1 0 0 0 OA 日本歌謡類聚

著者
大和田建樹 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1898
著者
岡田 夏男 前川 陽平 大和田 済熙 芳賀 一寿 柴山 敦 川村 洋平
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.137, no.1, pp.1-9, 2021-01-31 (Released:2021-01-29)
参考文献数
10
被引用文献数
3

Currently, there have been issues concerning the depletion and scarcity of mineral resources. This is mostly due to the excavation of high grade minerals having already occurred years and years ago, hence forcing the mining industry to opt for the production and optimization of lower grade minerals. This however brings about a plethora of problems, many of which economic, stemming from the purification of those low grade minerals in various stages required for mineral processing. In order to reduce costs and aid in the optimization of the mining stream, this study, introduces an automatic mineral identification system which combines the predictive abilities of deep learning with the excellent resolution of hyperspectral imaging, for pre-stage of mineral processing. These technologies were used to identify and classify high grade arsenic (As) bearing minerals from their low grade mineral counterparts non-destructively. Most of this ability to perform such tasks comes from the highly versatile machine learning model which employs deep learning as a means to classify minerals for mineral processing. Experimental results supported this statement as the model was able to achieve an over 90% accuracy in the prediction of As-bearing minerals, hence, one could conclude that this system has the potential to be employed in the mining industry as it achieves modern day system requirements such as high accuracy, speed, economic, userfriendly and automatic mineral identification.
著者
盛 虹明 増田 卓 北原 孝雄 相馬 一亥 大和田 隆
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.17-22, 1993-02-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
28
被引用文献数
2

肺水腫を伴うクモ膜下出血患者の肺水腫液と血清の膠質浸透圧を測定し,神経原性肺水腫の成因としての肺血管透過性亢進の関与を検討した。発症24時間以内のクモ膜下出血のうち,呼吸管理を必要とした肺水腫8例を対象とし,肺水腫を有しない33症例を非肺水腫群として比較した。肺水腫群はWFNS分類でgrade Vが75%, Fisher分類では全例group 3と4であった。来院時に血圧,脈拍,意識状態,胸部レントゲン写真,動脈血液ガス分析,血漿カテコールアミン濃度を測定した。さらに肺水腫例では,肺水腫液と血清の膠質浸透圧を測定した。来院時肺水腫群では非肺水腫群に比べ収縮期血圧の低下と心拍数の増加を認めた。肺水腫群の心胸郭比は平均48±4%と心拡大は認められなかった。動脈血液ガス所見では,PaO2が非肺水腫群78±16mmHgであるのに対し肺水腫群47±12mmHgと,肺水腫群で著しい低酸素血症を呈していた。血漿ノルアドレナリン,アドレナリン濃度は,肺水腫群でそれぞれ1,800±1,300pg/ml, 1,400±630pg/ml,非肺水腫群740±690pg/ml, 340±400pg/mlであり,非肺水腫群に比べ肺水腫群で有意に高値を示した。肺水腫液の膠質浸透圧は12.4から25.0,平均16.7±4.1mmHgと肺水腫群の全例で高値を示し,血清に対する肺水腫液の膠質浸透圧比は平均0.94と血管透過性亢進を示唆する結果であった。以上により,クモ膜下出血に伴う肺水腫の発生機序のひとつとして肺血管の透過性亢進が示された。
著者
望月 隆弘 衣笠 えり子 草野 英二 大和田 滋 久野 勉 兒島 憲一郎 小林 修三 佐藤 稔 島田 憲明 中尾 一志 中澤 了一 西村 英樹 野入 英世 重松 隆 友 雅司 佐中 孜 前田 貞亮
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.853-862, 2012-09-28 (Released:2012-10-05)
参考文献数
23

【目的】ビタミンE固定化ポリスルフォン膜ダイアライザ(VPS-HA)が,血液透析患者の貧血や,貧血治療薬(ESA)の投与量に影響を与えるか否かを検討した.【方法】主要なエントリー基準は,機能分類IV型ポリスルフォン(PS)膜を3か月以上使用し,直近3か月はTSAT 20%以上で,ESA製剤の変更がなく,ヘモグロビン(Hb)値は10.0g/dL以上12.0g/dL未満を満たす患者とした.研究参加は48施設で,305症例がエントリーされた.エントリー患者を,VPS-HAに変更する群(151名)と,従来のIV型PS膜を継続する群(154名)の2群に分け(中央登録方式),研究開始時のHb値を維持(10.0≦Hb<11.0g/dLおよび11.0≦Hb<12.0g/dL)するESA投与量を主要評価項目とした.その評価指標としてエリスロポエチン抵抗性指数(erythropoietic resistance index:ERI)を用いた.【結果】研究は1年間実施された.目標Hb値10.0≦Hb<11.0g/dLの範囲では差はなかったが,目標Hb値11.0≦Hb<12.0g/dLの範囲で,VPS-HA群はIV型PS膜群に比して良好なESA反応性を示した.とくにVPS-HA群のDarbepoetin alfa(DA)投与例では,8か月以降で開始時と比較して統計的有意差をもってERIが減少していた.またIV型PS膜群のrHuEPO投与症例では,統計的に5,7,10か月で,開始時と比較してERIが増加していた.VPS-HAとIV型PS膜の群間比較では,11か月目でVPS-HA群のDA投与例でIV型PS膜群に比して,ERIが有意に減少していた.【結語】目標Hb値11.0≦Hb<12.0g/dLの範囲で,ビタミンE固定化膜は,IV型PS膜に比べてDA投与量が減少しており,ESA投与量軽減効果が期待できる(UMIN試験ID:UMIN000001285).
著者
上條 吉人 増田 卓 堤 邦彦 西川 隆 相馬 一亥 大和田 隆
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.7, pp.297-305, 1997-07-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
27

常用量のベンゾジアゼピン系薬剤によって,血中濃度が中毒域となった68歳から72歳の高齢者の3症例を経験した。各症例のベンゾジアゼピン系薬剤の体内薬物動態を分析し,高齢者の薬物動態の特徴と投薬上の問題点について検討した。症例1と症例3は食物誤飲による窒息で搬送され,症例2はうっ血性心不全の治療中に意識障害を生じて入院となった。ベンゾジアゼピン系薬剤として,症例1はロフラゼプ酸エチル(Lof) 2mg錠を1日1回とエチゾラム0.5mg錠を発症前に1回のみ服用,症例2はLof 2mg錠を1日1回,症例3はLof 1mg錠を1日3回服用していた。3症例のベンゾジアゼピン系薬剤の血中濃度は,ガスクロマトグラフィおよびベンゾジアゼピンレセプターアッセイを用いて経時的に測定した。来院時のLofの血中濃度は,症例1は256ng/ml,症例2は363ng/ml,症例3は425ng/ml,血清ベンゾジアゼピン受容体結合活性はジアゼパム当量で,症例1は1,800ng/ml,症例2は1,400ng/ml,症例3は2,200ng/mlであり,いずれも血中濃度は中毒域であった。Lofの消失半減期(T1/2)は,症例1は124時間,症例2は212時間,症例3は121時間であり,症例2においてT1/2の著明な延長を認めた。3症例はいずれも高齢者で,青壮年と比較して肝腎機能の低下から薬物クリアランス(CL)が低下し,症例2では心不全のためCLがより低下していたことが考えられる。さらに,脂肪組織の減量による分布容積(Vd)の減少も加わって,ベンゾジアゼピン系薬剤の血中濃度が上昇したものと思われた。また,多剤の服用は遊離型ベンゾジアゼピン系薬剤の濃度を上昇させるため,中毒症状が出現しやすかったものと考えられる。以上から,高齢者へのベンゾジアゼピン系薬剤の投与に際し,肝腎機能,血清蛋白濃度,体重変動,併用薬剤に注意して,ベンゾジアゼピン中毒を未然に防ぐ必要がある。
著者
大和田 俊之
出版者
現代文芸論研究室
雑誌
れにくさ = Реникса : 現代文芸論研究室論集 (ISSN:21870535)
巻号頁・発行日
no.5, pp.410-414, 2014

特集 北アメリカの文学柴田元幸教授退官記念号研究ノート
著者
大和田 智文 御幸 大聖
出版者
関西福祉大学研究委員会
雑誌
関西福祉大学研究紀要 = The Journal of Kansai University of Social Welfare (ISSN:24326828)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.123-130, 2017-03

今日,SNS は対人コミュニケーションの重要なチャネルとして日常生活にはなくてはならないものになっている.心理学領域におけるSNS コミュニケーションに関する研究では,SNS の利用がもたらす功罪や,それに関連するパーソナリティに着目した議論が主になされてきていた.しかしながら,SNS 上にさまざまな発言を顕在化させてしまう心理機序をFTF コミュニケーションと関連づけながら検討した研究は見当たらなかった.本研究では,大学生におけるSNS の利用実態とSNS 上に見られる社会的不適切行為との関連に着目し,この社会的不適切行為が,FTF コミュニケーションによってすでに存在していた行為がSNS を通して顕在化されたもの(SNS の不適切行為表出の媒介機能)なのか,それとも,SNS によって新たに生み出された行為(SNS の不適切行為創出機能)なのか,すなわち,SNS コミュニケーションの顕在化に関する心理機序についての検討を行った.兵庫県内の私立大学学部生計97 名を対象に質問紙調査を実施した.その結果,FTF において不適切発言を経験することが,SNS への不適切発言投稿経験に影響を及ぼしていた.一方で,FTF での不適切発言を多く経験している者がSNS 上に見られる社会的不適切行為に対する許容度を高めてしまうことが,SNS への不適切写真投稿経験に影響を及ぼしていた.加えて,SNS を利用した自己開示欲求もSNS への不適切写真投稿経験に影響していた.すなわち,SNS への不適切発言投稿に対してはSNS の不適切行為表出の媒介機能が,SNS への不適切写真投稿に対してはSNS の不適切行為創出機能がそれぞれ働いていたことが示唆された.以上より,SNS への不適切発言投稿経験とSNS への不適切写真投稿経験とでその発現機序は異なっていると考えられた.

1 0 0 0 OA 謡曲評釈

著者
大和田建樹 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第4輯, 1908
著者
大和田 俊之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、1970年代から80年代の日本のポピュラー音楽において、アメリカ文化がどのように影響していたかについて考察する。具体的には、はっぴいえんど解散以降に活躍した荒井由実、シュガーベイブ(山下達郎、大貫妙子)、吉田美奈子、竹内まりやなどを擁するニュー・ミュージックと呼ばれるジャンルの成立や、YMO(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)の活動を検証することで、「安定成長期」の日本がいかに環太平洋的な影響関係のもとで音楽文化を創出したかを解明する。その作業を通し、急速に世界的な評価が進む日本の「シティポップ」の起源を検証し、この時期の日本の音楽文化をグローバルなポピュラー音楽史に位置付けたい。
著者
乾 正幸 大和田 進 近藤 裕子 蘇原 直人 乾 純和
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.57-60, 2011-06-10 (Released:2013-07-19)
参考文献数
5

大腸内視鏡検査に送気は不可欠であるが,空気による送気では残留空気による腹満感が出現することがある。そこで,今回スクリーニングを含む大腸内視鏡検査における炭酸ガス送気の有用性と経済性を評価することを目的とし臨床研究を行った。対象は2009年9月10日から2009年12月1日までに乾内科クリニックで施行された大腸内視鏡検査(軽処置を含む)101症例にアンケート調査を行った。この間,全例に炭酸ガス送気を用いた。また,大腸内視鏡検査1件あたりの炭酸ガスのランニングコストを,6.6kg一本の炭酸ガスボンベのコストを総検査数で除して算出した。症例の内訳は,男性49名,女性52名,年代の最頻値は60代であった。検査中及び検査後の腹満感については,楽であったと答えた群が大幅に上回った。空気送気による大腸内視鏡検査歴のある被験者で前回の検査と今回の炭酸ガス送気の検査の腹満感の比較でも楽であったとの回答が大幅に上回った。また検査中及び検査後の腹満感について統計学的検討を行ったが腹部手術歴の有無や大腸内視鏡検査歴の有無によらず腹満感は軽減されたことが示された。今回の検討期間内における大腸内視鏡検査1件あたりの炭酸ガス使用量は0.16kgであった。炭酸ガスボンベ一本6.6kgの単価は9,000円であり,1件あたりのランニングコストは227円であった。
著者
高久 英徳 大和田 真紀 宮根 和弘 斎野 仁 畠間 真一
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.367-371, 2008-05-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
16

牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) に汚染された環境に豚を搬入することにより, 豚へのBVDV感染が成立することを調べるため, 感染試験を実施した. 試験1群および試験2群はBVDV野外株細胞培養上清およびPI牛から採取した尿を豚房床および飼料に散布し, そこへ豚を搬入した. 試験2群には上記に加えてBVDV液を強制的に経口接種した. また, 陽性対照群にはBVDV液を筋肉内接種, 陰性対照群にはBVDVを含まない細胞培養液を豚房床に散布した. 試験開始後3~14日目に, 陰性対照群以外では血清中からBVDVが分離され, 14日目以降にBVDV中和抗体の上昇が認められた. これらのことから, BVDVに汚染された環境は, 豚へのBVDVの感染源となることが示唆された.
著者
光田 秀雄 山下 英年 大和田 国夫 吉村 正幹
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.271-274, 1983-09-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1

In measuring the amount of x-ray radiation through mass x-ray examination cars in O-city, two pieces of equipment giving of a high level of radiation were found in seven cars, the amount of each differing remarkably from the others. However, it was found that through improvement (of the quality) of the equipment, the amount of the radiation could be reduced to some extent. For instance, changing the fluoroscope resulted in a radiation reduction of 25% and a 36% reduction when supplemented by a filter. It was also found that voltage selection of the x-ray tube was important for achieving a reduction.
著者
服部 聖彦 大和田 泰伯 加川 敏規
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-75, no.5, pp.1-4, 2015-05-21

本研究では大規模な災害の発生により,既存の通信インフラ (キャリア通信,公衆 WiFi) が不能になった環境を仮定し,現在地から最寄りの避難場所に移動する避難者の円滑な移動支援に焦点を当てる.具体的には避難者間で携帯端末のすれ違い通信を用いて避難経路情報を交換することにより,ボトムアップ的アプローチで群衆の移動情報を共有がどの程度出来るかを簡易的なシミュレーションにより検証した.シミュレーションでは,(1) 避難箇所の数,(2) 最近傍の避難所以外へ避難する人の割合の 2 つの観点から検証を行った.その結果,最近傍避難所以外の避難場所に避難する人の割合が増えることにより DTN 的な情報運搬が可能になり,結果として全体の経路情報共有率が向上することが明らかになった.
著者
大和田 道雄 秋山 祐佳里 畔柳 洋子 中川 由雅 石川 由紀 櫻井 麻理
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.216, 2005

_I_ 研究目的<BR> 近年,我が国の大都市では,夏季の夏型気圧配置時において異常高温が出現する傾向がみられるようになってきた。これは,都市域の拡大や排熱量の増加,および地表面の透水層や緑地の減少等によるヒートアイランド強度が強まったことも考えられるが,夏型気圧配置のパターンや出現頻度が変わってきたことも事実である。特に,名古屋と大阪では,1990年以降,東京に比較して異常高温の出現率が高まる傾向にある。そこで,本研究はその要因を夏型気圧配置の出現傾向と大気大循環場から探ろうとするものである。<BR>_II_ 資料および解析方法<BR> まず,異常高温の出現頻度が増加傾向を示す1980年以降の夏型気圧配置分類を行った。夏型気圧配置は,北太平洋高気圧の張り出し方によって出現頻度が最も多い南高北低型と東高西低型,全面高気圧型,およびオホーツク海高気圧型に分類した。さらに,北太平洋高気圧の張り出しが亜熱帯ジェット気流の緯度的・経度的位置,およびトラフ・リッジに対応することから,チベット高原を中心にしたユーラシア大陸に形成される南アジア高気圧の関係を把握するため,NCEP/NCARの再解析データから200hPa面における南アジア高気圧の盛衰との関係を求めた。<BR>_III_ 結 果<BR> 名古屋・東京・大阪の過去約45年間における35℃以上の出現日数を時系列で表し,移動平均に直した結果,2000年以降は東京が4_から_5日であるのに対し,名古屋と大阪は15日以上出現するようになった。これは,1970年当時に比較して約3倍である。これらの異常高温日数は,年による変動が大きくほぼ6年周期で現れる。その原因は明らかではないが,1994年から1995年にかけての名古屋では37℃以上の異常高温が5日近くも現れた。この時の気圧配置は1994年が全面高気圧型,1995年は南港北低型が多く支配した年である。したがって,1994年は全国的に猛暑となったが,1995年に関しては名古屋特有の暑さであった。これは,名古屋が南高北低型の気圧配置時において北太平洋高気圧の西縁部にあたるため,南西の風が鈴鹿山脈を越えてフェーン現象をもたらすからである。南高北低型が現れる時の上層気圧場は,200hPa面における南アジア高気圧の中心がイランモードになっていて,東アジアがわずかに北東シフトしている。その結果,日本付近は亜熱帯ジェット気流がリッジを形成しており,西日本に高気圧が張り出しやすい状態になっていた。これに対し,全面高気圧が多く現れた1994年は,南アジア高気圧の中心がイランとチベットの両方にあって,日本列島が広く大陸からの高気圧に覆われている。このため,北太平洋高気圧の西への張り出しが容易となるだけであなく,上層は大陸からの高気圧に覆われて猛暑年となったものと思われる。したがって,名古屋の猛暑傾向は,イランを中心とする南アジア高気圧の盛衰に左右されていることが判明した。
著者
大和田 守 岸田 泰則 Seegers Rainer
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.199-201, 2007
参考文献数
8

2006年8月26日,長野県奈川村入山で採集をしようとしていたところ,午後5時頃から日没前に小型で白色の蛾がたくさん飛んでいた.蛾は樹冠部すれすれを素早く不規則に飛び,ときに森の内部にも入ってきていた.このうち5頭を採集することができたが,すべてウススジギンガの雄であった.その場所で灯火採集も行い,ギンガ類をできるだけ採集し固定したところ,ハルタギンガ,クロハナギンガ,アイノクロハナギンガ,ヒメギンガ,ウススジギンガ,エゾクロギンガの6種が混ざっていた.昼間飛翔していた蛾は,明らかに何かを探しているように見えた.採集できた5頭ともウススジギンガの雄であったことから,飛んでいたギンガがすべてウススジギンガの雄であった可能性が高いし,この飛翔が交尾のためのウススジギンガ雄の通常の採雌行動と推定できた.