著者
吉田 正 羽倉 尚人
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.61, 2007

全吸収ガンマ線分光法による崩壊データにはパンデモニウム問題とよばれる高励起レベルの欠落が生じにくい。これまでに行われたこの種の実験データを利用し,FP崩壊データの理論予測精度を向上させる。さらに最近得られた同種データを総和計算に導入することで,報告者らが指摘していた,崩壊熱ガンマ線成分の冷却時間300-3000秒での,FP崩壊熱積分測定値との系統的不一致がほぼ解決した。
著者
吉田 正尚
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.103, 2009

ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン(PO)類は一般にその化学構造から表面不活性であり、後加工による着色等の表面修飾が困難な材料である。しかし、シラン系結合剤と微粒子を含んだ液相中でPO基材を浸漬し微粒子を固定する手法によりPO基材を傷めること無くタングステン(W)微粒子を強固に固定することができる。その表面修飾の機構を考察するためにPO基材の表面状態とシラン系結合剤の分子構造が微粒子固定に与える影響を調べた。基材表面のSPM分析を行うとW微粒子が固定可能であるPO基材表面には板状結晶やラメラ構造が観察された。一方、一度熱処理したり顔料等を含んでいるとPO基材表面には高分子の整列は観察されなかった。この事からPE高分子が整列していないと固定される足場が無いためW微粒子が固定困難になると思われた。また結合剤分子の末端が基材組成と同じCH基を有する結合剤分子がW微粒子を多く固定できた。しかしW微粒子が固定可能なPO基材でも表面にスパッタ装置でAuコートを施すとW微粒子は全く固定出来なくなった。この結果から結合剤分子の末端基とPO基材とのCH基の疎水基相互作用によりW微粒子が固定されることが示唆された。
著者
馬場 章 吉田 成 谷 昭佳 吉田 正高 吉仲 亮 川瀬 敏雄 肥田 康 吉谷 隆彦 津田 光弘
雑誌
じんもんこん2001論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.17-24, 2001-12-14

歴史学におけるディジタルアーカイヴの作成は、史料の複製として歴史学研究のプロセスの一環に位置づけられる。その目的は、史料のより効率的な利用と保存、そして公開である。破砕したガラス乾板画像と大型二次元カラー史料である国絵図を例に、それらのディジタル化から研究利用、さらには博物館展示による一般公開までの一連の過程を紹介し、歴史学におけるディジタルアーカイヴの意義について考察する。
著者
吉田 正
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.711-715, 2019 (Released:2020-04-02)
参考文献数
6

ニュートリノは基本粒子の中で最も捉えどころのない粒子である。その存在は比較的早く1930年代初頭にはほぼ受け入れられたが,存在が確証されるまでは四半世紀を要した。ニュートリノが質量を持つか否かと言う基本の基本が確定したのは更に40年後。その一方でこの謎の多い粒子は,素粒子論や天体核物理学のあらゆる局面に顔を出し,その発展の狂言回しの役割を演じて存在感を増し続けてきた。ニュートリノを遮るには鉛板にして数光年の厚さが必要だが,この物質との関わり(相互作用)が超絶的に弱いという性質が逆に原子炉運転遠隔監視への応用の道も開く。現在も謎の多いこの粒子を追って十指に余る大型実験が進行中であるが,それぞれ奇抜とも言えるユニークなアイデアが光る。
著者
松前 重義 吉田 正 篠原 登
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.52, no.532, pp.859-867, 1932-11-10 (Released:2008-11-20)
参考文献数
3

長距離電話回線としては從來装荷ケーブルのみが用ひられて來たが,之に代るに無装荷ケーブルを用びる時は傳播時間及過渡現象に對し極めて良好なる回線を作成し得べき事を述べ,且實際の回線に就き實驗したる結果を報告したものである。
著者
吉田 正友 池田 憲一 黒岩 秀介 阪口 明弘
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.10_3-10_9, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
6

日本建築学会は,火災を受けた建物の火害診断と補修・補強において考慮すべき事項ならびに標準的な方法を示すことを目的として,2010年2月に「建物の火害診断および補修・補強方法 指針(案)・同解説」を発刊した。本稿は,鉄筋コンクリート造建物に関する部分を中心に,その概要をまとめたものである。
著者
吉田正幸著
出版者
伊勢新聞社
巻号頁・発行日
1978
著者
市橋 則明 吉田 正樹
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.461-464, 1993-10-01
被引用文献数
8 4

A study was conducted to determine the minimum quantity of leg exercise required to prevent disuse atrophy of the quadriceps femoris muscle during bed rest. The subjects were 10 normal young university students with a mean age of 21.1 years. First, analysis of rectified filtered electromyography(RFEMG)was performed on the rectus femoris and vastus medialis during walking with cadences of 100 steps/min and 150 steps/min. Then, the effects of straight leg raising(SLR), patella setting(PS), knee extension-flexion in a supine position(KEF)and knee extension in a sitting position(KE)were analysed for each muscle using the same method. Based on the value of RFEMG for each muscle during walking, the repetition number for each exercise was calculated. For the rectus femoris, the repetition number for each exercise corresponding to 10000 steps with a cadence of 100 steps/min was 289 for SLR, 466 for PS, 1255 for LEF and 1663 for KE. For the vastus medialis, the corresponding numbers were 1223, 381, 6367 and 2170, respectively. When the cadence increased to 150 steps/min, the repetition number of each exercise for each muscle also increased. These results indicate that high-repetition exercise is recommendable to prevent disuse atrophy of the quadriceps femoris muscle. Therefore, the activity of patients should be increased to stimulate weakened muscles such as the quadriceps femoris during hospitalization.
著者
川添 永典 五藤 武志 佐野 忠男 吉田 正義
出版者
Japanese society of turfgrass science
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-20, 1987

芝草の侵入害虫チガヤシロオカイガラムシ (<I>Antonzna gyanais</I> Maske11) の経済的な合理的な防除法を確立するため, 四国地方のゴルフ場におけるこの虫の分布状態を調査するとともに, 接触殺虫剤・浸透殺虫剤を用いてその防除効果に影響する要因を分析して調査し, 検討した。<BR>(1) 高知県下の8つのゴルフ場でこの虫による被害を調査したところ, 1つのゴルフ場を除いて, 7つのゴルフ場でこの虫の被害がみられた。この虫の伝播は芝草の移動によって行われるので, 芝草の生産地ではこの虫の防除を励行するとともに, 芝草を入れる場合はそれに寄生する害虫を防除して定植することが望ましい。<BR>(2) 高知県の土佐カントリークラブにてこの虫の2化期の1令虫の発生する時期を中心にして, 1984年7月31日と8月11日個々に各種農薬を散布して防除効果を比較した。防除価の最も高いのはスプラサイド乳剤1000倍3l区で, 88.5% (7月31日) と79.9% (8月11日) の数値が得られた。しかし, この虫は単性生殖を営み, 産仔数は約200, 年2回の発生であるので, 高い防除効果でもすぐ元の密度にかえることが推察される。<BR>(3) ビニフェート乳剤1000倍3l区では66.2% (7月31日) と63.0% (8月11日) の数値が得られた。<BR>この両者の成分量を比較すると, スプラサイド乳剤は50%, ビニフェート乳剤は24%であるので, ビニフエート乳剤の場合はスプラサイド乳剤の約1/2の成分量しか散布していないことになる。もし, ビニフェート乳剤500倍3l/<I>m</I><SUP>2</SUP>で散布したならより高い防除価を得られたと考えられる。<BR>ダイアジノン乳剤は1000倍1l区では35.1% (8月11日) と低い防除価である。これはダイアジノン乳剤はガス化があるため残効性が短かいことによると考えられる。<BR>(4) 7月31日と8月11日における両散布区の防除効果の傾向はほぼ同様な傾向を示した。2化期は1化期に比較してこの虫の密度は高く, 虫の生育は不斉一でいつでも卵が存在することが推察される。<BR>(5) 1985年, 浸透殺虫剤の粒剤 (アルフェート粒剤SDI―83Y3%粒剤をコガネムシ類の幼虫に使用する薬量 (9<I>g</I>~10<I>g</I>/<I>m</I><SUP>2</SUP>) で防除試験を行ったが, 防除効果はあがらなかった。また, この虫の活動期にSDI―83Y粒剤1Og, /<I>m</I><SUP>2</SUP>回散布 (7月27日と8月19日) を行ったが, 防除効果はあがらなかった。<BR>(6) 浸透殺虫剤SDI―83Y3%粒剤を1<I>m</I><SUP>2</SUP>当り50gを散布して防除価を調べたところ, 86.2%という比較的高い数値が得られた。この虫に対して浸透殺虫剤を使用する場合は, 少なくともコガネムシ類の幼虫に対して使用する以上の薬量を施用する必要があろう。<BR>(7) 吸収口型のチガヤシロオカイガラムシに対して浸透殺虫剤を使用する場合は, 粒剤より乳剤の方が有利であろう。また, 急速に植物体内の濃度を高めるために芝刈りをして散布することも有効と思われる。<BR>(8) 芝焼きを1985年3月7日に, 不利な条件下で行ったが, 比較的防除効果があがった。芝草の根元が乾燥する12月~1月行えば, さらによい効果が得られるものと思われる。
著者
吉田 正昭 藤井 和子 栗田 淳子
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.195-203, 1966
被引用文献数
1

The purpose of this report is (I) to factor-analyze the structure of concept "on", from the data obtained in our previous survey, and (II) to examine the customs (not abstract ideas) based on "on" or "giri".<br>(I) <i>Method</i>. Three factors were extracted from the correlation matrix of attributes of "on", for each of the three groups, (i.e, younger males, younger females, and older people. <i>Results</i>. Factor matrices are shown in Table 1. For younger males, factor i represents a conflict between affective area (true love, gratitude) and social and political area (mutual dependence, social coercion, etc), factor ii represents the conflict between economic area (benefit, etc) and rational area (voluntariness, obligation), while factor iii represents the conflict between economic area and political power area (traditional, authoritalian, etc). Correspondence among the three groups ranged 0.5-0.6. Although "taimen" or appearances, indebtedness, or fictitious love were regarded as essential attributes of "on" by Benedict, Fukuba, and Kawashima, these are no longer essential for the concept "on". In present day Japan, "on" has more rational elements in it, and functions as a lubricating oil of community, whereas "giri" is still regarded as a feudalistic human relation, and tends to disappear.<br>(II) Survey of customs based on "on" or "giri". <i>Method</i>. Enquêtes concerning "Chugen" or summer gift, "Seibo" or year-end present, New year cards, etc. were distributed, sometimes supplemented by interviews. <i>S</i>s were male and female adults living in Tokyo, two farming villages (Shizuoka and Hiroshima), and a fisherman's island (Hiroshima), totaling 464. <i>Results.</i> (1) Urban people regard these customs as a chance to express their gratitude, affective indebtedness, etc., but rural people (especially those in fishery) regard them as a duty based on "universal humanism", not necessarily specific in their own community. (2) Importance of human relation (3) main family-branch family, (5) boss-henchman, (8) master-servants, (9) guild master-apprentice, shows fairly marked urban-rural difference. Of course, urban people do not feel them seriously, but rural people feel them considerably. Most important relations in three districts are (1) parent-child, and (4) ancestor-descendant. <i>Conclusion</i>. Differences due to generations and districts indicate that for present day Japanese people, the concept "on" tends to lose its traditional meaning and change to a more rational moral standard based on universality of human nature, inner conscience, sense of obligation, etc.