著者
北 研二 獅々堀正幹 大恵俊一郎
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.98(2003-NL-157), pp.9-16, 2003-09-29

高次元空間における最近傍検索(nearest neighbor search)は、マルチメディア・コンテンツ検索、データ・マイニング、パターン認識等の分野における重要な研究課題の1つである。高次元空間では、ある点の最近点と最遠点との間に距離的な差が生じなくなるという現象が起こるため、効率的な多次元検索手法を設計することが極度に困難となる。本稿では、線形探索アルゴリズムにおける距離計算中の不要な演算を削減することにより、きわめて高速な最近傍検索アルゴリズムを提案する。さらに、不必要な演算を早期検出するために、要素の分散値を用いた次元ソート法、並びに主成分分析に基づくデータ変換法を提案する。実験によると、従来の SR-tree や VP-tree 等よりも 20倍?50倍高速であり、高次元の場合にも性能の劣化はほとんどない。
著者
高橋 佐江子 笹代 純平 清水 怜有 鈴木 章 高嶋 直美 堀田 泰史 久々知 修平 深見 和矢 中嶋 耕平 奥脇 透
出版者
独立行政法人 日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
雑誌
Journal of High Performance Sport (ISSN:24347299)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-23, 2022 (Released:2022-05-22)
参考文献数
24

In order to investigate the effect of sports activities restriction during the COVID-19 pandemic on physical function among athletes, this study compared the physical measurements of athletes from immediately after lifting the restriction of activities with their measurements after returning to competition. The subjects were twenty-nine Japanese top-level athletes (male: 14, female: 15). Measurements of the upper limbs, trunk, and lower limbs were performed from the viewpoint of injury prevention. The results showed that in female athletes, the upper limb functions of external rotation at maximum elevation and scapular adduction, and lower limb muscle power and muscle mass were significantly improved after returning to competition compared to immediately after the lifting of restrictions. There was no significant difference observed in the trunk measurements of both male and female athletes. In the future, these results will be useful in conditioning athletes if sports activities are once again restricted.
著者
小島 唯 村山 伸子 堀川 千嘉 田中 久子 森崎 菜穂
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.116-125, 2022-04-01 (Released:2022-05-24)
参考文献数
13
被引用文献数
1

【目的】新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言による学校休業を含む学校給食の実施有無と簡易給食の実施状況および簡易給食の提供内容の実態を把握する。【方法】全国の公立小学校および中学校から無作為抽出した479校を対象とした。2020年4~10月の学校給食実施状況を日ごとに回答,簡易給食期間の献立の提出を依頼した。【結果】解析対象校は205校であった(適格率42.8%)。簡易給食を1日以上実施していた学校は55校であった(実施率26.8%)。給食実施なし日数,簡易給食実施日数の中央値(25, 75パーセンタイル値)は各々50(43, 56)日,10(5, 16)日であった。緊急事態宣言の期間が長い地域で,給食実施なし日数が多かったが,簡易給食実施日数に差はみられなかった。解析対象献立は,延べ871日分であった。簡易給食実施初期の献立では調理された料理数が少なく,デザートなどの調理や配膳の不要な単品数が多く,主菜,副菜の出現頻度が低かった。【結論】新型コロナ感染拡大による学校給食の実施中断や簡易給食の実施により,子どもの食事状況に影響があった可能性が示唆された。簡易給食実施初期の献立では単品の提供が多く,簡易給食実施後期の献立では,主食・主菜・副菜を組み合わせた献立が提供されていた。
著者
堀籠 崇
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.239-250, 2010-10-29 (Released:2010-10-27)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本研究の目的は,占領期におけるインターン制度の形成過程という歴史的フィルターを通じて新医師臨床研修制度の課題を明示するところにある。そこで本研究では,インターン制度の狙いの解明に焦点をおく。本研究が用いた資料は,第一にスタンフォード大学フーバー研究所所蔵のSylvan E. Moolten Papers,1945-1986である。本資料により,インターン制度導入意図を解明し,医学教育審議会(CME)内部の連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)と日本側委員との関係性を再検証した。第二に国立国会図書館憲政資料室所蔵のGHQ/SCAP Record内の公衆衛生福祉局(PHW)文書である。本資料に含まれるCME議事録の精査から,CMEの発したインターン制度構想について明示した。結果は次の通りである。インターン制度の真の狙いは,地域医療と医学教育システムとの融合による,最新医療の市民への還元及び開業医のレベルアップにあった。それは,インターン制度を通じた学閥解体とともに国立メディカルセンター計画による医療提供システムの再構築により果たされる予定であったが,前者の,制度としての練りこみ不足と,後者の頓挫とによって失敗に終わった。この結果より,新臨床研修制度が医療提供システムに与える影響の検討と,日本の医療システム全体をいかにデザインするかという視点からの当該制度の見直しの必要性が示唆された。

1 0 0 0 転進の記録

著者
堀亀二 著
出版者
[堀亀二]
巻号頁・発行日
1965

1 0 0 0 OA 英語語源大要

著者
堀越岩松 (晩翠) 著
出版者
上田屋
巻号頁・発行日
vol.正編, 1901
著者
堀田 千絵 加藤 久恵 多鹿 秀継 十一 元三 八田 武志
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究の目的は、学習力を支える高次認知機能としてのメタ認知の早期育成が、定型発達児のみならず発達障害児の予後の適応に多大な影響を与えることに鑑み、発達障害児のメタ認知活性化を促すことのできる学習支援法を開発し、当該幼児の小学校入学後までを見据え、その適切性を吟味することであった。その中で、幼児期からのメタ認知育成を可能にする学習支援法の1つとして「検索学習」の有効性を明らかにし現場で活用できる学習支援システムの土台を構築した。特に、食物連鎖に基づく課題を考案する過程で幼児期からのメタ認知の活性化には検索学習の3規定因が重要であることを明らかにした。特に、3規定因としては、第1に初回学習の徹底、第2に検索スケジュールの時間的分散、第3にフィードバックが効果の要となる点を明確にし、これらを組み込んだ学習支援システムを構築した。その成果を堀田・多鹿・加藤・八田(2020)に要約した。加えて申請者らは、検索学習の導入の仕方によっては有効に機能しない一部の発達症児の存在することも特定し、自閉スペクトラム症等の発達症の障害の程度のみならず、それ以外の個人を特定する個人差が影響する可能性を突き止めた。
著者
荒堀 みのり
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2016-04-22

本研究課題の目的は、単独性でありながら特殊な家畜化を経てヒトの伴侶動物となったネコを対象とし、その行動や遺伝子から、ネコとヒトの関係およびネコとネコの関係がどのようなものであるかを検討することであった。本年度では、研究1として、ヒトが視覚的に示す問題解決法にネコが追従するかを、2つの課題を用いて検討した。両課題とも、ネコがヒトに追従するという結果は得られなかったが、ヒトの存在によってネコのモチベーションが上昇した可能性を示唆した。しかしながら、半透明の装置を用いたため、抑制制御の必要性がネコの追従を阻害した可能性が考えられた。研究2では、集団で暮らすネコを対象として、ネコカフェで飼育されている3集団のネコの社会的インタラクション(親和的行動・攻撃行動)を観察し、毛中コルチゾール濃度を測定した。ネコ同士では嗅覚を用いたインタラクションが多く観察され、本研究で対象としたネコカフェでは攻撃行動はほとんど見られなかった。また、個体ごとに親和的行動を行う回数や受ける回数は異なっていたが、この2つの値の合計と、毛中コルチゾール濃度(長期ストレスレベル)は正の相関を示した。野生動物の社会においてコルチゾールレベルは個体の優位性と関係があるとされており、ネコ集団でもこのような社会システムが成立しているか検討していく必要がある。以上の研究はそれぞれ国内学会で発表された。今後は、様々な指標を用いることや、ネコの祖先種との比較も視野に入れながら、ネコがなぜヒトのペットになるに至ったのかを解明する予定である。
著者
赤堀 三郎 出口 剛司 飯島 祐介 堀内 進之介 河合 恭平 磯 直樹
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、今日勃興しつつある信用スコアサービス、およびその基礎にある与信管理技術に関し、受容意向という側面に着目し、社会学の立場からこの種の対象を総合的に扱うための枠組を構築しようとするものである。すなわち、第一に、信用スコアに関するデータを収集・整理し、国内外の社会学研究者や他分野の研究者のさらなる探究に資するデータベースを作成し、公開する。第二に、信用スコアの受容意向に関する実態調査を行い、結果を公表する。第三に、上記データベースと調査結果の分析および考察を通じ、「信用スコアの社会学」を確立し、与信管理技術を代表例とする新技術の社会的影響という広範なテーマを扱える社会学理論の創造をはかる。