著者
巽 正志 西田 憲一 岩出 義人 谷口 初美 福田 和正 古市 徹 秋永 克三 吉岡 理 大熊 和行
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.268, 2010

三重県桑名市の不法投棄現場は有機溶剤系の廃棄物が多く投棄されており、それらVOCを含む汚染地下水が周辺に拡散したサイトである。そのサイトでは、2002年度から遮水壁による汚染物質の囲い込みおよび揚水循環浄化法により環境修復事業を実施している。その経過については既に本学会で発表した。今回は、高濃度汚染除去後に微生物分解による減衰を低濃度汚染残留地の浄化に採用するため、三重県では微生物叢によるモニタリング方法、および微生物分解によるVOC汚染浄化の調査研究を行っており、これまで行った試験結果について報告する。 クローンライブラリー法により汚染サイトの土壌等の菌叢調査を実施した。VOC含量の高い土壌中ではAciobacter sp.の存在比が高かった。また、現場地下水にVOCを添加した系でベンゼン、トルエンの微生物分解試験を行った結果、約50時間で分解された。
著者
杜多 哲 杉山 元彦 本城 凡夫 大和田 紘一 浅川 明彦 田中 信彦 佐古 浩 北村 章二 淡路 雅彦 飯倉 敏弘 熊田 弘 山本 茂也
出版者
水産庁養殖研究所
雑誌
養殖研究所研究報告 (ISSN:03895858)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p13-29, 1990
被引用文献数
2

五ケ所湾において1984年から1989年の塩分の測定結果を用いて,ボックスモデルを用いた解析を行い次のことを明らかにした。(1)五ケ所湾内を1ボックスとした場合,滞留時間は多くの場合2~7日であり,平均は1984年から1985年で4.7日,1986年から1989年で3.3日であった。輸送係数は2月から4月にかけて最大値を,11月から1月にかけて最小値をとる傾向がみられた。(2)五ケ所湾に適用したボックスモデルで得られる輸送係数の精度は,5割の誤差範囲におさまるが湾口部(ボックス1)と中間部(ボックス2)の塩分差が0.05‰より小さくなると,誤差が大きくなる。従って海水交換が良く,塩分差の小さい時期にはより適切な観測点配置と,より精度の良い観測を行う必要がある。(3)五ケ所湾の支湾の1つである迫間浦は,他の支湾に比べ海水交換が著しく悪い。その原因の1つとしては,流域面積が小さいため流入する河川水が少なく密度流が他の支湾に比べ生じにくいこと,冬季の季節風によって生じる吹送流が,地形的な原因で海水交換に結びつかないことが考えられる。
著者
古林 呂之 井上 大輔 田中 晶子 坂根 稔康
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】点鼻液剤の製造では、有効成分の溶解性を確保するために薬物の解離定数を考慮した液性に調整されるケースがあり、そのpH範囲は約3.5~8付近と幅広い。一方、鼻粘膜表面の粘液pHは5.5~6.5に維持されており、特にこの範囲を外れたpHに調整した点鼻液では、鼻腔内投与後の薬物の解離状態が変化し、鼻粘膜透過性に影響を生じると考えられる。本研究では、モデル薬物の鼻粘膜透過性に及ぼす投与液のpHの影響について、Calu-3細胞層を用いたin vitro透過実験による検討を行った。【方法】粘液pHの経時変化:気液界面培養法により培養したCalu-3細胞層(6-well)の表面に、pHを3.8、5.5及び7.8に調整した薬液を20 µLを滴下した後の粘液pHの経時変化を半導体 pH 電極(HORIBA)により測定した。透過実験:細胞間隙及び経細胞経路の透過マーカーとしてFD-4及び非解離性のantipyrineを用いて、薬液pHによる細胞層への影響を、粘膜側液量を1.5 mLとする定法の透過実験により評価した。モデルとしてacyclovir(ACV)及びlevofloxacin(LFX)をHBSS に溶解し、pH3.8、5.5及び7.8に調整した薬液を用いて、定法及び粘膜側に20 µL滴下する少量滴下法により透過実験を行った。【結果・考察】各pHの薬液を滴下した直後から粘液のpHは変化し、滴下後30分にはいずれの条件においてもpHは約6.4となった。また、各pH条件において透過マーカーの透過パターンに変化は観察されず、細胞層への影響はみられなかった。LFXの透過性は少量滴下法、定法共に、pHの影響は観察されず、ACVでは、定法においてpH3.8及び5.5で60分後の透過量が約4倍高くなったが、少量滴下法では透過にpHの影響はほとんど認められなかった。少量滴下法では、粘膜表面のpHが6.4付近に急速に戻されるため、ACVの透過性にほとんど影響しなかったと考えられる。現在、他のモデル薬物についても検討を進めており、発表に加える予定である。
著者
徳本 静代 武井 直已 瀬川 和幸 毛利 久夫 古前 敏明
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.381-388, 1985

1976~1983年の間, 広島県の一看護i学校に在籍した女子学生941名 (延1,939名, 18~24歳) を対象に各年1回HBV関連抗原・抗体を追跡調査し, HBV感受性者の動向と健康者集団でのHBV水平感染の実態を血清学的に検討した.<BR>延対象のHBs抗原陽性率 (RPHA法, EIA法) は1.7%, HBs抗体陽性率 (PHA法) は14.7%で, これらを3力年移動平均でみると前者が1.4~2.1%の間でほぼ横ばいの, 後者が18.7~10.4%で年々1~ 2%の減少の傾向を示した.学科別では第2臨床看護i学科 (夜間部, 昼間は医療業務に従事) のHBs抗体陽性率19.1%は臨床看護学科の11.0%に比較して有意に高率 (x2test, p<0.01) であった.<BR>1学年時のHBs抗体陽性率は調査前半 (1976~1979年) が16.3%, 後半 (1980~1983年) が9.3%で, 入学前のHBV感染状況は減少の傾向を示した.学科別では第2臨床看護学科が有意な低下 (X<SUP>2</SUP>test, p<0.05) を示していた.<BR>一方, HBe抗原陽性carrierは6名認められた.しかしながら対象内のHBV水平感染については, 調査期間中に3例 (0.4%, 1: 265) の新感染例を確認したがそらが対象集団内における水平感染であるとする証拠は血清学的な追跡からも, 在籍調査からも得られなかった.<BR>なお, 200倍希釈血清におけるHBc抗体価 (EIA法) はcarrierではIH%90%以上であり, 感染初期ではIH%30%以下であった.
著者
古永 真一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本申請研究では、これまでの申請者の研究成果をふまえつつ、バンド・デシネがフランス語圏においてどのように研究されてきたのかという問題について、記号論やナラトロジー、映画学、精神分析、社会学、さらにはアダプテーションやホロコーストといった重要なテーマによるバンド・デシネ研究を調査してその要諦を明らかにし、バンド・デシネ理論の多様な変遷を再構成することによって、マンガ研究やフランス文学研究におけるバンド・デシネ研究の意義を明らかにすべく調査を行った。具体的には、「ホロコーストとマンガ表現」、「バンド・デシネとアダプテーション」と題した二本の論文を執筆して発表した。
著者
古厩 勝彦
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.65-75,124, 1964

ろう者の手話または口話によつて送話された内容の了解度を,(A) 書記再生,(B) 絵画選択の応答方法により検討した。送話は黒白8<SUB>m</SUB>/m映画により, 送話文は相当平易なものを使用した。口話による低書記再生の場合にはむしろ読み取りともいうべき応答方法であるが, 手話による (A) と手話,<BR>口話による (B) の方法は了解度をみるものと考えられる。ただ,(A) による場合には「言語力」というべきものによつて相当に結果は左右され, 本研究においても結局このような能力によつてSp. R., Si. R. の成績はともに大きく影響を受けていた。(B) の場合には偶然による見かけの成績におわる危険を伴なつているものではあつたが, こうした「言語力」によりあまり大きな影響を受けない方法によつてみた場合, Si. R. の方がSp. R. をうわまわる好成績をあげている。<BR>そして, Si. R. がだれにとつてもある程度までは行なえるものであるのに対して, Sp. R. は個人差が大きく, 成績のよいものは相当の成績をもおさめうるのに, 成績の悪いものはほとんどできないといつたように差がはげしく, その送話文によつてもでき・ふできの差が著しい。
著者
長谷川 貴史 坂本 武志 島田 明 浦野 羅馬 古川 隼也人
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第54回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.169, 2011 (Released:2012-03-09)

今日の制御系設計は、制御対象の動的モデルは、運動方程式や運動学方程式から導き出される伝達関数や状態方程式wお用いて行われる。一方、ソフトウェア工学の世界では、UMLやSysML等のモデル表現言語を用いたシステムのモデリングが行われ、同モデルに基づいてソフトウェア設計なり、システム設計が行われる。両者は共にモデルベース設計と呼ばれるが、その内容は全く異なり、両者の間の接点はあってないようなものとなている。しかしながら、構築されるシステムは同じ1システムであり、両者の間に溝があってはならないはずである。本稿では、倒立振子を題材にしながら、両者の接点についての知見を述べる。
著者
升屋 勇人 戸田 武 市原 優 森山 裕充 景山 幸二 古屋 廣光
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

全国の天然林、人工林において樹木疫病菌の調査を行った。特に渓流のリターを中心に調査を行うとともに、枯死木があればその根圏土壌からの分離を行った。その結果、現時点で約1000菌株以上を確立した。これらの中にはP. cinnamomiなどの重要病害も含まれている。これらの菌株の詳細については、現在DNA解析と形態観察を継続して行っている。これまでに国内では約20種程度の種数が確認されていたが、そのほとんどは畑地であり、森林において多くの種類が検出される点は新規性が高く、日本における本病害のリスクを正確に把握するための一助となる。また、当年度は関西においてヒノキ幼木の枯死に樹木疫病菌が関係している可能性が考えられ、今後詳細な接種試験が必要である。さらにイチョウの集団的な枯損にも樹木疫病菌が関与しているか可能性があり、より詳細な現地調査を行っているところである。本年度はP. cinnamomi、P. cambivora、P. castaneaeを各種ブナ科樹木苗木の樹皮に有傷での接種試験を行った。その結果、クリではP. castaneaeが特に強い病原力を有すると考えられた。またその他の樹種に対してもそれぞれ病原性を有することが確認され、感染すれば十分に各樹種に損害を与えることが明らかとなった。特にコナラ、ミズナラ、クリは本病害に対して感受性が高い可能性がある。これらの成果は、これまで原因不明であった枯死のいくつかに本病原菌が関与する可能性を示すものである。
著者
牧 紀男 鈴木 進吾 古澤 拓郎
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 = DPRI annuals (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.51, pp.129-134, 2007

2007年4月2日午前7時40分頃(現地時間),ソロモン諸島国においてマグニチュード8.1の巨大地震が発生した(USGS, 2007)。この斜面崩壊と津波により,両州合わせて52名の死者が発生し,倒壊・流失家屋3, 150棟,被災世帯数4, 276世帯,被災人口24, 059人という大きな被害が発生した。本稿では,ソロモン諸島国ウェスタン州で発生した地震津波災害における1)被害の社会的様相,2)災害対応,3)復旧・復興対策の現状と課題などの災害過程の社会科学的側面について,現地でのインタビュー調査に基づき報告する。
著者
多田 敦子 杉本 直樹 古庄 紀子 石附 京子 佐藤 恭子 山崎 壮 棚元 憲一
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.92-96, 2009-08-24 (Released:2017-01-27)
参考文献数
8

Ozokerite, a natural gum base used as a food additive, is described as a purified wax substance found in veins of wax shale and is composed mainly of C29-C53 hydrocarbons, in the Notice (1996) relating to existing food additives in Japan. In order to evaluate the quality of commercially available ozokerite, we have analyzed the constituents. GC/MS analysis of ozokerite showed that the main components were saturated C22-C38 hydrocarbons, while the minor components were saturated C39-C58 hydrocarbons. The range of carbon numbers observed in the main saturated hydrocarbons was lower than those referred to in the Notice. The total concentration of the main saturated C22-C38 hydrocarbons was found, by GC/FID analysis, to be 81%.
著者
勝見 康平 伊藤 誠 岩田 章裕 鈴村 裕 片岡 洋望 竹島 彰彦 池戸 昌秋 坂 義満 伊藤 龍雄 岸本 明比古 加藤 實 中沢 貴宏 武内 俊彦
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.457-462, 1993-03-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
20

消化性潰瘍の発生に季節性があるか否かをあきらかにするため,内視鏡的にA1あるいはA2ステージの活動期で発見された胃潰瘍601例,十二指腸潰瘍289例を対象に各月ごとの潰瘍発生数を検討した.1年を連続する3カ月ごとの4群に分けて潰瘍の発生数をみると,胃潰瘍は3~5月群が171例でもっとも多く,以後6~8月群164例,9~11月群139例と漸減して12~2月群は127例ともっとも少ない発生であった(P<0.05).一方,十二指腸潰瘍の発生は1~3月群63例,4~6月群68例,7~9月群61例に対し,10~12月群は97例であきらかに高値を示した(P<0.05).以上の成績より,名古屋地区では消化性潰瘍の発生に季節性がみられ,胃潰瘍は春に,十二指腸潰瘍は秋から初冬にかけて好発することがあきらかとなった.
著者
古川 攝一 吉田 豊
出版者
國華社 ; 1889-
雑誌
國華 (ISSN:00232785)
巻号頁・発行日
vol.125, no.10, pp.31,33-35, 2020-05
著者
古畑 徹
出版者
東方學會
雑誌
東方學 (ISSN:04957199)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.41-58, 2020-07