに分けられた。30~40年生カラマツ林における本病被害木の平均的腐朽高は地際断面における腐朽直径の約10倍に達し,腐朽進展速度は3~5cm/年と推定された。胞子を伝染源として伝染・拡大する既知病原菌以外に,被害木から菌糸束を伸長させて伝染・拡大する未同定菌が確認された。
著者
岡田 充弘 小山 泰弘 古川 仁
出版者
長野県林業総合センター
雑誌
長野県林業総合センター研究報告 (ISSN:1342775X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.33-39, 2002-05

カラマツ根株心腐病被害は,土壌中の水分が停滞しやすい山腹平衡緩斜面あるいは石礫が多く風当たりが強い尾根下斜面の林分に多かった。被害は,幹の傷から腐朽するタイプと,根系から腐朽が始まるタイプに分けられた。30~40年生カラマツ林における本病被害木の平均的腐朽高は地際断面における腐朽直径の約10倍に達し,腐朽進展速度は3~5cm/年と推定された。胞子を伝染源として伝染・拡大する既知病原菌以外に,被害木から菌糸束を伸長させて伝染・拡大する未同定菌が確認された。
著者
南澤 潔 古田 一史 三潴 忠道 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.515-519, 2002-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
20

抗生物質治療に抵抗性であった84歳男性の敗血症患者に対して, 黄耆建中湯が奏功した症例を経験した。患者の血液培養からは継続してクレブシエラが検出され, 明らかで無いながら感染源として腸管からの bacterial translocation が疑われた。2週間の抗生物質治療にも関わらず弛張熱と血液培養陽生が持続し, 菌交代現象が示唆された。このため抗生物質を中止の後, 黄耆建中湯単独にて加療したところ徐々に発熱, 炎症反応の低下が見られ, 抗生物質を再開することなく血液培養も陰性化し, 患者は完全に回復した。黄者建中湯は「虚労を治す」とされているが, 敗血症治療に奏功したとの報告は見られない。機序は明らかでないが, 黄耆建中湯が特に高齢者や免疫機能低下状態の重篤な感染症の治療に有用である可能性が示唆された。
著者
清水 洋 松本 聡 酒井 慎一 岡田 知己 渡辺 俊樹 飯尾 能久 相澤 広記 松島 健 高橋 浩晃 中尾 茂 鈴木 康弘 後藤 秀昭 大倉 敬宏 山本 希 中道 治久 山中 浩明 神野 達夫 三宅 弘恵 纐纈 一起 浅野 公之 松島 信一 福岡 浩 若井 明彦 大井 昌弘 田村 圭子 木村 玲欧 井ノ口 宗成 前原 喜彦 赤星 朋比古 宇津木 充 上嶋 誠 王 功輝 ハザリカ ヘマンタ 矢田 俊文 高橋 和雄
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2016年熊本地震について、地震活動や地殻変動、活断層、火山活動への影響、地震災害の特徴などを調査した。その結果、熊本地震は布田川・日奈久断層帯の右横ずれ運動によって発生したが、複数の断層面と複雑な断層形状を持つことを明らかにした。また、建物被害や土砂災害の地盤との関係、特に、地盤の過剰間隙水圧が地すべりの発生要因であることを明らかにした。さらに、災害情報や災害過程、被災救援、エコノミークラス症候群などについての調査から、広域複合災害の問題点と対応策を提示した。
著者
古閑 博美
雑誌
嘉悦大学研究論集 = KAETSU UNIVERSITY RESEARCH REVIEW
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.107-121, 2015-10-26

毎年、担当する講座に外部講師を招いている。学生の学修意識と態度能力向上に資する教育的機会として位置づけている。外部講師は実業界、教育界から芸能界まで多岐に渡り、学内からも招いている。初めての試みとして、「魅力的な行動・表現」(選択科目)で「エグゼクティブ・セミナー」を企画した。講師の植村裕之氏は、三井住友海上火災保険株式会社元社長で、現在は同社のシニアアドバイザーである。植村氏は、「魅力的な行動・表現」をテーマに、50年に渡る実業界での経験を踏まえ、学生時代の過ごし方、社会で必要な心構えや取り組み、出会った素晴らしい人びとに共通する事項など丁寧かつ率直な態度で学生に語ってくださった。学生の傾聴の態度は真摯であって講師に好感を与えた。外部講師を招聘するにあたり事前教育が不可欠である。筆者が教壇に立って以来行ってきた教育実践に、「礼に始まり礼に終わる」がある。魅力行動研究から、学生の態度能力の向上に資するものとして「さささ親切」「三立:立腰立額立身」「正心静座」を提唱し実践している。こうした実践の有効性について考察した。教育研究職にとってもこのような講演は貴重と考え、植村氏の了解を得て内容を掲載する。
著者
高瀬 唯 劉 成玉 古谷 勝則
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究(オンライン論文集) (ISSN:1883261X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.70-81, 2018-07-02 (Released:2018-07-21)
参考文献数
62

The natural environment serves to create a pleasant living environment for human habitation, both aesthetically and functionally, and it is important to preserve the natural environment that citizens are familiar with in their daily lives. The purpose of this study was to understand human experiences of natural landscapes in everyday life in terms of a spatial image. A questionnaire using landscape image sketching techniques was conducted (n=73). This study used three concepts: 1) visual objects perceived as one environment, 2) elements of visual objects, and 3) images that the test subject recalled from the visual objects. The landscape experiences were classified then into three types: tree-recollection, grass or waterside-recollection, and terrainrecollection. For example, in the tree-recollection type, the subject tended feel enclosed by trees, with a typical example being streets. The subject acquired an aesthetic impression relative to the vegetation. In the grass or waterside- recollection type, subject tended to recall their own behavior relative to an experience with nature or a sense of a large, open green space. In the terrain- recollection type, the subject developed the impression of the elements of visual objects, such as a mountain, sea, a forest.
著者
森 拓哉 渡邉 翔一郎 古関 隆章
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.135, no.12, pp.1153-1159, 2015
被引用文献数
2

Smart timetabling optimization is a cost-effective way to improve the quality of railway service. Partial introduction of rapid trains is one of the effective methods for improving passenger service quality. However, it is difficult to concretely perform smart train scheduling. In this paper, we apply mixed integer programming for minimizing the total travelling time of passengers to obtain optimal train scheduling for the combination of all-station and partially introduced rapid trains. This method requires higher computational time to obtain the optimal solution than other metaheuristic methods; however, the solution guarantees to be an optimal one. We also propose an appropriate method to digitize the OD (Origin Destination)-patterns, i.e., the traffic demand inputs between two stations, which are suitable for the framework of the proposed mixed integer programming method. We apply the method to a case study of a commercial subway and demonstrate the advantages of the proposed train service with the partial introduction of rapid trains.
著者
丸山 加名 近藤 悠希 山門 慎一郎 加治屋 忠一 山本 健 古川 綾 石塚 洋一 岩元 正義 山本 美智子 入江 徹美
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.99-108, 2021-08-31 (Released:2021-09-25)
参考文献数
12

Objectives: It is important for patients to make correct use of drug information (DI) to promote the proper use of medicines. Many patients use the Internet to find DI, but awareness about the websites of public institutions that provide DI is low. This study aimed to identify the actual use of the Internet for DI and associated problems to inform development of a comprehensive DI website for patients.Method: Patients with diabetes were set as a model case for patients who take medicines and need DI. A questionnaire survey was conducted among patients with diabetes who visited community pharmacies in Kagoshima City from March 2019 to October 2019. The survey covered Internet use, DI needs, methods of sourcing DI, and problems obtaining DI via the Internet.Results: There were 349 valid respondents (median age 64 years), of which 52.1% used the Internet at least once a week. Around half of the Internet users searched for DI on the Internet. More than half of these respondents chose a DI acquisition site because it “appeared at the top of search results” and was “easy to understand.” However, around half of these respondents felt that “there is too much information on the internet and I don’t know what is correct.”Conclusion: This study suggests that older patients with a long history of diabetes use the Internet to obtain DI. However, patients face various problems accessing DI via the Internet. It may be necessary to construct a comprehensive website that is easy to use and enhance public health literacy to support the proper use of medicines by patients.
著者
西村 峯裕 古座 昭宏
出版者
京都産業大学法学会
雑誌
産大法学 (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.236-196, 2007-07

序節第1節 判例の変遷 1 大審院時代の判例 2 最高裁時代の判例 3 判例の根拠第2節 学説の概観 1 実質的所有者説 2 登記名義人説第3節 検討 1 移転登記未了型 (1)土地所有者は民法177条の第三者であるか (2)登記懈怠からの考察 (3)物権的請求権の相手方 (4)二重譲渡事例の検討 (5)本類型における私見 2 仮装名義型 (1) 本類型における民法94条2項の類推適用(⑧判決少数意見)の検討 (2)本類型における私見 3 未登記建物移転型 (1)本類型における私見 4 実質的所有者の運命第4節 物権的請求権の相手方の拡張の可能性 1 侵害状態作出者が物権的請求権の相手方となるとされた事例 2 若干の検討 3 残される問題結び
著者
秋谷 行宏 恩田 昌彦 古川 清憲 鈴木 英之
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1781-1787, 1998 (Released:2011-08-23)
参考文献数
24

血清総コレステロール値を用いて術後感染症の早期診断について検討した. 1995年7月から1997年6月までの胃・大腸切除症例111例を対象に術後10日目までの術後感染の有無により感染群 (13例) と非感染群 (98例) に分けた. 術後3日目の血液生化学検査項目を含む臨床データを両群間で単変量解析で比較したところ, 感染群のリンパ球数, 総コレステロール (TC), 総蛋白は有意に低く, 体温, 脈拍数, CRPは高かった. 多変量解析のロジスティック回帰分析では臓器別で, 胃手術例ではTCを含む8項目, 結腸手術例ではTCを含む3項目の組み合わせが良好であり, overallの正診率はそれぞれ95.1%, 95.4%, sensitivityはともに80.0%であった. なお, 直腸ではoverallの正診率は高かったがsensitivityは低かった. 以上より, 術後感染症は, 術後3日目の総コレステロールを含む臨床データを用いたロジスティック回帰分析から早期診断可能であった.
著者
加古 嘉信 吉村 晶子 小山 真紀 宮里 直也 関 文夫 中島 康 佐藤 史明
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.2_58-2_78, 2020

<p>災害応急活動にあたる救援部隊の現場対処能力強化は急務であり,警察,消防等の救助実動機関において救助訓練などの取組が進められている.それら検討にあたっては,実際の救助活動事例についての詳細な実態データを得ることができれば極めて有用である.そこで本研究では,平成28年(2016年)熊本地震において救助活動に従事した警察部隊に対して実態調査を行い,建物倒壊・閉じ込め現場における救助活動,すなわちConfined Space Rescueの活動対象となった建物の破壊程度,要救助者の閉じ込め位置,閉じ込め空間の寸法・形状および閉じ込め空間内の要救助者の状況を定量的に把握した.また,同時に,模型による状況再現手法を用いたヒアリングやその結果を踏まえた閉じ込め空間パターンチャートの開発などにより,木造倒壊建物内における救助活動の実態調査手法を開発した.以上により,これまで「不安定」「狭隘」「倒壊建物の下敷き」などの定性的・抽象的表現により把握されてきた建物倒壊・閉じ込め現場の状況をはじめとする救助活動の実態について,具体的な定量データとして明らかにし,今後の取組の推進に有用な基礎データとして整理できた.また,開発した調査票は,継続的な情報収集を可能とするための基盤として機関横断的な調査にも活用しうると考えられ,今後の知見蓄積ならびにそれを通じた災害救助体制強化への寄与が期待される.</p>