著者
吉田 実 森本 宏
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.337-341, 1963
被引用文献数
1

予備飼育飼料を与えて調整した成熟雄ラットに,各種澱粉を含む試験飼料を給与して排糞量を測定することによって,それぞれの供試澱粉と同じ消化性をもつトウモロコシ,ジャガイモ澱粉混合物を推定し,混合物中のジャガイモ澱粉含量をもってPSスコアとし,これによって各種澱粉の消化性を示すことを試みた.<br> 15種類の天然澱粉について検討した結果,穀類澱粉のPSスコアはほぽ0であって消化性が非常によかった.マメ類の澱粉がこれについでPSスコアは約10であった.球根,塊根類はかなり変化があって, PSスコアはタピオカ,タロー,クズ,ヒガンバナ,サツマイモ,ヤマユリ,ジャガイモの順であった.このようなPSスコアによる配列の順序は澱粉結晶部分の結晶構造による配列とかなりよく似ている.<br> さらに,排糞量から消化率を推定する方法を考案して各種澱粉の消化率を推定した.この方法は非常に簡便で化学分析の必要がなく,供試澱粉の所要量も非常に少なくてよい長所をもっている.
著者
設楽 稔那子 吉田 宏昭 上條 正義 藤巻 吾朗 山口 穂高
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.149-161, 2017
被引用文献数
1

<p>我々は木材製品を見かけると思わず手に取ることがあり,視触覚という複合的な感覚によって木材製品を評価している。本研究では,木材製品における視触覚的な印象形成に触覚と視覚のどちらが優位か木材4種類と塗装2種類を条件として,1)見ずに触る,2)触らないで見る,3)見ながら触るといった3種類の感覚ごとの官能検査を実施し,重回帰分析によって視触覚印象形成に対する触覚と視覚の関係の解明を試みた。その結果,視触覚に対して全般的には視覚の影響が優位であったが,温冷感,粗滑感,乾湿感といった触覚受容器から取得される情報による印象は触覚の影響も強かった。また,触覚と視覚と物理特性との関係性を検討したところ,木材評価時の印象は木材の明るさに起因する視覚と摩擦に起因する触覚に関係があることが示唆された。</p>
著者
根木 秀佳 吉田 紀生 廣田 俊 東 雅大
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.8-13, 2018

<p>シトクロム<i>c</i>は,ミトコンドリア内の呼吸に関わる反応において電子を伝達する役割を担うヘムタンパク質である.シトクロム<i>c</i>は,互いのC末端ヘリックスを交換するドメインスワッピングにより多量体を形成し,電子伝達の機能を失うことが知られているが,多量体形成のメカニズムは未だはっきりしていない.この多量体形成メカニズムの解明を目指して,我々は分子動力学シミュレーションと液体の積分方程式理論を用いてシトクロム<i>c</i>の単量体と二量体の熱力学安定性の解析を行ってきた.本稿では,これまでの研究成果について紹介する.</p>

1 0 0 0 OA 槃游余録 7巻

著者
吉田, 鰲岐
出版者
巻号頁・発行日
vol.[7],
著者
吉田 秀樹 中野 正博 行正 徹 前田 康成 横野 和也 羽山 雄偉
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-18, 2010-05-11 (Released:2017-09-02)
参考文献数
23
被引用文献数
4

1オクターブに帯域制限した音響波形の極大値と極小値の情報があれば、元の波形を組み立てて情報を再現することができる。位相情報と振幅包絡はそれぞれ音源定位と音声情報の運び手の1つと関係付けられているので、計測した極値の位相と振幅方向の誤差のどちらが合成音の音質に重大な影響を及ぼすかについては関心が持たれるところである。そこで位相誤差と振幅誤差を独立に与えた合成音の主観評価をしたところ、2種類の合成音の波形と元の波形との二乗誤差は等しいにもかかわらず、位相誤差が有意に音質の劣化を招いていることを観察した。加えて極値を最小二乗推定することで位相誤差を4%未満に抑制すれば、合成音の音質が改善された。以上より、聴性認識は振幅より位相の検出に敏感にできており、位相誤差を算出すれば合成音の音質を見積もるための指標に利用できることが示唆された。
著者
吉田 信明 田中 正之 和田 晴太郎
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.36-45, 2017-02-22

動物園の主要な社会的役割に環境教育・命の教育があるが,学校の遠足・校外学習を含め,多くの来園者は動物を単に眺めるにとどまり,十分な観察・学習ができていないと指摘されている.この課題に対し,著者らは,動物の行動やその意味への理解を促す教育プログラムでの利用を想定し,単に動物を「眺める」にとどまらない,より深い動物観察の機会を来園者に提供するための,動物行動観察支援システムを開発した.このシステムでは,プログラムへの参加者は,タブレット端末を用い,観察対象の動物の位置・行動を時系列データとして記録する.このようにして記録された行動データは,システムによりデータベースに集約される.著者らは,本システムの評価実験を行い,被験者の動物への理解が高まったことを検証した.その一方で,本システムを用いた教育プログラムの開発に向けた課題も明らかになった.
著者
山中 章義 鞠 錦 笠原 恭子 山本 嘉昭 吉田 彌太郎
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.112-120, 2011 (Released:2011-06-27)
参考文献数
50

骨髄異形成症候群 myelodysplastic syndorme (MDS)は,造血幹細胞の異常クローン増殖により汎血球減少と無効造血をきたし,進行性・治療抵抗性のため予後不良な疾患である.MDSは妊娠中に増悪することもあり,子宮内胎児発育遅延や胎児機能不全等の合併症の発生リスクが高くなるとされている.今回われわれはMDS合併妊娠で,分娩周辺期の血小板輸血により母児を安全に管理し得た.本邦での過去の症例51例と合わせて報告する.症例は29歳,初産婦.2年前よりMDSに対し血液内科にて経過観察中であった.白血球や赤血球の著明な減少は認めなかったが,血小板減少を認めていた.近医にて妊娠判明し,妊娠12週で当科紹介受診となった.徐々に血小板が減少したため,妊娠29週より入院管理とした.妊娠中出血傾向を認めなかったため,血小板輸血は行わなかった.妊娠37週1日に選択的帝王切開術施行したが,術直前および術直後に血小板輸血を行い,術中および術後に出血傾向はなかった.母児ともに経過観察中であるが,MDSの増悪や新生児への影響は現在のところ認められていない.これまでのMDS合併妊娠の報告では,治療抵抗性の貧血を認め,妊娠中に初めてMDSと診断された症例が53%(28/52)であった.合併症として妊娠高血圧症候群や胎児機能不全が多い傾向にあった.妊娠時や分娩時に出血傾向はそれほど認められなかったが,ほとんどの症例で血小板輸血を行った.十分な血液製剤が確保できるのであれば,産科的禁忌がない限り経腟分娩は可能と考えるが,高次医療施設での妊娠・分娩管理が必要と考える.妊娠中に治療抵抗性の貧血や血球減少を認めた場合は,血液内科医と連携し速やかに骨髄穿刺にて診断を行い,MDSと診断されれば慎重な妊娠・管理が必要である.〔産婦の進歩63(2):112-120,2011(平成23年5月)〕
著者
竹内 大智 小沢 壱生 矢野 亮太 三津谷 有貴 土橋 克広 上坂 充 田中 泰司 高橋 佑弥 草野 譲一 吉田 英二 大島 義信 石田 雅博
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.66-79, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

社会インフラの老朽化に対し,メンテナンス技術の高度化によって劣化損傷を正確に把握することが求められている.筆者らは橋梁検査技術の合理化にむけ,可搬型ライナックX線源を用いたX線検査システムを開発しており,透過X線検査によってコンクリート橋内部のPC鋼材の状態,およびグラウトの充填状況を検査する技術開発を進めている.これまでの実橋梁検査の結果から,検査対象となるコンクリート構造物のコンクリート厚さとX線の透過量を定量化することが検査精度を担保する上での課題となった.そのため,本研究では厚さの異なるコンクリート構造物に対するX線の応答を精査し,検査精度向上のための基礎的検討を行った.また,各可搬型X線源の適用可能なコンクリート厚さを特定し,可搬型X線源のX線検査技術としての性能を評価した.
著者
村岡 健一 吉田 哲 長谷川 和正 中西 信夫 福沢 勲 冨田 昭雄 丁 宗鐵
出版者
和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌 (ISSN:13406302)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.30-37, 2003
参考文献数
19
被引用文献数
2

In this study, using dogs as experimental models, we observed body temperature rise following administration of "Kakkon-to" preparation, and investigated the average number of macrophages and average rate of phagocytosis of macrophages in blood using the latex microparticles. The body temperature of the Kakkon-to-treated dogs significantly increased 30 minutes after administration (p<0.05). After that, the body temperature was still high until the next administration at 8 hours. When the difference in body temperature before and after administration was compared with that of the control group, a significant in crease was maintained from 1 to 12 hours after administration. The phagocytotic activity of macrophages was also increased. The average number and the average rate of phagocytosis were significantly increased 1 (p<0.05) and 2 (p<0.01) hours after administration, respectively, in comparison with the activity before administration. The significant increases (p<0.01) in both the number and the rate of phagocytosis were continuously found at every measurement point from 2 to 24 hours after administration. In addition, when compared with the control group, the test group showed a significant administration in both the number and the rate of phagocytosis at 3 hours after administration (p<0.01). These results demonstrated that administration of "Kakkon-to" not only increased the body temperature but also enhanced the phagocytic activity of macrophages, the in vivo defensive factors, suggesting that "Kakkon-to" may contribute to the suppression of multiplication of common cold viruses and influenza viruses, which consequently results in improvement of various symptoms during infection with common cold syndrome.
著者
山口 訓史 後藤 丹十郎 大谷 翔子 安場 健一郎 田中 義行 吉田 裕一
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.261-266, 2015 (Released:2015-09-30)
参考文献数
12

生育段階の異なるシュートに対する温度条件がシュッコンカスミソウ‘アルタイル’の形態異常花序発生に及ぼす影響を検討した.シュート長20 cmから2週間15°Cに加温することで,8週間15°Cに加温した場合と同様に,形態異常花序発生が軽減された.2週間加温した個体の切り花長と切り花重は,8週間加温した個体よりも大きくなった.形態異常花序が発生するシュート長と頂芽における花芽分化段階との関係を調べたところ,頂芽のステージが栄養成長からがく片形成期に当たるシュート長が約1~20 cmから15日間の15°C加温で最も形態異常花序が抑制できた.形態異常花序に及ぼす低温の影響を明確にするため,異なる生育段階に対する低温遭遇(7°C)が形態異常花序発生に及ぼす影響を調査した.異なる生育段階に高温(15°C)に遭遇させた実験と同様に,頂芽のステージが栄養成長からがく片形成期までの低温遭遇が形態異常花序発生に大きく関与していた.以上のことから,摘心直後からがく片形成期の期間,株を低温に遭遇させないように温度管理することで,形態異常花序の発生を抑制でき,切り花形質も改善できると考えられた.
著者
篠田 有史 鳩貝 耕一 岳 五一 松本 茂樹 高橋 正 河口 紅 吉田 賢史
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.67-72, 2016-06-01 (Released:2016-12-01)

より学習者に適応した教示の実現を目指して,取り上げる題材の難易度の調整を行うのではなく,学習者の個性豊かな学びに寄り添うという取り組みが行われている。学習者の好む教示方法や学び方を調査するため,本研究では「学びのスタイル」アンケートを提案し,主成分分析と決定木構築手法を組み合わせて分析する。情報基礎教育科目の授業に参加した学習者を対象にアンケート調査を実施し,取り上げた授業における学習者の学び方がどのようなものであるかを,取り組みを通じて明らかにする。
著者
吉田 昌志
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.683, pp.48-58, 1997-01-01
著者
吉田 昌志
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:04331052)
巻号頁・発行日
no.685, pp.60-73, 1997-03

1 0 0 0 OA 明朗なる人生

著者
吉田賢竜 述
出版者
広島逓信局
巻号頁・発行日
1937
著者
吉田 昌志
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 = Gakuen (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.927, pp.114-140, 2018-01-01