著者
鈴木 麻実 岡部 愛子 清水 玲子 松本 力 宮原 晃義 武石 勝 石川 信幸 堀 弘義 小牧 弘
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.113-120, 2003-10-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
26

本実験は,異なる繊維源がコレステロールの吸収阻害効果に及ぼす影響をウサギで調べた。異なる繊維源であるビートパルプ,大豆皮,アルファルファー,サフラワー粕の4試験飼料に各々0.5%コレステロールを添加した供試飼料を給与し,消化試験を実施するとともに血漿コレステロール値を測定した。血漿中総コレステロール・遊離コレステロール値の経時的変化では,ビートパルプが他の繊維源に比して最も低い値で推移し,コレステロールの吸収阻害効果が高いことを示唆した。大豆皮,アルファルファミールの血漿中総コレステロール値は同程度に推移した。大豆皮を給与したウサギの糞中コレステロール排泄率が他の飼料区に比して高いことから,大豆皮はコレステロール排泄に有効であると推察した。以上の結果,ビートパルプと大豆皮は肥満予防効果が同様に期待できるものと考えられた。
著者
松本 淳 林 泰一 山根 悠介 小林 茂 寺尾 徹 山本 晴彦 釜堀 弘隆 久保田 尚之 赤坂 郁美 福島 あずさ 村田 文絵 藤波 初木 加藤 内藏進
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

国内で実施中のデータレスキュー研究活動をまとめ、国際的活動と連携するACRE-Japanを、本研究を中核として組織し、アイルランドと北京で開催された国際会議報告を国際共著論文にまとめた。またMAHASRIプロジェクトの後継となるアジアモンスーンに関する国際共同研究の立案を開始し、国内・国際ワークショップを主宰した。南アジアについては、旧英領インドの現ミャンマー・バングラデシュ領内の日降水量データの原本照合・品質チェックが完了し、過去120年スケールの長期変化傾向についての解析を進めた。インド北東部チェラプンジの104年間の日降水量データから、インド北東部のモンスーン活発期の発生機構を明らかにした。バングラデシュの1955年~1980年後半、インドアッサム州の1930年~1950年代後半までのシビアローカルストームデータベースを構築し、発生日の長期変動について解析した。スリランカの1860年代以降の日降水量データ収集した。東南アジアについては、フィリピンの過去115年間のモンスーン開始期および20世紀後半以降における降水の季節変化パターンの長期変動を解明した。日本とフィリピンの過去120年間の台風活動を調べ、近年の大きな被害を出した台風と類似の台風が過去にも上陸していたことを示した。中国については、日降水量データ(Zi-ka-wei)1890年代~1930年代のデジタル化を完了した。樺太、朝鮮、北支那における気象データの統合と検証を行い、東北部黒龍江省における温暖化解析と水稲冷害のリスク解析、東北部・内蒙古自治区の乾燥地帯における雨季の変動解析を行った。帝国日本の気象観測ネットワークに関する2冊の書籍を刊行した。東アジアの多彩な季節サイクルの長期変動解明を行なった。日本については、東海・四国地方の明治・大正期の日降水量データをデジタル化し、大雨発生の長期変化等を解析した。
著者
塩見 友樹 堀 弘樹 上本 啓太 杉山 阿聖 宮尾 克
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.17-20, 2011-03-08
参考文献数
10
被引用文献数
1

現在,立体映像技術において,よく問題視されるのは立体視による疲労や立体酔い等の悪影響である.その原因に水晶体調節反応と輻輳運動の乖離がよく挙げられるが,我々は先行研究で,乖離は確認されないと述べてきた.しかし同時に計測できず,その立証が不十分であった.今回我々は調節と輻輳を同時計測する方法を開発し,実物体を見ている際の計測により計測方法の妥当性について,2D,3D映像注視時では乖離について検討した.その結果,実物体における計測では調節,輻輳ともに焦点距離は良く実物体までの距離と一致しており,この計測方法で正確に計測できることが分かった.また2D,3D映像注視時の計測では乖離が起きていないことが分かった.
著者
由利 真 堀 弘明 千葉 健
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48102116-48102116, 2013

【はじめに】 厚生労働省の患者調査によると、精神疾患患者数は平成11年に約204万人であったが、平成20年には約323万人に増加している。精神科領域における医学的・社会的リハビリテーションは、主に医師、看護師、作業療法士によって行われてきた経緯がある。奈良は、精神疾患を有する患者に適切な身体運動を定期的に行うことの重要性を示唆し、精神科領域における理学療法(以下、PT)介入の必要性を提言している。 精神科領域におけるPT介入の効果に関する報告は増えているが、集団療法に関する研究が多く、精神科入院中の患者に対してベッドサイド(以下、Bedside)から個別療法による理学療法を行い、その効果について検討した報告はない。 本研究の目的は、精神科に入院中の精神疾患患者に対する理学療法の実施状況を調査し、適切な介入方法の一助を得ることである。【方法】 対象は、2008年4月1日から2011年9月30日の期間においてA大学病院で理学療法を実施した精神疾患患者とした。 検討項目は、精神疾患患者にPTを実施した回数(以下、PT回数)、PT開始から終了までの日数(以下、PT期間)、1週間あたりのPT実施回数(以下、PT頻度)とした。除外基準は、精神科の閉鎖病棟あるいは開放病棟に入院中以外の患者とした。精神疾患患者は電子カルテより後方視的に調査し、対象となった延べ人数は84名であり、内訳は男性39名、女性45名、平均年齢52.0±18.0歳であった。 対象の精神疾患患者は閉鎖病棟あるいは開放病棟に入院しており、PTを実施する際はBedsideあるいは運動療法室(以下、Gym)で開始されていた。本研究では、入院病棟(閉鎖病棟と開放病棟)の違いとPT実施場所(BedsideとGym)の違いの要因について、2要因分散分析を行った。なお、統計ソフトはSPSS17.0を用いて危険率は5%未満とした。【倫理的配慮】 本研究はヘルシンキ宣言に基づき、当院の倫理委員会の承認を得て、当院の個人情報保護のガイドラインに沿って行った。【結果】 PT回数は54.4±50.8回、PT期間は108.9±101.3日、PT頻度は3.7±1.0回/Wであった。また、閉鎖病棟に入院中でBedsideから開始した患者は23名であり、PT回数、PT期間、PT頻度の各値は、79.7±60.6回、159.0±128.2日、3.6±0.6回/Wであった。閉鎖病棟に入院中でGymから開始した患者は8名であり、PT回数、PT期間、PT頻度の各値は、26.1±19.9回、58.6±32.6日、3.1±1.1回/Wであった。開放病棟に入院中でBedsideから開始した患者は16名であり、PT回数、PT期間、PT頻度の各値は、71.2±59.1回、139.0±101.3日、4.0±1.3回/Wであった。開放病棟に入院中でGymから開始した患者は37名であり、PT回数、PT期間、PT頻度の各値は、37.4±30.5回、75.6±67.3日、3.7±0.9回/Wであった。 PT回数とPT期間の2要因分散分析のそれぞれの結果は、入院病棟とPT実施場所の交互作用は有意ではなかったが、PT実施場所の主効果は有意であった。また、PT頻度の2要因分散分析の結果は、入院病棟とPT実施場所の交互作用は有意ではなかったが、入院病棟の主効果は有意であった。【考察】 精神疾患患者に対するPTでは、集団療法による検討が多く、個別療法を行った際のPT頻度は、1週間に1~2回程度が適度とする報告も多い。しかし、急性期の精神疾患患者に対するPTの個別訓練に関する検討は十分に行われていない。本研究のPT頻度は3.7±1.0回であり、過去の研究と比較するとPT頻度は大きな値であり、治療効果が得られるようなPT頻度であったと思われる。 本研究の2要因分散分析の結果、PT回数とPT期間には交互作用は有意ではなかったが、PT実施場所の主効果は有意であった。この結果は、PT実施場所の単独の効果であり、BedsideからPTを開始した精神疾患患者のPT回数とPT期間は増加することを示めしている。また、PT頻度の2要因分散分析の結果では、交互作用は有意ではなかったが、入院病棟の主効果が有意であった。この結果は、閉鎖病棟でPTを開始した精神疾患患者のPT頻度は有意に低い値となることを示している。これらの結果より、PTをBedsideで開始する必要がある精神疾患患者では、PT回数やPT期間を短縮させるような介入が重要であり、閉鎖病棟に入院している精神疾患患者ではPT頻度が低くならないような適切な介入方法について検討することが必要であることを本研究は示唆した。【理学療法学研究としての意義】 精神疾患患者にPTを実施する際、Bedsideで開始した場合にはPT回数やPT期間を短縮させるような介入が重要であり、閉鎖病棟に入院している場合にはPT頻度が低くならないような介入の重要性を本研究は示唆した。
著者
岩田 靖 岩堀 弘昭 内藤 国雄 大庫 和孝
出版者
公益社団法人 日本鋳造工学会
雑誌
鋳造工学 (ISSN:13420429)
巻号頁・発行日
vol.75, no.12, pp.870-874, 2003-12-25 (Released:2015-01-07)
参考文献数
3

A sand block was developed for direct machining with a numerical contorol machine. The sand block has a cutting resistance of 30N which is as small as 1/300 that of steel block. Especially, sand blocks made of fine spherical particles have better dischargeability and dimensional accuracy, thus providing excellent machinability. Direct machining of a sand block reduces molding time. For example, it takes merely four hours to complete the mold for the cylinder head cover of an automobile engine.
著者
李 娜 青山 透 堀 弘 江崎 孝行
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.763-769, 1997-08-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
12
被引用文献数
4 3

24時間循環風呂のレジオネラ汚染対策を検討するため, この風呂を使用している家庭を選択し浴槽水のレジオネラと一般細菌数を抑制する試みを行った.実験に先立ち, 24時間風呂を使用している家庭16軒の浴水を調査した所, 6軒の浴水からレジオネラが分離された.陽性になった5軒を選び, 風呂水を交換しモニターを開始したところ5軒中3軒の風呂からLegiouella pueumophilaが分離され, 菌数は最高値で103CFU/mlに達した.また一般細菌数も最高値で105CFU/mlに達した.このことから24時間循環風呂の汚染を除去する対策を立てるため, 使用後の浴水に塩素剤を投入し, 一般細菌とレジオネラの菌数の変動をモニターした.初期有効濃度が2ppmになるように塩素を投与すると1時間後には一般細菌, レジオネラのいずれも検出されなくなった.この条件で実際の浴槽の菌をモニターした結果, 毎日, 使用後に塩素濃度が2ppmになるように投与した場合, レジオネラは検出されなくなることがわかった.
著者
堀 弘明
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.148-154, 2022 (Released:2022-12-25)
参考文献数
17

ストレス社会ともいわれる現代社会において,過剰なストレスからうつ状態やうつ病を呈する者は多い。ストレスやうつ病に関連して生じる生物学的異常には種々のものが報告されており,とりわけストレス応答に重要な役割を担う生体システムである視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)系および免疫炎症系の異常が鍵を握ると考えられている。しかし,うつ病におけるHPA系や炎症系の知見には不一致が存在し,病因・病態の解明には至っていない。 筆者らは,うつ病におけるストレスの関与を明らかにすることを目的として,HPA系と炎症系を標的とした検討,および末梢血RNAを用いたデータ駆動型のトランスクリプトーム解析を行ってきた。とりわけ幼少期逆境体験やパーソナリティ特性,概日リズムに着目した検討を行った。その結果,人生早期に始まる強度のストレスや長期・反復性のストレスによって心理的・身体的なストレス脆弱性が形成されることが,うつ病発症に至る重要な経路の一つである可能性が示唆された。
著者
藤部 文昭 松本 淳 釜堀 弘隆
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.595-607, 2020 (Released:2020-11-30)
参考文献数
32
被引用文献数
1

区内観測資料を利用して,令和元年東日本台風(台風1919)による降水量分布を過去の大雨事例と比較し,また,極値統計手法を使って大雨の再現期間を評価した.東日本台風による総降水量の分布は1947年のカスリーン台風のものと類似し,関東山地から東北地方の太平洋側にかけて降水量が多かった.これらの台風による2日間降水量の再現期間は,一部の観測地点では数百年以上と計算されるが,多降水域の領域平均降水量については100年前後と見積もられる.
著者
山本 康貴 馬奈木 俊介 増田 清敬 近藤 功庸 笹木 潤 宋 柱昌 吉田 祐介 赤堀 弘和
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

EUでは、環境に配慮した農業生産を行うなどの一定要件を満たした農業生産者に補助金等を支払うというクロス・コンプライアンス(CC)を適用した農業政策が実施されている。本研究では、CC受給要件を、農業由来の環境負荷などの外部性効果とみなして評価し、CC受給要件の内容設計に資する手法の開発や適用を試みた。農業生産活動由来の環境負荷に及ぼす環境影響を経営段階のミクロレベルや国全体のマクロレベルで定量評価できる手法の開発と適用を行い、CCを適用した新たな農業政策の設計に資する基礎知見を得ることができた。
著者
堀 弘明 由利 真 千葉 健 佐橋 健人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>我々は,変形性股関節症患者において健常人より腹横筋の筋活動は低下し,前額面の骨盤レントゲン画像から得られた骨盤傾斜角と大腿骨頭被覆率では腹横筋厚変化率と関連がある研究結果を得た。腹横筋の筋活動低下の原因として,姿勢や形態学的な変化のみならず筋自体の質的な変化も考えられた。近年,超音波画像を用いた筋輝度と筋力は負の相関を示すことが報告されている。そこで,本研究は筋輝度を用いて変形性股関節症患者と健常人の体幹筋の質的変化について明らかにすることを目的とした。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>対象者は,北海道大学病院に片側変形性股関節症の診断を受け手術目的に入院し,術前理学療法を実施した患者を変形性股関節症群(19名。男2名・女19名:60.6±6.5歳)とした。また,変形性股関節症群の年齢に合わせ身体に整形疾患等の既往歴のない者を健常者群(20名。女20名:62.9±3.2歳)とした。測定項目は腹横筋,内腹斜筋,外腹斜筋,骨盤傾斜角とし実施日は術前理学療法開始1日目とした。</p><p></p><p>腹部筋の測定肢位は膝を立てた背臥位とし,超音波診断装置はVenue 40 Musculoskeletal(GEヘルスケア・ジャパン)を使用し画像表示モードはBモード,8MHzのプローブで撮影した。Urquhartらの測定部位を参考にして腹横筋,内腹斜筋,外腹斜筋の境界を描出した。測定時の運動課題は,安静呼気終末として腹横筋,内腹斜筋,外腹斜筋を測定した。</p><p></p><p>筋輝度は,Adobe Photoshop CC 2014(Adobe Systems Inc. San Jose, CA, USA)を使用し,超音波診断装置で得られた画像から各筋の関連領域を設定し,8-bit gray-scale analuysisのhistogram functionにおいて値を求めた。</p><p></p><p>また,当院整形外科の処方により入院時に撮影した背臥位における前額面の骨盤レントゲン画像を用い,骨盤傾斜角を土井口らの方法で算出した。この方法で得られた値は,算出値が小さいほど前傾が増強していることを示す。</p><p></p><p>変形性股関節症群と健常者群の各筋の筋輝度測定についてはMann-Whitney U検定を用い,変形性股関節症群の骨盤傾斜角と各筋の筋輝度との相関ついてはSpearmanの順位相関係数を用い統計学的処理は5%未満を有意水準とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>筋輝度の比較では,腹横筋は変形性股関節症群111.8±12.0pixel,健常者群89.2±7.0 pixel,内腹斜筋は変形性股関節症群91.4±14.7 pixel,健常者群107.2±14.0 pixelとなりそれぞれ2群間で有意差(p<0.05)が認められた。</p><p></p><p>変形性股関節症群の骨盤傾斜角は17.6±3.6度であり,骨盤傾斜角と腹横筋の筋輝度は中等度の負の相関(r=-0.57。p<0.01)が認められ,骨盤傾斜角と内腹斜筋の筋輝度は中等度の正の相関(r=0.48。p<0.05)が認められた。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>本研究の結果から,変形性股関節症患者の腹横筋の筋輝度高値と内腹斜筋の筋輝度低値は変形性股関節症患者の骨盤傾斜角に関連し,特に腹横筋では骨盤前傾の増強により筋収縮力が低下する可能性が示唆された。</p>
著者
松本 淳 久保田 尚之 藤部 文昭 林 泰一 山本 晴彦 財城 真寿美 寺尾 徹 村田 文絵 高橋 幸弘 山下 幸三 赤坂 郁美 遠藤 伸彦 森 修一 釜堀 弘隆 高橋 洋 山根 悠介 大塚 道子 遠藤 洋和
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本を含むアジア諸国における紙媒体や画像での日降水量データや台風経路等をデジタル化したデータセットを作成し、モンスーンアジア域における降雨強度の長期変化を解析した。その結果、日本では1930年以降、東北日本を中心に降雨強度が大きくなっていた。フィリピンでは1950年以降の夏季には強雨の増加傾向が、冬季には西海岸で乾燥の強化傾向がみられた。1940年代以前の傾向はこれらとは異なり、近年の変化傾向は数十年スケールでの変動の一部とみられる事、エルニーニョと地球温暖化の影響の両方の影響を受けている可能性が高い事がわかった。中部ベトナムでも近年の傾向と1940年以前の傾向に違いがみられた。
著者
堀 弘樹 菅野 秀貴
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.102-8-102-18, 1999-01-20
被引用文献数
2 1

Lazaroidは脂質過酸化反応を抑制し, 活性酸素を消去する作用をもつfree radical scavengerである. ラットを用いて, CDDPの聴器障害および腎障害に対するLazaroidの軽減効果の有無を検討し, さらにCDDPの抗腫瘍効果に対するLazaroidの影響について検討した. CDDP, Lazaroid併用群のCAP閾値上昇はCDDP単独群と比較して有意に軽度であり, 外有毛細胞の障害の程度も明らかに軽度であった. 一方, 両群間の血清BUN値に有意差は認められず, 腎の病理組織学的所見にもほとんど差異はなかった. TGRを指標とした検討で, 両群の間にはCDDPの抗腫瘍効果に差は認められなかった. これらの結果より, LazaroidはCDDPの腎障害に対する軽減効果はないが聴器障害を著明に軽減すること, Lazaroidの併用がCDDPの抗腫瘍効果には影響を及ぼさないことが示唆された.
著者
藤部 文昭 高橋 清利 釜堀 弘隆 石原 幸司 鬼頭 昭雄 上口 賢治 松本 淳 高橋 日出男 沖 大幹
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

970年代まで行われていた区内観測による26都府県の日降水量データをディジタル化し, 高分解能かつ長期間の降水量データセットを作成した。このデータや既存の気象データを利用して著しい降水や高低温・強風の長期変化を解析し, その地域的・季節的特性等を見出した。また, 極値統計手法を様々な角度から検討し, 各方法の得失を見出した。さらに, 全球数値モデルを用いて, 降水極端現象の再現性に対するモデルの水平解像度の影響を調べ, 今後モデルと観測データを比較するための統計的手法の検討を行った。